あしたのジョー(2011年、日本)

【監督】
曽利文彦
【キャスト】
山下智久
伊勢谷友介
香里奈
香川照之
勝矢
倍賞美津子
津川雅彦

感想(2015年3月8日、TV録画にて鑑賞)

「あしたのジョー」は見たことがなくて、TVの特番で懐かしのアニメ名シーンとかで得た情報しかないんだけど、さすがにこの実写版は原作ファンから叩かれるだろうなあと分かる出来だった。

役者はそれぞれ自分の仕事をしっかりやっていたし、芝居へのストイックな面も見せてくれたと思う。
じゃあ監督が悪いのか、となりそうだけど、個人的に曽利監督のことは叩きたくない。(←なんだそれw)
曽利文彦は映画「ピンポン」「アップルシード」、綾瀬はるか主演の「ICHI」などが代表作のCG畑出身の映画監督。

そもそも漫画やアニメの実写映画化というもの自体がいろいろ制約があって難しいわけで、安易に企画しちゃダメなんだろうと思う。
ただ、この作品は、仮に漫画原作でなくオリジナル作品だったとしてもいろいろダメだったとは思うが(汗;

説明・描写不足だった気がしたが、TV録画でいろいろカットされているようだったので、不足してる点については黙っておこう。
逆に描写された点については言いたいことが一つだけある。

あの、ノーガード戦法の描写なんだけど、どうしても笑ってしまう。
原作準拠だとか、実際の利点だとかは関係なく、ボクシング映画の最終ラウンドでアレをやっちゃうのはどうなんだろうと思った。
満身創痍というわけでもなく、まだピンピンしてるのに両手を下げちゃう。

しかも、肩を前後に揺らして誘ったりする。野鳥の求愛ダンスか。
しまいにはライバルの力石まで両手をダラリと下げて、ジョーと一緒に肩を揺らし始める。
プロボクサーとしての矜持はどこにいってしまったのか。
ジョーについては丹下の親父さんとの特訓の日々はまったく無意味だったみたいに見えてしまう。

そもそも、クロスカウンターって実力が同等の者同士が疲弊しきった極限状態で起こるからドラマがあるんじゃないだろうか。
試合の最初からカウンター狙っていくってなんなの(笑)
しかも相手がカウンター狙ってるって分かっててカウンター返しを狙うとか…。
決着はカウンターのカウンターのカウンターとか…。なんなんだもう…。