フォックスキャッチャー(2014年、アメリカ)

【監督】
ベネット・ミラー
【出演】
スティーヴ・カレル
チャニング・テイタム
マーク・ラファロ
ヴァネッサ・レッドグレイヴ
シエナ・ミラー
アンソニー・マイケル・ホール

感想(2015年2月18日、フォーラム仙台にて鑑賞)

コメディ俳優だと思っていたスティーヴ・カレルが、背筋の凍る演技を見せる。
レスリングの元オリンピック金メダリストが、大財閥の御曹司に射殺されるという実際の事件の真実に迫った伝記映画。

この手の作品ってあまり食指が動かないジャンルなんですが、まあ話題だし、スルーした後から観たくなって後悔するよりも、ということで鑑賞。
観てみると、事件の結末が分かっているせいか、緊張感が全然途切れなかった。
終始、スクリーンから銃を向けられてるような感じ。

でも話自体はとても単純だと思う。
ギクシャクしだした感情が徐々に蓄積されていってある時突然暴発する。

事件をリアルタイムで知ってるならば、関係者の人となりに興味が湧くのだろうけど、この映画によって初めて事件を知った私にとっては、あくまでも「映画」としての受け止め方になってしまう。
「事実は小説よりも奇なり」と言うが、この映画は「小説」として捉えるとありきたりだと思う。

ただ、そのシンプルな構成によって魅力が損なわれているということはなく、ある意味この映画は雰囲気映画なのかな、と思う。
しかも、単に「暗い」とか「寒々しい」とか、それだけではない。
抑えた演出が暖かくも冷たくもない絶妙な居心地の悪さを作り出して、主人公と一緒になって「もうここには居たくない」と思わせる。

結局何を言いたい映画なのか私には分からなかったんだけど(というか、事件の謎を解き明かすことに意味があって何かのメッセージを声高に訴える作品じゃない)、ただただカレル怖い((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルの映画だったんだけど、映画の始まりの方に「愛国者」がどうのと言ってて、そしてラストのあの歓声はとても皮肉だよなと……。