阪急電車 片道15分の奇跡(2011年、日本)

【監督】
三宅喜重
【出演】
中谷美紀
戸田恵梨香
南果歩
谷村美月
有村架純
芦田愛菜
小柳友
勝地涼
玉山鉄二
宮本信子
相武紗季
鈴木亮平

感想(2012年5月6日、TV録画にて鑑賞)

有川浩の原作小説の映画化。
片道15分のローカル線を舞台に、ハートフルな出会いを描く群像劇。
様々な悩みを持つ女性たちが主人公の、ウーマン群像劇とも言えます。



会社の同僚でもある婚約者を後輩に寝取られたOLの翔子は、復讐のために純白のウェディングドレスを着て同僚と後輩の結婚式に出席し、列席者を唖然とさせます。
帰宅途中の電車で、純白のドレスに引き出物というチグハグな出で立ちの翔子に声をかけてきたのは、曲がったことの嫌いな老婦人・時江でした。

一方、女子大生のミサは、恋人からの暴力に悩んでおり、ついに別れを決意しますが……。
また、セレブ気取りの奥様連中に嫌々付き合っている主婦の康江は、高級レストランでのランチに誘われ、胃痛を我慢しながら電車に乗り込みます……。
偶然乗り合わせた人々の様々な悩みが、小さな奇跡を起こすのですが……。



中谷美紀が、花嫁姿で電車に乗る、買い食いをする、などけっこうやりたい放題で面白い映像になってました。
といっても最後までウェディングドレスではないんですけどね……。

前半はいろんなエピソードが錯綜してる感じがあるんだけど、後半になると一つずつ決着が付いていくので、群像劇としてはやや単調ですね。
丁寧と言えば丁寧ですが。

しかも、あくまで群像劇だから、中谷美紀が後半影が薄くなったりするので地味目な感じも。
まあ、ハートフルな作品ってそういうもので、ド派手なハートフル・ムービーなんて聞いたこともないわけですが(笑)



車内で傍若夫人に振る舞うやかましいオバハン連中にずっとイライラし続けたところで、最後には宮本信子演じるお婆ちゃんがついに叱りつけるんですが、実はここがカタルシス感じるところでした。

つまり、この映画における試練はオバハンたちのやかましさで、他の登場人物たちのエピソードはオバハンたちを登場させるための伏線にすぎないような気もしましたね(笑)

お叱りの内容はぜひ最初から最後まで聞きたかったです。
(まさかのフェードアウトでしたw)