観客全員、ヒット・ガールの餌食に!?
キック・アス(2010年、アメリカ/イギリス)
【監督】
マシュー・ヴォーン
【出演】
アーロン・ジョンソン
クリストファー・ミンツ=プラッセ
クロエ・グレース・モレッツ
ニコラス・ケイジ
マーク・ストロング
あらすじ
コミックオタクでスーパーヒーローにあこがれる高校生デイヴは、ある日、インターネットで買ったスーツとマスクで、ヒーローとして街で活動を始める。何の能力も持たない彼はあっさり犯罪者にやられるも、捨て身の活動がネット上に動画で流され、<キック・アス>の名で一躍有名になってしまう。
感想 (2011年2月16日、フォーラム仙台にて鑑賞)
「マチェーテ」を超える作品に早くも出会ってしまった!(笑)
史上最弱のダメヒーロー“キック・アス”に笑い、倫理を超越した残虐少女ヒーロー“ヒット・ガール”に萌える、そんなヒーロー映画です。
特にヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)、ヤバ過ぎです。ちっさな体で跳ね回り、敵の体に容赦なく刃を突き立てる!笑いながら!!Σ(´∀`;)
当然、「子供になんてことさせるんだ!」ということになり、R15+指定です。
でも僕は、「よくぞ、こんなに可愛くてヤバいヒーローを生み出してくれた!」と原作者と監督に拍手を贈りたいです。ヒット・ガールを前にしたらダニー・トレホだって「マチェーテ、子供には勝てない」と逃げ出すはずです。
ヒット・ガールと、そのパパ(ニコラス・ケイジ)が扮する“ビッグ・ダディ”。
この親子ヒーローの存在は、ヒーローというより、むしろ復讐に燃える殺し屋に近いです。何故って、一般人を救うシーンが無い。もっぱらマフィアのダミーコ一家を狩って“ヤク”をパクる日々です。
それとは対照的なのが、冴えない高校生が扮する“キック・アス”。
デイヴは、悪事を見ても何も出来ない、カツアゲされても反抗できない自分に嫌気が差し、ヒーローになることを決心します。全身緑のスーツで街を歩く姿は、他人から見れば「クスリでイカれた野郎」にしか見えません。
でも彼の心にあるのは、「正しいことをしたい」ということ。これが親子ヒーローとは明らかに違うところです。
そして多分、このデイヴの思いが、この映画の裏の魅力として観客を惹きつけるんだと思います。
キック・アスが言います。「悪事を黙って見ているだけなんて、許せないんだ!」これは、誰の心にもある思いのはずです。でも、実際には目の前で交通事故が起これば、携帯を取り出して写メしたり動画を撮ったりする人が多いのではないでしょうか。
キック・アスの言葉は悪人に放たれたと同時に、現代を覆う“無関係・無関心”に対しての憤りなんです。
しかし、物語はあくまで滑稽です(笑)そして過激すぎるほどに激しい。
けっこう悪趣味な描写もあるので、気分を害する人も中にはいるかもしれません。
脚本もよく出来ているのかなんなのかよく分かりません(笑)
でも、高校では友達になりたくてもなれなかった2人が、なりきりヒーローとして友情を育んでいくのとか、そうと見せかけて決定的な亀裂を用意してたりとか、巧いのか、なんなのか(笑)
恋人とのことも、あまり一生懸命描かずにサラリと流してくれる感じが、僕には合いました♪
ちなみに、中盤でアクション控えめになったとき、「もうヒット・ガールのアクションないのかな~」と彼女の再登場を切望している自分がいました。そして期待を裏切らない終盤の大立ち回り!Moeeeeeee!!!!!!!!(爆)
やはりメインは“笑い”とヒット・ガールのバイオレンスなのでしょう。
とにかく、ハマリ度MAXの作品です。これは。
ヒット・ガールをもっと見たい!もっと殺ってほしい!!ヾ(゚Д゚ )ォィォィ
でも、クロエ・モレッツは売れっ子で今後も出演作目白押しで忙しいみたいです。
(「ぼくのエリ 200歳の少女」のハリウッド・リメイクへの出演もあるらしい!ヴァンパイアのクロエ・モレッツ!?っくあぁぁぁぁ~っ♪)←僕、もう自我を保てない!!
そうなると、次作でヒット・ガールは成長した“女”になってしまうのか!?“ガール”は卒業してヒット・ウーマンなのか!?それは、ちょっと……。なんか、「ヒーロー」よりも「ヒットマン(殺し屋)」に近づいてる……。
出涸らしの薄いお茶を長く味わうよりは、役者・物語・時間がうまく噛み合ってものすごい衝撃(笑撃)を与えてくれた今作をずっと思い出としていきたい、そんな気持ちです。
今年も残り約10ヶ月……。果たして、僕はヒット・ガールを超えるヒロインと出会えるのだろうか!?
音楽がナイスな選曲でしたので、覚書き。
(サントラ情報)
Stand Up/プロディジー
Kick Ass (Radio Edit)/Mika vs. RedOne
Can't Go Back/プライマル・スクリーム
There's a Pot Brewin'/The Little Ones
Omen/プロディジー
Make Me Wanna Die/The Pretty Reckless
Banana Splits (Kick-Ass Film Version)/The Dickies
Starry Eyed/Ellie Goulding
This Town Ain't Big Enough For The Both Of Us/スパークス
We're All In Love/ニューヨーク・ドールズ
Bongo Song/Zongamin
Per Qualche Dollaro in Pi? (夕陽のガンマン)/エンニオ・モリコーネ
Bad Reputation/Joan Jett and The Blackhearts
An American Trilogy/エルヴィス・プレスリー
けっこう懐かしめの曲が多い?
サントラ欲しい~~。
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