感動器官

笑い、涙、鳥肌、私たちの感動を現出させる器官。

2013年07月

【映画】アリス・イン・ワンダーランド

アリス・イン・ワンダーランド
(2010年、アメリカ)

感想 (2013年3月20日、TV録画にて鑑賞)

ルイス・キャロルの児童文学「不思議の国のアリス」の後日談的な内容で描いたファンタジー映画です。
監督はティム・バートン。

主演は……この作品、どっちが主演なんでしょう?
「主役」は、19歳のアリスを演じたミア・ワシコウスカだけど、「主演」となるとマッドハッターを演じたジョニー・デップの方かもしれないですね。
まあどっちでもいいんですが。

共演には、赤の女王にヘレナ・ボナム=カーター、白の女王にアン・ハサウェイなどなど。
ウサギとか芋虫とかチェシャ猫とか、基本、俳優よりも声優としての登場が多く、しかも地上波吹き替えで見たので……。


物語の舞台は、アリスが不思議の国を旅してから13年後。
19歳の美しい女性へと成長したアリスは、幼い頃の不思議な体験を夢の中の出来事と思い込んでいました。
ある日、出席したパーティーで突然求愛されたアリスは、その場を逃げ出し、再び不思議の国へと迷い込んでしまいます……。


原作はワンダーランドを旅するファンタジーだったはずだけど、この実写化作品は兵を率いて竜と戦うヒロイック・ファンタジーになってました。
21世紀のハリウッド事情を反映したかのようなストーリー。
戦い無しには盛り上がれないのかな……。でも、ミア・ワシコウスカが甲冑着る必要はないような気がします(笑)

こういうストーリーの原作だったらまず世界中で翻訳される大ベストセラーにならなかったことは確かです。
いや、逆に「アリス」でなかったらそれなりに面白いファンタジー映画なのかもしれません。

いや、これでも充分面白いと思うんですけど、評価が低い理由は第一に「不思議の国のアリス」を原作としてしまったことにあるんじゃないかというパラドックスですよ、これは。


個人的には、大人になって不思議の国での出来事を忘れてしまったアリスという描写は、「自分」を見失った状態なんじゃないかと思います。
19歳のアリスは、良家の子女という立場から様々なものに縛られて生きています。女子の嗜み、慎ましい態度、そしてコルセット……。そういった自分を縛り付けるものを嫌悪しつつも、自分の力ではどうすることもできないアリス。
さらにそこへ貴族のお坊っちゃんから求愛されるという追い討ち。私の人生ってなんなの?自分らしさって?

不思議の国の住人たちは「おまえはアリスじゃない!」と言いますが、これは「自分らしさ」を失ったアリスのことを見事に言い当てているんじゃないかと思います。
そして、だんだんと自分らしさを取り戻していくアリス。
彼女はもともと常識の枠に収まるような女性ではないようです。終盤では自ら剣を取りドラゴンと戦います。(←このへんはもう単純に昨今の女性の強さを表してると思いますが)
「自分」を完全に取り戻したアリスは、ラストでは実業家として世界へ羽ばたきます。

よくある主人公の成長物語として見るのではなく、抑圧された自分らしさを解放する物語として見ると、まあそれなりに面白いんじゃないかと思いました。


ティム・バートン映画の「毒」といっていいんでしょうか、そういう描写が随所にあって。
例えば、赤の女王と白の女王の対比。
一見、醜く傲慢であからさまに悪役な赤の女王と、可憐で慈悲に溢れ誰からも慕われる白の女王、という関係ですが、このアン・ハサウェイ演じる白の女王に何か腹黒さを感じた人も少なくないはず。
ハサウェイの身振り手振り、言葉使い、そう感じるような演出になってるんですかね。

決定的だったのは、決着の場面で姉である赤の女王をあっさり処断したこと。
白の女王の本性を見たような気がします……。


あと、チェシャ猫がよかったです。
渋くてよかった。でもお茶目、でも気まぐれ、でも大事なとこでは味方。
フワフワ浮いてるんだけどグダラーグダラーしてるのがいいですよね。きびきびしてないところが(笑)
チェシャ猫いいですよー!

【映画】マイ・ブルーベリー・ナイツ

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マイ・ブルーベリー・ナイツ (2007年、香港/フランス)

感想 (2013年3月18日、TV録画にて鑑賞)

ウォン・カーウァイ監督が描くラブストーリー。
主演は、これが映画初出演となった歌手のノラ・ジョーンズ。
共演には、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、レイチェル・ワイズ、デイヴィッド・ストラザーン。豪華です。主演級の女優2人と競演するわけですからね。

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物語もひとつのラブストーリーとして見るよりも、3人の女のそれぞれの生き様について語った映画として見たほうがいいかもしれません。
というよりも、そもそもラブストーリーとロードムービーを合体したような構成と展開。

失恋した女エリザベスを招き入れるカフェのオーナー・ジェレミー。
彼が焼いたブルーベリーパイを夜毎食べながら徐々に近づいていく2人の距離……。
しかし、別れた男を忘れられないエリザベスは、ある日旅に出ます。

物語の大半はエリザベスの旅の話。
旅先で出会ったある夫婦の破局や、女だてらにギャンブルで食っている女との奇妙な旅を通して、エリザベスの心に変化が訪れるというアレです(笑)
で、アル中の夫に愛想を尽かした妻の役でレイチェル・ワイズ(かっこいい!)が、自由奔放ギャンブラー女の役でナタリー・ポートマン(また別のかっこよさ!)がそれぞれ好演してるというわけですね。

ジェレミー役のジュード・ロウは、エリザベスから届く住所の無い絵葉書を見て、彼女の足跡を探そうと電話かけまくったりして、とにかく「待つ男」として自宅待機。
完璧にジェレミーの方が惚れてますね。ぞっこんラブ。


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個人的には、オシャレな雰囲気が漂ってることは分かったし、ストロボ技法(?)みたいな映像効果もオサレと思いました。

でも、ストーリーそのものは起伏があんまりない感じであんまり盛り上がらなかったですね。
そもそも「帰る場所」がある状態で旅に出てるんですが、なんかそれがなんか……(笑)
帰りを待ってくれてる男がいるってめちゃくちゃ幸せな状況なんですよエリザベスは。
そんな状態で何を学んだとしても説得力がないというか……。

だいたいエリザベスはどのくらいジェレミーを好きだったんですかね?
もしかしてジェレミーが勝手に恋して勝手にキスしてただけなんじゃないのか。エリザベスはブルーベリーパイにしか興味なかったんでは?
そんな疑念を抱きかねない(いや冗談ですけど)、とにかくオサレ先行の映画でした。
出演者はどなたも素晴らしいです。




【アニメ】宇宙戦艦ヤマト2199 第17話

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宇宙戦艦ヤマト2199
第17話「記憶の森から」

感想

やっぱり新見女史は営倉入りでしたね。(読みが当たりました!)
でも、クーデターを主導した伊東保安部長はどうなったんでしょう?
情報長のブラチラしかなくて、保安部長はまったく出なかったですね。
なんか、いくら脇役とはいえ、前回目立ってた悪役に何の言及もないと、とても不吉な予感がしますね(笑)
まさか、視聴者にも知らされないまま存在を抹消されたりしないですよね(笑)

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てか、ネットでは新見さんのブラで盛り上がってるのかと思いきや、意外と冷静で逆にウケます。
いつぞやの雪のお尻と比べるとその温度差は歴然。世の中、不公平に出来てます。
(制服の下に下着しか着けてないというのは盛り上がるべき要素と思うんですが)

……とはいえ、これで女性クルー5人とも視聴者サービス出揃ったってことでいいですよね?
百合亜たんは、存在自体が視聴者サービス。(←個人の感想です)


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先週描かれなかったガミラスの方では、ドメルが軍事法廷にかけられるという衝撃の展開です。
ドメルの腕に手錠がかけられてるのを見つけた時はショックでした……。

お忍びで宇宙を航行中に宇宙船を爆破されて死んだとされるデスラー総統。
その事実を事前に知っていたドメルとディッツ将軍に容疑がかけられたわけですね。前々回の「とにかく急いで戻って来い」という命令はそういうことだったと。
親衛隊長官ギムレー曰く、「疑わしきは罰せよ」ということで、なんと英雄であるドメルに死刑判決が下りました!

はあ~?って感じですよこれは。
突然出てきて「死刑」「死刑」言う陪審員たち。
笑えないギャグにしか聞こえません(笑)
ドメルどうなってしまうのかー!?

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そして反乱分子に協力してたっぽいドメルの奥さんもあっさり当局に捕まってました!
さらに首都に戻ってきていたメルダ嬢。彼女の父親はディッツ将軍なわけで、メルダは一時的にヤマト艦内に居たことがあるわけで、そこらへんを怪しまれるとメルダも危ないわけですよねー?
でも玲のライバルでもあるメルダにはまだ活躍してほしいですし。もちろんドメル夫妻にも。
この逆境からの反撃を期待してしまいます。(もう何故かガミラス側を応援している!?)


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ヤマト艦内では、沖田艦長、真田副長、佐渡先生が謎の密談。
佐渡先生の口ぶりでだいたい予想はつきますが……。

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そして艦内では、雪がイスカンダル人なんじゃないかという噂で持ちきり。
何故かムキになって否定する南部がけなげだけどうるさい(笑)
ちなみに戦術科の北野哲也は、公式サイトによると僕と同じく宮城県出身らしいです。(ちなみに沖田艦長は福島県出身ね♪)
(僕と同じく)イケメンですが、古代の交代要員なのでほとんど出番がないのが残念ですね。

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ていうか、彼女いないヤツばかり集まったな今週の第一艦橋……。
(あ、すいません彼女いる方が珍しいですよね……)


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ビーメラで (σ・∀・)σゲッツ!した星図に書かれた情報をもとに、航海を何万光年もショートカットできるワープ装置を起動しに向かった古代・真田・森の3名。

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放棄された施設を奥に進みながら語られる、古代の兄・守と真田の意外な過去。若き新見さん(いや今も若いんだ本当は)も加わり描かれる青春の1ページ。
そして、真田が守に対して持ち続けていた罪悪感も語られます。


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真田さんが食事中に読みふけってる中原中也の詩集についても。
僕は中原中也のことはまったく無知ですが、その人物を雪が知っていたことに気づいた古代が、「イスカンダル人が200年前の詩人を知ってると思う?」と嬉しそうに指摘するシーンが素敵でしたね。
雪がイスカンダル人だと疑われ傷ついていることを察した古代が、「中原中也を知ってることが地球人である証拠だ」と雪を励ますわけです。
うーん、もうけっこう深い関係っすねー。(まー前回人目もはばからずにハグしてるしなー)
意外と何を考えてるか掴みづらい主人公・古代の、優しい性格が現れた台詞でした。(額に入れて飾りたい笑)


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終盤は真田さんが捨て身でワープ装置を起動するという展開。
まさか、まさかこんな所で副長がリタイアするはずはないよなと思いつつも、まるでこれが最後と言わんばかりの演出。

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しかし、最後は……ワハハそうきたか。
いかにも真田さんらしい危機一髪でした(笑)

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もう一つ、もっと重要な事実も明らかに。
イスカンダル人ユリーシャと雪は、同じ事故に巻き込まれた別人で、雪の記憶はその事故で失われたらしいですね。
そしてユリーシャは自動航法装置の中で眠っており、彼女の記憶を辿ることでヤマトはイスカンダルへの航海ができるのだとか……。
ユリーシャには酷いことをしているが、彼女を故郷に送り届けることが贖罪でもあるのだと真田さんは語りました。

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そして、ユリーシャと対面する雪の前に現れた百合亜たんの台詞。
百合亜たんに憑依したのがユリーシャだったわけですね。(何ーシャか、やっとわかった!)

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そして、前半の佐渡先生の言動から推察するに、沖田艦長はユリーシャを蘇生しようとしている?
そうすると百合亜たんの憑依は解ける?
しかし…ごめん僕は憑依されてる百合亜たんが好きだッ!
(果たして、この愛は貫けるのか……!次回に続く!)

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てか、次回は1時間SPですとーーッ!?
予告、滾るーーッ!!うほほー!







【今週(いや過ぎ去りし青春)の新見さん】

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いや、もうなんで最初からこのデザインでいかないの?ってくらい可愛らしい眼鏡っ娘だった新見さん。
しかも古代・兄と付き合ってた設定(笑)まさかの。(古代兄弟は歳が離れ過ぎてて、兄の女性遍歴まで弟は知らなかったんですね)
それ踏まえて古代・弟への態度見ると面白そう。
あと、どっちがフったのか知りたいwww

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細かいこと言うと、眼鏡のフレームが赤で、デザインも柔らかい印象。
こんな所でも女の子らしさを演出できるキャラクターデザインって面白いですよねー。

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やっぱり現在の新見女史は「眼鏡っ娘」って感じがしないですよね。
でも、やっぱりこっちの新見さんも好きだー!
(ちなみに新見さんは京都出身だそうです)

「ULTRAMAN 第2巻」着々と広がりを見せる世界観。


ULTRAMAN 2

清水栄一 下口智裕
小学館クリエイティブ ヒーローズコミックス(2013)

*あらすじ

初めての戦いの後、科特隊のベッドで目覚めた早田進次郎。まだ事態を把握しきれない彼に、衝撃の真実が告げられる。ウルトラマンとして戦うことにためらう進次郎。そんな彼に地球に潜伏し人間を襲う異星人を抹殺する指令が下る……。

*感想

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【映画】ハリー・ポッターと賢者の石

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ハリー・ポッターと賢者の石 (2001年、アメリカ)

感想 (2013年3月17日、TV録画にて鑑賞)

J・K・ローリング原作のファンタジー小説の映画化作品。
映画<ハリー・ポッター>シリーズの第1作目。
まあ、説明不要の大人気映画ですね。

監督は、「グレムリン」や「グーニーズ」の脚本を務め、監督としては「ホーム・アローン」を手がけるなど、ファミリー向け映画で活躍するクリス・コロンバス。
<ハリー・ポッター>シリーズでは、この「賢者の石」と2作目「秘密の部屋」の監督を務めました。

主演は、ダニエル・ラドクリフ。
当時11歳でこの大役を射止め、以後、彼の驚異的な成長の速さにお茶の間が注目することになります(笑)
いや、ホント1作目は小さくて可愛らしかった。

ハリーの友人ロンとハーマイオニーを演じる、ルパート・グリント、エマ・ワトソンも同様に可愛らしさ全開ですね。
特にハーマイオニーの普段は強気な性格だけどやっぱり女の子っていう所が素晴らしいです。

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他の共演者も含めてすべてイギリス人俳優で固められてるそうですね。
ダンブルドア校長を演じたリチャード・ハリス。
マクゴナガル先生を演じたマギー・スミス。
ハグリッドを演じたロビー・コルトレーン。
スネイプを演じたアラン・リックマン。
書いていくとキリがなくなりそうです……。


物語も細かく書きだすと終わらなくなりそうですが……(笑)
生まれて間もない頃に両親を亡くしたハリーは、親戚の家に預けられ不遇な幼少期を送っていました。
しかしそんなハリーが11歳を目前にしたある時、ホグワーツ魔法魔術学校からの入学許可証が届きます。
ハリーの両親は優秀な魔法使いであり、ハリーにもその力が受け継がれていたのでした。

ホグワーツの門をくぐったハリーは、さっそく出来た友達ロンやハーマイオニーと共に、魔法使いになるための勉強を始めます。
しかし、ある日、学校に隠された秘密に気づいてしまいます……。

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「記念すべき1作目」という表現では生ぬるい、「永遠の1作目」です。久しぶりに見たらそんな感じ。
今も色褪せないワクワクに、個人的な懐かしさが合わさって見事な風味を醸し出していました。
魔法が息づく英国の雰囲気……伝統……古式なものを題材にしてはいますが切り口は新しく、新たな魔法使い像を構築することに成功した作品ですよね。

ホグワーツへの特別列車が出る9と4/3番線……。
「ニンバス2000」というスポーツグッズのような名前の空飛ぶ箒……。
生徒たちを寮へと導く(あるいは導かない)動く階段などなど……。
ありそうでなかったイマジネーションが詰め込まれています。


1作目という事で、ハリーもまだ幼いし、どうしても子供向けなファンタジー・アドベンチャーですが、大人の俳優に注目して見ると、それはそれでけっこう面白いですよね。
お固いマクゴナガル先生が、クディッチの試合に勝つことだけはやけに真剣で、観戦中もどこかはしゃいでいたり(笑)

あと、物語の悪役的な立ち位置で登場するスネイプ先生。
しばしば挟まれる彼のハリーへの熱い視線は気にしておいて損はなし。
あと無害そうなクィレル先生の細かい表情にも。
こういう所に気づいてあれこれ詮索しながら見れるのは、僕自身も成長した証かな(笑)

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巨大チェスの攻防が面白かったですね。
チェスの内容はほとんど語られないですけど、結末を悟ったロンが覚悟を決めてハリーに指示するシーンがすごくいいです。
クリス・コロンバス監督の手腕が輝いた、ドキドキワクワクの傑作ファンタジー・アドベンチャーです。



【アニメ】ヴァイパーズ・クリード

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VIPER'S CREED ヴァイパーズ・クリード

【総監督】
荒牧伸志
【監督】
神戸洋行
【声の出演】
黒田崇矢 (サイキ・クライド)
豊口めぐみ (カリヤ・サクラコ)
川田紳司 (ルドラ・シャンカル)
皆川純子 (ノーマ・ン・グィエン)
星野充昭 (ガリブ・スヴァローグ)
福山潤 (オグマ・ハルキ)
佐藤利奈
植田佳奈
桜井ひな
小島幸子
家中宏
甲斐田ゆき
櫻井孝宏

*あらすじ

21世紀半ば、自然環境の悪化と大戦の勃発によって世界の姿は一変した。大戦の終結後、海路と空路を断たれた人類は都市間を長大なハイウェイで繋ぎ、それが重要なライフラインとなる。流通の要衝として復興したフォート・ダイバ・シティでは、大戦時に放棄された無人兵器から街を守るため、民間軍事会社の傭兵<ブレードマン>たちがバイク型可変ロボット<マニューバ・ブレード>を操り日夜戦っていた。新人オペレーターのサクラコは、独眼の凄腕ブレードマン・サイキとコンビを組むことになるが……。

*感想

「アップルシード」や「エクスマキナ」で監督を務めた荒牧伸志が総監督として指揮した、2009年放送のロボットアクション・アニメ。
主人公たちがバイクから人型に変形するロボット<マニューバ・ブレード>に乗り込み、街を襲う無人兵器<バグメック>と戦う物語です。
好きなアーティストであるiLLが主題歌「R.O.C.K.」を提供しており、名前だけは以前から知っていた作品。荒牧監督が関わってるので「アップルシード」のついでに見てみました。
全4巻で気楽に見れました。

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舞台は近未来の日本のどこか<フォート・ダイバ・シティ>(←たぶんお台場?)
海面上昇による都市水没……。環境改善目的で上空に<シュガーコート>という微粒子を散布する実験の失敗のため空は飛行不能な状態、その微粒子が海に溶け出し海上も航行不能という、冷静に考えるとなかなかにギリギリな世界観です。
唯一、都市間の移動を可能にするものが、洋上に建設された長い長いハイウェイ。そのハイウェイで物資をやり取りするという重要ライフラインになっています。

そして、そのハイウェイ上で繰り広げられる、無人兵器バグメックとマニューバ・ブレードの戦い。
大戦で放棄された自律兵器が廃墟の中でまだ生きており、しばしば人を襲うためにフォート・ダイバ・シティに向かってやってくるという設定。バグメックが街に入り込む前に破壊しなければ!というミッションが展開するわけです。

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マニューバ・ブレードのパイロット<ブレードマン>は、<アルコン・グローバル・セキュリティ>という海外資本の民間軍事会社(PMC)に雇われた傭兵。
サイキ、ルドラ、ノーマ、ガリブの4人は<ユニット・ヴァイパー>というチームで行動しますが、街のためというよりも基本的に報酬のためにしか戦わず、チームワークは皆無な状況。

ブレードマン一人に対して一人の専属オペレーターが付き、オペレーターが集まっている司令室は女性ばかりでなんだか華やか(笑)
しかし、会社員であるオペレーターと傭兵であるブレードマンの間に信頼関係もあまりないようで……。
また、街はアルコンなどの海外資本によって一部が潤っているだけで、地元の人間には貧困層が多い。街に戦いを持ち込み富を搾取するPMCに不満を持つ地元民……。

そんな殺伐とした職場で、地元出身の新人オペレーター・サクラコは「街を守りたい」という思いから仕事に臨みます。
そのサクラコの影響で傭兵たちにも変化が訪れる……的な内容ですね。

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物語は全12話。前半は個性的なブレードマンたちの紹介も兼ねて彼らの戦いの日々を描き、後半7話からは最終回に向けての陰謀が描かれます。

第1話で、隻眼の主人公サイキがヒロイン・サクラコに言い放った言葉「お前に俺の見ているものが見えるか?」が、最終回第12話でサクラコが負傷したサイキを的確に誘導する展開で回収されたり、インセンティブ(報奨)目的で必要以上の戦いをしなかった傭兵たちが、終盤、強大な敵を前にして結束していくのが見所ですね。
(あとヒロインが終盤でロケットランチャーぶっ放す所も見所)

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ただ、凶弾に倒れた仲間の意外すぎる復活とか、数を揃えたオペレーターさんたちが本編では空気だとか、逆に謎の少女ばっかり目立ってる上にベタな展開だとか、いろいろ言いたいこともありますね。
ラスボスとの決着もシステムエラーってご都合主義ですし(´・ω・`)

マニューバ・ブレードのサイズも最初分からないし、人型になった時どういう体勢で乗っているのか最後まで分からないし、そもそも主人公サイキがコワモテすぎて第1話で主人公だと気づいてあげられないというね!
サイキの活躍を見ながら、「主人公まだ出てこないのかなー?」って素で思ってましたすいません(笑)
操縦席内部の映像はもっと描写してほしかったですね。狭いことだけは分かりましたけど(´・ω・`)

あと、貴重なライフラインであるはずのハイウェイが普通の片側二車線というのも、世界観を考えるとおかしいんですよね。
バグメックを想定してのPMCだから、戦闘が起こることは想定済みのはず。
なのに、部長はハイウェイへの被害に目くじら立てるし、実際ハイウェイの構造が弱いんですよね。
大洋を横断して他国と繋がるほどの橋ならば、それなりにゴツいものを想像するわけで、だから現代と同じ片側二車線道路だなんて思わないから、そこで動くマニューバ・ブレードのサイズも分からなくなるんですよね。

そもそも、大陸プレートが少しずつ動いているのにそれを跨いで橋なんて建設できるのかしら?
(……などと言ってしまっては身も蓋もないですが)

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DVDレンタルで見たんですけど、特典映像がてんこ盛りでしたね。
サクラコ以外のオペレーター4人による給湯室雑談ラジオドラマに、脚本家4人による座談会に、声優座談会、女性声優限定ガールズトーク座談会、アフレコ現場取材など……。本編より長いような気がします(笑)

オペレーターズについては、完全にラジオトークの方がキャラ立ってますね。口癖とかも出るし。
本編では、ブレードマン一人に対して一人のオペレーターというパートナーとしての役割をまったく果たしていませんでしたし(仕事中の事務的なやり取りしかなかった)、終盤はまったく出番なかったです。
その分、と言っていいのか分かりませんが、特典のラジオドラマの方で華を咲かせておりました。

作品としては、本編内でそれぞれのブレードマンとオペレーターの関係を描くエピソードがあったほうが絶対に面白いんですけどね。
全12話という制約の中ではさすがに時間が足りなかったですかね。

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ロボットアクションアニメとしては、まあ中くらいの面白さかと。
前半6話はちょっとかったるいけど、後半6話はそれなりにアクション・サスペンスしてます。
ロボット描写については、3DCGを駆使したカメラワークに工夫が見られるけど、そんなに燃えるバトルが見られるわけではないですね。
キャラクターのデザインもちょっとなあ……角刈りの主人公はちょっとなあ……(´・ω・`)
DVD1巻につき3話ずつ見られますが、特典が毎回豊富なため、2時間かかると思って借りた方がいいと思います(笑)

【短編集】アジャストメント ディック短篇傑作選

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アジャストメント ディック短篇傑作選

ADJUSTMENT TEAM AND OTHER STORIES(2011)
フィリップ・K・ディック
大森望・編
浅倉久志、大森望、訳
ハヤカワ文庫SF 早川書房

収録作品

アジャストメント
ルーグ
ウーブ身重く横たわる
にせもの
くずれてしまえ
消耗員
おお!ブローベルとなりて
ぶざまなオルフェウス
父祖の信仰
電気蟻
凍った旅
さよなら、ヴィンセント
人間とアンドロイドと機械(エッセイ)

感想

ディックの短編を原作とした映画「アジャストメント」の公開に合わせて編まれた、日本独自の短編集です。
表題作の「アジャストメント」の他、デビュー作「ウーブ身重く横たわる」やディックの死後に見つかった手紙に書かれていた幻の掌編「さよなら、ヴィンセント」、さらに講演のためのスピーチ原稿などが収録されています。

実は過去に出版された短編集と被る作品も多いらしいです。
ただ、僕の本棚にある「マイノリティ・リポート」「ペイチェック」の短編集とは被っている作品はありませんでした。


やっぱり表題作の「アジャストメント」(もともとの題は「調整員」)が気になるところと思いますが、これはあんまり存在感を示せてないですね。
ある日、世界のすべてを陰で操作・調整している組織の存在を知ってしまった男が、現実と虚構のギャップに悩み苦しむわけですが、映画のように逃亡劇もなければどこでもドアもなし、ラブストーリーといえるようなものでもなく……。
原作小説と映画を比べても仕方のないことなんですが、これは映画の方が素直に面白いかと。(ただし、映画そのものが「面白い映画」かどうかはまた別の話w)


それよりも印象に残った作品が、「にせもの」「電気蟻」「凍った旅」など。

「にせもの」はこれも「クローン」というタイトルで映画化されていて、この映画はなかなか面白くてオススメの映画なんですが、その原作もやはりなかなかオススメな内容です。
異星人の攻撃を度々受けている世界。ある朝、自分が異星人の送り込んだクローンで、体に爆弾を仕込まれているのではないかという嫌疑をかけられる主人公。
自分の無実を晴らすために逃亡しますが……。

短編小説と2時間映画の違いはあるので、映画中盤の逃亡&捜査が原作にはそっくり無いんですけど、それでも最後のヒネリの効いた終わり方というのが良くて、脳を刺激されるサスペンス。
これはぜひ映画「クローン」も見てみてほしいですね。


「電気蟻」は、これも「にせもの」と同じく自分の存在証明のために悩む物語。
しかし、「にせもの」よりも明らかに自分が人間ではないことを主人公は知ります。
今度は、機械。主人公は入院した先の病院で、自分が精巧に作られたロボットであることを知ります。

しかもこれ、主人公の仕事がすごくて、なんと会社社長。
ある資産家が会社を切り盛りさせるためにロボットを社長の座に就けたわけです。
そのことを知ってしまった主人公は、それまでどおりに社長として働くこともできましたが、自分が今まで人間だと思いこんでいたことはどういうことなのか気になり出し、自分の体の中にある重要な回路をいじくり始めます……。
ラストはなんとも壮絶な……。


「凍った旅」は、冷凍睡眠の失敗で、不安定な状態で目覚めてしまった主人公が、宇宙船のコンピューターの創り出した夢を見る、という話。
しかし、強いトラウマを抱える主人公の記憶から再構成された夢を見る度に、主人公は精神的に参っていき、そして最後には……。

この話は、ひとつの考えに囚われ精神病みたくなる所がディックらしいですね。


他にも、惑星間戦争の悲しい犠牲者たちの戦後の辛い人生を描いた「おお!ブローベルとなりて」や、未来の共産国を舞台にエリート公務員の成り上がりと謎の<同志>を描いた「父祖の信仰」なども面白かったです。
でも爽快な読後感かというと、全体としてはそんなに素晴らしい短編集でもないかな……。


ちなみに、読むのが一番大変だったのは、文句無しにエッセイ「人間とアンドロイドと機械」。
スピーチ原稿の草稿だからかと知れませんが、なんだか難しい話が延々と続いて、しかも今何を語っているのかどこに着地するつもりなのかまったくわからないという……(笑)
タイトルからは想像もつかない方向へ話が進み、時間に関する概念や、右脳左脳の話を経由して、<神>で終わりました。ディック恐るべし……!




【映画】キャッチボール屋

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キャッチボール屋 (2006年、日本)

感想 (2013年3月16日、録画にて鑑賞)

都会の片隅の公園でキャッチボール屋をすることになってしまった青年と、さまざまな迷いを持つ大人たちの交流を描いた映画です。
監督は、これが初監督作品となった大崎章。
ちょい役ですが、現在公開中のジブリアニメで主演声優に挑んでいる庵野秀明監督が、俳優として登場します。(このタイミングでこの映画を紹介できるとは……!)


リストラされて故郷に戻ってきたタカシは、野球部時代の仲間たちと飲み会の最中、好きだった女子が結婚していたことを知ります。
酒の勢いも手伝って東京行きの最終列車に飛び乗ったタカシ。
翌朝、都会の公園のベンチで目覚めた彼は、見知らぬ紳士からキャッチボール屋の仕事を引き継がれますが……。

キャッチボール屋とは、その名のとおり、10分100円でキャッチボールの相手をする仕事。
公園にやってくる人々の中には常連の客がおり、タカシは彼ら過去を持った大人たちの相手をします。


いわゆる「心温まるドラマ」ってやつですね。
仕事を失った男タカシを演じる大森南朋が、「はぁ…」とか「まぁ…」とか曖昧に返事しながら、訳も分からず人々のキャッチボールの相手をします。

タカシに仕事を任せてどこかへ去って行った先代キャッチボール屋の役に庵野秀明。(←ちょっとだけです)
タカシに食べかけの不味いランチをくれる不思議系OL役に、チャーミングな顔のキタキマユ。
本気で野球に打ち込むサングラスのオヤジに寺島進。
子供との思い出作りのために出来ないボールの投げ方を教わりにくる父親役に光石研。
いつも公園のベンチに座っているが、声をかけても決してキャッチボールをしようとしないサラリーマンに松重豊。
公園の中にある売店で働くオバサン役に内田春菊。


人々とのキャッチボールを通して何かを得る……みたいな内容を期待してるとちょっとちがくて、キャッチボール中は意外にも無言が多いんですよね。
衝撃の真実といったものもないし、終盤に繋がるような伏線もないです。
ただただ、都会の真ん中でホッと一息つけるような不思議な日常を、良さげな雰囲気で描いてる映画。
そこへ、大森南朋の「いい人」属性がマッチしてますね(笑)

一応、終盤見所もあって、オヤジ同士の本気対決という、ようやく笑える展開もあるんですけど、でも基本的には風変わりな日常がタラタラ描かれますので、飽きる時は飽きると思います。



【映画】ヒトラー ~最期の12日間~

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ヒトラー ~最期の12日間~ 
(2004年、ドイツ/イタリア/オーストリア)

感想 (2013年3月14日、DVDにて鑑賞)

1945年4月のドイツ・ベルリン市街戦を舞台に、地下要塞で指揮を執る独裁者アドルフ・ヒトラーの最後の日々を描いた戦争映画です。
監督は、「es」「レクイエム」のオリヴァー・ヒルシュビーゲルです。

主演は、ドイツの国民的俳優ブルーノ・ガンツ。
まず、見た目からして似てる?……といっても、僕の記憶にそもそもヒトラーの顔が無いんですけどね(笑)たぶん似てると思います。

共演には、アレクサンドラ・マリア・ララ、ユリアーネ・ケーラー、トーマス・クレッチマン、ウルリッヒ・マテス、ハイノ・フェルヒ、クリスチャン・ベルケルなどなど。
戦争を描いた群像劇なので、多くのキャストが登場します。


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物語は、ヒトラー総統の命令をタイプライターで文書におこす秘書として側に仕えるトラウドゥル・ユンゲの視点から、戦争末期の独裁者の二面性を描き出します。
アドルフ・ヒトラーの激しい気性だけではなく、地下要塞でのふとした日常に見せる優しさ、弱々しさ、そういったものも女性の視点から語られますね。

また群像劇ですので、市街地の戦闘に巻き込まれる市民や、将兵にもクローズアップされます。
戦いに酔う少年兵や、民間人を守ろうと奮闘する軍医、また、総統のムチャな命令に逆らえない将軍たちなど、様々な立場の人物が登場する大作ですね。


この映画、実は動画サイトで有名な映画なんです。
ヒトラーが思うように戦果をあげられない将軍たちに向かって激昂し狼狽するシーンがあるんですが、そのシーンに勝手に字幕を付けてしまうネタ動画シリーズが人気なんですよね。
「総統がお怒りのようです」って言えば分かる人も多いはず。
あの動画の元ネタがこの映画なんです。

あのネタ動画で笑った経験ある人は一度見てみるといいと思います。
元ネタは笑えませんよ~?(笑)

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映画そのものは、もちろん史実に基づく戦争映画、しかも敗戦国のですので、とても笑える内容ではございません。
終盤はいよいよヒトラーが死に、残された人々がどのような決断をしていくのかが描かれますが、これがもう…。

地下要塞に勤めていた兵士や女性秘書たちはみんな総統のことを慕っているんですね。
彼の二面性を知った上で、それでも彼について行くことを望んでいるんです。
総統の後を追って拳銃自殺する兵士、夫婦で自殺する大臣夫妻……。

とりわけ、印象に残っているのは、その大臣夫人が、自分の子供たちに睡眠薬を飲ませ、眠った頃を見計らって一人一人毒薬を飲ませていくシーン。
あれは母親の慈悲と言っていいのかどうか……。せめて苦しまずに何も知らずに死なせてやりたいという想いですよね……。

そして心のどこかでは、総統なくしてこの子達に未来は無い、という考えが骨の髄まで沁み渡っているような……。



一方、秘書のユンゲは、軍医や生き残った人たちと一緒に、地下要塞を出て連合軍の包囲を抜けようとします。
生き残るための選択ですね。

一つの権威の消滅によって、生きる目的を失い絶望した人々と、新しい価値観を受け入れ生き永らえた人々。
変化できた人間と、できなかった人間……。
ヒトラー亡き後のドラマこそむしろ見所かもしれないですね。



【アニメ】宇宙戦艦ヤマト2199 第16話

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宇宙戦艦ヤマト2199
第16話「未来への選択」

感想

ヤマト艦内でクーデター勃発!の巻。


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イスカンダルへ行って戻ってくるというヤマト計画の大幅な遅れから、人類が移住可能な惑星を探すというイズモ計画を推している新見女史。
ビーメラ4への物資調達が好機と見て、保安部長・伊東や航海長・島と謀り、艦内の指揮権を掌握しようとします。

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艦長も再び倒れて絶好の好機!(艦長ぉ……)

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一方、ビーメラの調査に向かった古代、主計長・平田、百合亜たん、アナライザーは、艦内のクーデターのことは知らずに、ジャングルに分け入ったり、巨大な虫に追いかけられたり、遺跡で重要な情報をゲットしたり……。
今後重要になってきそうな伏線もいろいろ出てきましたね。

艦内とビーメラ地上をいったりきたりしながらの構成でした。



ヤマト艦内を描いたクーデターパート。

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真田副長に計画を話し、協力してくれるよう訴える新見女史。
最初から力づくではなくて、話し合いで説得しようという心意気、好きです。
この師弟でもある二人の会話だから余計になんかいい。

結局、新見女史は真田副長を丸め込むことはできず、真田さんから「これは反乱だ」と言われてしまいますが……。
保安部長・伊東の介入で逆に真田さんが拘束されてしまいます。

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なし崩し的に始まってしまったクーデター。
艦内の指揮を執る新たなリーダーには、あらかじめ新見女史がたらしこんでおいた航海長・島が……。
艦橋、艦長室、航空隊控室など各所が保安部の監視下におかれます。


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なんと機関室でも内乱が(笑)
まさかの藪……。
ま、まあ新見さんに惚れてるからってのもありますが、藪は単純にもう帰りたそう……(笑)

クーデター鎮圧後の彼の立場が危うくて危うくて……。
どうなる、藪!?


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前回、伊東が探っていた森雪の過去も少し明かされましたね。
イスカンダル人(ユリーシャ?)なんじゃないのっていう疑惑が浮上。
かなり真実味を帯びていますが、決定的な話は終盤明らかになるだろうから我慢我慢。

それと、雪が持ってたイスカンダル女王様の記録映像。
その内容がちょっと気になりますね。
「救済」と「試練」という言葉が出てきました。
「救済」はもちろんこの旅の先にある地球の救済のことでしょうけど、「試練」とは?

この旅そのものが試練なんでしょうか?
たしかに、波動コアや設計図を送ってこれる技術があるのに放射能除去装置は取りに来いっていうのはおかしいんですよね。
しかし、なんのために絶滅の危機にある異星人に試練を課すのか。
試練を越えた先に何があるのか?
「ただではあげないよ」というヒネくれ根性だけはないと思いますが……。


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クーデターは、伊東の反乱疑惑を内偵していた星名くんの意外な活躍と、起きてきた艦長の一喝で終息。
星名くんただの百合亜たんの彼氏担当ではなくて、この回のためにちょこちょこ出てきてたんですね。
「いやだなあ、表返っただけですよ」という名言も残しました。
残念なのは、活躍の瞬間を百合亜たんが見てないことか……(笑)


担ぎ上げられそうになった島も、実は星名くんに協力していたことが判明。
さすが島だよ。ごめんよ新見さんにたらしこまれたなんて言って。

星名くんが「上層部の直属として内偵してた」と言ったおかげで、「以前から警戒してたのは伊東」ということになり、「伊東を挙げるための今回の事件」という解釈になれば、新見女史の罪は軽減されるかもしれないですね。
というか、けっこう早い段階から伊東のやり方にケチつけ始めたのでもしかしたらクーデター組にすら数えられないかもしれない。(そして何より、女性クルーが減るのはとても寂しい)
まあ、どこぞのエースパイロットみたく営倉入りが妥当ですかね。(番組的に)

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でも伊東は拘束されて、今後は星名くんが保安部長代行かなあ……。(伊東には厳しい笑)
また主要クルーの平均年齢が若返るけど、星名くんはさすがに少年だろ、あれは……。



ビーメラ探索チームの方は、これはこれで面白かったですね。

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まずアナライザーのオプションパーツがかっこええ。
胸部に収まるタイプのパワードスーツ?スーツでは……ないな(笑)
(アナライザーの収まり方はカワイイ♪)
最近だと「マトリックス」シリーズとか「アバター」とかに似たようなの出てきたのを思い出しました。

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そして、ビーメラの凶暴な虫!
この虫のデザインとアナライザーの装備!
ああっ!そうだったのか!これは、「エイリアン2」を意識してるんだね!?(違う?)


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平田主計長の「かっこいいぞー、お前ー♪」とか「虫はいや~!」とか、意外に愉快な人だということが発覚。
いや、主計長、はしゃぎすぎです。
今までの真面目なイメージ台無しじゃん(笑)


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あと百合亜たんがもう可愛くて可愛くて……。
序盤と最後だけ百合亜たんだったけど、やっぱりほとんど何かが憑いてる状態。
たぶんイスカンダル関係の○○ーシャっぽい名前の人が入ってるんでしょうけど、その○○ーシャも相当面白い子だなー。
○○ーシャもはしゃぎすぎです。
つーか、虫の心配してたし(笑)


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ビーメラの遺跡でイスカンダル人の痕跡を見つけた古代たち。
星図を発見し遅れていた航海をかなり短縮できるらしいですね。
ご都合主義!……と言いたくなるけど、イスカンダル人が人類に試練を与え、彼らが送ってきた星図の中からビーメラを見つけ立ち寄ったなら、ビーメラになんらかの手がかりがあっても当然か……。
問題は、なんのために試練を与えるのか?ここですね。


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反乱を無事に治めたヤマトに帰った古代に思いがけないご褒美。

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しかし南部にとっては……(笑)
あと、古代に気がある玲の態度など細かいですね。描写が。


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しかし、1秒1秒にいろんなものが詰め込まれていて、正直追って行くのがツラいですね。
展開が早いというか、毎回1話完結気味に構成されてる見事な脚本なんですが、逆にアッサリしすぎているというか……。
今回のクーデター回とか2話構成で良かったと思いますし、前回のドメル戦ももっとじっくり描いても良かったな、ってふと思うんですよね。26話という長さを考えるとやはり1話ずつなんですが……。

今回の話をすれば、クーデター回であるはずなのに、実は、
・雪の正体
・イスカンダル人の思惑
・遅れていた航海のショートカット方法
という伏線を提示する回になっていて、逆にクーデターがそのために利用されたような感じ。
だからクーデター自体はとてもアッサリと解決してしまった印象。
もっと藪の想いとか藪の想いとか藪の想いを描いてほしかったですね。
(ほんとおやっさんに銃向けてどうなっちゃうんだ藪……)







【今週の新オープニング】

UVERworldの新曲が新OPに……。
OP変更の発表直後から旧作ファンの中では次世代ロック的なUVERの音楽はヤマトに合わないとハッキリ言われていましたが……。
加えて、既出の映像を中心に作られたMADのようなOP映像……。
いや、意外でした……。

ただ、僕はこれヤマトファンと一緒になって叩きたくはないし、「一曲の音楽として聴けば良い曲だ」なんて当たり前のことも言いたくないので……。
要するに否定したくもなければ、盲目的に肯定もしたくないですね。(そんなOPを作ってきたことを批判してるようにも聞こえるか?笑)


ひとつだけ言えるのは、「音と映像の洪水」だってことですよ。
UVERは自分たちの音楽をやりきってると思うし、映像も既出が中心とはいえ、なんか振り切れたものがありますよね。
両者とも良い仕事したと思います。(仕事論持ち出した笑)

いろんなドラマが交錯して、それが終盤に向けてますます加速していく中で、この音と映像の洪水には何か感慨深いものがありますし、実際「うわあ~かっこええ~」と思った瞬間もありましたし。

ただ、前回までの主題歌「宇宙戦艦ヤマト」や劇中に流れる壮大なBGMと比べるとやっぱり「ヤマトには似合わない」ことも事実でしょうね。
ヤマト2199コンプリートベストとか出たら、めちゃくちゃ浮いちゃうと思います。

逆に来週はまた違う映像だったりすると、今回のOPがレアなものになるんですが(笑)

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