フィリップ・プティ役のジョセフ・ゴードン=レヴィットが自らの偉業を誇らしげに語りつつ、物語はテンポ良く進む。
語りのパートがちょくちょく挟まれるので、ある意味では淡々としているのだろうか。
この構成には深く感情移入することを拒まれてるような気もする。
とはいえ、ワールド・トレード・センターへの挑戦のミッションは、アクシデントあり、タイムリミットあり、仲間との絆ありのとても面白い展開になっていて、ついに二つの巨塔の間にロープが渡されたシーンでは込み上げてくるものがあった。
個人的ベストカットはロープのアップだ。
いよいよ綱渡りとなり、大成功→わーい!と劇的に終わるのかと思いきや、そこからはずっとプティのターン!
遥か天空でも観客を楽しませようという大道芸人の矜恃なのか、またはロープの先にいる無粋な輩を嫌ってなのか、たぶんその両方なんだろうけど、こうなってくると「命がけの挑戦」には見えなかったりもして…。
そもそも「楽屋」にこだわって衣装を失うとか、けっこう笑える映画だと思う。
ザ・ウォーク
(2015年/アメリカ)
【監督】
ロバート・ゼメキス
【キャスト】
ジョセフ・ゴードン=レヴィット
ベン・キングズレー
シャルロット・ルボン
クレマン・シボニー
ジェームズ・バッジ・デール
セザール・ドムボイ
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