感動器官

笑い、涙、鳥肌、私たちの感動を現出させる器官。

2013年09月

【映画】CARGO カーゴ

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CARGO カーゴ (2009年、スイス)

【監督】
イヴァン・エングラー
ラルフ・エッター
【出演】
アンナ=カタリーナ・シュワブロ
マルティン・ラポルト
マイケル・フィンガー
クロード=オリヴィエ・ルドルフ
ヤンツォム・ブラウエン
レグラ・グラウヴィラー

あらすじ

2267年、環境汚染の進んだ地球を捨て、人類はいくつかの宇宙ステーションに避難し?た。しかし宇宙ステーションはすぐに飽和状態となり、人々は劣悪な環境で暮らすことを強いられた。彼らに残された夢は地球そっくりの惑星レアへの移住。医者であるラウラは、姉が待つ惑星レアへの切符を手にするため、他のステーションへの貨物船へドクターとして乗り込んだ。この簡単な仕事が終わればレアへ行ける大金が手に入る。しかし、その貨物船には思いもよらないものが積まれていた……。

感想 (2013年4月22日、DVDにて鑑賞)

劇場未公開のスイスのSFサスペンス映画なんですが、なかなか面白かったです。

環境破壊が進み地球に住めなくなった近未来。
宇宙ステーションの劣悪な環境で生活している人類の残された希望は、地球型惑星レアへと移住すること。
しかし、レアへの移住には大金が必要であり、美しいレアの風景を映したテレビ広告を人々は羨望の目で見るのでした。

主人公のラウラは、既にレアへと移住した姉と通信でやりとりしながら、自分もレアへ行くために働いていました。
女医である彼女が引き受けたのは、ある宇宙ステーションへの輸送船の船医の仕事。
さっそく出航した船でしたが、冷凍睡眠から目覚めたラウラはある異変に気づくのでした。


前半はあの「エイリアン」1作目を彷彿とさせる展開。
実際、僕も前情報ほとんど無い状態で見たので、エイリアンみたいなクリーチャーが出てくると思っていましたが……。
後半は意外な展開が待っていて、驚きの結末が待っていました。

ネタバレしたくない作品なのであまり書きたくないですが、最終的には、政府と情報の問題という2000年代的なテーマになっていきます。
「マトリックス」の要素も少しあるかな……ってゲフンゲフン!

映像的にも拙いCGと感じないくらいに美しい映像でしたね。
ただ、貨物船内のいたるところに漢字とかハングル文字がプリントされてあるので東アジア圏の人は不思議な気持ちになるかもしれませんね。
ハッチの外部側に「乗員組」と書かれてたりね……。(文字の順番間違ってて「乗組員」と書きたかったとしてもハッチに「乗組員」って書く意味ないwそれとも中国語で別の意味があるの?)

ヒマな時にでも見て欲しいくらいにオススメです。



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【映画】エリジウム

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エリジウム (2013年、アメリカ)

【監督】
ニール・ブロムカンプ
【出演】
マット・デイモン (マックス・ダ・コスタ)
ジョディ・フォスター (デラコート)
シャールト・コプリー (クルーガー)
ヴァグネル・モーラ (スパイダー)
アリシー・ブラガ (フレイ)
ディエゴ・ルナ (フリオ)
ウィリアム・フィクナー (ジョン・カーライル)
ファラン・タヒール (パテル)

あらすじ

2154年。限られた富裕層の者たちはスペースコロニー<エリジウム>に移住し、老いや病から解放された終わりのない幸福を享受していた。しかし、その一方で人口過密となった地球は荒廃しきり、犯罪と貧困がはびこっていた。マックス・ダ・コスタもかつては犯罪に手を染めて留置所送りになっていたが、今ではアーマダイン社の工場で働いていた。だが、組立ラインの事故によって余命わずかとなった彼は、エリジウムにある医療ポッドのもとへなんとしてでも行かなければならない。マックスは、エリジウムへの不法移民を斡旋する闇商人スパイダーに会いに行くが……。

感想 (2013年9月23日、MOVIX利府にて鑑賞)

予告編ではすごい期待させられたんですけど……。
監督は「第9地区」のニール・ブロムカンプ。
「第9地区」好きな自分にとっては、期待を裏切られた感じです。


主演は<ボーン・シリーズ>などで有名なマット・デイモン。
今回は、貧困層の若者マックスとして登場します。生きるために様々な犯罪に手を染めましたが、今ではアーマダイン社の労働者としてロボットの組み立てラインで働いています。(皮肉にも、出勤途中でその警備ロボットに酷い目に合わされてしまうのですが……)

マックスを迎え撃つエリジウムの防衛庁長官デラコート役に、ジョディ・フォスター。
今回、「パニック・ルーム」や「フライト・プラン」などでの「戦うママ」のイメージが強い彼女に期待していたんですが、まったく拍子抜けでしたね。
ぶっちゃけあれだけの役柄なら、ジョディ・フォスターでなくても充分な気がしないでもないです。
というか、ジョディ・フォスターを配役したことで余計な期待を膨らませることに成功しているんですね(笑)

マックスとバトルする残忍な傭兵クルーガー役には、「第9地区」で主演だったシャールト・コプリー。
前作の公務員っぽさ、ひ弱なイメージは完全に払拭した、見事な悪役っぷりでした。
ヒゲ生やしただけでこんなにも違うのか……(笑)

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ただ、シャールト・コプリーのキレッキレの悪役は面白かったですが、物語全体を見た時にはマット・デイモンVSコプリーという構図は失敗だったような気がするんですよね。

この物語のテーマって、貧困層=弱者と富裕層=強者の対比の上に成り立ってると思うんですよ。
いろんなものがこの対比を軸に描かれていて、それが現実世界を少なからず再現しているって所に、このド派手なSFアクション映画の社会性があるし、その手法は「第9地区」のブロムカンプならではなんですよね。
それを事前情報や予告編で感じ取れたから、これはただのSFアクション映画ではないぞって、とても期待していたわけです。

しかし、弱者と強者の対比という形でこの映画を見た時に、主役のマット・デイモンは果たして弱者なのか?っていう率直な疑問が湧いてくるんですよね。
孤児院で育ち、窃盗を働くなどして糧を得てきたという設定の主人公マックスを演じるのは、筋骨たくましいハリウッド・スター<マッチョ・デイモン>。
ここに、矛盾をまず感じますね。「貧しくないじゃん」って思ってしまう。

さらにスキンヘッドにタトゥーと、弱者というよりも不良っぽさの方が前面に出ています。
まあそれは別にいいとして、髪の毛はエクソ・スーツ手術の際に剃り上げる演出でも良かったんじゃないかな……これも別にいいことか……。
マックスが銃器の扱いに慣れているのも不思議です。彼は日銭を稼ぐための盗みをしてきたのであって、ライフルや、ましてエリジウムの最新プラズマ銃は不慣れなはずなんですよね。(銃火器の取り扱いもエクソ・スーツがサポートしてくれる、という解釈はちょっと無理があるんじゃないでしょうかね?)

生身の体に外科手術を施してエクソ・スーツを装着し、もう元に戻れなくなる代わりに力を手にするっていう展開が醍醐味でもあるんですが、果たしてエクソ・スーツは本当に意味があったのか?マックスはエクソ・スーツによって強くなったのか?そこの部分の説得力が弱い。
どうも、映画を見ているとエクソ・スーツのおかげではなく、マット・デイモン自身の強さのように見えてしまうんですよこれ(笑)
だから、エクソ・スーツっていうめっちゃパンクなSFガジェットがただの見た目のかっこよさだけで終始してしまってるんですね。ガジェットの魅力を引き出せていない、むしろマット・デイモンが着ることで魅力を潰してるかもしれません。

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まるで主演がマット・デイモンじゃなかったらよかった風な文章になってますが、僕が言いたいのはまさにそこなんですよね。
この映画は、追い詰められた弱者が力を得て、強者の作り出した楽園へと乗り込む物語。
だとしたら、主演には「弱者」が似合う俳優、強そうなイメージの無い「普通の人」を演じられる俳優が望ましいはず……。

では、その「普通の人」っぽい俳優とは誰か……?
それこそ、監督の前作で「普通の公務員」を演じたシャールト・コプリーが適任だと僕は思いますね!
今作で悪役として花を咲かせたコプリーですが、やはり今回も彼が主役を演じるべきだったんですよブロムカンプ監督!

仮に彼が主演ならば……、犯罪を犯しながら生きてきたという設定はなくして、貧しい生活だったが運良くアーマダイン社の組立ラインの仕事にありつけたことにして、フレイに対してはなかなか思いを打ち明けられない勇気の無さを描き、しかし状況が変わりなんとしてもエリジウムに行かなければならないコプリーは、ビクビクオドオドしながら闇商人スパイダーのアジトへと向かう……。
そしてエクソ・スーツによって強化されたコプリーは、大活躍するが、最後には憧れのフレイのため、そして人類のために……。

……という展開の方がラストで泣けると思うんですよね。(正しいラストはまったく泣けませんでした)
この映画は、主役と悪役の俳優が入れ替わった方が面白味が増すと思いますよ!
ちなみに悪役に回ったマット・デイモンには、冷酷な白人至上主義者という設定でも付け足しておけば、それなりにヤバい悪役になるでしょう。

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まあ、こんな妄想を繰り広げても何の意味もないんですけどね……。
もう既に「エリジウム」は完成しているんですから……。

ただ、やはり結果的にこの映画、よくある大作SFアクションの域を出ていないというのは残念でした。
自分の中では「オブリビオン」や「アフター・アース」と同列ですね。お金かかってるし、大スターも出ているけれど、突き抜けたものがない。
ミリタリー系の描写で監督の個性が出ていますが、それにしたって「第9地区」と比べたら普通の映像です。

思えば、「第9地区」は低予算で制作された映画でした。
低予算ゆえにドキュメンタリー手法で間も持たせるというアイディアがあったし、粗削りな脚本を勢いで描けていました。

しかし、1億ドルを超える予算をつぎ込み、莫大な宣伝費をかけたブロックバスター映画は、なんとしても興行収入で回収しないとならない。
そのためなんでしょうか、より多くの人が支持してくれるような、良く言えば最大公約数的な、悪く言えば当り障りのない平凡な映画になってしまってます。
率直な意見として、「第9地区」はまぐれ当たりだったか、ブロムカンプ監督のマネをした別の人が監督したような出来です。

もしかしたら、SF映画にはあまり予算をつぎ込まない方が、結果として良いものが撮れるのかもしれません。
お金をかければかけるほど、SF<アクションという不等式が目立つようになるし、大衆向けの安っぽいドラマになってしまうような気がします。
SFってジャンルは本来、一部のファンによって育てられてきたジャンルで、もともと宇宙人とか時間移動とか、万人向けではないんですよね。

ですが、今年は特に思うのですが、豪華キャストを配した万人向けのSF大作が多いですね。
「LOOPER」「クラウド アトラス」「オブリビオン」「アフター・アース」「ワールド・ウォーZ」「マン・オブ・スティール」「エリジウム」……。
こんなに見ても、一番面白かったSF大作は万人向けとは言い難かった「パシフィック・リム」だったりします……。



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【小説】ユービック

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ユービック

UBIK(1969)
フィリップ・K・ディック
浅倉久志・訳
ハヤカワ文庫SF 早川書房

あらすじ

1992年、予知能力者狩りをおこなうべく、ジョー・チップら半予知能力者が月面に結集した。だが予知能力者側の爆弾でメンバーの半数が失われる。そしてこれを契機に、恐るべき時間退行現象がジョーや仲間たちの周囲にもたらされた。あらゆるものが退化していく中で、その現象を食い止めることができるのは<ユービック>という謎のスプレーだけだったが…。

感想

フィリップ・K・ディックの代表作「ユービック」です。
うーん…なにがなにやら難しい話でした(笑)


物語が始まる舞台は近未来(でも1992年。69年発表の小説ですので…)、世界には予知能力やテレパシーを持った能力者たちがいて、逆にその能力を打ち消す能力を持った不活性者たちの勢力と対立しています。
不活性者たちを集めたランシター社で超能力の力場を測定する仕事をしている主人公ジョーは、ある日社長のランシターが引き受けたワケありそうな仕事をこなすため、選りすぐった不活性者たちと共に月面へと向かいます。

しかし、それは能力者側が仕組んだ罠で、爆発によって社長のランシターを含む多くのメンバーが犠牲になってしまいます。
失意のどん底で地球に舞い戻ったジョーたち。
しかし、その頃からジョーの身に奇妙な現象が起き始めます。

それは、最初は些細なことでした。
カフェで注文した飲み物が何故か腐っていたり、買ったばかりの煙草の箱を開けると中は粉々になっていたり…。
しかし、やがてジョーの仲間が奇妙な死体となって発見されます。
それは、まるで死んでから何十年も経ったかのような、干からびて縮こまった遺体でした。

ジョーは自分の周りの世界が、どんどん古くなっていってることを知ります。
腐ったり干からびたりするだけではなく、退行する……例えば財布の中の小銭がいつの間にか今は発行されていない古銭に変わっていたり、空港にはジェット機がなくなってプロペラ機に退行していたり…。
1900年代の初期へ向かってどんどん退行していく時間の中で、ジョーは自分の存在の確かさにすら悩みます。


自己の存在について悩むという所は、やっぱりディックらしいですね。
ジョー・チップは、自分が生きていてこの退行世界が現実のものなのか、それとも自分は既に死んでいてこの世界は半生命の世界なのか、どちらが真実か判別できずに苦しみます。

読者としても、彼が既に死んでいるのかどうかよく分からないまま話が進んでいきます。
こういう、「自分は何者なのか?」「目に見える世界は本物なのか?」という問いは、僕が今まで読んだディックの小説の中にはよく出てくるおなじみの展開です。

最後の最後になんだかブラックユーモアで締めた所も好感もてます。
ああなるともはや映画「インセプション」の世界。
というか、「インセプション」ってディック的なテーマなんですよね。




【映画】SF/ボディ・スナッチャー

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SF/ボディ・スナッチャー (1978年、アメリカ)

【監督】
フィリップ・カウフマン
【出演】
ドナルド・サザーランド
ブルック・アダムス
レナード・ニモイ
ヴェロニカ・カートライト
ジェフ・ゴールドブラム
アート・ヒンデル
レリア・ゴルドーニ
ケヴィン・マッカーシー
ドン・シーゲル

あらすじ

サンフランシスコの州公衆衛生調査官であるマシューは、同僚のエリザベスから奇妙な相談を受ける。彼女の恋人の様子がおかしく、以前の彼とは別人のようだという。また別の日、友人ジャックの営むサロンを訪れたマシューは、そこで異様な繭に包まれたジャックそっくりの物体を見つける。それは宇宙からの侵略者であり、周囲の人間がいつの間にか、人間の姿をした違う何かへと変わっていくのだった…。

感想 (2013年4月21日、DVDにて鑑賞)

以前に「インベージョン」というSF映画を記事にしましたが、その作品と原作を同じくする作品です。
原作は、ジャック・フィニイの小説「盗まれた街」。
このSF小説は、4度も映画化されていて、78年に公開されたこの「SF/ボディ・スナッチャー」は2度目の映画化となります。

タイトル、なんで「SF/」って付けたんですかね?
SFとタイトルに入れなければ別のイメージになっちゃうんですかね?
まあ、それはさておき…。

ちなみに最初の映画化作品「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」(1956年、ドン・シーゲル監督)は名作古典SFだそうです。
機会があったら見てみたいです。

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僕でも分かる俳優は主役のドナルド・サザーランドと彼の友人で一緒に逃げ回るジャックを演じたジェフ・ゴールドブラム(若い!)くらいですね。
サザーランドはくしゃくしゃの頭で公衆衛生調査官という潔癖そうな役柄でした(笑)

今回の侵略者は巨大な植物の形をしてます。
知らないうちに家の庭などに根を伸ばし、その家の住人そっくりの物体を産み落とすわけです。
もちろんヌメヌメしてます(笑)

で、住人が眠りに落ちるとそのニセモノの方が意思を持って動き出し、さらに仲間を増やそうと行動を始めます。
妻が突然おかしくなったと訴えていた男が、次の日にはまるで何事もなかったような顔をしている。「あの話はどうなったんだ?」と聞いても「いや私の勘違いだった」と返してくるんですが、実はその男も、妻同様に侵略者にすり替わっている…というわけですよオーコワ!

結局、周囲がどんどん侵略者にすり替わっていくので主人公たちは逃げ回るはめになりますが…。

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「インベージョン」はサスペンス的な描き方をしてて、地球外生命に寄生されるということはある意味では種としての革新かもしれないという含みを持たせていました。
この「SF/ボディ・スナッチャー」では、シンプルにホラー映画として描いていて、あまり難しい話にはならないんですね。都市伝説ばりに○○犬とか出てきますし(笑)
でも、逃走劇というのは基本面白いですから最後までハラハラしながら見れました。

あと、やっぱり最後の結末もホラー調でしたね。
(タイトルで画像検索するといきなりラストカット出てくるので注意!www)
でも、ちょっと嫌な終わり方するSF映画って僕は好きだったりします。




「テルマエ・ロマエ」良い感じにテキトーな演出がツボ。


テルマエ・ロマエ
(2012年/日本)
続きを読む

【アニメ】宇宙戦艦ヤマト2199 第25話

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宇宙戦艦ヤマト2199
第25話「終わりなき戦い」

感想

最終回直前の第25話。
イスカンダルでコスモ・リバース・システムを受領したヤマトは、波動砲を封印し地球への帰路を急ぎます。

先行上映の第七章では第25話が短縮版だったのですが、今回の放送ではカットされたシーンもバッチリ。
いやいや、素晴らしいシーンばかりカットしてたんですね(笑)

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指導者をなくしたガミラスへとやってきたユリーシャ。
彼女がディッツたちと共にガミラスを導いていくはず。



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ヤマトはかつてゼーリックの率いる大艦隊をやり過ごしたバラン星のワープ・システムを再び利用しようとします。
いっぺん破壊したはずなのになんか使用可能だとか……、トリックでも使われたような気分ですが(笑)

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とにかくバラン星へと向かうヤマト。
その道中で、航行不能に陥っているガミラス戦闘機を拾います。

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中に載っていたのは、デスラーの側近だったミーゼラ。
デスラーに裏切られた自分には帰る場所が無いと言います。
雪さんがガミラスに囚われた時とは逆にミーゼラに紅茶を振る舞いますが。
そんなことより平田主計長のエプロン姿……!!



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ヤマトを待ち受けるのは、故ゼーリックの集めた大艦隊の総指揮官となったゲール君!
ワープ中のヤマトを狙うためにワープゲートの動力まで供給して待ち受けていました、ウケる!

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そして、しぶといあの人……!デスラー総統、この人死んだと思っても復活すること2度目……。
あっ、もう総統じゃないのかな?ずっと行動を共にしているタラン軍需大臣の中ではまだ従うべき総統と映っているようですが。
個人的恨みを晴らすためにヤマトを待ち伏せていました。でもやっぱり上から目線。

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ヤマトをワープゲートへと追い込むゲールの艦隊。
その前に立ちはだかったのは、なんとフラーケンの指揮する次元潜航艇!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
なにそのなんか正義のオジサンっぷりーー!!

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さらにやられた機関部を回復させた新入りの乗組員が……。
……薮!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
しかもザルツ人ということになってるー!(笑)
短縮版でカットされたシーンめちゃアツいじゃないですか、コノヤロー!

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そしてゲールとフラーケンの特に因縁のないバトル!(笑)
「俺はグレムト・ゲールだぞー!」
汗と涙と鼻水でぐっちゃぐちゃのゲール君の顔!(笑)
愛されてますなー、ゲール君。愛されキャラだなー。



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次元回廊へと入ったヤマトは、なんとデスラーの艦に取り付かれ、ガミロイド兵に侵入されてしまいます。

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後は帰るだけだったというのに……、艦内で犠牲者続出……さすがに主要なメンバーは無事だったようですが、艦載機の離着艦の人員、岩田・遠山コンビが亡くなってたのは地味にショックですね……。

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デスラーも沖田艦長にひと目会うためにヤマト艦内へ乗り込んでいきます。
もう、この人そこまでする必要ないんでしょうけど。(ドメルと沖田は会わずとも通信で語り合えたのにw)
なんでしょう、国という重い荷を下ろしてなんか張り切ってしまってるんでしょうかアベルト。
しかし、デスラーの軽率な判断が悲劇を生んでしまいます。

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デスラーが生きていたことを知ったミーゼラはデスラーの下へと駆けつけ、思わず感応波(?)を浴びせかけてしまいます。
ジレル民族特有の精神干渉にも似たものですかね。
要するに「総統好き好き大好きオーラ」を放っちゃったと。それにビビったデスラーが思わずミーゼラを撃ってしまうという悲劇。

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その場に居合わせた雪さんは、ミーゼラのデスラーへの想いを知っているから、そして恐らく同じ女性としての親近感もあるんでしょうね。
種族が違っても愛し合うことはできるはずと訴えます。

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しかし、もうこの修羅場、グダグダですから……収拾つかなくなって最終的には雪さんがミーゼラを庇おうとして被弾。
ミーゼラは射殺され、手負いのデスラーも自分の艦へと戻ります。
古代は撃たれた雪を抱きしめますが……。

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艦内のガミロイド兵は真田&新見がコンピューター・ウィルスを流し込んだことで機能停止。
オルタのあの回はちゃんと意味があったんですね(笑)



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デスラー最後の悪あがきは、デスラー砲による近距離射撃。
やはりデスラーは狂気の人なのか、もはや、やめられない止まらない~感じ。

通常のビーム兵器が無効な次元回廊の中でヤマトが選んだのは実体弾。
ヤマトにボッコボコにやられてもデスラー砲を撃つデスラー。
しかし、またしてもデスラー砲は発射されず爆発を起こします。
デスラー砲、3回引き金引いて1回しか発射されてないじゃんよ……。しかもその1発はヤマトにかわされてるし(笑)

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デスラーの最期については「爆発の瞬間、艦首部分が離脱した(デスラー生きてる)」という話もあるみたいですが……。
でもあくまでこのシーズンはこのシーズンで楽しみたいのでデスラー死んだことにしときませんか?
むしろ、続編を見たいからデスラー生きてると思いたいという心理では……。

でも、二度あることは三度あるというしなあ……(笑)



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とにかく来週はついに最終回!
雪さんがどうなってしまうのか非常に気になる所ですね!(注:第七章で観ました)
劇場では泣けなかったけど、今度は泣けるのかな?




【映画】許されざる者(2013)


許されざる者 (2013年、日本)

【監督】
李相日
【出演】
渡辺謙 (釜田十兵衛)
柄本明 (馬場金吾)
佐藤浩市 (大石一蔵)
柳楽優弥 (沢田五郎)
忽那汐里 (なつめ)
小池栄子 (お梶)
國村隼 (北大路正春)
近藤芳正 (喜八)
滝藤賢一 (姫路弥三郎)
小澤征悦 (堀田佐之助)
三浦貴大 (堀田卯之助)

あらすじ

明治13年、開拓が進められている蝦夷の地。ある女郎が男たちに無残にも切りつけられ顔に酷い傷跡を残すが、開拓村を牛耳る警察署長・大石は馬数頭と交換条件で男たちを放免する。怒りの収まらない女郎たちは男たちに賞金をかけるが……。かつて<人斬り十兵衛>と呼ばれ恐れられていた幕府軍の残党・釜田十兵衛は、妻との出会いで心を入れ替え、酒を断ち刀をしまった。妻亡き後は幼い子供を抱えながら貧しく厳しい生活を送っていたが、そこへかつての仲間・金吾がやってくる。金吾は、開拓村で起こった騒動を話し、賞金首を殺して金を折半しないかと十兵衛に持ちかける……。

感想 (2013年9月16日、MOVIX利府にて鑑賞)

1992年のアメリカ映画「許されざる者」を、舞台を日本に置き換えてリメイクした日本映画。
監督は「悪人」の李相日(リ・サンイル)監督、主演はハリウッドでも活躍する渡辺謙ということで、注目作になってますね。

僕はリメイク元となったクリント・イーストウッド主演・監督作のオリジナル「許されざる者」は見てない状態でこの映画を鑑賞しにいきました。
鑑賞後、数日してからオリジナルを鑑賞することができたので、今これを書いてる時点では一応オリジナルも踏まえた感想になってます。


この映画を観る前の段階では、やっぱり「悪人」を意識してしまいましたね。
あの映画って一つの悲しい殺人事件を通して、さまざまな立場の人間の思いを切り取って見せたような作品でした。
当然、この作品にもそういう「思いのぶつかり合い」みたいなものは描かれてると思って鑑賞したんですが……。

一見すると、そういった分かりやすいドラマというものはなかったですね。
むしろ、何をテーマとした映画なのか、分からないまま帰ってきちゃいました(笑)
少なくともテーマを前面に提示してはいないですね。見る側が勝手に解釈して「こういう映画だった」と考えなければいけません。

ただ、考えなければいけないという所で意外とネックになったのが、僕は「ジャンゴ 繋がれざる者」を鑑賞済みだったということ。
タランティーノ監督のバイオレンス西部劇といろいろと重なる所があるために、どうしても比べてしまいました。
「許されざる者」も「ジャンゴ」までとはいかなくてもユーモラスとシリアスにメリハリをつけた方が良かったんじゃないかとか、見当違いなことを考えながら帰りましたね(笑)

ネットのとある解説を見てようやくなんとなく分かった感じですが……。
結論から言うと、「暴力は新たな暴力を生むだけ。その虚しい連鎖を生み出す許されざる者は誰なのか?」ってことだと思います。

映画では、警察署長・大石を演じた佐藤浩市がキレッキレの悪役を演じていましたね。
開拓村に銃器や刀剣を持ち込むことを禁じ、自分たち警察が唯一絶対の権力になろうとします。
そのルールを破って刀を持ち込んだ元長州藩の侍は、大石に徹底的に痛めつけられ屈辱を味わうことになります。

そして物語の本筋では、女郎に暴行し顔を傷付けた男たちへの罰として、女郎宿の主人に対して馬を差し出せという采配。
それはあくまでも女郎たちが宿の主人の所有物であるという考え(当時としてはこれが当たり前?)であり、女性の人権をまるで無視した言動なんですが、これに女郎のリーダー格の女が「私達は馬と同じなのか」と怒り、男たちを殺した者には賞金を出すと言い出すわけです。

十兵衛を痛めつける大石は見るからに悪役ですし、過剰な拷問もけして正しい行動には思えません。
だから<許されざる者>とは署長・大石のことかというと、そんなに単純な話でもないようで……。


大石の行動はけして穏便ではないけれど、完全に間違っているわけでもないんですよね。
銃器や刀剣を排して揉め事を減らそうとしてるわけだし、女郎暴行事件の采配も妥当と言えば妥当。女郎たちの人権を重んじなかったのは時代のせいでもあるわけですし。長州志士のように自分に逆らう者には徹底的にやっつけるけど、書生のように力を持たない者へは暴力は働かない。金吾への拷問も結果としてああなったけれど、状況からして金吾も殺人に加担していると言えるし、口を割らなければああなるしかない。最後の十兵衛大暴れの件は正当防衛ということでカタが付きそう……。

そんなわけで、権力を傘に着たり、自分ルールを他人に強制したり、暴君であることは間違いないけど、大石の行動には一貫したものがあります。
「正義を振りかざして悪を討つ」そして「正義は俺自身。俺に逆らう者は悪」という捻じ曲がった正義感。
こう考えると、大石は<許されざる者>ではないのか……?


しかし、ある面では大石が振りかざす歪んだ正義が、女郎の怒りを燃え上がらせ釜田十兵衛という殺人者を村に招く結果を生んだ、と考えることもできます。
すると、すべての悲劇の根本にあるのは大石の誤った采配であり、彼のような身勝手な正義を振りかざす者こそが<許されざる者>なのでしょうか?

こう考えると、結局この映画も「悪人」と同じ観点で見ることができるんですよね。
テーマが分からないと書きましたが、<許されざる者>=<悪人>ということでいいと思います。
李監督は再び「悪人とはなにか」について描いたのだということで……。
まさか國村隼さんあんなボコられるとは……www

【アニメ映画】キャプテンハーロック

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キャプテンハーロック (2013年、日本)

【監督】
荒牧伸志
【声の出演】
小栗旬 (キャプテンハーロック)
三浦春馬 (ヤマ)
蒼井優 (ミーメ)
古田新太 (ヤッタラン)
沢城みゆき (ケイ)
森川智之 (イソラ)
坂本真綾 (ナミ)
福田彩乃
大塚周夫
麦人
小林清志

あらすじ

遙かなる未来……あるいは遠い過去のことかもしれない……。他の銀河に進出し数多の植民惑星を開拓した人類だったが、ついに異星文明との共存を果たせなかった。人類はいつしか衰退を始め、故郷である地球への帰還を望むようになるが、宇宙に広がった人口は5000億を超え、地球の居住権を巡る争いは血みどろの大戦<カム・ホーム戦争>を引き起こした。戦争を調停するために生まれた統治機構<ガイア・サンクション>によって、地球は聖域として永遠に封印され、人類は帰れぬ故郷を遠くに仰ぎ見ながら前に進む意欲もなく、緩やかな滅びに身を委ねるしかなかった。そんな時代に反抗する男がいた。不滅の肉体を持ち、100年の長きに渡って連合艦への襲撃を繰り返す海賊。その名は、ハーロック。

感想 (2013年9月7日、109シネマズ富谷にて鑑賞)

松本零士原作の「宇宙海賊キャプテンハーロック」を3DCGアニメーションとしてリメイクしたCGアニメ映画。
監督は「アップルシード」などを手がけてきたアニメーション監督・荒牧伸志。
制作プロダクションはゲームのムービーなどを手がけてきたマーザ・アニメーションプラネット。

声優陣は俳優の起用も多く、小栗旬、三浦春馬、蒼井優、古田新太らが主要な登場人物を演じています。
小栗くんのハーロックはけっこう賛否分かれると思いますが、他のキャストについては概ねよかったのでは…?
逆に、アフレコのキャリアも演技力もある蒼井優が物静かなミーメ役っていう宝の持ち腐れ感が気になりましたね。
女芸人・福田彩乃もそのモノマネの才能をいかんなく発揮していますが、正直エンドロール見るまで気付きませんでした。っていうかエンドロール見て吹きました。この記事では明かさないことにしておきましょう……。


僕はまたもや原作や旧アニメシリーズを知りません。(なんか最近こういう但し書き多いですね)
なので、原作とけっこう別人として描かれてるらしい各キャラクターもまったく違和感なく見れました。

ただ、最近のゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズのムービーを思わせるような細い顎はちょっと違和感(笑)
いやむしろそこがこの映画のかっこよさなんですが、なまじ実写に見えるだけに、キャラクターたちが美形すぎるように思いますね。いや、めっちゃ好きですけどね。でもミーメのウエストなんて折れそうですからね?(笑)
あとトリさんの細い首も、限りなく実写に近いこの映画では違和感ありますよ。

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しかし、僕はこの映画好きですね。
何故ならアルカディア号と連合艦隊との戦闘がアツい!
そしてSF設定のスケールが半端ない!

だって、中性子星を兵器として利用してるんですよ連合の奴ら!(笑)
運んでるんですよ、中性子星を!(笑)
それから木星のエネルギーを利用して撃つ兵器とかですね!
とにかくスケールが半端ないんですよね。
(もちろん長距離ワープなんて通常装備ですからね!)

いやあ個人的に「宇宙戦艦ヤマト2199」で宇宙艦隊バトルに目覚めたばかりの僕を唸らせるほどのスペース・オペラでした。

さらに人間同士のバトルも展開されます。
ヤッタランの「パーティータ~イム」は名台詞だし、ハーロックの立ち回りもかっこいいですね。
例のごとく、雑魚の放った銃弾は一発も当たりません!(笑)でもそれでいいんです!


ストーリーも激しくスケールがデカくて、そのせいでちょっと中二病に思えるかもしれません。

大罪を背負ったハーロックが、宇宙の各所に設置している次元振動弾。
それを一斉に起爆した時、何が起こるのか?世界は元通りになるのか?それとも宇宙そのものが作り直されるのか?
そんな謎と不安を抱えたまま最後の設置場所である地球へと向かうアルカディア号。そこで明かされる衝撃の事実……も、やはり中二病?(笑)

テーマとしては、「命は何度も滅びながらも何度も生まれ、その繰り返しがどこまでも繋がっていく」って感じでした……。
世界設定として、どうしようもなく世紀末な終末感・無力感があって、それに対する答が、ダークマターに侵食された世界で花開く命だったと……。
栄枯盛衰、あるいはバイオリズム、それを宇宙規模で描いた作品ということで、やはりスケールでか過ぎて中二病……(笑)

僕らのスケールでも分かる感動は「継承」くらいだったか……?

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まあ、ジェームズ・キャメロンの大絶賛があっても、小栗旬くんのアフレコ挑戦があっても、何故か日本ではあまり興行が振るわなかったみたいですが……。
ただ、この映画、つまらないということではなく、我々がいつも見ているドラマや映画とは違う次元の話をしていますので、映画館で興行すること自体がハンディを負ってる状態なんですよね。

でももちろん、大画面で3D上映で観て大満足な精緻な映像でしたし、これを日本から発信できたのは嬉しいですね。
かつて「ファイナルファンタジー」の映画が同じく3DCGで作られたことがありましたが、あそこからさらに進化した映像が楽しめます。
ハーロックファンはいろいろ思うことはあるでしょうけど、少なくとも「ガッチャマン」よりは愛を感じるリメイクなんではないでしょうか?



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【映画】ポワゾン

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ポワゾン (2001年、アメリカ)

感想 (2013年4月20日、TV録画にて鑑賞)

1969年のフランス映画のリメイク作品。
男女の愛憎劇を描いたサスペンスです。

監督は、マイケル・クリストファー。
出演は、「デスペラード」「マスク・オブ・ゾロ」のアントニオ・バンデラス、アンジェリーナ・ジョリー、トーマス・ジェーン、グレゴリー・イッツェンなど。


19世紀のキューバ。コーヒーの輸出商社を経営する裕福な実業家のルイス・バーガス、それがステータスだという理由でアメリカから花嫁を迎えることに。
ジュリア・ラッセルという女性との文通を経て、彼女をサンチアゴへ呼び寄せる。
港に向かった彼が出会ったのは、手紙に同封されていた写真とは別人のとても魅惑的な美女だった。

ジュリアは、彼女の外見だけを見る男を避けるために別人の写真を送ったのだと言い、ルイスもまた、財産目当ての女を避けるために富豪という身分を偽っていた。
二人はお互いを受け入れ、その日のうちに結婚式を挙げる。

しかし、幸せな新婚生活も束の間、ジュリアの姉が妹と連絡が取れないとルイスのもとにやって来る。
ジュリアの筆跡を妹のものではないと言うジュリアの姉。
慌ててルイスが自宅に戻ると、ジュリアは彼の財産と共に姿を消していたのだった…。

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ロマンチックなサスペンス…という感じですが、正直つまらなかったですね。
結婚詐欺師の女によって財産を奪われた男が、それでも彼女を愛することを止められずに追いかける物語。
ただ、純愛っぽさは微塵も感じられず、アンジーの体当たりの濡れ場が目立ちます。

なんか、騙されても騙されても女を追い求めるバンデラスに感情移入できなかったですし、どこまでも堕ちていく話というか、どこまでも二人だけの世界に没入していくんですよね。
正直ついていけません(´・ω・`)

60年代のフランス映画のリメイクということですけど。
21世紀ではバカップルと一蹴されてしまうんじゃないでしょうかね?(笑)




【映画】ニライカナイからの手紙

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ニライカナイからの手紙 (2005年、日本)

感想 (2013年4月19日、TV録画にて鑑賞)

監督は、「おと・な・り」「君に届け」などの熊澤尚人。
本作では自身のオリジナル脚本を監督しました。

出演は、この作品が初めて単独での主演となった蒼井優。
共演には、平良進、南果歩、金井勇太、比嘉愛未、前田吟などなど。


沖縄本島の遥か南にある竹富島。
小さな郵便局の局長を務めるオジィと二人で暮らす孫娘の風希。
風希の楽しみは、毎年誕生日に送られてくる東京で闘病生活をおくる母親からの手紙でした。

幼い頃に父親を亡くした風希にとって母からの励ましの手紙はとても大切なもの。
いつか母に会いに行きたいという思いを抱きながら、竹富島で成長していきます。

ある時、「風希が20歳になったらすべてを話す」という内容の手紙が母から届き、風希は高校を卒業したら上京することを決めます。
オジィには猛反対されますが、写真の夢を叶えるため、そして母に会うため、風希は竹富島を出て東京に移り住み、カメラマンのアシスタントをしながら過ごすのですが…。

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ゆけちの中では、この手の作品は苦手分野ですね。いわゆる「感動作」ってやつです。
しかも自ら「この映画は感動作です」って臆面もなく言いながら制作されたような映画。
そういう作品の中にもたまに涙腺崩壊してしまう映画があるので、一応見てしまうんですが、これは思ったとおりの「ダメな感動作」でした…。

まず、タイトルで大事な所をネタバレしてます。
<ニライカナイ>とは沖縄に伝わる理想郷のこと。
海の果て、あるいは海の底にあり、魂が来て帰る場所、だそうです。

他にも様々な意味を持つ言葉のようですが、ザックリ言えば楽園・理想郷・極楽浄土のことなんですね。
そこから届く手紙…もう何を言いたいのか一発で分かります(笑)
「ニライカナイからの手紙」は、「天国からの手紙」と同義なんです。

沖縄の人なら見る前から内容が分かるであろうこの映画、全国向けに冒頭で<ニライカナイ>の意味が説明されます。というか、説明しちゃいます。
なので、沖縄県外の人たちも問題なくネタバレした状態で最初から見れる親切な映画です(笑)




この映画、ユニークなことに、「母親が既に亡くなっている」という事実を主役の風希のみならず観客にも隠したまま、話を進めて行くんですね。
タイトルで察しがついてるにも関わらず、母親が死んだ事実を終盤明かされる「秘密」として取っておくんです。

そして終盤、その秘密が明かされるんですが、やっぱり母親は亡くなってるわけですね。
母親は風希が幼い頃に東京の病院へ入院したまま亡くなっており、存命中に書いた約10年分の手紙を、オジィの友人である都内の郵便局の局長が代わりに差し出していた…。

例えば12歳、15歳、18歳、それぞれの年齢に達した娘がどのようなことに悩んでいるのか真剣に考えながら予め手紙を書く母親の姿は泣かせますし、孫娘を悲しませまいとしていた不器用なオジィも悪くないです。

しかし、既に察しがついていたことをまるで衝撃の事実のように描くのはどうかと。
しかも、その事実だけで感動へ持って行こうとするんです。
この監督が本気なのかちょっと疑いましたね…。いくらなんでも観客はそこまで馬鹿じゃあございません(笑)

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こういう何の工夫もない脚本を、蒼井優ちゃんがその演技力で好演してるわけですが、それは本当に素晴らしかったし、蒼井優を撮ることに全力を傾けてる映画だと思います。
でも、終盤、母親の遺影を前に泣き崩れる姿とかも素晴らしいんですけど、風希は母親の死を薄々感づいていたんじゃないかとか、突然風希が帰省したのでオジィが遺影を隠せなかったとか、展開のお粗末さが微妙な感じにさせます(´・ω・`)

落ち込む風希の所へ励ましに来る突然の隣近所のオバァたち…。
竹富島の風土紹介と観光PR、さらに郵便局のPRも兼ねた、結末すぐに読める映画でした。




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