ジョン・カーター
(2012年/アメリカ)

【監督】
アンドリュー・スタントン
【出演】
テイラー・キッチュ
リン・コリンズ
サマンサ・モートン
ウィレム・デフォー
トーマス・ヘイデン・チャーチ
マーク・ストロング
ドミニク・ウェスト
ジェームズ・ピュアフォイ
ダリル・サバラ

*あらすじ

1881年、ニューヨーク。エドガー・ライス・バローズは、謎の失踪を遂げた伯父の屋敷へと向かっていた。大富豪の伯父ジョン・カーターには身寄りがなく、甥のバローズはカーターの残した一冊の日記を手に入れる。そこに記されていたのは、未知の惑星バルスームに飛ばされたカーターの想像を超える冒険譚だった……。

感想(2012年4月18日、チネ・ラヴィータにて鑑賞)

エドガー・ライス・バローズの古典SF小説「火星のプリンセス」を、ディズニーが実写化したファンタジーSF。
ウォルト・ディズニー生誕110周年の記念作品でもあります。
監督は「ファインディング・ニモ」「ウォーリー」のアンドリュー・スタントンが実写映画に初挑戦。

この映画、楽しいと思ってるの僕だけでしょうか?(笑)
本国アメリカでは大コケしたらしく、日本でもけして評価は高くない作品。
むしろそのベタな展開とか、いろいろツッコミ入れられるような扱いの映画。
まあ、たしかに超大作SFと呼べるに値する内容ではなかったけど、個人的には好きですね。


まず、何より先に推しておきたいのが、火星の犬ことウーラ。
でかい頭にでかい口。6本足に茶色の皮膚。どんくさそうに見えてアニメのような速度でピューンと走り回る。
なんともキモカワイイこの犬(?)が良いんですよね。

はっきり言って「ジョン・カーター」にリアルSFを求めてしまうとまったく楽しめません。
原作は20世紀初頭に出版された奇想天外な惑星冒険もの。
ナニコレ?アリエナイ!が出てきても寛容な精神で受け入れるべきなんです。

ちなみに、ウーラの速さの秘密を科学的に検証してみると、でかい口は吸排気口、スポーツカーの排気口が大きいのと同じ。さらに6本足で単純に二足歩行の3倍の加速度が得られるのと、耳や体毛を排除した流線型のボディは空力性能を高めているはず。
こう考えるとあのウーラはそんなにムチャクチャな存在でもないんですよね。(←どうでもいいwww)



あと、ヒロインがイマイチだというのも言われていますが……。
リン・コリンズが演じたヘリウム王国の王女デジャー・ソリスは、一応、ディズニー映画のプリンセス役ということになるんですけど、お姫様のイメージとは程遠いんですよね。
プリンセスというよりアマゾネス……?(笑)剣をとって戦います。

いわゆるお姫様とは違いますが、強く美しいリーダーとしての魅力はあったし、あの肉体美はもう一度見たい。
僕のような草食系男子(←ウソ)は、あのぐらいパワフルな女性に憧れますねえ。
かっこいい王女さまでした。


全編に渡ってユーモアにあふれていて、いよいよ最終決戦という所で主演のテイラー・キッチュが大ボケかましたりとか、サービス精神を忘れない映画です。
それに対して緑色人を演じたウィレム・デフォーのツッコミがまたコレ……(笑)

ソーラーパワーで動く飛空艇とかかっこいいし、「第9光線」なんていうオタク心をくすぐる謎の物質もちょこっと登場。
ベタな展開も、これがその手の作品の原点と思えば全然受け入れられますし。
というか、むしろラストの結末は意外性ありました。