龍ヶ嬢七々々の埋蔵金
【原作】鳳乃一真
【監督】
亀井幹太
【シリーズ構成】
倉田英之
【キャラクターデザイン】
赤りんご(原案)
川上哲也
【アニメーション制作】
A-1 Pictures
【声の出演】
田辺留依
小野友樹
阿澄佳奈
花澤香菜
興津和幸
鈴木絵理
早志勇紀
能登麻美子
鳥海浩輔
内山夕実
伊藤かな恵
櫻井浩美
細谷佳正
久野美咲
あらすじ
父親に勘当され家を追い出された高校生・八真重護(やま じゅうご)は、学生特区<七重島>へとやってきた。一人暮らしを始める重護が選んだのは、「1K、バス・トイレ別、家具家電その他もろもろがついて月々5千円」という激安物件だった。早速<幸せ荘・202号室>に入居した重護。しかしその部屋には、10年前にこの部屋で殺されたという地縛霊・龍ヶ嬢七々々(りゅうがじょう ななな)が住み着いていた。「その他もろもろ」とは、幽霊付きの部屋という意味だったのだ。七々々を成仏させるためには10年前に彼女を殺した犯人を捜し出さなければならない。そのために必要な不思議なお宝<七々々コレクション>を手に入れるため、重護は七重島第三高等部・冒険部に入部する。感想
ライトノベルが原作のノイタミナアニメ。この春、2014年4月から6月にかけて1クール全11話が放送されました。
1話ずつのレビューはしなかったのですが、一応最後まで見てしまったのでまとめ感想を書いておきます。
■ノーアドベンチャー、ノーライフとは?
美少女地縛霊ヒロインと同居することになった主人公が、ヒロインを成仏させるため奇妙な遺跡を探検し不思議な財宝を手に入れるという構成なんですが、冒険よりも駆け引きに主軸が置かれた内容でした。平凡な主人公だと思っていた八真重護(やま じゅうご)も、第4話くらいで実は怪盗団<祭>の関係者で武術のたしなみがあることが視聴者に明かされるという感じ。
そこからは、名探偵、冒険部部長、祭、主人公と、様々な立場の人間が一つの財宝を狙って騙し合うという構図になり、アドベンチャーというよりはライアーゲームでしたね(笑)
遺跡のトラップも名探偵・壱級天災(いっきゅう てんさい)の活躍でストレートにクリアしてしまうし……。
むしろ宝箱を目の前にしての駆け引きや、財宝ゲットした後の実はニセモノだった本物はもう取られてた云々かんぬんの方がメインでした。
重護が財宝を求める理由は、地縛霊の龍ヶ嬢七々々(りゅうがじょう ななな)を成仏させてやるため。
そのためには10年前に七々々を殺した犯人を見つけ出さなければならないのですが、当時の捜査では犯人には辿りつけず事件は迷宮入りしています。
ならば、島のあちこちにある遺跡に隠された不思議な力を持つ財宝<七々々コレクション>を使って、犯人を見つけ出すことはできないか……。
それが重護の行動理由になってくるわけですが、そもそも七々々コレクションの中に10年前の犯人を見つけ出せるようなアイテムがあるとは限らないわけです。
そして終盤になってくると、七々々にも主人公とは別の思惑があるらしいことが分かってきます。
自分を殺した犯人を見つけ出したいとは言うものの、七々々コレクションの在り処を把握していながら自分ルールを設けて情報を制限したりなど、どこかゲーム感覚なんですね。(無類のゲーマーというのが彼女の個性でもありますが)
むしろ、地縛霊としての現在に満足しており、成仏することを拒んでいるようにも見えます。
その辺の設定が、個人的にはしっくりこなかったですね。
結局、一番にアドベンチャーを見せたかったのか、騙し騙されの駆け引きを描きたかったのか、犯人は憎いけど成仏したくないという微妙な乙女心を描きたかったのか……。
少なくともアドベンチャーに関しては最大のウリにするほどのものではなかったですね。
■女性陣カワイイ
この点だけは評価できますね。登場する少女たち(一部男子含む)がみんな可愛かったです。
まずメインヒロインの龍ヶ嬢七々々(りゅうがじょう ななな)。
七重島の今日の発展に尽力した女傑で、世界各地の秘宝を根こそぎ手に入れたというトレジャーハンター。
しかし18歳の時に何者かによって殺害され、以来地縛霊として幸せ荘の一室に住み憑くようになります。
オンラインゲームとプリンが大好きで、特にプリンは高級菓子店の特製プリンを好むなど味にうるさいが、その出費はすべて同居人(つまり重護)に頼ってるというニート霊。
地縛霊という特性上、部屋の外に出ることができず、いつもは気丈に振る舞っているが実は同居人の帰りを寂しく待っているらしい……。
個人的には、地縛霊がヒロインというのは多分初めてだったので、なんか「動かないヒロイン」のイメージでした。
性格は明るく好奇心旺盛、冒険心がうずうずしてるような子なのに、行動範囲は部屋の中限定。会話の他はゲームしてるかプリンを食べてるか……。
七々々コレクション探しのヒントを与えたり、使い方をレクチャーするゲームマスターのような存在でしたね。
次に、もう一人のヒロインと言っても過言ではない壱級天災(いっきゅう てんさい)。
自称・名探偵。ちみっ子ながらも、自信家で尊大な口調の女の子。
シャーロック・ホームズをそのまま萌え少女にしたような感じでしょうか。
自分は「正義の名探偵」でなければならないと勝手に重護を悪人にしてしまうちょっと奇天烈な性格。
推理力がずば抜けていて、あっという間に遺跡のトラップを暴いてしまいます。
個人的には、七々々よりも好きなキャラですね。
重護と一緒に行動することも多いせいで、抱き合ったりお姫様抱っこされて恥じらう姿が可愛らしかったです。
全編に渡って活躍していたキャラで、むしろこっちこそメインヒロインでしょ、と言いたくなったのは私だけじゃないはず。
名探偵・天災の付き人、星埜ダルク(ほしの だるく)。
メイド服に身を包む褐色美少女、ではなく女装の少年。男の娘。
重護のような体力も、天災のような推理力もなく、ひたすらサポート要員って感じでした。
うん、でも可愛かった……///
設定上は♂ですが、外見は股間以外は完全に少女として描かれてるので、別に┌(┌^o^)┐ホモォ…じゃないはず!
怪盗団<祭>のリーダー格の女性、不義雪姫(ふぎ ゆきひめ)。
重護の守り役だった女性で、体術に秀でています。(この作品のキャラ、けっこうみんな体術に秀でてますがw)
<祭>として七々々コレクションを狙っていますが、<祭>を抜けた重護のことを今も気にかけている様子。
個人的には、第7話での重護との因縁のやりとりがあったので、そこからキャラが立ってきたな~と思いました。
7話の2人の口論はよく分からないけどアツかったですね(笑)
ちなみに上の4人の主要女性キャラ、前髪の形がみんな同じです(笑)
なんででしょう?キャラデザってそういうもの?
■続きは原作で……!?
まあ、見ていて1クールで終わるな…ってのは予想できる内容でした。結局、七々々が本当は何を考えているのかが語られてエンディング。
重護のエキセントリックな日常はまだまだつづく…って感じでした。
まあ綺麗にまとまっていましたが、正直満足度は低かったですね…。
悪役とのバトルも痛み分けで終了、ユンちゃんの件も明かされないままでした。
そもそも原作未読だとちょっとついていけない部分もあって…。キャラの名前がいちいち難解だし、「いっかくしゅんじゅう」って何ですか誰ですか状態?
原作の方は当然まだ続きがあるようで、最終話のCパートでも続きを匂わせるシーンはありましたけどね。
逆に、続きがあって、1クールじゃ収まらない話なのに何故1クールでやろうとした…って話ですけども。
まあ、こんな風に1クールずつ製作して、オンエアの反応を見極めてからでないと2期作れないのが最近のアニメ業界の事情なんでしょうけど、ただそれは、とにかく何でも作りゃあいいってことでもなくて…。
公式ツイッターの方では「続きは原作で…!」なんて呟いてたみたいですけど、現時点で2期決まってないならそれでもいいかなあ…なんて(笑)
まあ、可愛い女の子たちが美麗に描かれていれば、なんだかんだで許せてしまうのも最近のアニメの事情…。
そういう意味で、ごちそうさまでした(笑)