ナビィの恋(1999年、日本)
【監督】中江裕司
【出演】
西田尚美
平良とみ
登川誠仁
平良進
村上淳
津波信一
嘉手苅林昌
大城美佐子
嘉手苅林次
アシュレイ・マックアイザック
兼島麗子
山里勇吉
吉田妙子
感想(2014年7月5日、TV録画にて鑑賞)
沖縄発のローカル映画です。都会での生活に疲れ、沖縄の小さな島・粟国島に里帰りした奈々子。
奈々子を温かく迎えるナビィおばぁと恵達おじぃ、そして馴染みの島民たちや風来坊の福之助らに囲まれて、奈々子の久しぶりの休暇は過ぎていく。
しかし、奈々子にはひとつ気がかりなことがあった。
それは島に来る際に連絡船で見かけた白いスーツの老紳士のことだった。
サンラーと呼ばれるその老人は、60年前にナビィおばぁと大恋愛の末に引き裂かれた男だったのだ。
島から追放されたサンラーが戻ってきたことで、島は大騒ぎになってしまうが……。
沖縄の民謡とか生の音楽に溢れた作品。
内容はとても単純で、おばぁが昔生き別れた恋人と駆け落ちするとかしないとかで孫娘がハラハラするだけ。
特に衝撃の展開も無いし、とんでもない結末もない感じ。
いや、けっこう衝撃の展開なんだけど、そう感じさせないのんびりほのぼのした雰囲気なんですかね。
主演は西田尚美。最近はNHKのコント番組でオバサンオバサン言われてて可愛そうですが、モデル出身なんだぞこの人。
ナビィおばぁ役にはNHKの朝ドラ「ちゅらさん」のおばぁで知名度が上がった平良とみ。
他には村上淳とかが知ってる顔でしたが、後は皆さん知らない顔で。それもそのはず地元・沖縄で有名な音楽家(といっていいのか?)の方々が演じていて、おかげで演技よりも生の音楽が楽しめるという風になってます。
それから、平良とみと平良進がかつて引き裂かれた恋人たちの役で出てるというのがなんとも。
まあ、現実で夫婦なら、ああいうラストも仕方ないかなと物語と関係ない部分で納得してしまいましたが、もしかしてキャスティングの時点で狙ってたのかな。
音楽の要素を除けば、けっこう退屈な映画で。
2人の男の間で揺れるおばぁの葛藤とか、主人公の心境の変化とかも希薄な感じです。
気づけば皆でカチャーシー踊ってた……でもこれでハッピーエンドなのかい?みたいな。
何も大したことは起きないけど、一方で幼馴染みのヤらせてアピールがウザかったり、個人の幸福よりも家を存続させることを優先させる田舎特有の風土・風俗、そんなものが際立ってました。
シティボーイ(笑)の私としてはマジありえねー価値観がそこにあって。
でも清濁併せ呑んでやっていくのが田舎なのかな、と。綺麗なものだけではないよ、と。
あと邦画のくせして日本語字幕出てくるのが最初笑いましたね。
島民同士は琉球語で喋るというリアリティを追求した結果だと思います。
恵達おじぃなんか、琉球語の中に英単語混ぜてくるようなキャラでしたからもうカオスでした(笑)
明白な言葉の壁がそこにはあって、将来は沖縄でのんびり暮らそうなんて甘い考えは消えました、……かもしれません。