前回19話で無事に(?)地球への降下を果たした鉄華団。
20話は、クーデリアの交渉相手・蒔苗氏の思惑と、オルガとビスケットの対立が目立った回だった。
魚を初めて見る鉄華団の反応がかわいい。(火星はテラフォーミングはされていても、生態系は再現されてないのか)
蒔苗東護ノ介(まかない とうごのすけ)はアーブラウの「元」代表で、現在はオセアニア連邦に匿われている状態。
この「元代表」という肩書が厄介で、クーデリアが交渉していたハーフメタル資源の規制解放に関して元代表では何の力も持たないわけだが、オセアニア連邦が盾となってギャラルホルンの介入を防いでいるのは蒔苗の名があってこそでもあるという。
つまり、蒔苗がクーデリアに何の価値もないと見切りをつけてしまえば、オセアニア連邦がクーデリアと鉄華団を匿うメリットはなくなるということ。
ドルトコロニーの労働者解放に深く関わったことで名を上げたクーデリアと鉄華団だが、それによってまた大人たちの思惑に利用されそうになる。
蒔苗をエドモントン(カナダ)まで連れて行き、アーブラウ代表に再選させること。しかしそれはギャラルホルンと繋がりを持つ次期代表候補アンリ・フリュウとの対決を意味する。
好々爺から豹変してクーデリアたちを脅す蒔苗。宇宙へと上がる術を持たぬ彼女たちに選択の余地はなかった。
CGS時代からずっと大人たちにいいように使われてきたオルガとしては当然納得はできない。
自分たちの知らない所でマクマードとノブリスがハーフメタルの利権を分け合う話がついていたことを、モンタークから聞かされたばかりでもある。
自分たちがまだ大人たちと同じ土俵に立たせてもらってないことをよく知るオルガは、「もっと、でかくなりてえんだ」と名瀬に思いを打ち明ける。
大人たちの手のひらで動かされることに納得はできないが、どちらの道にもリスクがあるのなら、上がりの大きい方を選ぶ。オルガらしい選択だった。
だが、そんなオルガのやり方についていけなくなった参謀ビスケットがいた。
ドルトの改革の影でひっそりと死を選んだ兄サヴァラン。
その無念さを知ったビスケットは、オルガの選択の先にある犠牲を見過ごせない。
ずっと自分についてきたビスケットから強く反論され、鉄華団を辞めるとまで言われ、オルガは動揺する。
(そんなオルガの話し相手になるメリビットさんは、お目付役というよりも保護者っぽい。テイワズのお目付け役と言われて寂しそうな表情をする)
オルガとビスケットが互いによく話しあおうというタイミングで、孤島にギャラルホルン地球外縁軌道統制統合艦隊が迫ってくる。
第21話は、カルタ・イシュー自ら率いる部隊と鉄華団との地上戦が展開された。
やっぱりカルタは面白い人だな。
スカイサーフィンしながらのド派手な登場、戦闘中に決めポーズをやって部下が被弾、鋒矢の陣あっさり崩される、部下を次々と目の前で失う…。
けっこうなポンコツ指揮官だと思うんだけど、今日の失敗が明日に繋がることは往々にしてあるので、これからの成長に期待したい。(アインやガエリオにも同じ気持ちがある)
というか、別の指揮官(オーリス・ステンジャの兄)も戦いのセオリーと言ってMS相手に艦砲射撃をしたり(MSのような素早く動く小さい対象物には当たらんだろ…)と、ギャラルホルン自体が実際の戦いを分かってない感じがしないでもないのだが…。
そもそも武器の威力が格段に上がった近代戦闘においては、密集隊形よりも散開した方が有利なわけで、それをあえて密集隊形の鋒矢の陣なんてもので吶喊してくるカルタ隊は、戦術的に中世に戻ってしまっている。
考えてみると、地球圏は戦争状態にあるわけではなく、ギャラホルが唯一の正規軍として専ら治安維持に努めているわけで、となると実戦経験は少ないのではないだろうか。
地球を遠く離れなければブルワーズのような海賊もいないだろうし、その宇宙海賊にしたって本腰を入れて掃討しないからのさばっていたわけで…。
さらに火星ネズミの若者たちは阿頼耶識システムのおかげで感覚的にMSを操縦できる。
これはかなりのアドバンテージだと思うけど、そうなるとやっぱりギャラホルのMSパイロットが三日月たちに敵うはずもないと思う。
今のところ三日月と互角以上に戦えそうなのってマッキーしかいない。(タービンズの姐さんたちの強さもよくわからない)
だからあんまり戦いでハラハラすることはないんだよね。ワクワクはするけど。
その代わりと言ってしまっていいのか、やはり人間ドラマで魅せてくる作品。
オルガとビスケットのすれ違いを描き、わだかまりを残したまま戦闘に突入してしまう展開。
蒔苗の前でビスケットがオルガを強い眼差しで見つめるカットがあったけど、あそこで無言のやりとりがあったんだろうね。この場はビスケットも従ってくれるとオルガは理解した。
でも、「戦いが終わったらゆっくり話そう」なんてこれ以上の死亡フラグはないぞ…。
蒔苗の前でビスケットがオルガを強い眼差しで見つめるカットがあったけど、あそこで無言のやりとりがあったんだろうね。この場はビスケットも従ってくれるとオルガは理解した。
でも、「戦いが終わったらゆっくり話そう」なんてこれ以上の死亡フラグはないぞ…。
それから、遠く離れた火星に残してきた双子の妹たちの描写。
もうね、ビスケット自身の死がどうこうというよりも、クッキーとクラッカが兄の訃報を聞くことを考えて胸が張り裂けそうになる。
これ以上の悲劇はないでしょ。昭弘は弟の死を一人前の男として受け入れたフシがあるけど、年端もいかない子供が大好きな兄の死を知らされるって…ないわ…そんなの耐えられないわ…。
しかもエンディングは第1クールEDの「オルフェンズの涙」で、このED映像のラストカットがトウモロコシのアクセサリー(?)なんだよね…。
おそらくクッキー・クラッカが働くトウモロコシ畑の所縁の品なんだよね…。
おそらくクッキー・クラッカが働くトウモロコシ畑の所縁の品なんだよね…。
これを見た時はさすがにやりすぎだろうと思った(笑)いやーもう最高すぎる。
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
第20話 相棒
第21話 還るべき場所へ
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