感動器官

笑い、涙、鳥肌、私たちの感動を現出させる器官。

2013年01月

2013年1月に見た映画

1月に見た映画の一覧。

・「DVDにて」はDVDでの鑑賞。

・「地上波にて」はTV放映をリアルタイムでの鑑賞。

・「@~~(映画館名)」は劇場での鑑賞。

・何も付記されてないものはTV放映の録画の鑑賞。





1/1 ショコラ

1/2 デンジャラス・ビューティー

1/5 重力ピエロ

1/6 パーマネント野ばら

1/12 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q @フォーラム仙台

1/13 コクリコ坂から

1/13 アバター 地上波にて

1/14 花とアリス

1/14 AKIRA DVDにて

1/15 MEMORIES DVDにて

1/16 60セカンズ 地上波にて

1/17 スチームボーイ DVDにて

1/19 LOOPER/ルーパー @109シネマズ富谷

1/19 隠し砦の三悪人 DVDにて

1/20 ザスーラ

1/22 蟲師 DVDにて

1/23 グリーン・デスティニー DVDにて

1/24 007 スカイフォール @チネ・ラヴィータ

1/24 ブロークバック・マウンテン DVDにて

1/26 パニック・ルーム

1/27 丹下左膳 DVDにて

1/27 蜘蛛巣城 DVDにて

1/27 特攻野郎Aチーム 地上波にて





今月はTV放映も含めて23本の映画を見ました。
順次レビューを書いていきますが、リクエストあれば優先して更新していきます。
劇場鑑賞は「エヴァQ」(2回目)、「LOOPER」、「007 スカイフォール」の3作品。
(2月中にレビュー書いていきます)


DVD鑑賞の方は、「ルーパー」に大友克洋の影響がみられる…みたいな情報をキャッチしたため、大友克洋監督作品を借りて見たり…(結果としてあまり関係はありませんでしたw)、「ライフ・オブ・パイ」の鑑賞前にアン・リー監督の過去作を見てみたりしました。(同性愛すごすぎる)
あと、父が借りてくる古い邦画を一緒に見たり…。(三船敏郎かっこいい)


来月は「みなさん、さようなら」「ライフ・オブ・パイ」「ダイ・ハード」辺りを観に行く予定です。
あと、「アルゴ」観るチャンスもあるかも?
(でもプライベートがかなり大変な状況だったりします…)

【音楽】Parallel Sign / LAMA

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Parallel Sign (期間生産限定盤)
LAMA

Ki/oon Records, 2012, Japan

Parallel Sign
Seven Swell -based on “Niji”-
Know Your Rights (Short Version)
Parallel Sign (Instrumental)
Seven Swell -based on “Niji”- (Instrumental)
Know Your Rights (Short Version) (Instrumental)
Parallel Sign (Acapella)
Seven Swell -based on “Niji”- (Acapella)
Know Your Rights (Short Version) (Acapella)



LAMA(ラマ)のシングル「Parallel Sign」の限定盤です。
期間生産限定盤のジャケットはアニメ「エウレカセブンAO」仕様。
(ちなみに僕はまだAO見てません…)

「Parallel Sign」「Seven Swell -based on “Niji”-」は挿入歌としてアニメで使用されました。
「Know Your Rights」はアニメの劇伴に歌詞を付けたもの。
そもそもLAMAメンバーであるナカコーがエウレカAOのサントラを作ってるんですよね。スーパーカーが好きだった者としては彼の活躍は嬉しいところ。


「Parallel Sign」は、ナカコーVo.のほどよいテンポのダンスチューン。
相変わらず短めの歌詞を気持ち良く歌ってますね。

この曲、PVがかなり意味不明で面白いのでおすすめ。
個人的に上半身裸の青年がリズムとりながらやってくるシーンが好きです(笑)


「Seven Swell -based on “Niji”-」は、スーパーカー時代から何かと縁のある電気グルーヴの名曲「虹」をリビルド(再構成)した曲。
歌詞やメロディーを改変したりしてるけど(タイトルはSeven Swellなので、エウレカセブンを意識した曲なのかも)、原曲のあのシークエンスやサビはそのまま。

電気もスーパーカーも好きなので、ナカコーとミキちゃんのデュオで「虹」を再現すると知った時はアツかったですね~!(笑)


「Know Your Rights」は、疾走感のあるロックナンバー。
まあでも、やはりLAMAのロックチューンということでキラキラしております。
このシングルにはショート・バージョンが収録されていて、ロング・バージョンはアルバム「Modanica」で楽しめます。


以上の3曲が、オリジナル、インスト、アカペラの3バージョンずつ入ってる計9曲の太っ腹なシングルです。
インスト・バージョンを聴いて思ったんですが、歌無しでも全然魅力が衰えないのがすごいですね♪むしろインストの方が聴き入ってしまいます。

アカペラ・バージョンはなんのアレンジも無しで本当に歌声だけのトラック。
メンバーの牛尾くん曰く、「何かしちゃったりする人は、是非聞かせて下さい」とのこと(笑)
なんか面白いリミックスとか出てきそうな予感♪

【音楽】Heligoland / Massive Attack

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Heligoland
Massive Attack

Virgin Records, 2010, UK

Pray For Rain
Babel
Splitting The Atom
Girl I Love You
Psyche
Flat Of The Blade
Paradise Circus
Rush Minute
Saturday Come Slow
Atlas Air



マッシヴ・アタックのアルバム「ヘリゴランド」です。
オリジナル・アルバムとしては前作から7年ぶり5作目。2010年の作品ですが、現時点での最新作です。

ベスト盤以降の初のアルバムということですが、僕はベスト盤とこのアルバムしか持ってないので、進化がどうとか新たな試みがどうとか語れないです(^_^;)
一つのオリジナル・アルバムを通して聴いたのはこの作品が初めてなので……。
まあ、僕はちょっと背伸びしてマッシヴ・アタック聴いてる人です(笑)


個人的に印象深いのは、「Pray For Rain」
これ多分、雨乞いをモチーフにした曲ですね。
彼ららしいゆったりとした低音から徐々に盛り上がっていき、4:20過ぎたころに恵みの雨が降り出したような、とても気持ちいいパートがやってくる印象深い曲です。

「Psyche」は文字通りサイケなシークエンスが特徴、というか終始シークエンスがレロレロいってる曲です。
こういう異色な曲も好きなんですよねー。

あと、彼らが作り出したトリップホップというジャンルから言えば、「Girl I Love You」とか「Rush Minute」「Saturday Come Slow」などがそれらしい曲ということになるんでしょうか?


どの曲も良いんですけどね。
エレクトロなんだけど、生の温かみがある音楽。でもクールでかっこいい。
落ち着きたい時に聴くんだけど、あっという間に終わってしまう印象の一枚です。

【アニメ】Robotics;Notes #13

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Robotics;Notes ロボティクス・ノーツ
#13「なんという狂った世界」

あらすじ

ドクとJAXAの協力で制作が進むガンつく2。流出したガンヴァレル最終話の映像を調べていたフラウは、サブリミナル画像から母親の残したメッセージに行き着く。君島レポートに真実味が出てくる中、関東に太陽嵐が直撃したというニュースが流れ……。

感想

フラウがヒロインの座を奪おうとしておる……(゜o゜;
ていうか、あの子には恥じらいというものがないのか……?
八汐先輩は異性として見られてないのか……?


それはともかく、いきなり話が進んだ気がする13話。
太陽嵐が関東を襲い、さながら3.11を思わせる状況に……。
とりあえず、「危機」の前哨はやってきたわけで、あとは海翔がこれにどう絡んでいって、どう対処するのか。
相変わらず、話の着地点も何も分からないですね……(笑)

太陽嵐が危機ならば、太陽の活動を沈静化させることが危機回避なわけだけど、それってモノポールを携えた高校生にできることなんだろうか?
でも「オタクが地球を救う」ってコピーだしなあ……。救うんだろうなあ(笑)

とりあえず、次回でフラウ編を回収するだろうし、そこで今回の騒動(アカウント乗っ取りなど)にも決着つくんでしょうか?
もう、散らかしまくったピースをどうはめていくのか、それが一番気になりますね。

今回はとにかく、フラウの一人ボケツッコミといつになくシリアスな展開が良かったですね。
アツかったです。次回以降のさらなる加速に期待♪

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心配してたモノポール、久しぶりに出て来ました。
二つに割るとかドクすごいわ……。
あと、バーニア造るとか……ドクすごいわ……。



【アニメ】PSYCHO-PASS 第13話

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PSYCHO-PASS サイコパス
第13話「深淵からの招待」

あらすじ

ドミネーターでは槇島の殺人を止めることができなかった。その件を上層部に報告した宜野座は、局長からシビュラ・システムの真実を聞かされる。一方、唯一槇島を見た朱は、記憶から槇島の顔を復元しようと試みるが、それは犯罪係数を高めてしまう危険な方法でもあり……。

感想

今回はいろいろ新たな事実が出てきて、驚くことが多かったですね。
「深淵からの招待」というタイトルがいろんなものを示していて……いやーこれは(笑)


まずは、宜野座と局長の長ーい会話シーンで明らかになったシビュラ・システムの性能。
はっきり言えば、犯罪係数によって即時量刑・処刑を課すシビュラ制度はそれだけでは不完全、ということでしたね。
まあ、視聴者的にはわかってましたけどね♪(`・∀・´)エッヘン!!

槇島のように殺人を犯してもサイコパスが濁らない人間がいることは事実で、その免罪体質と呼ばれる特異な人間が少なからず存在する、ということまで公安局上層部は把握していた……。
しかし、末端の監視官・執行官にはその事実は伏せていた。何故なら、末端がシステムに疑問を持てば、末端を通してシステムを理解する民衆もまたシステムに疑問を持つから……?
世間に対しては「シビュラは完璧なシステム」として押し通す必要があるわけで……。

しかし、免罪体質の人間を放っておくわけにはいかないので、公安局刑事課に生身の人間を配置することで、機械の判断によらずに行動する余地を与えている、つまり現場の判断でしょっぴくべき輩はしょっぴいて来いと……。
シビュラ・システムと生身の捜査官、この二つが揃って完璧なシステムなのだと、局長は言ってましたね。


僕個人的には、この世界はディストピア、シビュラは打倒するべきシステムとして描かれるんじゃないかと思って見てましたが、これで一旦わからなくなりました。
シビュラが不完全なシステムということは明らかになったんだけど、「システム」そのものに朱や仲間たちも含まれているという解釈になってきたので、シビュラを「敵」と一概に言えない微妙な状況。
むしろ、槇島を捕まえるお達しが上層部から出たことで、シビュラとはとりあえず共闘しながら今まで以上に頑張ろうぜっていう希望すら見えてくる展開に……。

でもラストでは……!なんですかアレ!?局長の裏の顔!!わけがわからないよ。
前半で希望を見せておいて、ラストで早くも裏切るんですか!?
施政者の側にいる局長とあの槇島が繋がっていたということは、槇島の目的も「システムの崩壊」ではないということ?
えっと……もしかして誰もシステムに不満持ってない?(いやでも、先週のレジスタンス……)

槇島の真の目的って考えるだけ無駄な気がしてきた……(笑)
まあとにかく、謎は深まるばかりです……。

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その他では、宜野座のサイコパスがちょっと濁ってきたっていうなんだか嬉しい報告が(笑)
ギノって胃に穴開けるタイプだと思いますね……。局長との秘密の共有、言うこと聞かない部下に挟まれてこれからもっとストレス溜めるはず。

さらに、ギノと征陸のとっつぁんの親子関係も明らかに。
これでギノを擁護しつつも容赦なくブン投げた理由が分かりました。愛ですね。
もしかしたら、朱がいつもとっつぁんと組まされるのも、親父を意識してしまうギノの思惑があったのかも。(勘ぐりすぎですかね……?)

ぶっちーがこの親子をどう料理するのか、ハラハラしながら待つことにします(-_-;)
(それとも本広監督が料理するのかな……)


それから、朱は犯罪係数がすぐに下がるという事実も明らかに。
今までは「濁りにくい」という言葉が、本当に濁らない保証なのか、それとも死亡フラグみたいに「濁らない」と言うことで「濁る」ことを暗示していたのか、計りかねていました。
今回は一応科学的に朱の濁りがすぐに消えてしまう体質が証明されたわけですね。

生来のポジティブ体質と言ってもいいかもしれません。
ただ、槇島のような免罪体質とどう違うのか、同じなのかという疑惑も浮上。
さらに、狡噛に「一人前の刑事だ」と認められてしまったことで、今まで以上に苛烈な体験をすることも必定。何より、本人が槇島逮捕のためにサイコパスを犠牲にすることも厭わないくらいですから、自ら危険な所へ飛び込んでいくのは目に見えてますよね……。


「深淵からの招待」というタイトル……。
シビュラの暗部、ギノの濁ったサイコパス、決意を新たにした朱……。
どれも示していたように思うけど、メインの「深淵」はなんだったんでしょう。

っていうか、やっぱり深淵があって、そこへたどり着く物語なんだよね……?((((;゚Д゚))))




【映画】「ホビット 思いがけない冒険」長大なシリーズをさらに長大にする新シリーズ!

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ホビット 思いがけない冒険(2012年、アメリカ/ニュージーランド)

【ジャンル】
ファンタジー/アドベンチャー
【監督】
ピーター・ジャクソン
【出演】
イアン・マッケラン (灰色のガンダルフ)
マーティン・フリーマン (ビルボ・バギンズ)
リチャード・アーミテージ (トーリン・オーケンシールド)
ケン・ストット (バーリン)
マヌー・ベネット (アゾグ)
バリー・ハンフリーズ (大ゴブリン)
シルベスター・マッコイ (ラダガスト)
ケイト・ブランシェット (ガラドリエル)
クリストファー・リー (サルマン)
ヒューゴ・ウィービング (エルロンド)
アンディ・サーキス (ゴラム)
イアン・ホルム (老ビルボ・バギンズ)
イライジャ・ウッド (フロド・バギンズ)

あらすじ

ホビット庄シャイアで平穏な毎日を送るビルボ・バギンズの家へ、ある日突然13人のドワーフが押しかけてくる。魔法使いガンダルフから、邪竜スマウグに奪われたドワーフ王国を取り戻すための旅に誘われたビルボ。しかし、ビルボと仲間たちの行く手には、ゴブリンやオーク、凶暴な魔狼が跋扈する危険な荒野が広がっていた……。

感想 (2012年12月24日、チネ・ラヴィータにて鑑賞)

J・R・R・トールキンの「ホビットの冒険」を原作にした新たな三部作「ホビット」の第一章「思いがけない冒険」。
「ロード・オブ・ザ・リング」三部作のスペシャル・エクステンデッド・エディション鑑賞はこの「ホビット」鑑賞のためでした。
「ホビット」だけでも充分楽しめるとはいえ、「ロード・オブ・ザ・リング」を復習しておけばより深く楽しめると思ったので。

今回は3Dで鑑賞。
今作でピーター・ジャクソン監督は、ハイ・フレーム・レート(HFR)という、通常は1秒間24フレームのフレーム数を48フレームに増やすということをやってます。これによって、モーションブラーや3Dで見た時のちらつきが抑えられるんだとか。
人間の脳は1秒間に55コマくらいの絵を処理していて、48フレームになることでより「普段見ているもの」に近くなり、ストレスフリーになるらしいです。(←何を言っているか分からないと思いますが、書いてる本人もよく理解してません;)
まあとにかく、より滑らかな映像になってるということで、その分目が疲れないらしいです。

ただし、HFRにはそのための設備が必要なので、HFR3Dが観られる劇場はまだ限られているみたいですね。
僕の観に行った映画館は24フレームの上映方式でした。(県内にHFR対応のシアター無いですね、たぶん)
毎秒24コマという規格は80年間も続いてきた方式らしいので、すべての映画が48コマで撮られるようになるには時間がかかりそうですね。

とりあえず、「ロード・オブ・ザ・リング」では三作分を一度に撮影したり、CGにAIを設定して戦場で動きまわるオークを再現したりなど、新しい技術を取り入れることに熱心なピーター・ジャクソン監督が、この「ホビット」ではハイ・フレーム・レートという新技術をまたもや取り入れた……ということですね。

考えてみると、サイレントからトーキー、モノクロからカラー、2Dから3D、そして今回のより人間の視覚に近い48フレームの採用……。映画の歴史というのは、技術の進歩と共に臨場感を追い求めてきた歴史なのかもしれません。
ならば、HFR3Dのその先は……?
10年後、20年後、僕らはどんな映画体験をしているのでしょうか?((o(´∀`)o))ワクワク
(ただ、とりあえず今はHFR、地元に来い!щ(゚д゚щ)カモーン)

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さて、本題に入ります。
昼食後すぐに観たせいもあると思うんですが、午後の眠気を振り払えない内容でした。
170分という、もはや伝統とも言える長尺な上映時間も、まぶたの重い僕には苦痛でしかなく……。(でも寝てはいないです)
やはり、物語のスケール感も「ロード・オブ・ザ・リング」と比べると劣っているのは明らかですしね。
まあそれは百も承知で観に行ったんですけど。なので「まだまだ第1章だからねぇ……」ってのが観終っての感想。

前週に「ロード・オブ・ザ・リング」をDVDで復習していたことも、ある点ではストーリーの補完になってよかったですし、感慨もありましたが、「二つの塔」や「王の帰還」のスケール感と比べてしまうのでかえって過去作は見ない方が良かったかもしれませんね……。
そもそも原作は児童文学だし、今度の敵は黄金が大好きなドラゴンなので、戦争を描くようなことは次作以降もまずないと思います。

次作へ続く本筋以外のエピソードとして、オークの首領アゾグとドワーフの王子トーリンの因縁、エルフとドワーフの確執、謎のネクロマンサー(死霊使い)の復活、などが描かれていましたが、戦争シーンがあるとすれば、ネクロマンサーが操る死者の軍団VSドワーフ・エルフ連合軍、ということになるんでしょうか?
なんにせよ、「王の帰還」を超える規模の戦いではないだろうし、そこには期待してないです。

キャラクター的な面白味もまだまだ序章といった感じ。
13人いるドワーフで王子ばかり目立ってました。もとより13人覚える自信もなかったんですが、王子以外にエピソードが無いのはちょっとね……。(それとも、これもSEEで未公開シーンを付け足して補完するのか!?▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂うわあああああ)


ユーモアを気楽に楽しむべきなのかもしれないですが、それも3時間という長さに埋もれている印象。
序盤、ビルボの家にドワーフたちが押しかけてきてどんちゃん騒ぎをする様子は面白いけど、ビルボが不憫でもあり……。なんだか「とんねるずを泊めよう」を思い出してしまいました。あれもとんねるずを泊めるハメになった芸能人のことが不憫な番組(笑)

今回の旅の仲間はホビットのビルボに13人のドワーフという低身長ばかりで、一人だけガンダルフが人間の身長と帽子で高さを稼いでいますが、基本的には小人の集団。
もっと愉快な旅になってもよさそうなものだけど、常にオークに追われるという緊張感、いざ戦闘が始まるとドワーフたちが勇ましく戦うわけで、どっちかというと全体的にシリアスな雰囲気なんですよね。野太い声で故郷の唄を歌うしね……。
さらに、ドワーフを率いるトーリン王子が髭イケメンで故国の再興を誓い戦う……。これでは笑いを挟む余地はあまり無いように思います。


そんな中で割りと頑張っていたのがゴラム。
ビルボとのなぞなぞ対決で負けそうになったゴラムが、必死に答を絞り出そうとする表情が一番面白かったです。
でも、まあ相変わらずの精神分裂っぷりがハラハラさせられるんですけどね。

今回、ゴラムからあの指輪を奪ったビルボですが、これが「ロード・オブ・ザ・リング」の因果の始まりなんですね。
このシリーズではあの指輪がどんな活躍をするのか楽しみです。(まあでもやっぱりフロドほどの苦難はないと思うけど:)

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映像的な面白さでは、終盤、ゴブリンの巣に迷い込んだ一行が、インディ・ジョーンズみたいな地下世界を走り逃げ回るシーンがアトラクション的で面白かったですね。
エルフの裂け谷を始めとする美しい背景も素晴らしかったです。
あと、山が動き出すのとか、ちょっとファンタジーすぎてもうナニコレ珍百景……!(ある意味でこのシーンのスケールはロード・オブ・ザ・リングに勝ってましたねw)


個人的には、内容がどうこうよりも、ピーター・ジャクソンが「ロード・オブ・ザ・リング」に引き続き監督・脚本を務めていることの方が大事に思えますね。

フロドが、老いたビルボの誕生日を祝うためにやってきたガンダルフを迎えるロード1作目の冒頭。家ではビルボが自伝を書き終えた所。
たしかビルボは「今度はお前の物語を書く番だ」みたいなことを言って、その大きな本をフロドに渡していたと思います。
そしてロード3作目のエンディングシーンではフロドが旅の出来事を本に書き込み、「まだ終わりじゃない」みたいなことを言って、サムに物語の結末(つまりフロドの顛末)を任せます。

で、「ホビット」では老ビルボの誕生日に彼が本の1ページ目を書き始めるところから始まるんですよ。ロード1作目で、ホビット庄にガンダルフが訪ねてくる数時間前から描かれてるんですよね。
おそらくは「ホビット」最終章のエンディングでは、老ビルボが自伝を書き終えるシーンが描かれるんじゃないでしょうか?
つまり何が言いたいかというと、「ホビット」と「ロード・オブ・ザ・リング」は何の時間的な隔たりもなく繋がるんじゃないか、ということです。

仮にそうだとして、「ホビット」三部作が完結した後に、「ロード・オブ・ザ・リング」三部作も含めた6作品を続けて見たとしたら……。

老ビルボが誕生日に自伝を書き始める(ホビット1)
→ 若いビルボの冒険譚(ホビット1,2,3) 
→ 老ビルボ、武勇伝を書き終える。もうすぐパーティー開始(ホビット3) 
→ 老ビルボの誕生日を祝うパーティー。老ビルボは去り、フロドが旅に出る(ロード1) 
→ フロドと仲間たちの冒険(ロード1,2,3)
→ 冒険から帰ったフロド、ビルボの本に続編として自分の冒険を書き足す(ロード3)

つまりつまり、ホビットを見終わってロードが始まった時に、そこまでの「ホビット」の長い旅の内容はビルボがついさっきまで書いていたお話の出来事だった……みたいな感覚に見る側はなるんではないでしょうか?本当は何十年もの時間が経っているのにもかかわらず……。
ピーター・ジャクソン監督はそこまで見越した上で「ホビット」第1章の冒頭をああいう形にしたんじゃないかと。


これって、監督や俳優がシリーズ通して同じじゃないと出来ないことで、さらに三部作一気に脚本を書き同時に撮影しているからこその統一感なんだと思います。
もともと世界中で愛されてる大ベストセラーの映画化ということもあって、それだけお金が集まるんでしょうけど、ピーター・ジャクソン監督はその規模だけに満足せずに新技術や脚本的な面白味を追求しています。
良い意味ですごく貪欲な監督なのかな、と思いました。(昔の写真は食欲が旺盛っぽいけどねw ←失礼;)

なので、この第1章は「眠かった」と言いつつも、第2章・3章には大いに期待している僕なのでした。



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ドワーフ一覧。(次作までに覚えておきますw)

【短編集】ゼロ年代SF傑作選

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ゼロ年代SF傑作選

SFマガジン編集部編
ハヤカワ文庫JA(2010年)
【収録作品】
「マルドゥック・スクランブル“104”」冲方丁
「アンジー・クレーマーにさよならを」新城カズマ
「エキストラ・ラウンド」桜坂洋
「デイドリーム、鳥のように」元長柾木
「Atmosphere」西島大介
「アリスの心臓」海猫沢めろん
「地には豊穣」長谷敏司
「おれはミサイル」秋山瑞人

感想

リアル・フィクション世代と言われる作家の短編・中編を集めた短編集です。
僕がいつも読んでる50年代~80年代の海外SFと異なり、21世紀入ってからの国内SFということもあって、まったく新鮮な感じで読めました。
最近の流行りもチェックしなきゃ駄目だな…と反省。


短編集の始まりは、冲方丁(うぶかた とう)による「マルドゥック・スクランブル」の外伝的な短編。
劇場アニメ化やコミカライズなど、マルチに展開しているシリーズですよね。

自分はまだ本編に触れたことはないんですが、この外伝を読む限りはすごく面白そう。特に壁を歩く男とか。
これはいつか読んで・見てレビュー書こうと思います。(というか、小説の1巻目は購入済み。積ん読になったまま早4ヶ月……)

実は、この短編集の中では一番読みやすい作品でもあったり。
構成や世界観は近未来SFって感じで慣れ親しんでるジャンルでもありますね。


ただこの後の作品がかなり怒涛の展開。
新城カズマの「アンジー・クレーマーにさよならを」は、前時代的なお嬢様学園に通う少女たちが次世代的な価値観を享受しながら暮らす中で、友情を深め合い、最後には百合的な匂いも漂わせるという感じ……。さらにそこへ古代ギリシャの二人の若者の物語が交互に挿入されるという、なにがなんだかよく分からない構成。
新城カズマ氏の別の長編小説の書き換え的意味があるんだとか……。

少女たちが自分の身体情報をネットにアップロードして小銭を稼ぐ「売春」をしていたり、逆に有名人のデータをダウンロードして自分の身体を書き換えたり、時にはウイルスを流し込まれたり、なかなか刺激的で破廉恥な未来像ですね。
でも、現代でも援交とか、バイト感覚でキャバクラで働いたりとかあるわけで、やはりどこか現代と地続きの未来に思えました。


「エキストラ・ラウンド」は、桜坂洋の「スラムオンライン」の後日談的内容の短編。
「スラムオンライン」は、そのタイトルが示すように、オンライン格闘ゲームに熱中する若者がゲーム内でキャラクターを操る物語だそうです。(未読です!)
この短編では「スラムオンライン」では脇役だった忍者のハシモトに焦点を当て、ハシモトを操る山之内純の視点から、現実とゲーム内をリンクさせる形である事件を追います。

これ、SFかというと、舞台は現代だし、最先端科学も超常現象も出てこない物語なんですよね。
でも、ゲーム内のキャラクターを操るということについて丁寧に書いてるし、ネットという新たな世界で生きるための流儀みたいなものも描かれていて、そういう異質な文化に触れられるという意味ではたしかにSFなのかも。


「デイドリーム、鳥のように」これはもうクライマックスで衝撃的な真実が明らかになって、思わず最初から読み返してしまう短編。
相手の人生が白昼夢として見えてしまう主人公・里緒が、世界を変容させようと暗躍する組織「機関(オルガノン)」の構成員・巣渡啓市を潰そうと、恋人として彼に近づく物語です。

里緒の見る白昼夢は昔話の形をしていて、その筋書きを変えてしまうと、対象の人間の人生も変わってしまいます。
人間の人生を昔話に例えているんですね。

ただ、この話のすごいとこはそこじゃない……。
だめ……、これ以上は言えない……。

ただひとつ言えるのは、とても「現代サブカル的」だなあ、と。


「Atmosphere(アトモスフィア)」は西島大介による短い漫画。
一見、幼稚な絵柄だけど、けっこうエグいというか、グロい内容を描く人ですね。

これは、後に刊行された長編「アトモスフィア」の原型短編だそうです。
うーん、この短編集、宣伝が多くないか?(笑)


海猫沢めろんの「アリスの心臓」は、明るく、バカで、適度にエロな内容。
終盤はもう書いてあることの意味がまったく分からなくなってきて、逆に爽快。
アルフレッド・ベスターの如く、紙の上で文字を踊らせて遊んでます(笑)


長谷敏司の「地には豊穣」は、神経伝達に関する技術の進歩で、他者の経験を手にすることが可能になった世界を描きます。
ベテラン技術者が長年培ってきた脳が覚えている体の動きを、初心者の脳に流しこむことで、新米技術者もベテランと同じように仕事をこなせる……そういった研究をしている二人の男が主人公。

日本文化に傾倒するアメリカ人と、故郷のことを忘れた欧米的価値観の日本人の対比。
そして、経験を共有することによる文化の破壊、民族性の剥奪も描いていて、けっこう骨太な中編です。



最後の一編は、秋山瑞人の「おれはミサイル」。
これは以前に友達に「こんな設定の面白い短編がある」と教えられていて、タイトルだけは知っていました。

どこまでも続く空を飛ぶ戦闘機の視点から描いた異色の作品。
ある日、戦闘機は自身の電脳世界の中で、発射される時を今か今かと待ちわびているミサイルたちの意思と出会います。

このミサイルの視点から描いたミサイルの矜持が面白いです。
IFFとかRWRとか、よく分からない単語が頻繁に出てきますけど逆にリアル。

それから、戦闘機が飛んでいる空が、どうやらどこまでも果てしなく続く空間で、戦闘機たちの間では「地上」が伝説化しているのも面白かったです。
撃墜されたら永遠に落ちるのだろうか……とか真剣に考えているなかなか切ないお話でもありました。



全体的には、SF的な小道具とかよりも「人間の意識」に関するテーマが多かったかも。
最近のSFが扱うのは未来都市や異星人ではなくて、進歩する日常の中で人間がどんな存在になっていくか、なのかもしれませんね( ー`дー´)キリッ

あと……、「男の娘」ってSF的な存在だと思いました……。

【音楽】HARVEST REMIXES / Dragon Ash

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HARVEST REMIXES
Dragon Ash

MOB SQUAD/Victor Entertainment, 2004, Japan

Canvas (Riow Arai mix)
Landscape (Techno-x mix)
Massy Evolution (STROBO mix)
Morrow(DRY & HEAVY remix)
House of Velocity (mold mix)
Gymnopedie#1 (pulse programming mix)
Byakuya (HOOD mix)
Sakuri Makori (BOTS mix)
United Rhythm (Ganja Kru mix)
Harvest (3rd Force mix)



Dragon Ashのアルバム「HARVEST」のリミックス・アルバム「HARVEST REMIXES」です。
国内外、様々なクリエイターが集結してのリミックス盤。


いきなりRiow Araiの「Canvas」リミックスで勢いよく始まります。
この煽るようなつまづくような高速リミックスがとりあえず一番インパクトあって好きですね。
原曲のことが好きなのも、このリミックスを聴いたからかもしれません。

「Landscape」もメンバー自身によるリミックスみたいですが、これもクラブを意識したものになってます。
楽曲によっては、原曲より好きなものもいくつかありますね。


個人的には原盤ではインタールード的扱いだった「Byakuya」が海外のアーティストHOODによって、ちょっと長めのリミックスになってるのが嬉しいですね。
HOOD自体もちょっと気になるアーティストですし…。

原曲のイメージ壊さずに世界観を広げたリミックスは聴いてて面白いです。
逆に、原曲を思いっきり破壊してまったく違う印象を作り出したりもするから、リミックスって奥が深い…。


ただほとんどの曲で元のリリックが使われてないのはなんだかな~(笑)
ミクスチャー・バンドのリミックスなのでラップ部分を活かしたものも聴いてみたかった気がします。

【音楽】HARVEST / Dragon Ash

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HARVEST
Dragon Ash

MOB SQUAD/Victor Entertainment, 2003, Japan

曲目

Intro
House of Velocity
Posse in Noise
Revive
United Rhythm
Byakuya
Morrow (Alternative Version)
Landscape
Art of Delta
Mob Squad (RITMO ACELERADO RMX)
Episode 4
Massy Evolution
Day 6
Fantasista
Canvas
Gymnopedie #1
Harvest
Sakuri Makori (Secret Track)

感想

Dragon Ashの5枚目のフルアルバム「HARVEST」です。
細かく刻むビートが気持ちいい一枚。


全体的にミクスチャー・ロックです。
このアルバムからギタリストが新加入してるんですけど、ギターフレーズを前面に出した曲が多いですね。

他に特徴としては、やたらリズムが細かいということ。
チャカチャカいってるループに乗ってラップが飛び交っている感じ。


個人的に好きな曲は「Byakuya」や「Canvas」あたり。
「Byakuya」は短いインスト曲なんですが、これがめちゃくちゃクール。
「Canvas」は優しい英詞メロとノイズギター炸裂のサビのギャップがかっこいいですね。

シングルの「Morrow」はやさしくほのぼのとした曲で、癒やし系といえるかも。
同じくシングル「Fantasista」はインストの疾走感と駆け抜ける歌詞が爽快な一曲。
この曲は2002年のFIFAワールドカップのテーマソングとして聴いた人も多いはず。最近では「あらびき団」で使われてましたね(笑)


ラストの「Harvest」はミクスチャーというにはだいぶ癒やし系ポップな締めの曲。
Dragon Ashの成長を感じさせる一曲ですね。

【鑑賞予定】ライフ・オブ・パイ

今、気になっている映画はこれ。

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日

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2013年1月25日公開予定

監督は「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー。
主演は3000人のオーディションから選ばれた新人スラージ・シャルマ。
船旅の途中で嵐に遭った少年パイが、生き残ったトラと一緒にボートで漂流する物語です。

TVCMでも流れてますけど、美しい映像を見るたびに「映画館で観たい」という気持ちが湧いてきました。
3Dについてもあのジェームズ・キャメロン監督が太鼓判を押していたし。
さらにアカデミー賞の作品賞や視覚効果賞にノミネートされて今が旬の映画ですね。

僕の一番の注目はトラがどこまでリアルに描きこまれているのかということ。
CGを担当したのはアメリカのリズム&ヒューズ・スタジオ(R&H)。「ナルニア国物語」でライオン(アスラン)を再現した会社が今度はトラに挑むというね(笑)

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構図似てないかw

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