感動器官

笑い、涙、鳥肌、私たちの感動を現出させる器官。

2013年02月

【鑑賞予定】ジャンゴ 繋がれざる者

今、気になってる映画はこれ。

ジャンゴ 繋がれざる者

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2013年3月1日公開


ハリウッドの異端児、クエンティン・タランティーノ監督が約3年ぶりに放つアクション大作。本国アメリカではアカデミー脚本賞などを受賞済み。
ジェイミー・フォックス、この映画で見事アカデミー助演男優賞に輝いたクリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオ、サミュエル・L・ジャクソンら、個性と人気、実力を兼ね備えた出演者たちの競演。
19世紀中期のアメリカ南部を舞台に、かつて奴隷だった男が妻奪回に立ち上がる…。


タラちゃんの新作映画ということでかなり前から気になってた作品(けしてアカデミー賞獲ったからではない…)がいよいよ明日から公開されます。
三年前の「イングロリアス・バスターズ」を劇場で観て楽しんだので、今作も映画館で観て来ようと思います。(けしてアカデミー賞獲ったからではない…)

予告編を一回見ただけで大まかな内容しか分からないんですが、タラちゃんだったらまず間違いないかな、と…。
西部劇のノリでいろいろやっちゃう系なのかな。(←アバウトすぎるw)
暴力描写もあるでしょうし、とんでもない展開の脚本なのでしょうし…(笑)
ディカプリオが悪役演るそうですが、意外にも悪役初挑戦だそうです。

ツイッターの方では「イングロリアス・バスターズ」でランダ大佐を演じたクリストフ・ヴァルツが絶賛されてたので、ランダ大佐には期待してます。(けしてアカデミー賞獲ったからではない…)

てか、もう3月なんですよねえ…。
(´Д` )早いですねえ…(遠い目)

【音楽】Valtari / Sigur Ros

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Valtari
Sigur Ros

EMI Records, 2012, Iceland

曲目

Eg anda
Ekki mukk
Varud
Rembihnutur
Dauoalogn
Varoeldur
Valtari
Fjogur piano

感想

アイスランドのレイキャヴィク出身のポストロック・バンド、シガー・ロスの最新アルバム「ヴァルタリ」です。
とても耳に心地よいアンビエントな一枚。

僕は映画「宇宙兄弟」でシガー・ロスの「Hoppipolla」という曲を聴いて彼らの素晴らしい音楽を知り、その頃発売された最新アルバムを手に取ったクチです。
なので、あまり詳しくないです…。


とても穏やかで、神聖で、美しさと脆さをもった温かみのある音楽。
かと思えば、徐々に徐々に盛り上がりを見せ、いつの間にか荘厳な景色を描いていたりします。
一曲一曲がクライマックスと言ってもいいかも。

ちょっと表現しづらい音楽ですね。
とにかく気持ちいいことには間違いないんですけど…(笑)
アイスランドの寒風吹きすさぶ平原…?

ごく大雑把に括ればヒーリング系ということになるのでしょうか。
ポストロック・バンドという紹介をしたけれどこのアルバムにはロックという言葉は全然似合わないですね。
(でも、ディストーション・ギターが炸裂してる箇所もあるにはある…w)


個人的にはこのアルバムを聴いて彼らのの音楽をもっと聴きたいと思いました。
どうやら、このアルバムはシガー・ロスの作品の中でもアンビエントな部類に入るようですのでね。
アルバム毎に印象の違うアーティストは好物です♪
「Hoppipolla」が入ったアルバムも探さなきゃだし。

興味持った方は「varud」という曲名で検索してみてください。
僕にはこのアルバムを言葉で表現できません。聴いてもらった方が早いです(笑)

【音楽】JOURNEY TO THE CENTRE OF ME / カヒミ・カリィ

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JOURNEY TO THE CENTRE OF ME
カヒミ・カリィ

Polydor, 2000, Japan

曲目

The Seventh Wife Of Henry VIII
Mistaken Memories Of Madieval Manhattan
The Lady Of Shalott
Pygmalism
Journey To The Centre Of Me

感想

シンガーソングライター、カヒミ・カリィのミニアルバム「JOURNEY TO THE CENTRE OF ME」。

2000年の三ヶ月連続リリースの第2弾にあたる作品です。
当時高校生だった僕はお小遣いをなんとかやりくりしながら買った覚えがあります。
で、買いに行ったら上のようなジャケットで、レジのお姉さんに渡すのがめっちゃ恥ずかしかったというのは今では良い思い出(笑)
(どっちが表かは今なお不明w)

しかし、高校時代にこういう音楽を聴いてたんだなあ…。
なんか我ながら変な子だったなあ。


ウィスパー・ボイスで知られるカヒミ・カリィのイメージとは一線を画す音楽。
このミニアルバムを含む三部作で、彼女は「もっとパンクに!」ということを意識していたらしいです。
結果として、それまでの渋谷系なノリはまったく排除され、ジャパニーズ・ポップスとしてもかなり異色の作品になってます。

冒頭からゴシックを思わせるオルガンの響き。
全体的に薄暗く鬱々とした曲が多いです。特に#2、#3、#4…。

女性の彫像に恋をしたギリシャの王ピグマリオンの逸話をモチーフにした「Pygmalism」は偏執的というか病的な内容。
でもそれが逆にクセになります。この曲は三部作の第3弾、アルバム「tilt」にも収録されました。

MOMUS(モーマス)というスコットランド出身のアーティストをプロデューサーに迎えて、英国の民族楽器の音なども使われてますね。
お祭りのような#5「Journey To The Centre Of Me」ではバグパイプの上でヴァイオリンが軽快に踊ります。
この曲もただお祭り騒ぎの曲ではなく、途中で「Stop! Go!」のかけ声で曲が止まったり始まったり、一筋縄ではいかないですね。
こういった所でも「よりパンクに」という意図が働いていると思います。


しかし、改めて聴くと本当に異色のミニアルバム。
これが日本のメジャーから発売されたことが驚きだし、ヒップホップ、ミクスチャー、V系ロック全盛の時代にこれを聴いていた自分ってなんなんだろう…(´・_・`)

【音楽】JUMP UP / SUPERCAR

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JUMP UP
SUPERCAR

Epic Records, 1999, Japan

曲目

Walk Slowly
Sunday People
Jump
My Girl
Wonderful World
Love Forever
Tonight
Skyphone Speaker
Low-down (Live Scene)
Talk Talk
Daydreamer

感想

スーパーカーの2ndアルバム「JUMP UP」です。
1999年の春のアルバムで、当時高校生だった僕は世界の終わりを前に毎日聴いてましたね( ^ω^ )


スーパーカーはデビュー当時はノイズギターが特徴的なロック・バンドでした。
しかし、この2ndアルバムに先行して発売されたシングル「My Girl」で早くもアコースティックなナンバーを繰り出します。たしかシングルの帯には「スーパーカーがノイズギターを捨てた!?」ってコピーがあったような…。

とにかく、1stの熱が冷めやらぬうちにさっさと進化を始めてしまったスーパーカー。
これ以後、僕にとってスーパーカーは「進化し続けるバンド」となったし、彼らに引っ張られる形で音楽の興味も広がって行きました。


このアルバムはとても実験的な一枚。
全曲通してプチップチッというレコードノイズが意図的に流れているし、楽曲もいろんなアプローチのものが混在しています。

#1「Walk Slowly」は、それまでのスーパーカーではありえなかった電子音のシークエンスから始まり、やさしくも力強い声と、時に激しく掻き鳴らすギターのメリハリが印象的な曲。
シングルでもある#2「Sunday People」は、新たにブレイクビーツを取り入れた曲。
#3「Jump」では、アコースティック・ギターの奇妙なアルペジオとのん気なメロディーで不思議な曲を奏でます。

#4「My Girl」は、これフォーク・ロックと言ってもいいんだろうか?
でも、メロディーがやはりスーパーカーぽいですね。
この曲は歌詞が秀逸で、若者のけっして常に前向きではない心情を気怠く歌っています。

#5「Wonderful World」もクリアなギターで構成された曲。ミキちゃんがボーカルをとるファンタジックなナンバーですね。
でも、個人的にはこの曲は、素晴らしいリズム・ループが、ギターの音に隠れがちになってるのが残念なんですよ。
あくまでも実験的で、完璧な音の配置ではない、というのが、アルバム通してのイメージでもあります。


#6「Love Forever」では、ついにピアノまで登場^ - ^
甘い甘い愛のメロディーを奏でます。
この曲はシングルカットもされました。
#7「Tonight」では、最初の数フレーズだけナカコーが歌って、後はミキちゃんボーカルという変則デュエット。
#8「Skyphone Speaker」は、このアルバムで一番のロックナンバー。
しかし、これも実験的な一曲で、1:10過ぎたあたりのサビから突然音がクリアになるという演出。
テンポは遅くないんですが、それでもブレイクビーツです。

で、さらに実験的な一曲が#9「Low-down (Live Scene)」です。
この曲ではラップまで取り入れてるんですよね( ^ω^ )
曲調はとてもダーク。リリックはやはりスーパーカーらしく独特。

#10「Talk Talk」もゆったりしたリズムの上で深い歌詞が流れる曲ですね。
なんか個人的に海っぽい曲だな~といつも思います。大海原を渡るイメージ。
#11「Daydreamer」では、ソフトなシンセとオルガンやピアノで幻想的な空間を作り出します。
曲間にナカコーの咳き込む音(ゴホッゴホッ!)が入ってるんですが、それが良い感じに曲に切実さを与えている気がしますね。

ってか、レコードノイズの件もそうだけど、わざと不完全なものにしようという試みだったのかな?
このいかにも発展途上で拙さが残るアルバムは、他の作品と比べて圧倒的にナマモノです。

【アニメ】Robotics;Notes #17

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Robotics;Notes ロボティクス・ノーツ
#17「ロボット研究部は、本日をもって解散します!」

あらすじ

ガンつく2の事故で昴が大怪我を負ってしまい、ロボ部は学校側から廃部を言い渡されてしまう。ガンつく2も解体されることになり、あき穂は思い悩む。一方、最後の君島レポートをダウンロードしようとしていた海翔の前に、ある人物が現れる……。

感想

前回のいろんな悲劇の回収の回かと思いきや、また滾る展開に持っていきますね、このアニメ。

とりあえず昴は命に別状はないものの、足を怪我して後遺症が残るかもしれないという状況。
昴の父親からの苦情もあり、ロボ部は廃部へ。(久しぶりの宇宙人みたいな教頭先生登場w)
JAXAや地元企業からの支援も打ち切られることに……。

そして歩行補助器の暴走で崖から転落死した伊禮さん。
事故現場に視察に来たエグゾスケルトンの社長の真の目的は、海翔への接触なのだろうな……。
エグゾの社長も君島コウの秘密についてかなり具体的な事まで分かってるようですね。
直後に入ったみさ姉のコメントから、やはりみさ姉はエグゾを裏切っていることを再確認。
(しかし、妹・あき穂に対しての仕打ちが酷すぎるのは変わらない……。あき穂の見た夢が妙に真実味あったけどw)

しかし、あと数えるくらいの話数しかないのに、この展開で間に合うのか?
いや、何が起こるかすら分かんない状況なんだけど、間に合うんでしょうか?


なんか、今回、伊禮さんが亡くなって、昴も怪我をした状況なのに、この状況であき穂がロボット作りを再宣言することに批判もあるようですね。
しかも、「お姉ちゃんを超えたいの!」という自己中な理由で。

うん、たしかにこの展開、リアルに置き換えて考えたら不謹慎だし無責任だと思うけれど、でも、これって考えようによってはあき穂が自分のエゴを認めて受け入れたとも取れるんですよね。
ロボット大好きな少女として常に前向きに明るく振舞っていたあき穂だけど、心の奥底では常に憧れの姉を追い求めている。
いつか、お姉ちゃんのようになりたい、お姉ちゃんを超えたい。

この願望ってけっして前向きな思いではなく、むしろ完璧な姉を持つ妹の劣等感からくるものだと思います。
それを克服するための隠れみのとして「ロボット」や「ロボ部」を知らずに利用していた面もあるんじゃ?
むしろこのエゴイストっぷりはリアルにこそ必要なのかも……。

なので、今回のエゴに満ちたセリフこそがあき穂の偽りなき本心だと思いました。
その本心をあき穂はついに受け入れたんです。お姉ちゃんを負かしたい、そのためにロボットが必要って。
そして、そのあき穂の想いにキルバラ勝負を煽ることで応えた海翔。
この二人は思ってた以上に根っこの所で分かり合ってるんだと思います。

いつもシャアのセリフを引用するあき穂に対抗して、海翔がアムロのセリフを引用してくれればもっと分かりやすかったかも。
「エゴだよ、それは!」

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あきちゃん号泣するとこんなですw

しかし、君島レポートの拡散はビビリましたあ~。
最初、レポート拡散だなんて知らないもんだから、「危機」へのカウントダウンが始まったのかと焦りました。
このアニメ、こういう所が巧いのよね♪



【アニメ】PSYCHO-PASS 第17話

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PSYCHO-PASS サイコパス
第17話「鉄の腸」

あらすじ

狡噛たちの活躍によって槇島は逮捕され、事件は一応の収束を見せる。しかし、消息の掴めなくなった縢は逃亡犯として断定され、一係は縢の捜索を命ぜられる。

感想

「人間の脳などたかだか10テラバイトの入れ物にすぎない」
……言ったのは、ゲーム「フロントミッション5」に登場したモーガン・ベルナルド博士。
そう、人間の脳など所詮10TBの器にすぎない……。
しかし、機械には出来ない判断を一瞬で決めてしまうという驚異的な演算能力を持っている……。


……それはそれとしてwついにシビュラの正体が判明。
僕としてはもう一週くらい待たされても平気だったけど……。
前回でカガリとチェ・グソンがシビュラにたどり着いて……、なのに正体は視聴者には伏せられて……、けれど今回では局長の解説付きで見せてくれる……、なら前回見せてくれても良かったのに……。

それともシビュラの正体はあくまでもクライマックスへの入り口ということなのかな?
今回よりも衝撃的な出来事が待っているのかも((o(´∀`)o))ワクワク

ていうか正直、想定の範囲内でしたね。シビュラについては。
「脳ミソ」っていうキーワードだけでけっこうな数の作品を連想しちゃいますし。
古いのだとルパン三世に登場したマモーの正体(笑)
近年だと「ガンダムOO」の黒幕も「肉体は器にすぎない」という主義のもと、「個は全であり、全は個である」を実践してました(笑)

なので、局長が黒幕の一部だったという話も、そんなに驚くことではないですね。
それは以前から示唆されてましたし。

このアニメらしい点を挙げるとすれば、脳の提供者がサイコパス(精神障害者)であるということ。
共感性が弱く、感情が欠如し、他者への思いやりがまったくない無慈悲で冷酷な者。
そんな人間の持つ脳こそが、社会を公平かつ冷徹に管理することができる……。

たしかに、朱のように優しい人間には民衆を管理することなんて出来ないのかもしれない。
裁くべき人間を裁けない者には平和な社会を築くことは出来ないだろうし、人々を数値で管理して適性のない少数の人間を切り捨てることが出来なければ、最大多数の最大幸福は実現出来ないのかもしれません。
(現実の世の中は弱者や少数の意見も取り入れようとしていますが、いろんな思惑が入り交じって何も決まらないというのも事実)
……この設定はアニメ「サイコパス」じゃなきゃできないでしょうね。


しかし、恐ろしいまでの説明回でしたね……。
そして槇島と局長の難解な会話なので言ってることの意味がよく分かんないというね……(笑)

槇島と局長は裏で繋がっているって思い込んでいたけど、どうやら間違いで、局長の方が槇島を一方的に知っていた模様。
そして、今回の出会いで、槇島も局長の「中の人」が知人だったことに気づいたんですね。

狡噛や朱たちよりも早く世界の本当の姿を知った槇島。
「プレイヤーでいたい」と言った彼が次回以降、シビュラとどう向き合っていくのか……。
にわかに槇島に大注目なわけですけど、でもどこか釈然としないのは、彼が根っからの犯罪者だから?
市民を混乱に陥れたり、朱の友人の命を奪った彼が、ダークヒーローとして描かれることはさすがにないでしょう、というかあってはならないというか……。

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あと、別の係の執行官がドサクサでトンズラこいたって話は、なんか展開するのかな?
あのお姉さん見て、「まさかギノの姉……」とか不吉な予想をしてしまいましたが(笑)

あくまでもカガリが生きてると主人公たちに思わせるための追加情報?
視聴者的にはカガリ死んでるのに、狡噛や朱は捜そうとしてるからなんか切ない……。



【映画】「みなさん、さようなら」中村監督、さようなら……と言いたくなる。

主人公は階段降りれない……。

みなさん、さようなら
(2012年/日本)
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【用語】「スピンオフ」いまさらですが……。

スピンオフ

久しぶりの用語解説です♪
「解説」と言えるほど立派なもんじゃないけど…(^^;;

「スピンオフ」……。
メディアに触れていてこの言葉を聞いたことがない人はいないでしょうね。
ここで取り上げるのもいまさらな気もしますが……。

スピンオフ【spin-off】 = 派生的に生じること、派生により生じた物、副産物

言葉の意味としては上の通りで、用法としては、
1. 事業の一部門を独立させて別の会社を作ること。
2. 国の技術開発などで発生する副産物。また、民間産業への転用。
3. フィクション作品などから派生した作品。

……というわけで、映画やTVドラマなどのエンタメ業界以外でも使われることのある言葉のようですね。
当ブログは映画の感想を主としたブログですので3の意味以外で使うことはないんですが……。


調べていたら「スピンオフ・ムービー」という言葉を発見しました。
これなら明らかに映画についてのスピンオフだということが分かりますね。
スピンオフ・ムービー = 既存の作品の脇役などを主人公にして作られた映画
ある人気作品の脇役を主人公にした物語で、多くの場合、元となった本編に影響を与えないような独立したストーリーが描かれます。
元の作品が人気であることが重要で、元作品での準主役級の登場人物や特に人気の出た脇役が主人公となりえます。
スピンオフ作品によって、本編の作品世界に広がりを持たせることができるし、すでにヒットした作品と関連付けることで安定した収益を見込めるわけですね。

ただ、個人的には、スピンオフ・ムービーで面白いものは少ないように思います。
元作品と比べて見劣りする面や、テーマが本編とかけ離れていてもいけないし、逆にまったく同じでも楽しめない……、そういう点では派生元よりも求められることが多いように思いますね。
しかし、そういうハードルの高さを無視して作れてしまうのがスピンオフ・ムービーの強みでもあり……。


似たような言葉に「スピンアウト」というのがあるそうです。
もともとは車がスピンしてコースを飛び出すことを指すのですが、それが転じて、ビジネス用語としてスピンオフと似た意味で使われています。
基本的な使い方は上記の1の通りですが、二つの言葉の違いは「スピンオフ/アウトした子会社に対する親会社の影響力」。
関係が深く影響力の強い場合をスピンオフ、完全に独立したような形で関係が薄い場合がスピンアウト、となるそうです。

これをフィクション作品に当てはめると、著作権者などによる公式に制作されたものをスピンオフ、第三者(ファンなど)による非公式なものをスピンアウト、と言うことができますが、後者の場合、「二次創作」という言葉がスピンアウトの意味を含めているので、日本においてはスピンアウトという言葉は浸透しづらいのかもしれません。

スピンオフ・ムービーいろいろ

過去にレビューしたスピンオフ・ムービー。


L change the WorLd ※映画「デスノート」の準主役・Lを主人公にした作品。


交渉人 真下正義 容疑者 室井慎二 ※二つとも「踊る大捜査線」シリーズからのスピンオフ作品。


鑑識・米沢守の事件簿 ※「相棒」シリーズの脇役・米沢守を主人公にした派生作品。


ウルヴァリン: X-MEN ZERO ※「X-MEN」シリーズの登場人物の一人、ウルヴァリンの過去に迫ったスピンオフ。でも、ウルヴァリンって映画では主役級なので「前日譚」って言い方の方が適当な気も……。


僕の初恋をキミに捧ぐ ※実写映画化もされた漫画「僕は妹に恋をする」のスピンオフ漫画が原作。ただし、原作がスピンオフというだけで、二つの映画の間に関連性はないようです。



【音楽】Modanica / LAMA

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Modanica
LAMA

Ki/oon, 2012, Japan

For You, For Me
White out
Parallel Sign
D.B.A.
Domino
Know Your Rights
Strawberry Burn
Dear
In The Darkness
So
Life
Namida no Umi
And All



エレクトロ・バンド、LAMAの2ndアルバム「Modanica」です。
前作「New!」からさらにエレクトロよりになった感じですね。

ただ前作がとてもポップで、オモチャ箱のような内容だったために、今作を最初聴いた時にガッカリしたファンも多いみたいです。
個人的には、今回も完成度は高く、気持ちの良い音で溢れていると思います。
歌ものと呼べる曲はちょっと少ないけどね…。


否が応にも期待を高めてくれる1曲目「For You, For Me」に続いて、キュートなサビが最高にカワイイ2曲目「White out」。
そして、キラキラなシングル曲「Parallel Sign」。ここまでの3曲だけでも一聴の価値アリです。

#4「D.B.A.」(Don't Be Afraidの略)と#5「Domino」は趣向を変えてクールでオシャレなダンス・ミュージック。
歌詞も短いフレーズの繰り返しになってきます。

#6「Know Your Rights」の疾走するギター曲で再び空気をポップに沸騰させた後は、#7「Strawberry Burn」で濃ゆいエレクトロ・サウンドを展開。
この「Strawberry Burn」という曲、音の印象のせいだと思うけど、「FLASH BACK」以降のcapsuleを思わせる楽曲ですね。
サビの奥の方で鳴ってる乾いた細かいフレーズがクセになります。


#8「Dear」からは再びクールな世界観へ。
この曲は、ミキちゃんの低音が聴けるダークな一曲。歌というよりアンビエントっぽい楽曲です。

そのダークさをダンサブルに表現した#9「In The Darkness」。
ギターのリフと懐かしめのベースラインが心地良いです。あとからジワジワくる系の良曲。
ただ楽曲としては素晴らしいんですが、歌詞やボーカル部分が少ないのでカラオケ映えしないのが唯一の欠点。(てゆーか、そもそもカラオケで配信されそうにない…)


LAMAというバンドは、音楽をひたむきに追いかけるあまり、メジャーでやりあえるメロディーセンスやポテンシャルを持ちながらそれを活かしきれてない気がします。
(音楽業界の現状によるところも当然あるでしょう)

それを一番感じさせる曲が#10「So」。
これはもうアンビエント。鳴ってる音がとても美しい。とてもメロウな雰囲気の曲です。
でも、この曲の良さはメジャーなメディアでは絶対伝えられないと思うんですよね…。それがすごく惜しい。

ラストの3曲だって、それぞれとても素晴らしい曲。
「Life」「Namida no Umi」「And All」…どの曲もエンディングに聴こえるんです、これ(笑)
アルバムを締めくくるに耐えうるミディアム・テンポの壮大な曲が3曲続くんです。笑っちゃうよ、これ。

「Life」はリフレインするノイズっぽいサウンドで2分くらい引っ張ってからの、ナカコーの甘いボイスで盛り上げる。
「Namida no Umi」はデュエット曲としても良いし、やっぱり最後に盛り上がりがあって聴いてる側としては満腹。
…なんですけど、最終的には神聖な雰囲気の漂う「And All」でチルアウト。

エンディングに詰め込みすぎ…というか、スパッと終われなさすぎ(笑)
これがLAMAというバンドのポテンシャルだと思うんですよね。


あまり楽しめない…という意見は多分、後半のまったりモードのせいでしょうね。
前半の「White out」「Parallel Sign」「Know Your Rights」などのポップでキャッチーな曲と対照的な、後半の「So」以降の4曲。
前半の疾走感やキラキラ感が最後まで持続してれば誰も文句を言わない名盤だったかもしれませんが、個人的にはこの大衆に迎合せずに我が道を行く姿勢こそナカコーだと思うし、バンドがやりたいことをやりきったっぽいこのアルバムはけっこう好きな一枚になりそうです。

ってか、前作が無目的にポップすぎたんですよ…(´・Д・)」

【音楽】色色衣 / スピッツ

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色色衣
スピッツ

Universal J, 2004, Japan

曲目

スターゲイザー
ハイファイ・ローファイ*
稲穂*

ムーンライト
メモリーズ
青春生き残りゲーム*
SUGINAMI MELODY
船乗り
春夏ロケット
孫悟空
大宮サンセット
夢追い虫
僕はジェット

* new mix

感想

スピッツのスペシャル・アルバム「色色衣」(いろいろごろも)です。
シングルのカップリング曲など、アルバムに収録されなかった曲を集めた企画盤。こういった企画盤は99年の「花鳥風月」に続いて二作目。

でもシングル曲も2曲入ってますね。
「スターゲイザー」と「夢追い虫」はなんでアルバムから漏れたんだろ?「ハヤブサ」以降のオリジナル・アルバム聴いてないのでよくわかりません…。
「メモリーズ」も両A面シングルだけど、こちらは「メモリーズ・カスタム」という別バージョンがアルバムに収められてます。
あと、「ハイファイ・ローファイ」「魚」「青春生き残りゲーム」はep盤「99ep」からのアルバム初収録。


やはり二つのシングル曲「スターゲイザー」「夢追い虫」は良曲ですね。
このアルバムはいきなり「スターゲイザー」から始まるので、とてもインパクトがあります。

シングル曲以外では、アコースティックを意識したものとして「稲穂」「SUGINAMI MELODY」「大宮サンセット」などがあります。
逆にロック・バンドとしての立ち位置を強調した「青春生き残りゲーム」「船乗り」「春夏ロケット」「僕はジェット」などもあってとてもバランスの取れた内容。
未収録の曲ばかり集めてもきちんとアルバムになってるのがなんかすごいですが…。

個人的に好きな曲は「魚」。
初期のバラード曲を思わせるミディアム・テンポのラブ・ソングです。

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