はじめて「戦車道」に触れ、感銘を受けた作品。
ガルパンってこんな面白いアニメだったんだと。
それまでは名前は知っていても内容にはまったく興味なかった。
というか、この劇場版の予告編を初めて映画館で観た時でさえ、あまり面白そうとは思えなかった…。ハッキリ言ってつまらなさそうとさえ思った。
「感動のTVシリーズ」からのコアなファン向けの作品だろうと決めつけていたのだが、ところがいざ公開されてみるとツイッターで大勢が「ガルパンはいいぞ」と呟き出したのである。
「初めてでも楽しめる」という感想を見たので、流れに乗り遅れるまいとまったくの初ガルパンで観たのが12月の話である。
結果、すっかりガルパンにハマり、TVシリーズとOVAも見てしまった。
やっぱり実際に見てみないと何も分からない。
キビキビ動く戦車による攻防と、大勢の個性的キャラによるアンサンブルが魅力だ。
高速移動する鉄の塊に乗り込んで、女子高生たちが容赦ない撃ち合いを演じる。
作品世界においては、戦車道とは乙女のたしなみであり、全国大会も開催されるスポーツである。
試合では、ライバル校の戦車部隊を相手に知略と根性で戦う。
まず、このタクティクス的な面白さが魅力としてある。
実際の軍事用語が飛び交い、撃破されれば即リタイアというシビアな消耗戦が、荒れ地・市街地に関係なく展開される。
聖地である大洗の街が轟音と共に容赦なく破壊される。
序盤であんこうチームが後続車を先行させるために車道の端に寄るのだが、その時にガードレールに激しく車体をこすりつける。
わざとである。車体が傷付くのも、ガードレールが歪むのも構っていないのだ。
このカットを観た時に「ああこの映画は本物だ」と思った。
ただの萌えアニメというイメージは完全に払拭された。ガルパンはいいぞ。
戦車の中で紅茶飲んでたり、なりきりが痛かったり、キャラクターはあくまでアニメ的であり、その存在自体ギャグだったりする。
個性的というか個性を取ったら何も残らないようなそんなキャラたちなのでやっぱりアニメはアニメなのだけど。
そんな普通に考えて変人な彼女たちも学校への愛着がある。
それが奪われる前半のエピソードは誰でも共感できる寂しさ・不安、青春の儚さがあった。
その中で個性的な彼女たちそれぞれの成長と変化のエピソードが描かれ、戦闘以外のパートもなんだか面白い。
個人的には主役のみぽりんの隊長ぶりが好き。
冷静沈着、的確に指示を出しつつも、雰囲気はおっとりしており、「パンツァー、フォ~」とかもうね、かわいすぎた。ギャップ萌え。
彼女は最初からこうだったのだろうか?それともTVシリーズでの成長があったのだろうか?そんな風に興味をそそられてTVシリーズを見た私は、今では西住隊長が髪をなびかせているだけで見惚れる始末だ(笑)
シリーズを未見でも観れちゃう劇場版だし、観たらシリーズを絶対見たくなる、ガルパンの宣伝としても最高の劇場版だったはずだ。
そしてこのガルパン人気を受けて、4DXでの上映がまもなく始まる。
12月に観た時は混みすぎてて良い席が取れなかったのが唯一の心残りだったので、今度は最高のコンディションで観てこようと思う。
4DXに向けて、パンツァー、フォ~。
ガールズ&パンツァー 劇場版
(2015年/日本)
【監督】
水島努
【キャスト】
渕上舞
茅野愛衣
尾崎真実
中上育実
井口裕香
瀬戸麻沙美
能登麻美子
竹達彩奈
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