感動器官

笑い、涙、鳥肌、私たちの感動を現出させる器官。

2012年12月

2012年にお気に入りになった映画21

2012年の締めの記事はお気に入り映画の紹介を。
Yahoo!映画の「みたログ機能」で今年「お気に入り」に登録した映画作品をまとめてみます。
あくまでも「Yuckeが2012年に初めて見た、あるいは改めて見て、気に入った映画」ですので、「2012年公開のお気に入り映画」ではありません。念のため。
TV放映でしか見たことないのもあれば、映画館で一発K.O.を食らったものもあります。

一度お気に入りに登録した作品をお気に入り解除することは(今のところ)してないので、正直、今振り返ると「そんなに好きじゃないかも……」という作品もありますが……(笑)
Yuckeがどんな映画を好むのか一目で分かると思います。

2012年にお気に入りになった映画21

※公開年度・邦洋に関係なくアイウエオ順で並んでいます。
※すでにレビュー済みの作品はタイトルをクリックするとレビュー記事に飛びます。

初見は2010年、TV放映でした。その時はお気に入りに登録しなかったんですが、今年TVでまた放映されてるのをチラっと見て、お気に入りに登録。スピルバーグ監督のユーモアと宇宙への愛が詰め込まれた作品。実はインディ・ジョーンズの他のシリーズはちゃんと見た事がないんですよね。これが映画4作目になるわけですが、前の三作と比べないことも高評価の一因?
同名漫画を小栗旬と岡田将生の出演で実写化。宇宙飛行士への夢を掴んだ弟と諦めた兄。そのダメ兄が奮起する物語。こういうアイドル映画のようなジャンルは基本スルー(特に邦画は)なんですが、騙されたと思って観てみたら、僕自身がダメ兄だからか琴線に触れまくりでした。挿入歌のセンスも光ってましたね。

H・G・ウェルズ原作SF小説をスピルバーグ監督が実写化。トム・クルーズ主演ということで知名度は高いですが、同時に結末のモヤモヤ感のせいで評価も低い作品(笑)僕自身は初見の時から割と好意的に見ていたのですが、原作小説を読む機会があり、その内容を知ってから再びこの作品を見てお気に入りに登録しました。とにかくトライポッドが好き。

リドリー・スコット監督が描く「エイリアン」の前日譚「プロメテウス」公開に合わせて、シリーズを「1」から「4」まで見たのですが、一番気に入ったのはジェームズ・キャメロンが監督した「エイリアン2」。とにかく、終盤の一難去ってまた一難が5回くらい連続するので満腹です(笑)少女の存在が主人公やエイリアンの母性を際立たせます。

ジャン=ピエール・ジュネがメガホンを取った4作目。シリーズで一番ユーモアに溢れるのは多分監督のせい。ついに決着、なんですが、常識を逸脱した関係性が描かれているのがすごい。あと、ウィノナ・ライダーに妙に引き込まれるな~と思って見てたら、この人、僕が大好きなあの役でした!(笑)ただ正直「エイリアン2」と同レベルとは言えないかな……。
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90年代に社会現象を起こしたTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の新たなシリーズの2作目。「序」「破」「Q」と見た中では、一番好きなのが「破」。やはりアスカの存在が大きいと思うのだけど、明るさと理不尽さがどちらも前面に押し出されている印象。逆に「破」がこの雰囲気でなければ「エヴァ」にハマってなかったかも。

「時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守監督の最新作。不覚にも涙してしまったアニメ映画。おおかみこどもたちが可愛くてしかたない。特に幼年期の雪のうるさカワイさが他人事で観ているこっちには楽しすぎる。家族の絆と成長・巣立ちを描いた作品ですが、母親視点でなくても充分に感動できたのが意外な映画でした。

「運命じゃない人」「アフタースクール」の内田けんじ監督作品。広末涼子のコメディエンヌっぷりにかなり笑わせてもらった作品。勝ち組男が銭湯で転んで記憶を失い、自殺願望のダメ男の人生と交換されてしまう物語。かなり笑える作品なんだけど、どこか、人生を生き抜くヒントみたいなのも描かれてる作品。

吉田大八監督が描く青春群像劇。学校一の人気者「桐島」が突然バレー部を辞め、学校を休んでしまう。そのことで他の生徒たちのそれまでの関係性が微妙に崩れ始め……。学校の主役「桐島」が最後まで出てこず、残された脇役たちにスポットライトが当てられた映画。とにかく人物描写や些細な事で変化していく友人関係が面白い。

海堂尊の医療ミステリーを竹内結子・阿部寛主演、監督・中村義洋で実写化。「チーム・バチスタの栄光」とともにTV放映で見ましたが、前作の魅力そのままの二人が良かったし、堺雅人の悲壮感漂う演技が素晴らしかったです。ラストはミステリーから離れ、パニック救命モノ的な感じだけど、不覚にも涙。あと竹内結子が綺麗すぎてヤバイ。
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バカバカしさが突き抜けてるコメディ作品。TV放映でしか見たことないですが、定番というか殿堂入りみたいな感じでお気に入りに登録。少林拳の使い手たちがサッカーで全国制覇を目指す。ボールが燃えるわ、デブが空を飛ぶわ、ヒロインの扱い(あばた顔→厚化粧→ハゲ)が酷すぎるわで、大好きな作品。チャウ・シンチーのスタイルは好きかも。
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エドガー・ライス・バロウズのSF小説「火星のプリンセス」をディズニーが3D映画化。惑星「バルスーム」に迷い込んだ青年の奇想天外な冒険譚。主演のテイラー・キッチュのやんちゃな表情が好きで、さあこれからクライマックスというところで笑いを入れてくる作品の軽さも好き。そしてキモカワイイ犬が驚きの性能ですごい!

P・K・ディック原作のSF映画で、1990年にシュワちゃんが主演した同名映画のリメイクにあたります。2012年版ではコリン・ファレルが主演。レン・ワイズマン監督のド派手な演出と、彼の奥さんケイト・ベッキンセイルがイイ感じに恐い。パワフルさや物語ではシュワ版に敵わないものの、未来世界の描写は面白かったです。

5年くらい前にTV放映で見てからずっと好きだった作品。これも細田守監督の作品で、「おおかみこども~」の公開に合わせて再映されていたので観に行きました。時間跳躍「タイムリープ」能力を手にした少女と、彼女を取り巻く環境の変化を描いたアニメ映画。誰もが憧れる、しかし、ほとんどの人が手にしたことのない淡い青春を描いていて、とても切ない作品ですね。
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原作から好きなシリーズで、これがラストなら三部作として納得の出来かな、と。今回はエドマンドとルーシーが従兄弟のユースチスとナルニアへ。人をさらう霧の正体を求めてカスピアン王子の航海に同行。今作で一番はネズミ剣士のリーピチープ。ユースチスとの友情がアツかったし、ラストの船出のシーンはものすごくいいベストショットが一瞬見れます。
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何年か前のTV放映の録画を暇つぶしに見てみたら予想外に面白かった作品。飛行機を安全に運行させるために働く、様々な空港スタッフの活躍を描いたコメディー映画。TV予告などでは綾瀬はるかばかり目立ってますが、実は空港で働く女性たちにスポットを当てた作品でもあり、女優さんたちがみんな魅力的。ハッピーになれたのは言うまでもありません。
原作:伊坂幸太郎×監督:中村義洋のタッグは「フィッシュストーリー」や「ゴールデンスランバー」でお馴染みですが、最初思い出せなかったのが「ポテチ」というタイトル。作品集「フィッシュストーリー」に収められていた短編で、読んだことはあるんだけど忘れていたお話(笑)68分という掌編ながら、とても楽しめた作品で、監督自身が登場し活躍するのがたまらない。濱田岳の演技を堪能し、木村文乃というこれからが楽しみな女優を知った作品。

2011年に放送され熱狂的な支持を集めた深夜アニメを再編集した劇場版。魔法少女として世界存亡の危機と闘う少女たちの葛藤を描く。実力派クリエイターたちによるダーク・メルヘンな世界観も素晴らしいし、終盤で明かされる秘密や物語の落とし所がとにかくたまらなかった。「萌え」と呼ばれる雰囲気の中に容赦の無さが満ち満ちていたアニメ。来年公開の新作映画は期待大。
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人間嫌いの青年がある日、兄夫婦に恋人を紹介するが、それはネットで注文した等身大リアルドールだった……という物語。心を病んでしまった青年と、彼を取り巻く町の人々の人間模様がハートフルに描き出されます。小さなコミュニティの暖かさに触れられる映画。そして主人公ラースが最後に下した決断が意外。

絢爛豪華な歌と踊り、ハリウッドのVFXを駆使したド派手で意味不明なアクションが満載のマサラムービー。インドのスーパースター・ラジニカーント扮する人間に恋をした高性能ロボットが、自身を破壊した博士を恨み暴走するアクションSF。後半のわけわからないアクションがとにかくすごい。A.R.ラフマーンの音楽も素晴らしい。濃密すぎる3時間でした。



以上21作品、皆さんが好きな映画はありましたでしょうか?
正直言って、お気に入りに登録したりしなかったりの判断基準はその日の気分なので、シビアに選んだ時期もあれば、ゆるく選んでしまったものもありますが(笑)

まあ、とにかく、映画って素晴らしいですよね!(ムリヤリ締めるw)





では、これで今年最後のブログ更新になります。
読者さまのおかげで一年間楽しくブログ交流できました!ありがとうございました♪
2013年も頑張りますのでどうぞよろしくお願いします♪

読者さまの一年の健康を祈願して……。



2012年12月に見た映画&2012年に映画館で観た映画

12月に見た映画の一覧。

・「DVDにて」はDVDでの鑑賞。

・「地上波にて」はTV放映をリアルタイムでの鑑賞。

・「@~~(映画館名)」は劇場での鑑賞。

・何も付記されてないものはTV放映の録画の鑑賞。

 



12/1  007 カジノ・ロワイヤル

12/8  ヴァージン・ハンド

12/9  007 慰めの報酬
 
12/9  新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2  DVDにて
 
12/12  新世紀エヴァンゲリオン劇場版 THE END OF EVANGELION  Air/まごころを、君に  DVDにて
 
12/13  ロックアウト  @MOVIX仙台
 
12/16  Vフォー・ヴェンデッタ
 
12/16  ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間 スペシャル・エクステンデッド・エディション  DVDにて(Disc1)
 
12/17  ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間 スペシャル・エクステンデッド・エディション  DVDにて(Disc2)
 
12/18  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 スペシャル・エクステンデッド・エディション  DVDにて
 
12/19  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション  DVDにて(Disc1)
 
12/20  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション  DVDにて(Disc2)
 
12/22  ブリスター! BLISTER
 
12/24  ホビット 思いがけない冒険  @チネ・ラヴィータ
 
12/30  トナカイのブリザード
 
12/30  プレステージ
 
 
 
 
 
12月は14本の映画を見ました。
ただし、「ロード・オブ・ザ・リング」(LOTR)のスペシャル・エクステンデッド・エディションがやたら長くて1作品で映画2本分の長さがあるので、自分としてはたくさん見た気がします。
LOTRは6部作と言っても過言じゃないと思います(笑)
 
 
映画館で観た作品は、LOTRの前章となる「ホビット」と、先月見逃していた「ロックアウト」の2本。
「ロックアウト」は終映ギリギリでした。そんなに人気なかったのか……。
個人的にはそんなに楽しめなかった感じですね。どちらの作品も。
むしろ、LOTRをじっくり時間をかけて振り返ったことの方が印象に残った12月でした。

どうせなら、お家映画でなかなか面白かった「007」の新作を素直に観に行くべきだったかも……。
まだやってるので観ようと思えば観れますね。


その他、エヴァンゲリオンの旧劇場版を見て、一応エヴァの旧シリーズをひと通り見ました。(TVシリーズのDVDは映画扱いではないので記載しませんでしたが全部見ました)
あとは、いつ「Q」の2回目を観に行くかですね。「Q」のサントラも買って聴きこんでおります。
その前に漫画も読んでみようかな、なんて頭をよぎって今悩んでますが……。お年玉もらえる歳ならよかったんですが(笑)

あと、昨日見たばっかですが、「プレステージ」が面白かったですね。
面白いので調べてみたらクリストファー・ノーラン監督の作品なんですね。
さすが、ノーラン監督!って思わず言ってしまいますが、正直これはノーラン監督以外の監督がこのクオリティで描いて欲しかったですね。
「ノーラン監督にしては……」みたいな思いが頭をよぎったのも事実……。





とにかくこれで、今年の映画鑑賞も終わりです。
2012年は計209本の映画を見ました。
そのうち、劇場鑑賞は29本でした。


2012年、映画館での鑑賞内容は以下のとおり。


1月ヒミズ
マイウェイ 12,000キロの真実
2月TIME/タイム
メランコリア
3月ヒューゴの不思議な発明
スター・ウォーズ エピソードI/ファントム・メナス
4月ポテチ
ジョン・カーター
バトルシップ
5月ロボット
宇宙兄弟
6月メン・イン・ブラック3
愛と誠
ロボット 完全版
7月アメイジング・スパイダーマン
おおかみこどもの雨と雪
ダークナイト ライジング
8月トータル・リコール
時をかける少女
桐島、部活やめるってよ
9月プロメテウス
踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
鍵泥棒のメソッド
10月劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編] 永遠の物語
ヴァンパイア
11月ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
12月ロックアウト
ホビット 思いがけない冒険


けっこう観ましたね……。
でも、実は「ヘルプ」とか「アーティスト」とか「アベンジャーズ」とか「アルゴ」とか「レ・ミゼラブル」とか、絶賛された映画はほとんど観てないですからね……。
それでも本人は今年、「けっこう話題に乗っかった」つもりでいますが(笑)
なんか、独自路線を行くのだろうな……2013年も。

【ドラマ】「薄桜記」武士にとっての生とは、死とは。

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薄桜記 (2012年) ※終盤レビュー

【原作】
五味康祐
【演出】
清水一彦
榎戸崇泰
【脚本】
ジェームス三木
【出演】
山本耕史 (丹下典膳)
柴本幸 (長尾千春)
高橋和也 (堀部安兵衛)
長塚京三 (吉良上野介)

あらすじ (第9回以降)

丹下典膳は吉良上野介の警護役を引き受け、客分として吉良邸に住み込むことになった。かつて典膳と千春の仲を取り持った上野介は、二人に復縁の話を持ちかける。その頃、行方をくらましていた堀部安兵衛が現れたとの情報が入る。安兵衛に会った典膳は「吉良を討つのは筋違い」と諭すが、安兵衛は典膳に警護から身を引くように懇願する。親友同士の闘いの時が近づいていた……。

感想

NHK時代劇「薄桜記」最終回見ましたー。
うーん、結末は予想してたんですが、思ってたのと描かれ方が違ったですかね。


終盤の9~11話は、武士の死生観を描いてましたよね。
吉良上野介についての見方も大きく変わりました。

吉良様が「斬りつけたのは浅野で斬られたのはワシじゃ。なのに何故浅野の浪人に命を狙われねばならん!」って言うのですが、それは討ち入りが怖いからではなく、犬死にするのが惜しいんだと、それが分かったのが第9回。
その時、典膳はこう質問するんですよね。「吉良家の当主はどなたですか?」と。

上野介はこの時隠居の身で、すでに若い当主に家督を譲ってる。
すると典膳は、ご隠居の警護ばかり考えている家来たちに、当主が討たれたら御家断絶だと訴えるわけです。(御家断絶を経験している典膳ならではの着眼かもしれません)
仮にご隠居が死んでも御家存続には何の影響もないと……。
(これをご隠居がいる前で言っちゃうのがすごいw)

その言葉を聞いた上野介の心にも変化が……。
自分の警護より、当主である息子の警護を典膳に命じるんですよね。
息子が生きて御家が残るなら、自分は討たれても構わない。それは犬死にではない、と。

これが上野介の死生観。あるいは家長として御家を守り・繋ぐ侍すべてに通じるのかもしれません。
それに触れた典膳の心にも変化が訪れます。


第10回では、典膳と堀部安兵衛が再会。
しかし、討ち入りされる側の吉良邸の客分と、討入りする側の赤穂浪士。
互いに腹のうちを探りあうかのような会話がちょっと痛々しい。
そしてどちらも相手の無事を願っているというのが厳しい言葉から滲み出ていて、純粋にバディものとしての面白さがありました。

やはり、親友同士が敵味方に分かれる展開はいいなあ~。
そして敵味方に分かれても相手を思いやってるのはもっといいなあ~。

しかし、安兵衛はあくまでも討ち入りに殉ずる覚悟のよう。
そして典膳自身も自分の「死に場所」を探し始めた頃だったのです……。

ちなみに、吉良夫妻の粋なはからいで決まった典膳と千春の祝言は年明けの予定。
そして赤穂浪士の吉良邸討ち入りは12月15日未明。ヽ(´Д`;)ノアゥア…
この展開の切なさは何なの!?


第11回(最終回)では、ついに討ち入り当日の典膳の最期が描かれます。
吉良邸の侍たちが気を抜いている様子を目の当たりにして、少しモチベーションが下がった典膳。
思わず千春に「赤穂浪士が羨ましい」などと口走ってしまいます。

赤穂浪士たちの暴挙を「筋違い」だと断じながらも、武士として男として、一つの目的のために命懸けで行動する様子が羨ましかったのかもしれません。
そしてもう一つ、典膳は安兵衛の事をどうしても斬りたくなかった。
しかし、吉良邸に安兵衛が討ち入ってくれば、安兵衛を斬らねばならない。

八方塞がりの中で典膳が出した答えは、安兵衛の刀によって斬られ、自らの死に場所を得ること。

いや、もうこれね、物語の途中から典膳が死ぬという予想をしていたんですけど、正直ここまでストイックに武士道貫いて死んでいくとは思いませんでした。
単にこれ、友の命を救いたいという優しさのみで行動してるわけではないんですよね。
ぶっちゃけ武士にしか分からない道理かもしれないけど、何のために剣を振るって死に、その名を汚さずに残すのか、それを常に考え続けている生き物だと思いました、侍は。

主君のあるものは主君のために死んで名を残す。
典膳には主君はいなかったから、自分で死に場所を探さないといけない。
それが、あの冬の夜の果し合いだったのだと……。

安兵衛が勧めたように、一晩身柄を隠せば典膳の命は永らえますが、それでは裏切り者のそしりを受け、名を汚してしまいます。
ならばここはいっそのこと、友の剣に斬られて果てようではないか!(いやそんな軽い気持ちではないと思うんですが、その辺の本気度は武士じゃないと分からないんでしょうね)
もうとにかく、最期の言葉「……これでよかったか?」にキュン死寸前ですよ、典膳様!


でも、思えば、最初から最後まで武家社会の時に理不尽な掟をストイックに描いていたなあ……。
前のレビューでも書きましたが、犯された女子の方が罰が重かったり、襲われて怪我すると不名誉で御家お取り潰しになるし、たまたま士官した藩が赤穂だったために親友同士が殺し合うハメになったり……。
そして極めつけは死に場所を見つけたらそこに向かっていって死んでしまう武士の生き様。

生きてこその命なのか、何かのために使い果たしてこその命なのか……。
そこに悲恋という要素を織り交ぜていて、とても楽しめました。
人情時代劇と違って基本暗いんだけど、ところどころでユーモア入れてくるし、こういうシリアスな時代劇もたまにはいいですね。(でも大河見るほど時間に余裕ない……)

ひさしぶりに時代劇見たなあ~。
1月からの「塚原卜伝」もこの流れで見ちゃおうかな。
というか、堺雅人や栗山千明が出るので見るしかないな。見よう見ようw



「るろうに剣心」名セリフ集 其之九

るろ剣名セリフ集・第9弾!
今回は24巻~28巻(最終巻)の名セリフを集めてみました。

漫画「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」名セリフ集
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「るろうに剣心 巻之二十八」(最終巻)過去との決着。去りゆく仲間たちと未来への希望。

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るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
巻之二十八 新たなる世代へ

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【短編集】90億の神の御名

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<ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク2>
90億の神の御名

著者:アーサー・C・クラーク
編者:中村融
訳者:浅倉久志、他
初版:2009年
ハヤカワ文庫SF

あらすじ

数字の代わりに文字の並べ替えを自動でする計算機の注文をしたのは、チベットのラマ僧だった。その目的は、神の名前をすべて記すこと。9文字のすべての組み合わせをリストに載せ終わった時、世界の終わりが来るというが……。

収録作品

前哨
月面の休暇
おお地球よ……
時間がいっぱい
90億の神の御名
木星第五衛星
夜明けの出会い
海底牧場
密航者

月に賭ける
究極の旋律
天の向こう側
遙かなる地球の歌
幽霊宇宙服
ベツレヘムの星(エッセイ)

感想

アーサー・C・クラーク大先生の短編小説を日本で独自に編んだ作品集です。
短編集として他に「太陽系最後の日」と「メデューサとの出会い」があり、この「90億の神の御名」は2番目の短編集になります。
クラークの30代ころの作品を集めているそうです。


有名なSF作品「2001年宇宙の旅」の原型短編として知られる「前哨」は、月面で人工の結晶ピラミッドを見つける話。このピラミッドが後に「モノリス」になるわけですね。
ほんの十数ページの掌編ですが、とにかく詳細に書き込まれた情報は現実に起こった出来事のようです。

クラークの物語の魅力ってその「詳細さ」にあると思いますね。
「月面の休暇」という中編も、年頃の娘が月面の研究施設で働く父を訪ね、そこで大人への階段を少し上がる…といったものなんですが、クラークの文章はまるで見て来たかのように書いてあるので、その研究施設の風景を読者も思い浮かべることが出来るんですよね。
そして、扱うテーマは未来に胸膨らます少女という微妙で繊細なもの。
読んでると不思議と高揚感が湧いてくるのもクラークの魅力です。


他に長編作品の原型となった短編には、「海底牧場」などもあります。
海の中で鯨を放牧・捕獲して食糧問題を解決した未来の物語。
クジラを羊に見たて、イルカを牧羊犬に見たて、サメを狼に見たてて、イルカを引き連れクジラを管理する人間の視点から描いてます。

やはりこういうアイディアのユニークさもクラークの魅力の一つですね。
ラマ僧がコンピューターの力を借りて神の名前を記そうとする「90億の神の御名」や、頭から離れないメロディーをもし究極のメロディーを作ることができたらどうなるかを描いた「究極の旋律」などなど。

そして、「木星第五衛星」で語られる落下のトリックなんかは、実際に木星まで行って試してきたんじゃないかというぐらい……。
深い知識に裏付けされた面白い短編がたくさんあります。


いくつかの掌編から成る連作「月に賭ける」や「天の向こう側」も読み応えあり。
この短編集では月面や宇宙を舞台にした物語が多めでしたね。

「るろうに剣心 巻之二十七 答」縁との決闘の前にチーム剣心最後の見せ場。

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るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
巻之二十七 答

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【アニメ】Robotics;Notes #10

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Robotics;Notes ロボティクス・ノーツ
#10「うちらだからこそ造れるロボを」

あらすじ

海翔が宇宙ヶ丘公園でゲームをしていると、空から謎の石が落ちてきた。昴の説明によるとそれは「モノポール」と呼ばれるこれまで理論上でしか存在しなかった物体で、もし本物であれば世紀の大発見だという。別の日、JAXAの綯に再び呼び出されたロボ部。ガンつく1の完成にこだわるあき穂と、あれは失敗作だという昴の間で意見が対立するが……。

感想

なんか唐突に空から降ってきたー♪(笑)
未知の物質モノポール。またの名を磁気単極子。

磁石にはN極・S極の二つの極が必ず存在し、N極またはS極の片方だけの磁石を作り出すことは出来ないが、モノポールはどちらか一方の極だけが存在する物質のこと。
現在までに発見はされておらず、仮説上の物質。
SF作品などでは、莫大なエネルギーを生み出す動力源として描かれる。(説明:昴)


滾ってきた、滾ってきたー!
正直、棚からぼた餅だけどね(笑)「空からモノポール」ということわざが生まれそう。

愛理が行ってるピーガー音を宇宙へ飛ばす謎の実験、空から降ってきたモノポール、重量の問題で失敗した巨大ロボット制作……。
これはつながったか!?物語がつながったのか!?
ガンつくにモノポールを搭載か!?つか、搭載するっきゃないっしょ!?
そして空からモノポールを降らしている存在はなんなのか!?

しかし、ロボット制作は拡張現実を利用した方向へ……。
見た目はかっこ悪くてもポケコン通して見た時にガンヴァレルに見える……という。
とりあえず、万博へ持っていくのはそっちの方に。

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だがしかし、ガンつく1解体の話は一言も出なかった!
(まあ、話が出てもあき穂が許すわけがないけど……)
ということは、ガンつく1をベースにモノポールを動力にした機体が制作される可能性はまだあるというわけですね。

これは早いとこモノポールを見せるべき人に見せるべきでは……。
まさか公園に放置か?(笑)
散歩中の犬がさわってバチッとかなるんじゃないか?
(そしたら「犬も歩けばモノポールにバチッ」っていうことわざが生まれるな)

それから海翔はチーター狩りよりも君島レポートの方を進めるべきでは……。
まあ何はともあれ、今回は久しぶりにワクワクする展開でした。



【アニメ】PSYCHO-PASS 第10話

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PSYCHO-PASS サイコパス
第10話「メトセラの遊戯」

あらすじ

友人・ゆきからの不審なメールで呼び出された朱。狡噛と共に待ち合わせ場所に向かうが、明らかに状況はそれが罠だと語っている。一人地下へと降りていった狡噛は泉宮寺の策略によって彼の「狩り場」へとおびき出されてしまう。閉ざされた空間で通信手段を奪われた狡噛は、ゆきを救い出そうとするが……。

感想

おもしろかった~!
前回の内容からの期待を裏切らない展開。

どうやら事件に巻き込まれたらしい朱の友人・ゆきを探しに、罠と知りつつも足を踏み出していく狡噛。
ゆきを見つけると同時に泉宮寺が用意した「狩り場」へとおびき出されてしまいます。

朱の代わりに脇役いっしょでも相変わらず洞察力がすごい狡噛さん。
朱の声を模した合成音声には引っかかったものの、朱ではなく自分を狙った罠だと察知。
そして、自分たちにも勝ち目のあるゲームだということまで理解。
ゆきの下着に何かあるはずという推測もズバリ当たったし……(;・∀・)

果たして次回、このゲームの傍観者として槇島が絡んでることまで見抜けるか……。


ゆきについては、もういつ罠が襲いかかってくるのかとすごいハラハラ。
罠を回避しても、恐怖と混乱でサイコパスが濁れば狡噛がドミネーター突きつけてきそうで怖かった(笑)
心臓に悪いですよ、この番組。
一番心配なのは次回以降の安否ですが、脚本が虚淵玄なので巷ではもう死ぬことになってる……。

その悲劇(友だちの死?)が朱にどのような影響をもたらすのか……。

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今回、狡噛が朱と離れゆきと行動したことで、「狡噛が朱をどう思っているか」が分かって良かったです。
なんか、パラライザーで撃たれたこと根に持ってないのは分かってたけど、それどころか、朱のこと認めて信頼してるじゃないですか、狡噛さん。

狡噛が朱に対してああいう感情を抱いているなら、もし朱がダークサイドに堕ちても絶対狡噛さんがなんとかしてくれそう。
そして、狡噛が狂気に取り憑かれた時は、朱が狡噛さんを救い上げるでしょうね。

今のところ、二人のうちどっちが堕ちてもおかしくないんですが、順番にどっちも堕ちて、お互いに救い上げる……という展開も胸アツかもしれないです。
堕ちる・堕ちないについてだけ言うならば。


あと、狡噛を探す朱とギノのドラマも良かったです。
いやあ~前回の揉め事引きずってますね~。いがみ合ってますね~。
前回のレビューでギノの事をガキと言いましたが、朱にリアリズムを突きつける存在としてギノは欠かせないかも。

朱にプロファイリング研修を受けさせたりして刑事の素養を教えようとする狡噛と、逆に距離を置いた監視官としての在り方を教え込もうとするギノ。
二人の男の間で朱は何を学びどんな道を選ぶのか……。
まあ多分、狡噛により近い道を選ぶんでしょうけど、そのためにはギノを乗り越えて行かなければならない。
ギノってガキっぽいですけど、朱にとっての「試練」なんでしょうね。

彼も狡噛を見つけるために必死だということが、ラストで分かったので、ただのムカツク上司で終わらないで良かったです。
「ドローン一体でも辿り着けばいい!」みたいなセリフが素晴らしかったです。
絶望的に不器用な人ですが、嫌味も仕事も常に全力なんですよね、彼は。

でも、とっつぁん、何もぶん投げなくても……。
ギノにもメンツってものが……(;・∀・)
ぶん投げるならカガリとかが面白いと思う(笑)

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ラストは「皆で狡噛を助けよう!」みたいな雰囲気になって胸アツでした。
あんなカットインとかこの番組で初めて見ましたよ(笑)
ラストだけ見ると、「あまり酷いことにはならないのかもしれない」なんて思っちゃうんですが、そんな甘い考えは通用しないアニメなんでしょうね……(-_-;)



【映画】「ロックアウト」リュック・ベッソンが描く、割と見たことある未来。

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ロックアウト (2012年、フランス)

【ジャンル】
SFアクション
【監督】
ジェームズ・マザー
スティーブン・レジャー
【出演】
ガイ・ピアース(スノー)
マギー・グレイス(エミリー・ワーノック)
ヴィンセント・リーガン(アレックス)
ジョセフ・ギルガン(ハイデル)
レニー・ジェームズ(ハリー)
ピーター・ストーメア

あらすじ

2079年――、宇宙に浮かぶ刑務所「MS-1」。500人の凶悪犯を実験的に収容したこの施設では脱獄成功率0%を誇っていたが、しかし内部で暴動が起き、たまたま視察に来ていた大統領の娘エミリーが囚人たちの人質になってしまう。一方その頃、CIAエージェントのスノーは、同僚殺しの容疑をかけられMS-1へ収監することが決定する。自らの潔白を証明する証拠がMS-1にあることを知ったスノーは、CIA調査官ハリーの提案「MS-1へ潜入し大統領の娘を救出する」ことを決意するが……。

感想 (2012年12月13日、MOVIX仙台にて鑑賞)

これ、リュック・ベッソンが監督したわけではないんですね。(←今気づいたw)
ベッソンは脚本と制作で参加。実際はジェームズ・マザーとスティーブン・レジャーという二人による共同監督。
制作会社がベッソンが社長を務めるヨーロッパ・コープなので、まあほぼベッソンの映画ということになるんでしょうけど。


主演は「メメント」「タイムマシン」のガイ・ピアース。最近では「プロメテウス」にものすごいジジイメイクで出てたけど気付きませんでした。(←今知ったw)
彼がマッチョなアクション俳優として活躍してるのは初めて見ましたね。

ヒロインのエミリー役にはドラマ「LOST」でブレイクしたというマギー・グレイス。
来年公開の「96時間 リベンジ」ではリーアム・ニーソンの娘役を演じるそうです。
個人的には、ヒロインを張るにはちょっと物足りなかったですね……。まあ、個人的な好みの問題ですね。

宇宙刑務所を占拠した囚人たちのリーダー役アレックスには、脇役としていろんな作品に出てるヴィンセント・リーガン。
あと、何者かに嵌められたスノーを厳しく尋問する安全保障局の長官にピーター・ストーメア。この人もどこかで見たような記憶があります。

ただ、役者目当てで見るような映画ではなかったですね……。
ガイ・ピアースのファンならば……という感じですかね?


物語は予告編から予想した通りの内容と言っても過言ではないでしょう。
脱獄不可能の刑務所が囚人たちに占拠され、大統領の娘を救うという使命を帯びた戦闘のプロが単独で潜入、大統領の娘を守りながら敵と戦う……。
この作品は一応フランス映画なんですが、かなりハリウッド的な映画ですね。
そして、残念ながらハリウッドに及ばなかった作品です。

全体的に中途半端というか、なんというか、突き抜けなかった作品ですね。
アクションにしてもドラマにしてもCG処理にしても、なんとなくB級臭が漂う感じ?
サスペンス的な面白味も用意されていますが、なんか途中から予想できちゃったし……(^_^;)

アクションよりも主人公とヒロインのウィットに富んだ会話(?)の方が物語を構成している感じですね。
こういうジャンルの物語って緊迫感途切れちゃうとダメなんですが、もう緊張の糸がブツリブツリと切れてしまうんですよね。
「フィフス・エレメント」のような娯楽SFとも言える雰囲気であれば、そういったユーモアは作品の良さになるんですが、この「ロックアウト」の硬質なカラーにはヒロインとの無意味な会話は合ってなかったと思います。

それから、敵役の囚人たちも中途半端な印象。
いろいろ酷いことをするんだけど、イマイチ凄みを感じない……。

設定に難クセをつければ、そもそも実験段階の刑務所のくせに「脱獄成功率0%」を名乗ってるし、なのにクーデターで囚人に占拠されてるし、さらに脱獄不可能と言う割に脱出ポッドで脱出できちゃうし……。


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SFとしての面白さはどうかというと、MS-1を防衛する機銃がかっこよかったり、それに挑む戦闘機との攻防戦が中々アツかったですね。(←ほんの少ししか描かれなかったけどw)
終盤では大気圏外で○○○というシーンもあってその時は「おおお!?(笑)」となりました。
ぶっ飛んでるなー!と。

ただ、上映時間の大半を占めるMS-1内部の映像が普通すぎるんですよね。
「未来的」ではありますが、もうそこらのSFから借りてきたようなデザインばかりで、オリジナリティがなかったです。
さらに、スピード感MAXのチェイスシーンもCGの出来が00年代前半って感じでした。
そのシーンだけは近年まれに見るスピード感だったので、あれを1コマ1コマ美しく描いてくれてたら良かったのに……(^_^;)

この作品のキャッチコピーが「『フィフス・エレメント』から15年。リュック・ベッソンが再び描く、誰も見たことのない未来」というものだったんですけど、正直言って、「誰もが見たことのある未来」だったのが残念。
でもSF好きならそんなのカンケーないんですけどね(笑)



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