感動器官

笑い、涙、鳥肌、私たちの感動を現出させる器官。

2014年07月

【映画】ナビィの恋



ナビィの恋(1999年、日本)

【監督】
中江裕司
【出演】
西田尚美
平良とみ
登川誠仁
平良進
村上淳
津波信一
嘉手苅林昌
大城美佐子
嘉手苅林次
アシュレイ・マックアイザック
兼島麗子
山里勇吉
吉田妙子

感想(2014年7月5日、TV録画にて鑑賞)

沖縄発のローカル映画です。



都会での生活に疲れ、沖縄の小さな島・粟国島に里帰りした奈々子。
奈々子を温かく迎えるナビィおばぁと恵達おじぃ、そして馴染みの島民たちや風来坊の福之助らに囲まれて、奈々子の久しぶりの休暇は過ぎていく。

しかし、奈々子にはひとつ気がかりなことがあった。
それは島に来る際に連絡船で見かけた白いスーツの老紳士のことだった。
サンラーと呼ばれるその老人は、60年前にナビィおばぁと大恋愛の末に引き裂かれた男だったのだ。
島から追放されたサンラーが戻ってきたことで、島は大騒ぎになってしまうが……。



沖縄の民謡とか生の音楽に溢れた作品。
内容はとても単純で、おばぁが昔生き別れた恋人と駆け落ちするとかしないとかで孫娘がハラハラするだけ。
特に衝撃の展開も無いし、とんでもない結末もない感じ。
いや、けっこう衝撃の展開なんだけど、そう感じさせないのんびりほのぼのした雰囲気なんですかね。

主演は西田尚美。最近はNHKのコント番組でオバサンオバサン言われてて可愛そうですが、モデル出身なんだぞこの人。
ナビィおばぁ役にはNHKの朝ドラ「ちゅらさん」のおばぁで知名度が上がった平良とみ。
他には村上淳とかが知ってる顔でしたが、後は皆さん知らない顔で。それもそのはず地元・沖縄で有名な音楽家(といっていいのか?)の方々が演じていて、おかげで演技よりも生の音楽が楽しめるという風になってます。

それから、平良とみと平良進がかつて引き裂かれた恋人たちの役で出てるというのがなんとも。
まあ、現実で夫婦なら、ああいうラストも仕方ないかなと物語と関係ない部分で納得してしまいましたが、もしかしてキャスティングの時点で狙ってたのかな。

音楽の要素を除けば、けっこう退屈な映画で。
2人の男の間で揺れるおばぁの葛藤とか、主人公の心境の変化とかも希薄な感じです。
気づけば皆でカチャーシー踊ってた……でもこれでハッピーエンドなのかい?みたいな。

何も大したことは起きないけど、一方で幼馴染みのヤらせてアピールがウザかったり、個人の幸福よりも家を存続させることを優先させる田舎特有の風土・風俗、そんなものが際立ってました。
シティボーイ(笑)の私としてはマジありえねー価値観がそこにあって。
でも清濁併せ呑んでやっていくのが田舎なのかな、と。綺麗なものだけではないよ、と。

あと邦画のくせして日本語字幕出てくるのが最初笑いましたね。
島民同士は琉球語で喋るというリアリティを追求した結果だと思います。
恵達おじぃなんか、琉球語の中に英単語混ぜてくるようなキャラでしたからもうカオスでした(笑)
明白な言葉の壁がそこにはあって、将来は沖縄でのんびり暮らそうなんて甘い考えは消えました、……かもしれません。




【映画】オール・ユー・ニード・イズ・キル



オール・ユー・ニード・イズ・キル
(2014年、アメリカ)

【監督】
ダグ・リーマン
【出演】
トム・クルーズ
エミリー・ブラント
ビル・パクストン
ブレンダン・グリーソン
ノア・テイラー
キック・ガリー
ドラゴミール・ムルジッチ
シャーロット・ライリー
ジョナス・アームストロング
フランツ・ドラメー
トニー・ウェイ

感想(2014年7月5日、109シネマズ富谷にて鑑賞)

原作は桜坂洋のライトノベル「All You Need Is Kill」。
日本原作のトム・クルーズ映画として話題になった作品です。



謎の侵略者<ギタイ>によって壊滅状態に陥った近未来の地球。
人類は防衛軍のもとに結束したが、圧倒的な敵の戦力の前になす術はなく、ただ戦死者を増やす一方だった。

戦闘経験もまったく無いまま前線基地に送り込まれてしまった広報担当官のウィリアム・ケイジ少佐は、最前線の戦闘であえなく戦死する。
しかし、死んだはずの彼が目を覚ますとそこは出撃前の基地だった。

戦死する度に出撃前の時間に戻ってしまう奇妙なタイムループから抜け出せなくなったケイジ。
同じくタイムループを経験したことのある女性兵士リタ・ヴラタスキと出会い、訓練することで、ケイジはやがてギタイを滅ぼす糸口を掴み始めるが…。



原作小説、コミカライズ、そしてこのハリウッドによる実写映画と、この「All You Need Is Kill」の世界を堪能して参りましたが、個人的に一番好きなのは原作小説でした。
映画も面白かったですけどね。
多分、原作を知らないで観た人はとても楽しめたんじゃないかと思います。

いろいろと原作から設定が変更されてます。
ラノベや漫画と違っていろんな客層が鑑賞するトムクルーズ映画なので、当然のことかもしれません。
平たく言えば、オタク向けの原作から一般向けの映画になった感じです。

一番大きな変更はギタイとループの関係について。
原作ではタキオン粒子、アンテナ、サーバ、といった物がキーワード。
一方、映画版では、「血液」がタイムループの鍵になっています。

そして、血液をキーにしたことで、原作と違って「明日」が見えてくる展開です。
この辺りは、英題が「EDGE OF TOMORROW」とされていることとも関係してますね。
明日への希望がどんどん膨らんでくるような、そんな描かれ方になってます。

ただ、変更されたループの仕組みには疑問が残りました。
時間が戻った際に記憶以外は引き継がれないという設定に、「血液」は合致してないんですよね。やり直しの時点では、主人公と血液はまだ関係ないはずなんですから。
タイムループの鍵が主人公にあっては駄目なような気がするんですが、その辺はちょっと読み解けませんでした。

また、ラストの展開もタイムループの謎を解き明かしたくせに、見た目の演出にこだわってしまった感じ。
まるで、あのラストシーンが撮りたかったために、そこまでのタイムループ設定を無視したように思えてちょっと残念です。
しかも「オブリビオン」となんだか似てる(笑)

それから、原作が持っていた、経験した時間の差が生み出す切なさも、映画版だとほんのちょっとしか描かれず残念(´・ω・`)
ラブストーリーとしての側面はだいぶ薄れていましたかね?

170e61b7.jpg


とはいえ、期待通りアクション凄いですしユーモアもあって笑えますし、トムがニヤって笑うと釣られて笑っちゃいますし。
ブラント嬢も美人な上に肉体美も披露していて(二の腕)よかったですよ。
良い意味で安定のトムクルーズ映画でした。

でも、ドジっ子整備士シャスタちゃんの枠を、オタク科学者のオッサンに改変したのだけはぜったいゆるさないからな!!!!(笑)

14ee41f8.jpg


原作まだの方はぜひ♪




トランセンデンス



トランセンデンス
(2014年/アメリカ)

【監督】
ウォーリー・フィスター
【出演】
ジョニー・デップ
モーガン・フリーマン
レベッカ・ホール
ポール・ベタニー
キリアン・マーフィ
ケイト・マーラ
コール・ハウザー

*感想(2014年7月1日、MOVIX仙台にて鑑賞)

ジョニー・デップが素顔で主演、クリストファー・ノーラン製作のSFスリラー。
話題性はあったけど映画自体はあまり面白くなかったですね(´・ω・`)



世界初の人工知能PINNを研究開発する科学者のウィル・キャスターと妻のエヴリンは、コンピューターが人間の能力を<超越>することを目指していた。
しかし、反テクノロジーを掲げるテロ組織RIFTの凶弾によって、ウィルの命は残りわずかとなってしまう。

死を待つだけのウィルの意識をエヴリンはPINNにアップロードする。
それは大きな賭けだったが、見事コンピューター内でウィルの意識を構築することに成功したのだった。

だが、人工知能として生まれ変わったウィルは、ネットワークを介してあらゆる情報を取り込み、驚異の進化を始める。
それは、エヴリンの思惑を遥かに超えた行動だった…。



いろんな人が既に言ってるんですが、全然盛り上がれなかった作品です。
「超越(トランセンデンス)」と言いつつ映画自体は平凡な印象でした。
いや、物語の中ではすごいことが起こってるんだけど、だけど…(´・ω・`)
どうもその「凄さ」が伝わってこないというか。

「充分に発達した科学は魔法と見分けがつかない」
まさにそんな感じの現象が頻発するので、悪い意味で「なんでもアリ」になってしまってるんですね。
ナノテクノロジーと万能細胞について特になんでもアリ感がすごいです。

で、メインのSF要素はAI(人工知能)の可能性について。
AIとして生まれ変わった夫が、驚くべき進歩をどんどんもたらしていく…。
その様子に驚きながらも、夫のために行動していく妻…。

しかし、そのAIは果たして本当にかつての夫なのか?
電気信号に変換した意識を再構築した時に、それは同じヒトだと言えるのか?
そんな問いも投げかけられる作品ですが、けっこうラストまで投げっぱなしだったりします。
最終的にはAIになっても愛はあるのかどうか?ってことになっていくんですが、ラストに関わるのでここでは伏せます。

ただ、ですね。
AIの愛(ダジャレじゃないよ!)を否定したとして、それって映画的にすごくつまらないことになるんですよ。
機械に愛なんてないというのが常識ですからね。常識を覆す所に面白味があるわけで。

かといって、AIにも愛があるんだ、という解釈をすると、それもなんかおかしいことになっちゃいます。
それはつまり人の感情は数値化できるということに他ならない。
人の心の動きなんて脳が演算で導いた反応に過ぎないってことになりませんか?

AIの愛を認めることが、逆に人間の「愛」という神聖な部分を否定してしまう。
ボクとキミが出会って恋に落ちたのは、運命でも奇跡でもなく、ただ脳がはじき出した答えに過ぎない、そんなのロマンのカケラもないじゃないですか(笑)
(脳科学を否定するわけではありません)

なので、AIが人を愛することができるか…なんて問題は、そもそも映画に持ち込まない方がいいんです。
どっちにしろなんだかモヤモヤしたことになりますから。

過去にスピルバーグが「A.I.」という映画を撮りましたが、あれは愛を理解できない人工知能に「母親への愛」のみをプログラムしたために、そのいびつな愛が切なさを醸し出していました。
愛には違いないけど、自分を捨てた母親を変わらず求め続けるという機械的な愛の形でした。
その不完全さがある意味人間と共通する部分であり、だからこそ感動を呼ぶのだと思います。

しかし、「トランセンデンス」は完璧な人工知能を謳ってる。
ネットを介して全人類の叡智の集合体となった主人公が、果たして愛などというある意味不完全さの象徴である人間の感情を持ち得るのか…。
まあ、この先はネタバレになりますので書きませんが。
それに、あまりオススメしたい映画ではなかったですね。



ただ、描かれてる現象はいろいろ面白いですね。
とにかくナノテクが最強で、人間をゾンビ化したり、集合意識へと進化させたり…。
主人公のAI化は、むしろナノテクの可能性を現実化させるためのものだったんじゃないかというくらいナノテクに頼ってますこの映画(笑)

まあ、2014年の今ではまだまだ「魔法」のような現象に見えましたが、いつかそんな未来が来るかもしれないと考えると、私は割とワクワクしますね。

【映画】藁の盾

d8eae827.jpg


藁の盾(2013年、日本)

【監督】
三池崇史
【出演】
大沢たかお
松嶋菜々子
岸谷五朗
伊武雅刀
永山絢斗
伊吹剛
高橋和也
余貴美子
吉沢眞人
藤原竜也
山崎努
本田博太郎

感想(2014年6月28日、TV録画にて鑑賞)

あまり私と相性の良くない三池崇史監督作品です……。
原作は警察小説ですが、漫画家・きうちかずひろの小説家デビュー作ということで、けっこうありえない出来事を大真面目に展開してきますね。



政財界の超大物・蜷川のまだ幼い孫娘が、一人の異常者に暴行を受け死んでしまう。
怒りを抑えきれない蜷川は、指名手配中の犯人・清丸国秀を殺した者に10億円を支払うという新聞広告を載せ、動画で日本中に清丸殺害を呼びかけた。

ほどなくして身の危険を感じた犯人の清丸が福岡県警に出頭してくるが、警視庁への移送は通常どおりというわけにはいかない。
護衛役に派遣された警視庁警備部SPの銘苅・白岩らは、清丸を狙う一般市民から殺人犯・清丸の命を守り切ることができるのか……。



莫大な賞金をかけられたクズ野郎を日本縦断しながら警護するSPの話。
設定からしてちょっと漫画っぽいですが、物語が進むにつれてだんだん現実とはかけ離れていく印象。

日本国民すべてが障害、みたいな煽りは早々に「一般人よりも武装した警官の方がヤバい」の一言で否定されてしまいます。
つまり、SPが殺人犯を大衆から守りながら東京を目指す物語ではないんですよね。
あくまでも個VS個という構図になっていて、それはちょっと期待と違って残念でした。
「MONSTERZ」みたいなおしくらまんじゅうとかあるんだと勝手に思ってました(笑)

「警官こそヤバい」ということは、護送作戦のゴールである警視庁こそが最後の危険地帯では?
狙撃手もいるし、機動隊員が防護盾の裏側で何をしているかは分からないわけで。
散々騙されたり裏切られたりしてきた主人公なんですが、しかし警視庁に着いた時には話が全部終わってたという……。ホッとして感動してくださいね、という演出(笑)
いや、そこからまた一悶着あるんじゃないの?そもそも何がゴールしたことになるのかもよく分からない展開なので非常にモヤモヤしました。

あとまさか言わないと思ってたけど、「死んだお孫さんがそれを望みますか?」って安いセリフを案の定言っちゃうTV映画レベルの脚本(´・ω・`)
いや、政財界のドンである蜷川(山崎努)が、死んだ孫娘の弔いのために日本中を巻き込んだ仇討ちをやりますかね?
死んだ人間が仇討ちを望む望まないなど関係なく、自身の憤りや犯人への憎悪のために自己中心的な行動だと自認した上で、それでも金持ちってやつは自己中をやるんじゃないでしょうか。

少なくとも序盤の清丸殺害を国中に指示した蜷川は、もうこの年寄りに何言ってもムダだという雰囲気を出していたと思うんですが。
それはある意味、もう更生の余地なんてなさそうな快楽殺人者・清丸と通ずるものがありました。
でも、「死んだ人間が復讐なんて望むのか」なんて使い古された言葉で「ぐむむ……(´・ω・`)」となってしまう蜷川。
山崎努の無駄遣いですよ、こんなの。もっと最後まで「老害」っぽさを貫いてほしかったです。




【映画】スピード・レーサー


スピード・レーサー(2008年、アメリカ)

【監督】
ラリー・ウォシャウスキー
アンディ・ウォシャウスキー
【出演】
エミール・ハーシュ
クリスティーナ・リッチ
ジョン・グッドマン
スーザン・サランドン
マシュー・フォックス
ロジャー・アラム
ポーリー・リット
ベンノ・フュルマン
真田広之
Rain
リチャード・ラウンドトゥリー
キック・ガリー

感想(2014年6月24日、DVDにて鑑賞)

「マトリックス」の監督ウォシャウスキー兄弟が日本のアニメ「マッハGoGoGo」を実写化したレース・ムービー。
世間の評価は低いようですが私は好きですね。



レーシングカーの設計技師である父と、天才レーサーの兄を持つ少年スピード。
しかし、スピードが幼い頃、兄はレース中に事故死してしまっていた。
兄の後を追ってレーサーになったスピードは、今や新進気鋭のレーサーとして注目される存在になっていた。

そんなスピードの技術に目をつけた大企業の社長ローヤルトンは、スピードに契約レーサーになるよう誘いをかけてくる。
しかし、スピードはそのオファーを断った。
激怒したローヤルトンはレース業界の驚くべき内幕を暴露する……。



ウォシャウスキー兄弟が作るアニメチックな極彩の映像世界。
「実写化」と言っても人間以外全部CGみたいな感じなので、実写映画の中ではかなりアニメっぽい雰囲気(笑)
天才てれびくんのスタジオの光景にちょっと似てるかも。

ハッキリ言って目が疲れるくらいの描き込まれようなんですよ。
そこへきて、まったく妥協のないスピード感なわけで、正直何が起こってるのか分からないということにもなりかねないシーンの連続です。

さらに冒頭からレースシーンがあるんですが、現在のスピードのレース、過去の兄のレース、スピードの幼少期とかいろいろフラッシュバックさせて説明するんです。
過去と現在の行ったり来たりがひとつのレースにリンクするんですが、それがもうとても刺激的で。

この冒頭の編集・演出でかなり心掴まれた感じはします。
(で、この別の時間の出来事を刻んでひとつのシーンに並べ替えちゃうという試みは、「クラウド アトラス」でやってるのと同じですよね、たぶん)

ストーリーは割りと単純な方でしょうか?
レース業界の不正に気づいたスピードがそれを暴くために危険なレースに参加するという展開。
複線として、死んだはずの兄の姿を追い求める弟、という描写もあります。
スピードのガールフレンドを含めたファミリーが活躍する物語で、敵が大会社の悪徳社長ということで、資本主義とかグローバル主義に対する批判も少し込められているのかも。

脇役で起用された韓国人俳優が、日本人役の設定をムリヤリ韓国人に変更したりとムチャをなさったため、日本ではその俳優が叩かれる形で評価を低くする向きもあるのだと思います。
アメリカでヒットしなかったのは別の要因だと思いますが。

ただ、エンディングでは原作アニメの主題歌をリミックスした曲が流れるなど、監督らの原作愛は感じられる作品です。
やっぱりアニメ原作の映画は、エンドロールでアニメ主題歌を流すべきだよなー、それをなんで聖闘士星矢はYOSHIKIなんだよ…と、改めて思いました(´・ω・`)

【映画】88ミニッツ



88ミニッツ(2007年、アメリカ)

【監督】
ジョン・アヴネット
【出演】
アル・パチーノ
アリシア・ウィット
エイミー・ブレネマン
リーリー・ソビエスキー
ウィリアム・フォーサイス
ベンジャミン・マッケンジー
デボラ・カーラ・アンガー
ニール・マクドノー
リーア・ケアンズ
スティーヴン・モイヤー

感想(2014年6月24日、TV録画にて鑑賞)

アル・パチーノ主演のサスペンス。
うーん、凝ってるのは分かるけど複雑すぎてあまり好きじゃないですね(´・ω・`)



主人公はFBI異常犯罪分析医のジャック・グラム。
1997年、彼は連続猟奇殺人事件に犯罪分析医の立場から証言し、容疑者ジョン・フォースターの有罪判決を決定づけた一人。
フォースターにはその後死刑判決が下った。

9年後、フォースターの死刑執行の朝。大学で教鞭をとっていたジャックの教え子が連続殺人の犠牲になる。
犯行の手口は9年前の猟奇殺人と同じで、フォースターは犯人ではないとのメッセージが残されていた。
ジャックが秘書に教え子の行動を調べさせる指示を出したその直後、ジャックの携帯が鳴り、謎の人物が「お前はあと88分で殺される」と告げてくる。



88分後の死を告げる脅迫電話。
それは、犯罪分析医の主人公の証言で有罪になった猟奇殺人犯の復讐なのか?
……こんな面白そうな題材であるにも関わらず、ただややこしいだけの映画になっちゃってるのが残念です。
細かく情報を整理していけば一応納得できるストーリーらしいですが、なんか小難しいし、もうけっこう忘れてしまいましたし(笑)

「お前はあと88分の命だ……」っていう嫌な電話がかかってくるんですが、前半はけっこう嫌がらせ的にかかってきます。「あと80分だ……」「あと76分だ……」って頻繁すぎやしないか?
んで、後半の方はほとんどその「時報」がかかってこないんですよ。おいおい犯人めんどくさくなってないか?(笑)

実は、残り88分と宣告されてからクライマックスまでちゃんと88分で構成されてるらしいんですが、映画の最中にチラチラ時計見ませんし、後半の「時報」がないために時間感覚も分からなくなり、体感ではキッチリ88分の感動も驚きもありませんでした。
次からは画面の下隅にでもタイマー表示してください(´・ω・`)

ストーリーの方も推理や捜査で進んでいく話とも言えず、ただ秘書に「これ調べとけ」って電話で指図するだけですからね。
ほんと秘書さん文句言わずに甲斐甲斐しく働いていました(*´ω`*)
主人公は電話しながら歩き回ってただけ……。

やはり、犯罪分析医が過ちを犯したかもしれないという部分や、そもそも犯罪分析医の仕事ってなんなの?とか、そういう部分に時間を割いてほしかったですね。
もっと心理的なアプローチでも良かったのでは、なんて思いました。




【映画】バッド・ティーチャー



バッド・ティーチャー(2011年、アメリカ)

【監督】
ジェイク・カスダン
【出演】
キャメロン・ディアス
ジャスティン・ティンバーレイク
ルーシー・パンチ
フィリス・スミス
エリック・ストーンストリート
ジョン・マイケル・ヒギンズ
ジェイソン・シーゲル

感想(2014年6月24日、TV録画にて鑑賞)

主演のキャメロン・ディアスにピッタリなコメディ映画。



教育に対する熱意はゼロで、玉の輿に乗ることばかり考えている女教師エリザベス。
自堕落な生活を送っていた所へ、有名時計ブランドの創業者一族の出であるイケメン教師が転勤してきて、エリザベスは目を輝かせる。

男を振り向かせるために豊胸手術を決意したエリザベスは、高額な手術費用を稼ごうとあらゆる手を尽くし、同僚教師や生徒たちまでも騒動に巻き込んでいく。



まあ、キャメロン・ディアスが出てるってだけで内容は平凡な映画ですが、ちょっと意表を突かれた部分もあって…。
でも意表を突かれたからといって評価しているわけではないです。

何が意外だったかというと、主人公が成長らしい成長をしない映画だったんですよ。
てっきりバッド・ティーチャーがグッド・ティーチャーに成長変化する物語だと思ったら、最後まで主人公はバッドでビッチだったっていう…(笑)

一念発起してスパルタ教育で生徒たちを優良クラスへと導く展開は、動機が不純なので、主人公の成長とは言えないでしょうね(´・ω・`)
今回は教育者の役ですから動機が不純なのは感動に値しないかと。

普通、人格に問題があってやる気のない主人公出てきたら、物語の中で罰を受けて、反省して成長して良い人間に変わっていくじゃないですか。
そういうのないんですよこの映画。
エリザベスの男の趣味には変化あったみたいだけど、基本、始まりと終わりで主人公に変化ありません。

バッド・ティーチャーな主人公と対照的に、面白くて熱意を持っていて生徒からも同僚からも信頼されているグッド・ティーチャーが出てくるんですが、主人公の視点から描くと面倒くさい偽善者として描かれるんですね。
終盤、グッド・ティーチャーが主人公の本性を暴こうとして逆に自分が堕ちていくっていう展開がありますが、これはただのユーモアなのか、それとも他人の罪を暴こうとすると自分にバチが当たるという教訓なのか(笑)

もし後者だとすると、最初から主人公をグッド・ティーチャーに成長させるつもりなんかなく、この映画は「バッド・ティーチャーが好き勝手する痛快コメディ」ということになります。
まあそれでもいいですが、「バッド・ティーチャーはバッドなままでもいい」と言ってる風にもとれるこの作品は、普通の楽しみ方をさせてくれないという点で意表を突いてくる作品でした(´・ω・`)




【映画】リオの男



リオの男(1964年、フランス/イタリア)

【監督】
フィリップ・ド・ブロカ
【出演】
ジャン=ポール・ベルモンド
フランソワーズ・ドルレアック
ジャン・セルヴェ
ロジェ・デュマ
ダニエル・チェカルディ
アドルフォ・チェリ
ミルトン・リベイロ
シモーヌ・ルナン

感想(2014年6月24日、TV録画にて鑑賞)

フランス、イタリア合作のアクション・コメディー。
ジャン=ポール・ベルモンドのドタバタ映画です。



パリの博物館からブラジル古代文明の小像が盗まれる。
考古学者カタラン教授によると、その像は3年前に、教授とビレルモザ氏、ブラジルのカストロ氏が発掘したもので、3人は3個の小像をそれぞれ1個ずつ持ち帰ったのだった。
残る小像はあと2つ。そんな折、像のありかを知っているビレルモザの娘アニエスが何者かに連れ去られてしまう。

ちょうどパリに滞在していたアニエスの婚約者アドリアンは、必死にアニエスの後を追いブラジル行きの飛行機に乗り込むが……。



あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!
「さらわれた恋人を追いかけていたらいつの間にかブラジル行きの飛行機に乗っていた!」
な……何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった……。

まあネタはともかく、延々と追いかけっこが続くアクションコメディです。
以前に見たジャン=ポール・ベルモンド主演の映画「コニャックの男」と内容もタイトルも似たような感じ。
舞台や設定はいろいろ違いますが、追いかけっこしてる点では同じかな(´・ω・`)

ちなみにジャン=ポール・ベルモンドの出演作を調べたら、「リオの男」「コニャックの男」の他に「カトマンズの男」「タヒチの男」ってあるんですけど、特に関連のない作品を同じ文法で紹介するとかややこしいですね(笑)




【映画】青春の海(1967)



青春の海(1967年、日本)

【監督】
西村昭五郎
【出演】
吉永小百合
和泉雅子
高須賀夫至子
小倉一郎
川地民夫
渡哲也
和田浩治
山内賢
笠智衆
浜村純
新井麗子

感想(2014年6月23日、TV録画にて鑑賞)

珍しく一昔前の邦画を。
吉永小百合・渡哲也出演。港町の中学校に赴任した生真面目な女教師が、ヤクザな男と出会い反目しながらも恋に落ちる青春物語です。



中学校教師の杏子は、気が強く真面目すぎる性格が災いして東京から地方の漁師町の中学校に左遷されることに。
ちょうど仕事を辞めてきた妹と共に電車に乗り込むと、ガラの悪い男と向かい合わせになってしまい幸先の悪い旅の始まりとなった。
たどり着いた下宿の隣には、老いた父親と、歯医者を営む長男を始めとした兄弟たちが暮らしていた。

学校に出勤し始めるとすぐに問題児を見つける。
学校にバイクで登校してくるタケシという生徒だった。
心配に思った杏子はタケシの家に家庭訪問するが、そこでタケシと花札をしていたのは電車で乗り合わせたチンピラ・山崎次郎だった……。



家を出て行ったヤクザな次男坊を渡哲也、生真面目な女教師を吉永小百合が演じます。
吉永小百合さん20代前半の頃の作品だけど、そこまで若くは見えなかったですね。演技か(笑)

昔の映画って演技というか、セリフ回しが真っ直ぐ過ぎてちょっと笑ってしまいましたね。
思ってることを素直に口にする感じ。

あと語尾とかも、「~だわ」とか既に死語になってるような言葉が出てきますから、逆に新鮮ですよね。
現代と地続きで繋がってる過去に撮られたとは思えないんですよね。

物語はコミカルな面もありますが、ちょっと重い青春の物語。
出会いのシーンからフラグ立ってますけど、生真面目な女教師がチンピラと恋に落ちてしまいます。
しかし、相手はヤクザな男。教職を捨ててまで追いかけて行ってしまっていいのか、その葛藤などが描かれます。




吉永小百合が真面目な姉役で、和泉雅子が自由気ままな妹役なんですが、どっちかというと和泉雅子さんの方が可愛い映画でしたね。

姉「泣き虫!」
妹「だってぇ~(´・ω・`)」
姉「弱虫!」
妹「だってぇ~(´・ω・`)」
姉「甘えん坊!」
妹「だってぇ~(´・ω・`)」
姉「……バカ……///」

何wなんなんですかこの台本めっちゃ萌えるんですが(笑)
とても仲の良い姉妹で、こんな姉妹最近どっかで見たなあと思ったら、「アナ雪」ですよ。
姉がチンピラとの恋にレリゴー、レリゴー♪妹がソッコーで男と仲良くなっちゃう内容も類似してますね。



【映画】超高速!参勤交代



超高速!参勤交代(2014年、日本)

【監督】
本木克英
【出演】
佐々木蔵之介
深田恭子
伊原剛志
寺脇康文
上地雄輔
知念侑李
柄本時生
六角精児
市川猿之助
石橋蓮司
陣内孝則
西村雅彦
甲本雅裕
近藤公園
忍成修吾
和田聰宏
冨浦智嗣
舞羽美海
前田旺志郎
菊千代(猿)

感想(2014年6月23日、MOVIX利府にて鑑賞)

江戸時代の参勤交代を題材にした時代劇コメディ。



江戸時代、八代将軍・徳川吉宗の治世。
磐城国の小藩・湯長谷藩の藩主・内藤政醇(ないとう まさあつ)は、江戸での勤めを終えて湯長谷に帰国した。
ところがそれから間もなくして、江戸幕府老中・松平信祝(まつだいら のぶとき)が「5日のうちに再び参勤交代せよ」という無理難題をふっかけてくる。
湯長谷藩が所有する金山に目をつけた信祝は、金山を手に入れるために湯長谷藩を取り潰そうと企んでいたのだ。

石高1万5000石の湯長谷藩には蓄えもなく、参勤するための金も人も時間もない。
家臣たちは慌てふためくが、政醇はあえて理不尽な参勤を受け入れることに決める。
家臣一の智恵者である家老・相馬兼嗣(そうま かねつぐ)は、少人数で山中を走り抜け、幕府の監視のある宿場のみ人を雇って大名行列を組むという案を挙げるが、果たして……。



ギャグ満載のユルフワ時代劇と思って観に行ったら、ちゃんと期待に応えてくれて嬉しかったです。
お人好しの殿様を演じた佐々木蔵之介、田舎侍を演じた面々、特に西村雅彦が笑いのキーというかネタになっていて個人的にツボでした。
他の観客と一緒になって笑わせてもらいましたね。

笑いだけでも充分だったんですけど、不覚にも中盤でグッときて泣いてしまいました。
そう、この映画、けっこう泣けます。
何故か?たぶん藩士たちが絶望的な状況に置かれながらも困難に立ち向かう姿が描かれるから。

構図として、中央の横暴な政治によって地方が苦しめられるという構図になっており、それにもめげずに立ち上がる姿は私の心に響きました。
おそらく、これは日本中の誰もが少なからず抱いている不満を代弁してくれる映画になっているのでは。私が東北人だからということではなくてね。
ピンチで「共助」する姿とか、ご都合主義じゃん!と言われそうな展開ですが、それがもう美しい助け合いの精神として素直に感動できるんですよね。いや、素晴らしい。

さすがに中盤以降、余計に思えるドラマが展開したり、終盤でなんかとっ散らかってたし、スマートに終わらなかったのが気になりましたけど、そもそも大傑作を期待してなかった映画なので、満足度で言えばかなり満足です。
笑って泣けて良い映画ですし、このレベルの気楽な邦画がもっと作られてほしいな、と思いました。
今の人は映画に大作とか傑作を求め過ぎなんですよね。だからみんな深刻な話になってしまう。
もっと映画館に気楽に足を運ぶべきで、気楽に観るべき映画はちょうどこういう感じなんだと思います。

唯一文句言いたいのは、またもや主題歌。(昨日の別のレビューでも書きましたがw)
塩ノ谷早耶香という女性ヴォーカリストの「Like a flower」という曲なんですが、何故ごく普通のJ-POPが採用されたのか謎です。
「feeling~♪じゃねえよ、なに時代劇に英語持ち込んでんの(笑)」って思いながら聴きました。(もしかしてこれもギャグのひとつなのか)

ちなみに映画本編には英語やカタカナは出てこないので、ギャグをやりながらも時代劇としてのリアリティは保ってたんですよ。
それが、まあエンドロールで何の未練もなくバッサリ斬り捨てられるという……(笑)
曲に罪はありませんが、コレジャナイ感が漂ってました(´・ω・`)




当ブログのやる気スイッチ
ブログランキングならblogram
ブログ内記事検索
タグ
ギャラリー
  • 「ちはやふる 上の句」広瀬すず演じるヒロインの魅力が作品に説得力を持たせる。
  • 「ちはやふる 上の句」広瀬すず演じるヒロインの魅力が作品に説得力を持たせる。
  • NEXT ネクスト
  • 精霊の守り人
  • ホワイトハウス・ダウン
  • ホワイトハウス・ダウン
  • 映画 ふたりはプリキュア Max Heart 2 雪空のともだち
  • ダイヤモンドの犬たち
  • 「ハッカドール ハッカソング0号」カップリング「恋のアルゴリズム」が神曲!
  • 誘拐ラプソディー
  • 4DXでパンツァー、フォー♪「ガールズ&パンツァー 劇場版」
  • 4DXでパンツァー、フォー♪「ガールズ&パンツァー 劇場版」
  • 4DXで「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(ネタバレ)
  • シュトヘル 第2集
  • アレックス・ライダー
  • 映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生
管理人のつぶやき
管理人プロフィール

ゆけち。

映画やアニメを見る側の人。

最新コメント