PSYCHO-PASS サイコパス
第22話「完璧な世界」
あらすじ
純粋な殺意に導かれ死闘を繰り広げる狡噛と槇島。法を守ることを正義とする朱は、狡噛に再びドミネーターを手渡すが……。果たして、狡噛と槇島、二人の逸脱者の結末は……。
感想
……うーん、こんなもんですかねー?
正直、モヤッとする終わり方だったなあ……(´・ω・`)
ついに最終回というわけですが、いろいろと終わってない終わり方。
一応、狡噛と槇島の物語には決着がついたけど、それはあくまでも既存のシステムの中での話。
第1話と世界の状況はほとんど変わってない中での解決だったので、槇島のノナ・タワー襲撃や、狡噛の公安との決別ってなんだったの?って感じですね。
この結末、第1話の時点で予想できる人にはできたんじゃないか?
そこへ、不確定要素として絡んでくるのが、朱という存在であり、シビュラという謎のシステムだったわけですが、これが狡噛VS槇島と絡んでるようで、実は絡んでなかったような気がする……。
シビュラの真相を知ってるのは朱だけですからね。狡噛の行動原理にシビュラどうこうは関係なくて、ただ純粋に槇島という悪を抹殺しなければという使命感で動いてる。
そこを真実を知ってる朱が引っ掻き回してくれることを期待したんですが、朱はシビュラによって事実上の封殺。
よって狡噛さんは最初から最後までまったくブレなかったという……。
あの決着には朱が不在に思えるし、でもやはり成長した朱はこの作品でもっとも感情移入しやすいキャラだったし……。
槇島という悪役を買いかぶっていた……なんて思ってしまうようなあっさりした終わり方で。
結局は「孤独」な男たちの闘いだったとは……ちょっとね。
ノナ・タワーの一件が一番輝いていたよ、槇島は。後はずっと落ち目だったような……(笑)
最後に華々しく散る……ような展開でもなく……。
最期の言葉は、唯一分かり合えた狡噛に対する情のようなものを感じました。
しかし、刑事と犯人の奇妙な信頼関係ていうのは、いろんな物語で描かれてきてるし、そんなにグッとくるセリフではなかったです。
むしろ、近未来ディストピアという仮のSF世界を造ったのならば、やはり普通の刑事ものではできない展開(システムの崩壊・社会の変容)を描くべきだったかな……。ノナ・タワー襲撃では物足りない(笑)
SF設定なんだけど、ストーリー自体は極めて現代的というか……。現代にだってサイコパスはいるわけだし。
(……これ以上書くとSF否定になりそうだからやめますw)
シビュラについては、まあいろいろ面白い考え方を提示してたと思います。
真実を知った者を軒並み排除するわけじゃなく、法の力を信頼している者には「社会秩序の安定」を盾に協力をさせる。
システムから逸脱した者には、システムの運営をさせる。
そして、やがてはシステムの真実を人々が許容できるように、人の心を作り変えていく。
シビュラを感情的に否定し、論理的に肯定する朱は、そのための貴重なサンプルだとか。
まあ、視聴者である僕自身、大量の脳ミソを行ったり来たりさせてるようなシステムを、感情的に認められないから「システムの崩壊」をこのアニメに期待していたのかもしれません。
(脳ミソってことが知れる前から、システムに管理統制される社会を諸刃の剣と思ってましたし)
だからある意味では、シビュラを受け入れがたいけど受け入れて「ぐぬぬ……」となってる朱と同じように、視聴者もこの展開を受け入れがたいけど受け入れるしかなくて「ぐぬぬ……」となってるんですよね(笑)
正義(システム)の連鎖は、終わらない―― SIByL still continues......
続編を期待させるような最後の一文……。
そして公式サイトでの総監督・監督らの意味深なコメント……。
そしてなにより、これで終わりじゃねえだろ……という視聴者の気持ち。
少し僕の私情も混じってますが、やっぱり何かの形で続編はあるのかな、と。
「その後」で描かれた新たな新人監視官、第1話の朱とダブらせてきましたね。
そして、朱は第1話のギノとダブらせるという……ね。
ただ、朱の言葉は「奴らを人間と思うな」というギノの言葉そのままではなく、彼女なりの少し柔らかい言い方に。
ただ、正直、あの少女と朱・ギノ・六合塚・唐之杜、そこに何人か執行官を補充したところで、あの一係は戻ってこないような気もします。
やはり狡噛という存在は大きいですね。
そして、なんとあの少女、学園編で登場した脇役のポニーテールの子だそうです。なんだ、この無茶な設定は……!
事件に巻き込まれてから数ヶ月で公安局に配属って……。
年齢を考えれば朱と対等以上の適性の持ち主なわけで……。
もしかして朱と同じく色相濁りにくい体質ってことが事件をきっかけに分かって、シビュラの第2の駒として用意されたのか……とかいろいろ勘ぐりたくなりますが……。
(あと、被害者が警察側に採用される展開は「踊る大捜査線」の雪乃さん思い出した。本広克行・総監督だし)
とにかく、このメンツで続編ができるのか、素直に心配です。
野に下った狡噛の存在があるので、彼がどう出るかでまたドラマが展開しそうですね。
というか、狡噛を無視した新しい展開は望めそうにないですね。
やっぱり朱一人では物語は成り立たなくて、狡噛という主人公があってこその朱だったのかな、と。
狡噛自身の決着をつけさせてあげられるようなエピソードが今後あるのかもしれませんが、いろいろ期待するよりもマイルドな展開になるんでしょうね、きっと。
まあ、それでも最後まで付き合っちゃいそうですが。(←続編ありきの言葉w)
というか、続きが見たいというよりも、ここで終わっちゃったら微妙なアニメで終わっちゃう……!
それだけ、いろいろと腑に落ちないまま終了してしまった最終話ということです(;´Д`)
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