
僕らのミライへ逆回転(2008年/アメリカ)
【監督】
ミシェル・ゴンドリー
【キャスト】
ジャック・ブラック
モス・デフ
ダニー・グローヴァー
ミア・ファロー
メロニー・ディアス
シガニー・ウィーバー
感想(2015年4月9日、DVDにて鑑賞)
取り壊しが迫っているレンタルビデオ店。
数日店を空ける店長に留守を任されたマイクだったが、トラブルメイカーのジェリーのせいで店のVHSビデオがすべてダメになってしまう。
困った2人は客の見たがる映画を自分たちで勝手に撮影しリメイクと称して貸し出す。
あまりにもチープな出来の「ゴーストバスターズ」や「ロボコップ」が生まれたが、いつしかそれが評判を呼び、店は連日大盛況になってしまう。
ジャック・ブラック主演の映画なんだけどあまりバカすぎることもなく、ミシェル・ゴンドリーの語り口なのでいろんな人に受け入れられるハートウォーミングなコメディなんじゃないだろうか。
特に映画好きにとってはこのテーマはたまらないだろう。
すごいなーと思ったのは、ジェリーとマイクの発想力の豊かさだ。(つまりゴンドリー監督の発想力だが)
ダンボールや廃材や何やらでチープでありながらも名作映画のワンシーンを再現してしまう。
一瞬だったが「メン・イン・ブラック」を撮ってた様子なんか一番すごいと思った。本物のメン・イン・ブラックも実はあーやって撮ってたんじゃないかと思うくらい(笑)
監督の映画愛ゆえの作品だと思うが、それが見事に主人公たちに憑依し、見る者に伝えることに成功している。
また、もう一つの側面として「夢のあるウソ」をつく物語でもある。
当然、リメイクと謳った手作り映画のことでもあるが、もう一つ、この映画にはウソが出てくる。
そして最後にはその大ウソを町民みんなで作り上げていくことになる。
何故、町民たちはそんな与太話に付き合ったのか。
何故ならそのウソには夢があるからだ。
小さな町の住民たちが誇りを持って暮らしていけるウソだからだ。
「嘘から出た誠」とは本来こういう意味ではないが、一つのウソによって町民が一つになり、同じ喜びを共有したことは紛れもない真実だ。
映画愛ゆえのこの作品は、愛ゆえのウソを描いていたとも言えるんじゃないだろうか?
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