2012年から2013年にかけて全12話及び総集編2話が放送された。
戦車を使った武道である「戦車道」が女子の嗜みとされている世界で、大洗女子学園へと転校してきた主人公・西住みほが、仲間たちと共に戦車道全国大会優勝を目指す物語。
茨城県東茨城郡大洗町の実在の建物や街並みがほぼ忠実に再現され、アニメを通した町おこしの成功例としても注目されている。
私も名前くらいは知っていたのだが、戦車と少女の奇妙な取り合わせに興味を持てず、数ある萌アニメの一つにすぎないだろうと高をくくっていた。
ところが、昨年2015年に劇場版が公開されると、ツイッターでも「ガルパンというアニメは凄いぞ」という話が出始めた。
初めてでも楽しめるし、どうやら萌えだけではないらしい、ということで何の予習もせずに劇場版を観に行った。そして見事にハマってしまった話は既に劇場版の感想に書いた通りだ。
TVシリーズは転校生・西住みほに大洗女子学園での初めての友達ができる所から始まる。
(厳密にはいきなり戦車道の試合風景から始まるのだが、これは第1話で見所を伝えるために後のエピソードを先に持ってくる演出。POV視点での荒地を走る戦車隊が非常に滾る演出だった)
武部沙織、五十鈴華、秋山優花里、冷泉麻子と、主要キャラ5人が出会い「あんこうチーム」ができるまでが第3話までに描かれるのだが、けっこう成り行きというかすんなりというか、そんなに揉めずに戦車道の仲間が集まってくる。
思えばこの作品はそういう世界観の描写とかキャラクター個人の想いに時間を割かないテンポの良さが目立っていた。
さすがにあんこうチームのメンバーについては家庭の問題とか出てくるのだが、その他の大洗チームに関してはほとんど掘り下げない。
というか大洗チームだけで最終的に30人を超えてくるから、全12話で一人ひとりスポットを当てている暇は当然無い。(ただそれでも1年生チームの成長ぶりは感じたし、相手校も個性的で面白かった)
その代わりに第4話では他校との練習試合が早くも行われるし(みんな第1話時点では戦車の走らせ方すら知らなかった子たちがだ)、第5話では全国大会の1回戦が始まる。
個人的には1クールでこの展開って早いと思う。(それでもアンツィオ戦は端折ったが)
前半6話は日常的なエピソードを描いて、折り返し地点からクライマックスに向けて動き出す、みたいな1クールアニメをよく見ていたので…。
だから、毎話毎話必ず戦車が出てくるのはとてもテンポが良いと思ったし、前半の5話6話でサンダース戦という熱い試合を見れたのは嬉しい誤算だった。
たしかにこのアニメ、萌えだけではない。
戦車同士の熱い駆け引きに多くの時間を割いているのだ。
意外にサクサク動く戦車の挙動、そして容赦ない砲撃音、その合間に交わされる少女たちのやり取りが奇妙で面白かった。
無骨な戦車が可愛い声で喋ってるとなんか戦車まで可愛く見えてくるから不思議(笑)
気づけばこの奇妙な取り合わせに完全にハマっていた。
テンポが早いゆえにサラリと描かれるエピソードも多い。
だがそれは、ファンが想像をめぐらせて勝手に補完する余地を残しているということではないだろうか。
最終話はたしかに感動したが少しアッサリした感じもしたのは、一度の視聴では完全に世界観や物語を咀嚼できなかったせいかもしれない。
それは逆に何度も見ることでより楽しくなっていく、繰り返しの鑑賞に耐えうる作品ということだと思う。
ガールズ&パンツァー
【監督】
水島努
【キャスト】
渕上舞
茅野愛衣
尾崎真実
中上育実
井口裕香
福圓美里
喜多村英梨
川澄綾子
金元寿子
田中理恵
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