『ビフォア・サンセット』(2004年、アメリカ)
原題:Before Sunset 監督: リチャード・リンクレイター 製作総指揮: ジョン・スロス 製作: リチャード・リンクレイター、アン・ウォーカー=マクベイ 脚本: リチャード・リンクレイター、イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー 出演者: イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー 撮影: リー・ダニエル 編集: サンドラ・エイデアー 製作会社: キャッスル・ロック・エンターテインメント 配給:ワーナー・インディペンデント・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザーズ 上映時間: 77分 前作:恋人までの距離
【あらすじ】
ジェシーとセリーヌのウィーンでの出会いから9年後。あの一夜のことを小説に書いたジェシーは、小説のプロモーションの一環でパリの書店を訪れる。そこでインタビューを受けていた時、ふと横を見るとセリーヌが立っていた。ほほ笑むセリーヌと、驚くジェシー。ジェシーの飛行機が出るまでの短い間、二人は夕暮れのパリを歩きながら思い出を語り合う。
【感想】
(2011年1月3日、TV録画にて鑑賞)
なんの前情報もなしに見ました。
作家らしい男(イーサン・ホーク)が書店で偶然、9年前に旅の途中で出会った女性(ジュリー・デルピー)と再会します。ほんのちょっとだけ9年前の映像とおぼしきうら若き乙女の映像がチラチラと映り、男の断片的な記憶の復活を演出します。
あとの展開は、現在は国連の機関で働いてるらしい女性との会話。
男が出国するまでの僅かな時間を、喫茶店に入ったり、パリの街を歩いたりしながら、思い出話をしたり、お互いの近況を話したり……。その会話を聞きながら、2人しか知らないことが明かされたり、話が核心的な方向に進むようで進まなかったり……。自然な会話と移動しながら少しづつ変わるパリの景色を楽しむ映画のようです。
実に面白く見させてもらいました。
民放を録画して見たので途中で当然CMが入るんですが、CMが終わっても2人はまだ同じところを歩いていて、CM前の会話の続きをしてるんです。あまりにも徹底した演出にはウケました(笑)
で、実はレビューを書こうと映画情報を確認したら、この「ビフォア・サンセット」は1995年の映画「恋人までの距離」(現在は原題を反映した“ビフォア・サンライズ”に改題)の続編だったのです。まったく続編とは思わずに見てました(恥;
それで、若いジュリー・デルピーの映像が流れたわけか~、最初から最後まで説明不足な会話はそのためか~、とがっくりしつつも納得。気づく要素はあったのにね。まさか続編とは思いませんでした。9年前にこの2人に何があったんだろうと、想像しながら楽しむ映画と思ってました。
思えば、去年も同じくTV放送で「羊たちの沈黙」の続編である「ハンニバル」を、続編とは知らずに見てました。
まあ、続編と知っていたら前作を借りてくるかどうか……どっちにしろ続編から見るかもしれませんが(笑)
最低限の情報は仕入れるべきなのかな~。でもめんどくさいな~。
でも、この「ビフォア・サンセット」が素晴らしいところって、僕のような前作を見てない人がいきなり見ても、男女が会話してるだけなのに、それなりに楽しめるということなんですね。
っていうか、映画とか関係なく男女の会話はもともと楽しめるのかもしれません。
その後2人がどうなったのか、決定的なことは描いてないし、飛行機に間に合ったのかすら分からない終わり方でしたけど、とても粋なラストでしたし、あーゆーことって世界のどこかで常に起こり続けているんでしょうね♪