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お待たせしました、2ヶ月ぶりくらいのレビュー再開です。(待ってたヤツなんているのか?)
いやあ、大相撲の初場所が面白くてリアルタイムで見なくなってしまって…。リアルタイムで見ないとなるとレビューを書くモチベーションもだだ下がりで(笑)(←本当は年末から書いてない)
で、昨年末に見た第1クールのシメの回、第13話「葬送」を再度見て感想を再開します。



ブルワーズ編の最後でもあった13話。
タイトル通り、悲しい戦いで散っていった者たちの魂を見送る回だった。
MSで戦った昭弘は生き別れの弟・昌弘を失い、ブルワーズの艦に侵入して急襲をしかけたシノ率いる鉄華団の団員たちも、敵の反撃に遭って多くの死者を出してしまう。

ブルワーズで虐げられていたはずのヒューマンデブリの少年兵たちが、混乱と恐怖の中で鉄華団に歯向かってしまう展開が皮肉。
でも、武装を剥ぎとってしまった後で、オルガは少年兵たちを殺すつもりはないこと、別の所へ売り払ったりする意志はないことを伝える。
そこで初めてお互いが敵対する意味のないことが明らかになる。気づいた時には遅すぎたのだが…。
(ダンテがオルガに「恩に着るぜ」と言ったのは、自分もかつてヒューマンデブリだったことから、ブルワーズの少年兵に同族意識があったのだろう)

死んでいった仲間を見送るために葬式を出してみてはどうかという案が出る。
葬式という文化が廃れた時代。「死んだ仲間とはあの世でまた会える」と信じているオルガは乗り気ではなかったが、彼が「おばさん」と心の中で毒づいた(口に出ていたが!)メリビットの話もあり、鉄華団は初めて葬儀を執り行うことに。
死者の魂がちゃんと生まれ変わることができるようにとの祈りを込めた、オリジナルの葬式だ。
それは、大人に虐げられていた若者たちが犠牲を出しながらも過酷な現実の中で生きる道を模索するという、この物語の前半を締めくくるものとして相応しいエピソードだったと思う。

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ギャラルホルン側では、マクギリスとアルミリアの婚約パーティーが描かれる。
親友のまだ幼い妹に甘い言葉を囁くマッキーがなかなかに気持ち悪かったが、二回目の今回はアルミリアがなんか可愛くて萌えてしまった。(私もたいがい気持ち悪いな)

貴族たちを俗物と捉えているフシのあるマクギリス、そしてガエリオ。
彼らは統率者としての立場からギャラルホルンを俯瞰しているのだろうか。
その一方で、アルミリアを抱き締めるマッキーは、本当にこの乳臭い少女を想っているのだろうか?(なんとなくまだ本心から好いているとは思えなくてな…)



第13話は年末で第1クールのシメということもあって、プライベートな面でも全体的な面でも年明けの展開が気になってしょうがない終わり方だった。
プライベートな面では、三日月とクーデリアの急接近…というか事故、ほぼ事故だろうアレは…(笑)
タービンズの名瀬とアミダ姐さんが人目もはばからず突然のディープキスを始めた時には、日曜夕方に流す番組じゃねえ!と思ったが、その後しっかり三日月が感化されているのはなんか可愛かったな。
三日月だって、そういうの気になる年頃なんだよ!そうだそうだ!

動揺するクーデリアが可愛いのはもちろんだが、それ以上にこの無表情で覚悟を決めているようで、実は中身がからっぽで他人に影響されやすいという主人公が垣間見れたのが良かった。
そもそもクダルとの戦闘中に「お前殺しを愉しんでるだろう!」と指摘されたことが、彼に少なからず動揺を与えたのだ。三日月は平静を装って「こいつは死んでもいいやつだから」とトドメを刺したが、彼の気づかない無意識下で何かを溜め込んでいる。

その押し殺した感情が何かの拍子に表面に噴出してくる。
今回はそれは突然のキスという形だったが、今後三日月にはもっと大きな試練が待っていて、自分が今まで封印してきた感情と正面から向き合うことになる。
その時こそ三日月・オーガスは大きく生まれ変わり、真の主人公となる、そんな示唆が今回のラストにはあったように思う。

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そして、なんともアレなのが、三日月とクーデリアのそんな様子を映し出しつつエンディングが流れる中で、フッと炊事をするアトラちゃんを映し出す演出だ。
うわああああ…となった。これはもううわああああとしか言えない…。
アトラちゃんの知らない所で…うわああああ…。

さらにはクーデリアの支援者ノブリス・ゴルドンが、クーデリア暗殺計画を仄めかしたりとか、全体的な面でも「これは年明けどうなってしまうのか!?」って感じのエンディングだった。
アトラちゃんさえ幸せになってくれれば私は何も言わない…。



機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
第13話 葬送