感動器官

笑い、涙、鳥肌、私たちの感動を現出させる器官。

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第18話・第19話」イシューさん面白い人だった!


地球降下編の前半2話の感想をいつものようにネタバレ・考察込みで。
18話・19話まとめて見たので感想がごっちゃになってます。

良い新キャラが出てきた!カルタ・イシュー!
ギャラルホルン地球外縁軌道統制統合艦隊の司令官を務める女傑。
パッと見がキツそうで、よく見るとギャグっぽい顔をしていて、喋ると面白い人だった。

オーバーアクション、ハイテンション、それに加えて高飛車で口先だけ(今の所は)と、向かうところ敵なしっぽいお姉ちゃん(笑)
こういうキャラが鉄血のオルフェンズで出てくるのは意外というかなんというか、笑わせていただいた。
ただ、ギャラホルの制服姿は凛々しく、着こなしかっこよく、グッときてしまう。カルタ・イシューいいぞ。

カルタはマクギリスに子供の頃から片思いということが早くも明かされ、しかしマッキーは年下のアルミリアと許婚、その辺りのカルタの屈折した思いが、彼女の部下たちの姿に現れている。
なんと全員、金髪の優男。
カルタがマクギリスへのコンプレックスから彼に似た容姿の士官を傍に集めていると想像でき、権力にものを言わせてそんな公私混同をしているカルタはどこか可愛い。


そんなカルタの想い人マクギリスは、謎の仮面男として暗躍。
声優が同じ仮面男とマッキーはどういう関係だろうと思っていたら、マッキーその人だった(笑)意外とあっさり身バレしている。
どうでもいいけど、マッキーが着けてる銀髪カツラは、毛先を揃えたらカルタのヘアスタイルと同じになると思う。マッキーもカルタの風貌は面白いと思ってるのかな。

モンターク商会(なんとあのトドのオッサンが!?)のモンタークと名乗ってクーデリアの革命を支援するというマッキー。
腐敗が広がっているギャラホルの現状に憂いているようだが、地球降下作戦では新たに登場した赤いMSに乗って鉄華団を守ってくれさえした。
しかし、三日月のライバルを張れるのは今の所マッキーしかいない。(ガエリオでは荷が勝ちすぎる)
今回は共闘しても、やはり完全には信用できないキャラクターだ。

モンタークとは、ドイツ語のMontagで「月曜日」の意味だそうだ。あまり深い意味はないのかな…。
凄く強引なこじつけをするけど、鉄血のオルフェンズ=鉄華団の物語は毎週日曜日のオンエア、それに対してモンターク商会は月曜日を名乗る。
つまり、鉄華団(=日曜日)よりもモンターク商会(=月曜日)の方が先を行っている。
モンタークが、先見の明でもって鉄華団を利用しようとしているその比喩にならないだろうか?ならないな…。


ユージンの活躍について書いておかないと本人から怒られそうだ。(アニオタ的妄想)
かっこよかったよ!鼻血も面白かった!
阿頼耶識システムでイサリビもブルワーズの艦も操るとかどういうことだってばよ…。全能感ありすぎだろ…アツすぎるだろ…。
MSも艦船も阿頼耶識で動かせるってことは台所家電も完璧に操れるな…。

放送開始当初の相関図ではユージンとオルガに対立の矢印付いてたけど、どこいったんだあれ…。
あと、ユージンとシノのイチャコラなんなんだアレ…ムダに長えよ…。
シノと昭弘のシミュレーションもうるさ過ぎだろ…(笑)

かっこよすぎるといえば、タービンズの姐さんたちが百錬を全面改装した漏影で駆け付けてくれたのもアツかったな。
その前のシーンで名瀬が女たち3人から抱きつかれてるイミフなカットがあったが、おかげで腑に落ちた。
(18話ラストの三日月のマネではなかった)

ラフタ姐さんアジー姐さんにとって、ハンマーヘッドを降りることは名瀬との別れを意味する。下手をすれば今生の別れ。
名瀬がオルガを義兄弟と思っていても、名瀬の下に集った彼女たちが鉄華団のために命を張る理由はないわけで。
それを思うと彼女たちの参戦は、アニメでよくあるテンプレ展開なんて感想では済ませてはいけない面白さがある。

何故か3人いたのが気になったけど、よく考えたら漏影を運んでくるのにもう1人必要だったのかな。
(さすが名瀬さん三日月よりも数で勝る)
あと、モヤモヤラフタ姐さんというフラグが立って、昭弘の貞操の危機である。


アインも今回良かったなー。他のキャラに比べるとどうしても地味なキャラでどうなることかと思ったが。
地球人と火星人(火星生まれの意味だろう)の子として生まれたアインは、純血を良しとするギャラルホルンの中で苦労をしてきたんだな。
そんなアインの救いとなったのが、序盤で三日月がやっつけてしまったクランク二尉だったとは。(三日月なんてことを)

単に上官を殺された復讐心だけで動いてる危ない若者という感じがしていたが、このエピソードを知ってアインに人間らしさを感じた気がする。
もっと早く言ってくれても良かったのにとも思うんだが、アインがガエリオという良き上官に恵まれたこのタイミングで明かされたからこそ、アインとガエリオの絆を深めるファクターになったんだろう。

ガエリオもアインもまだまだ未熟、まだまだ伸びしろのある人物像だ。
バルバトスという圧倒的脅威に対しての2人の戦いはけっして格好良くはなかった。
だが、そこに人間的成長の種が芽吹く瞬間を見る気がして、彼らの悲劇もまた面白い。


18話冒頭のクーデリアの「声」も触れずには終われない。
ようやくお嬢様は覚悟を決めたわけだが、18話というタイミングは早いのか遅いのか…。
まあそれはともかく、ギャラルホルンの非道を暴露することでギャラホルの動きを止めてしまうという手腕は(三日月が評したとおり)見事だった。

ギャラホルは、反体制分子を根こそぎ排除したいがために労働者を苦しめ、デモをするように仕向け、爆破テロをでっち上げ偽りの大義名分を得た。
当然、報道管制も完璧だったはずだが、そこに割り込んできたクーデリアの言葉が、ギャラホルの嘘を暴いてしまう。
地球上にはもちろん大勢の人々が暮らし、ドルト3には裕福な市民もいる。
そういった反体制派ではない人々にまでギャラホルの悪事を知られるのは、イメージダウンになって良くないわけだ。

過去のガンダム作品と違って、まだ戦争状態ではない。
相手の戦力を最後まで叩き潰せば良いという単純な話ではないから、こういう駆け引きができる。

もしもクーデリアの掲げる革命を誰かが利用し戦争が起きた時には、鉄華団を含む反体制派(テイワズや労働者も連合するかもしれない)と、ギャラルホルンの容赦ない潰し合いになるだろう。
(そしてそれぞれの思惑をめぐらす各勢力の重要人物たちも次々登場した)
この物語はそうなるのかならないのか、そうなった時にクーデリアの声はどう宇宙に響くのだろうか…。

冒頭で気丈に振舞ったクーデリアも、フミタンの件では強く打ちのめされていた。
ラスト、アトラの励ましによってタガが外れ、三日月の抱擁によって少し救われる。
アトラだってフミタンの死に、心を痛めていた。だからってなんで三日月、両手に花なの…。
(アトラちゃん積極的に三日月を焚き付けてたけど、三日月とクーデリアがキスしたこと知らないからなあ…。知ってたら絶対あんなこと言わないはず…ハァ…不憫)


19話の終盤もすごく良くて凄すぎた(笑)
大気圏突入というピンチにおいて三日月が思い出すオルガとのやり取り。
見たことない場所へ行きたいという強い願い。それはそのまま見たことない平和な世界を見たいという願いなのだろう。

それをバルバトスに訴える三日月と、アイカメラを緑色に光らせて応えるバルバトス。
あああああガンダムだ!そうだよ、ガンダムはこうでなきゃ!
(真面目に考察すると今作ではパイロットが阿頼耶識システムで機体と神経的に繋がっているので、ガンダムの反応はパイロットの気持ちとも受け取れ、科学的に説明がつく。よく知らんけど)

そしてとにかくもうアトラちゃんが満面の笑みで号泣してたので、本当に本当に良かったと思う。
こんな良い表情するヒロインなかなかいないですよ。
また、ドルトコロニーに着いてから辛い目にあったりしてたのでそのせいで余計に泣かされる。
アトラちゃん最高オブ最高。


機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
第18話 声
第19話 願いの重力

カリフォルニア・ダウン

カリフォルニア・ダウン

(※本文中に「楽しめる」「面白い」「好き」などの表現がありますが、あくまでディザスター映画として評価できるという意味にお受け取りください)

2015年5月の公開予定を一度公開延期された後、9月に全国公開されたんだけど、被災三県は見事に上映がなくてダダリオ空白地帯。
「配慮」し過ぎじゃないの?と思ったけど、じゃあこの災害映画を被災三県でどう宣伝するのさ?と考えたらこんなにめんどくさいこともない(笑)
巨大津波のシーンは特に印象的だったし、見れば震災を想起する人もいるだろう。

結局はTSUTAYAで借りられたので噂のダダリオッパイ(※注:主人公の娘役アレクサンドラ・ダダリオの豊満なお胸の敬称)をチェックしたら、そんなに露出してないじゃんすか…orz
たしかにタンクトップがしっかりと仕事していたけど、構図的に腕の向こう側だったり上から覗き込むカットは少なめ。思ってたような胸の露出を楽しむ感じじゃない。
むしろちゃんとオッパイ以外で楽しめる映画なのでオッパイのことは忘れてください…。(私は何を見てるんだ…)

地質学者とマスコミが一生懸命警告している一方で、レスキュー隊の主人公は家族を救うために単独行動とっているけど細けぇこたぁいいんだよ!
なんか途中で上司から無線でOKもらってたからいいんだよ!
よーし、いってこい!って言ってたからいいんだよ!

崩壊していく街の中で父と娘が合流を試みるも様々な障害が…という感じ。
大災害の最中に英国男子捕まえる娘どんだけ有能。
お母ちゃんも最後の方たくましくなってて面白い。

ロック様ことドウェイン・ジョンソンが出てる映画って割と好きで、なんでしょう、筋肉に説得力がある。
彼の雄っぱいは相変わらず見事でした。
(そっちを楽しむ映画だったか!)



カリフォルニア・ダウン
(2015年/アメリカ)
【監督】
ブラッド・ペイトン
【キャスト】
ドウェイン・ジョンソン
アレクサンドラ・ダダリオ
カーラ・グギーノ
ヨアン・グリフィズ
ヒューゴ・ジョンストン=バート
アーチー・パンジャビ
ポール・ジアマッティ

2016年2月に読んだ本とか。


2016年2月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:904ページ
ナイス数:5ナイス

シュトヘル1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) シュトヘル1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)感想
1巻から読み返してる。1巻は須藤のタイムスリップからのユルールとの邂逅、ユルールの口から語られるシュトヘル誕生の物語。彼女がウィソと呼ばれていた頃にもドラマがきちんとあって面白い。墓守りのパートは圧巻。西夏<タングート>を攻め滅ぼす蒙古<モンゴル>。チラッとグルジャンが居たり。西夏文字を記した玉音同も登場し、壮大な物語が開幕した期待に溢れている1巻。この巻の最初に登場したユルール似のスズキさんの件は12巻現在でも未だに明かされていない謎だったりする。あと、ハラバルの虎耳フードが可愛すぎた(笑)
読了日:2月26日 著者:伊藤悠
月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 1748) 月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 1748)感想
邦題が良すぎる(笑)月は無慈悲な夜の女王ってどんな話だろうと興味あったが、月世界住人たちが地球の支配から独立しようとする革命物語。自我の芽生えた計算機とたった3人の秘密結社からそれは始まる。680近くあるページの約半分が革命の準備段階を描いており、入念すぎるくらいの段取り描写が読みづらくもあった。第2部では世界連邦との交渉、第3部ではいよいよ地球との戦いとなる。計算機マイクの本領が発揮される第3部が一番面白いのだが、第3部が一番ページ数が少ない。前半をがんばって乗り切れば後半一気に面白さが加速していく
読了日:2月27日 著者:ロバート・A.ハインライン

読書メーター

GODZILLA ゴジラ

GODZILLA ゴジラ

公開当時は否定的な意見を書いてた。
(映像の迫力とかは褒めてるけど、ストーリーを希薄としていた)
1年半前の私は全然わかっちゃいない。
何が「脚本が弱い」だ!お前(私)に脚本の何が分かるんだ!

http://impressedorgan.bloggeek.jp/archives/1025401775.html

もう既に黒歴史。





※以下ネタバレになりますので未見の人はご注意ください。





主人公の帰還を待つ妻が、上空に現れたパラシュートを見てホッとするカットがあるんだけど、その瞬間、近くに戦闘機が墜落する。
パラシュートの男は主人公ではなく、操縦不能になった戦闘機からベイルアウトしたパイロット。
妻が安堵する表情で私も思わずホッとするのだが、一瞬でその期待が裏切られるのが良い。

この演出を改めて見て、脚本も全然良いじゃないかと考えを改めた。
ゴジラが何をしたかについてだけ見れば、ただ暴れていただけにすぎないけど、ゴジラやMUTOという脅威にパニックを起こした人類のそれぞれの描写を見ればとても面白い。

あとゴジラの背ビレがポワワヮヮ…と頭に向かって発光していき、最後に青白いブレスを吐き出す演出とか、MUTOを捕まえてその口にオロオロロロ…って垂れ流したりだとか、仮に話が弱くてもそれを吹き飛ばすほどのド迫力映像があったじゃないか…。
細けぇこたぁいいんだよ!



GODZILLA
(2014年/アメリカ)
【監督】
ギャレス・エドワーズ
【キャスト】
アーロン・テイラー=ジョンソン
渡辺謙
エリザベス・オルセン
ジュリエット・ビノシュ
サリー・ホーキンス
デヴィッド・ストラザーン
ブライアン・クランストン

ガールズ&パンツァー

ガールズ&パンツァー

戦車と女子高生を描いたオリジナルアニメ。
2012年から2013年にかけて全12話及び総集編2話が放送された。

戦車を使った武道である「戦車道」が女子の嗜みとされている世界で、大洗女子学園へと転校してきた主人公・西住みほが、仲間たちと共に戦車道全国大会優勝を目指す物語。
茨城県東茨城郡大洗町の実在の建物や街並みがほぼ忠実に再現され、アニメを通した町おこしの成功例としても注目されている。

私も名前くらいは知っていたのだが、戦車と少女の奇妙な取り合わせに興味を持てず、数ある萌アニメの一つにすぎないだろうと高をくくっていた。
ところが、昨年2015年に劇場版が公開されると、ツイッターでも「ガルパンというアニメは凄いぞ」という話が出始めた。
初めてでも楽しめるし、どうやら萌えだけではないらしい、ということで何の予習もせずに劇場版を観に行った。そして見事にハマってしまった話は既に劇場版の感想に書いた通りだ。



TVシリーズは転校生・西住みほに大洗女子学園での初めての友達ができる所から始まる。
(厳密にはいきなり戦車道の試合風景から始まるのだが、これは第1話で見所を伝えるために後のエピソードを先に持ってくる演出。POV視点での荒地を走る戦車隊が非常に滾る演出だった)
武部沙織、五十鈴華、秋山優花里、冷泉麻子と、主要キャラ5人が出会い「あんこうチーム」ができるまでが第3話までに描かれるのだが、けっこう成り行きというかすんなりというか、そんなに揉めずに戦車道の仲間が集まってくる。

思えばこの作品はそういう世界観の描写とかキャラクター個人の想いに時間を割かないテンポの良さが目立っていた。
さすがにあんこうチームのメンバーについては家庭の問題とか出てくるのだが、その他の大洗チームに関してはほとんど掘り下げない。
というか大洗チームだけで最終的に30人を超えてくるから、全12話で一人ひとりスポットを当てている暇は当然無い。(ただそれでも1年生チームの成長ぶりは感じたし、相手校も個性的で面白かった)

その代わりに第4話では他校との練習試合が早くも行われるし(みんな第1話時点では戦車の走らせ方すら知らなかった子たちがだ)、第5話では全国大会の1回戦が始まる。
個人的には1クールでこの展開って早いと思う。(それでもアンツィオ戦は端折ったが)
前半6話は日常的なエピソードを描いて、折り返し地点からクライマックスに向けて動き出す、みたいな1クールアニメをよく見ていたので…。

だから、毎話毎話必ず戦車が出てくるのはとてもテンポが良いと思ったし、前半の5話6話でサンダース戦という熱い試合を見れたのは嬉しい誤算だった。
たしかにこのアニメ、萌えだけではない。
戦車同士の熱い駆け引きに多くの時間を割いているのだ。

意外にサクサク動く戦車の挙動、そして容赦ない砲撃音、その合間に交わされる少女たちのやり取りが奇妙で面白かった。
無骨な戦車が可愛い声で喋ってるとなんか戦車まで可愛く見えてくるから不思議(笑)
気づけばこの奇妙な取り合わせに完全にハマっていた。

テンポが早いゆえにサラリと描かれるエピソードも多い。
だがそれは、ファンが想像をめぐらせて勝手に補完する余地を残しているということではないだろうか。
最終話はたしかに感動したが少しアッサリした感じもしたのは、一度の視聴では完全に世界観や物語を咀嚼できなかったせいかもしれない。
それは逆に何度も見ることでより楽しくなっていく、繰り返しの鑑賞に耐えうる作品ということだと思う。



ガールズ&パンツァー
【監督】
水島努
【キャスト】
渕上舞
茅野愛衣
尾崎真実
中上育実
井口裕香
福圓美里
喜多村英梨
川澄綾子
金元寿子
田中理恵

ホーンズ 容疑者と告白の角

ホーンズ 容疑者と告白の角

恋人殺しの容疑をかけられた主人公。
住民たちから「悪魔め!」と罵られ続ける毎日。
そんなある日、頭から二本のツノが生えてくる。

この悪魔のツノの前では、誰もが本音を曝け出しタガが外れてしまう。
ツノの不思議な力を使って、主人公は真犯人探しに乗り出す。
ブラックユーモアに溢れる映画。

アイディアが面白いし、そのアイディアをしっかり活かす物語や設定が良かった。
あのツノは牛のものでも羊のものでもダメで、悪魔のツノでなければならない理由が少なくとも二つあるのが偉いなと思った。一つは前述の通り。

もう一つは、角が生えてくる原因が、おそらく主人公の罰当たりな行為だということ。(明確な言及はない)
神を冒涜することで堕天して悪魔になるという戒めでもある。
さらに面白いのは、悪魔となったはずの主人公も、真犯人を捕まえることで多少なりとも報われるということだ。
それはまるで神に与えられた試練を乗り越える姿であり、だから最後に一瞬だけ翼が天使のように見えるのも納得してしまう。人は天使にでも悪魔にでもなれるのだ。

田舎の小さな町を舞台にしており、そのスケールも作品にピッタリだった。
田舎ならではのロケーションとか、狭い人間関係が物語の大事な要素になってる。
特に狭い人間関係、「お前もか」「お前もなのか」と笑ってしまった。
人の多い都会ではここまで拗れないだろう。

ハリポタのラドクリフが精神的に疲弊していく主人公を演じることも、何かの映画的効果があったんじゃないかと、そう思いたい。



ホーンズ 容疑者と告白の角
(2013年/アメリカ)
【監督】
アレクサンドル・アジャ
【キャスト】
ダニエル・ラドクリフ
ジュノー・テンプル
マックス・ミンゲラ
ジョー・アンダーソン
デビット・モース

「レザレクション / 止まらない未来」新ユニット・ネクストストームとトップアイドル・I-1clubの勝負曲。


アニメ「Wake Up, Girls! Beyond the Bottom」の挿入歌であるネクストストームの「レザレクション」と、同じく挿入歌のI-1club「止まらない未来」を収めた両A面のコラボシングル。
こういう風に違うアーティスト2組~3組の楽曲を1枚に収録したものをスプリット盤と呼ぶらしい。
違うアーティストといってもどちらも劇中の架空アイドルとしてのイメージが大きいので、スプリット・シングルということにまったく違和感がなかったけど。同じWUGファミリーじゃんね。

ネクストストームの「レザレクション」は、メタル系のアレンジ。
作・編曲はMONACAの帆足圭吾。作詞は辛矢凡こと山本寛監督。
監督がちょうどBABYMETALというアイドルとメタルを融合させたユニットにハマっていたということで、ネクストストームもこういう形の音楽になったらしい。

劇中でセンター争いに敗れ、博多へと左遷された元I-1センター岩崎志保(CV. 大坪由佳)が、I-3の研修生3名と新たに結成したユニット「ネクストストーム」。
彼女たちが地方予選を勝ち抜き、アイドルの祭典へと引っさげてきたのが、この「レザレクション」だ。

タイトルの通り、岩崎志保の「復活」を意味する曲で、「私は死んで生まれ変わるの」という強いメッセージが込められている。
アイドルという職業の酸いも甘いも知ってなお人生をアイドルに捧げようという志保の覚悟が見て取れる歌詞であり、同時にサビの最後の一節はライバル島田真夢への想いでもあるように聴こえる。

インストを聴くととてもかっこいい曲なのだが、I-3三人娘のコーラスが入るととても不思議な感覚に囚われる。
ヘイ!ヘィヘイ!



「止まらない未来」は新センター鈴木萌歌(CV. 山本希望)率いるI-1clubの曲。
歌詞は只野菜摘、作編曲はMONACAの広川恵一。

王道のアイドルソングという感じなのかな。
ブラスが陽気に鳴っているポップな楽曲。
なんとなく素晴らしく晴れ渡った朝!って感じがする(笑)

こちらはレザレクションと違って、歌詞に物語上の意味合いとかはあまり感じられない。
割とどんなシチュエーションにも通ずる前向きな歌。

まあそれもそのはずで、つまりは日本のトップアイドルの道をひた走るI-1clubの歌だからだ。
彼女たちこそが王道で、基準なのだ。
歌にメンバーの個人的感情を乗せるようなカウンター的な手法は必要としていないのだろう。

個人的には劇中の萌歌の表情がとても素敵だったのが印象的だ。



レザレクション / 止まらない未来
ネクストストーム、I-1club
DIVE II entertainment / avex pictures, 2016

レザレクション
止まらない未来
レザレクション(instrumental)
止まらない未来(instrumental)

オデッセイ


「ワトニーがポジティブ」は聞き飽きたので、私はNASAの人たち最高だぜイェーイ!について書きます。

まずこれSF映画というよりも職業ドラマだと思う。
困難な状況にぶち当たり、全部署が総力を上げて解決に向けて働く姿はすごく気持ちの良いものがあった。
責任者も現場も互いに意見を充分に交換して最良の解決策を模索していく。

主人公は火星ひとりぼっち。でも地球では最高の科学者・技術者たちが最高のチームワークを発揮していた。
ラグビー日本代表がキミの後ろでスクラムを組んでくれているようなものだ。(どんな喩え)
こんなに心強いことはないし、これでダメなら誰がやってもダメだ。
ああ、NASAで働きたかった(影響受けやすい)

で、そんな充足感溢れるお仕事物語を、ユーモアたっぷりにお届けするのがこの映画。
序盤、ワイヤーがピーンとなってオゥッ!ってなる所で思わず吹いてしまったけど、いいんです!笑っていいんです!むしろ笑う所でした!ひとりぼっちで寂しい夜もあるけど元気でやってますbyワトニー。
たまに絶望的な状況に陥っても、それでもなんとかなってしまうのが何故か笑えるという。

地球側もけっこうユーモラスなんですよね。
無茶な工期を押し付けられる技術者リーダーの顔とか、上司を蔑ろにしがちな天才肌の青年とか。
論理と感情がバランス良く描かれていて、科学者と呼ばれる人たちも私たちと同じ人間なんだということが分かる。

NASAに親近感が湧いて、その上でちゃんと彼らを尊敬できますよこの映画は。
人類はここまで科学を発展させた/させるんだっていうそのことが誇らしい。
宇宙に対して胸を張りたい。

そんなわけで、とっても明るく楽しくハートウォーミングなSF映画。
雰囲気的には「スペース・カウボーイ」と同系統かなーなんて思った。そんなに深刻にならないという点で。



オデッセイ
(2015年/アメリカ)
【監督】
リドリー・スコット
【キャスト】
マット・デイモン
ジェシカ・チャステイン
クリステン・ウィグ
ジェフ・ダニエルズ
マイケル・ペーニャ
ショーン・ビーン
ケイト・マーラ
ドナルド・グローヴァー
キウェテル・イジョフォー
ベネディクト・ウォン

ハッカドール THE・あにめ〜しょん


サブカルに特化した学習型ニュースアプリ「ハッカドール」のマスコットキャラクターたちを主人公にしたギャグアニメ。
2015年の秋クールに、ショートアニメを3作品ずつ放送するULTRA SUPER ANIME TIME枠内で放送された。
各話約8分で、全13話。私はネット配信の方で鑑賞させてもらった。(BSほしい…)

私とハッカドールの出会いについては主題歌「Touch Tap Baby」の感想でサラリと書いたとおり。
ザックリ言うと、推している声優ユニットWake Up, Girls!のメンバー(高木美佑、奥野香耶、山下七海)が出てたから…ということになる。



ニュースアプリのアニメ化と聞いて、まず「何をするんだろう?」という疑問があったが、蓋を開ければ未来の技術で具現化したハッカドールたちが毎回いろんな分野で捗らせる(お手伝いをする)、というなんのことはない答えだった(笑)
アイドルや、一日ゲーム友達や、戦隊ヒーロー、いろいろなお仕事に挑戦しては、捗らせるどころか逆にしっちゃかめっちゃかしてしまうハッカドールたち。
アニメ好きなら分かるパロディをたくさん取り入れたギャグが、テンポ良く繰り出されるのがけっこう面白かった。

特に第7話「KUROBAKO」は記憶に残る回。
アニメ好きなハッカドール1号がアニメ制作会社の制作進行という役職で捗らせようとするのだが、ブラックな体質の餌食となり精神的・肉体的に擦り切れていくという物語。
アニメ業界の黒い実態を自虐的に描いているのが実に面白かった。ラストの1号の台詞がとても良い。


キャラクターも分かりやすくてステレオタイプっぽいけど、とても魅力的に描写されていたと思う。
ハッカドール1号(CV. 高木美佑)は、ツインテールで元気なオタクの女の子。
前向きにひたむきに職務に邁進するが、どこかバカっぽい所があって失敗することが多い。
悪徳商法に積極的に騙されに行ってしまうタイプだと思う。

2号(CV. 奥野香耶)は、ナイスバディを持つおっとりお姉さんタイプ。
お色気担当でもあった。あとけっこうな天然。
3号(CV. 山下七海)は、いつも眠そうな小さな女の子…の姿をした男の娘。
「帰りたい」「眠たい」を連発してるイメージ。やる気のない、気だるげな感じが可愛かった。

アニメでは、この3人の他にもハッカドールが登場する。
4号(CV. 上田麗奈)は、1号たちを軽く凌駕するハイスペックを持ちながら、エキセントリックな性格で問題を引き起こすトラブルメーカー。
上田麗奈のハイテンションな声が印象的だったが、この人、「ハーモニー」のミァハ役なんだぜ…?役者だよなぁ…。

0号(CV. 柚木涼香)は、1号たちの上司的な立ち位置。
2号を上回るダイナマイトバディの褐色美女。
出番は少なめだったが、最終回の1号との戦いは本当に熱かった(笑)

その他、各話ごとのゲストキャラクターの声優として、Wake Up, Girls!の他のメンバーが関わっていたのも、個人的にはとても嬉しい。
他のアニメでのお仕事見るとなんか嬉しんだこれが(笑)



DeNAがハッカドールアプリを提供し続ける限りは、またアニメ化する目もあると思うので、その時までにはBS導入しときたいな…。
アニメ鑑賞については全然捗ってないのであった。



ハッカドール THE・あにめ〜しょん
【監督】
げそいくお
【キャスト】
高木美佑
奥野香耶
山下七海
上田麗奈
柚木涼香

ザ・ウォーク


完成当時世界最大だったワールド・トレード・センターの二つのタワーの間を渡り切った、綱渡りアーティスト、フィリップ・プティの実話を基にした映画。

フィリップ・プティ役のジョセフ・ゴードン=レヴィットが自らの偉業を誇らしげに語りつつ、物語はテンポ良く進む。
語りのパートがちょくちょく挟まれるので、ある意味では淡々としているのだろうか。
この構成には深く感情移入することを拒まれてるような気もする。

とはいえ、ワールド・トレード・センターへの挑戦のミッションは、アクシデントあり、タイムリミットあり、仲間との絆ありのとても面白い展開になっていて、ついに二つの巨塔の間にロープが渡されたシーンでは込み上げてくるものがあった。
個人的ベストカットはロープのアップだ。

いよいよ綱渡りとなり、大成功→わーい!と劇的に終わるのかと思いきや、そこからはずっとプティのターン!
遥か天空でも観客を楽しませようという大道芸人の矜恃なのか、またはロープの先にいる無粋な輩を嫌ってなのか、たぶんその両方なんだろうけど、こうなってくると「命がけの挑戦」には見えなかったりもして…。
そもそも「楽屋」にこだわって衣装を失うとか、けっこう笑える映画だと思う。



ザ・ウォーク
(2015年/アメリカ)
【監督】
ロバート・ゼメキス
【キャスト】
ジョセフ・ゴードン=レヴィット
ベン・キングズレー
シャルロット・ルボン
クレマン・シボニー
ジェームズ・バッジ・デール
セザール・ドムボイ
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