感染列島(2008年、日本)

【監督】
瀬々敬久
【出演】
妻夫木聡
檀れい
国仲涼子
田中裕二
池脇千鶴
竹山隆範
金田明夫
光石研
キムラ緑子
嶋田久作
正名僕蔵
ダンテ・カーヴァー
馬渕英俚可
小松彩夏
三浦アキフミ
夏緒
太賀
藤竜也
佐藤浩市

感想(2014年2月19日、地上波にて鑑賞)

医療パニックムービー。
強い感染力と死に至る症状を引き起こす未知のウィルスによって日本中が混乱する…という内容です。

主人公の松岡は、市立病院の救急救命医。
ある日、新型のインフルエンザとも別の新種のウィルスとも判断がつかない謎のウィルスに感染した急患が、松岡の元に運び込まれてきます。
謎のウィルスは感染力が高く、他の患者や医師までもがウィルスの犠牲となり、院内はあっという間に戦場と化してしまいます。

数日後、松岡のかつての恋人であり、WHOのメディカルオフィサーである小林栄子が病院に派遣されて来ます。
栄子は病棟を隔離し、未知のウィルスに対抗するための最前線としますが、ウィルスの勢いは留まることを知らず、やがて日本中がウィルスの恐怖に晒されていきます…。



つまらないこともないんですけど、なんとなくツッコミ入れたくなってしまう作品です(^^;;
ちょっと簡単に突っ込んでみたいと思います(笑)

まず、主演の妻夫木聡と檀れいの演技は問題ないのですが、この2人が元恋人という設定からしてなんか解せませんね~。
役者の実年齢が離れているし、劇中でも「年上の彼女」という設定があったと思いますが、その設定が活かされていたとは思えないんですよね。

さらに妻夫木くんは髪型が若者スタイルだったりして…。
「奮闘する若い医師」を描きたかったのは分かるけど、30代後半のWHOの女医さんとくっつけるのはムリがあるんじゃないかと…。まあ、ムリだったから「元恋人」なわけですが。
でもやっぱり妻夫木聡が檀れいを「栄子、栄子」と呼ぶのは違和感…。



それから終盤のクライマックスで「明日世界が滅ぶとも、今日きみはリンゴの木を植える」という名言が飛び出しますが、これ唐突だったような気が…。

言いたいことは分かりますが、少なくとも序盤で一度はこのテーマに触れとかないといけない気がします。
妻夫木聡が木を見て「そうだったのかあ~…」と感嘆の声を上げるのを見て、「なんだったの~…?」ってなってしまったので。
それとも地上波だったからカットされてしまったとかですかね?

他には、どうやってウィルスに対抗するかを檀れいが病院のスタッフを前に丁寧に説明するシーンなど、丁寧すぎる描写が気になりました。
時間をたっぷりとるために、絶望感がより引き立つ演出ですかね?
もっとテンポよくメリハリつけて進んでいってもいいと思うんですが、それは邦画に求めてはいけないことなのかも(笑)



良かった点は、様々な立場の人物が登場していて、いろんな俳優が素晴らしい演技を披露していること。

光石研が演じた養鶏場を営む男性がマスコミに叩かれ苦悩する姿、そんな父の姿を見て世を怨むような目をする少女。
藤竜也が演じた獣医学の教授は、松岡を導く立場のようで背中を押すぐらいしかしない絶妙さ。

カンニング竹山が演じたウィルス研究者の記者会見での呟きなども、人間の心理を端的に表してていいと思います。
それから婚約者をウィルスで失った女性の役を演じた池脇千鶴の蒼白な表情とかクドイくらいに蒼白ですし、嶋田久作演じる医師も、誰も知らないうちに海外の寒村で美談を作ってましたし…。

この映画、エピソード多すぎですよね(笑)
その全てに首突っ込んでる主人公・松岡…、ヒマすぎですよね!(笑)

でも、ある意味群像劇であるこの作品、不思議とエピソードの切り替わりを意識することはなかったんですよね。
松岡の目を通して自然に入ってきたというか。
いろんなエピソードが盛り込まれてるんですが、キレイにまとまってるぽいのは凄いんじゃないかと。

あと、白戸家のお兄ちゃんことダンテ・カーヴァーの、国連の医師役が似合いすぎですね(笑)