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黒の栖 クロノス
(2014年/日本)
【監督】
恩田尚之
【キャスト】
花江夏樹
小野大輔
大地葉
前野智昭
松本夕紀

*感想

若手アニメーター育成プロジェクト「アニメミライ2014」の作品のひとつとして製作された短編アニメ。
製作は「鉄コン筋クリート」や「ベルセルク 黄金時代篇 三部作」のSTUDIO4℃(スタジオよんどしい)。

主人公の高校生・中園真は、幼い頃から「死神」が見えるという不思議な力に悩まされていた。
黒服の男が誰かのそばに現れると、きまってその人間は近いうちに死んでしまう。
しかし黒服の男は真にしか見えず、誰も真の言うことを信じてはくれなかった。

見えるだけで何もすることができず、ただ傍観しているだけの真だったが、ある日死神が学校に現れ、幼なじみの葉月に近づく…。
真は葉月の運命に抗おうとするが…。



特徴的だったのは、作画。とってもヌメヌメ動いている。
普通のアニメって基本止め絵で口パクみたいな感じなのだが、この作品はよく動く。
動き方も少しジャパニメーションとは違って、アメリカ産の2Dアニメーションを彷彿とさせる。

STUDIO4℃のお仕事を調べてみると、マトリックスのオムニバス・アニメ「アニマトリックス」への参加や、バットマンのオムニバス・アニメ、そしてアメリカを本拠として展開するカートゥーン・ネットワークで放送された「トランスフォーマー アニメイテッド」の製作など、海外向けの仕事がけっこう多いようだ。
そのため、この「黒の栖」もアメリカの2Dアニメーションぽい動きになっているのではないだろうか。

この特徴的な作画が、監督のクセによるものではなく、製作スタジオに受け継がれるノウハウだとしたら面白い。
海外のアニメの動かし方をできるプロダクションが、国内にあるというのもジャパニメーションの幅の広さに繋がっていくのではないだろうか。





*以下、ネタバレなので閲覧注意。





アニメミライの他の作品と同じく、テレビシリーズの第1話を想定したような展開。
幼なじみを死神から守ろうとする少年の姿と、死神側の意見の相違からの内紛も描かれる。
最後には主人公が死神の役目を負うことに?(…だった気がする、少し記憶が怪しい)
もしシリーズ化すれば、主人公が死神の立場から人々の人生を見つめ命の尊さを知っていく作品になるのだろうか。

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海外アニメっぽい作画だけど、ヒロインはまあ可愛かったです…。