感動器官

笑い、涙、鳥肌、私たちの感動を現出させる器官。

2011年04月

【読書】獣の奏者 I 闘蛇編


「獣の奏者 I 闘蛇編」

著者:上橋奈穂子
講談社文庫

【あらすじ】
緑の瞳を持つ女の子エリンは、獣ノ医術師である母親と2人、闘蛇衆の村で暮らしていた。
しかしある日、母親が世話をしていた<牙>と呼ばれる闘蛇が突然死んでしまう。<牙>を死なせた責任を問われ裁きにかけられた母親を、エリンは助けようとするが……。



【感想】
同じく上橋奈穂子の「守り人」シリーズを読んでいましたが、ちょっと寄り道(笑)
一昨年放送されたNHKアニメ「獣の奏者 エリン」の原作である、「獣の奏者 I 闘蛇編」と「獣の奏者 II 王獣編」を読んでみました。


「闘蛇編」では、幼いエリンと母親ソヨンの別れ、蜂飼いのジョウンとの暮らし、そしてカザルム学舎に入り、幼い王獣リランと出会うまでが書かれています。

アニメで一年かけて見ていた作品なので、本だと展開があっという間という感じでした。母親との別れが序章扱いですし(笑)


まあ、普通に面白いですね。
卵泥棒の2人はアニメオリジナルなので、登場しないのが残念ですが……。

蜂の生態にも詳しくなれそうな内容ですが、著者が作った部分もあるみたいですね。

超大盛が!!♪♪♪

e0dbef45.jpg

震災以来、コンビニの店頭から消えていた「ペヤング超大盛やきそば」が、久しぶりにお店に並んでいましたっ\(≧▽≦)丿


僕はこの普通のサイズが2つ入ってる「超大盛」が大好きで、地震前はよく食べてました。
ジェット湯切りとかじゃないので、お湯捨てるのが大変だったりするけど、この変わらない味が好きなんですよね。

他のサイズはかなり前から売ってたんだけど、これは今日まで見つけられませんでした。
早速、ありがたくいただきます♪

【映画】わたしを離さないで

dac364e0.jpg




「わたしを離さないで」(2010年、イギリス)

原題:Never Let Me Go  監督:マーク・ロマネク  製作総指揮:アレックス・ガーランド、カズオ・イシグロ、テッサ・ロス  製作:アンドリュー・マクドナルド、アロン・ライヒ  脚本:カズオ・イシグロ(原作)、アレックス・ガーランド  出演者:キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイ  音楽:レイチェル・ポートマン  撮影:アダム・キンメル  編集:バーニー・ピリング  製作会社:DNA・フィルムズ、フィルム4  配給:20世紀フォックス、フォックス・サーチライト・ピクチャーズ  上映時間:105分

【あらすじ】
外界から隔絶された寄宿学校ヘールシャムで、幼いころから共に日々を過ごしてきたキャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)。普通の人とは違う“特別な存在”として生を受けたキャシーたちは、18歳のときにヘールシャムを出て、農場のコテージで共同生活を始める。



【感想】
(2011年4月20日、チネ・ラヴィータにて鑑賞)

ネタバレしないと書けないのでネタバレします。


……と言っても、冒頭の活字でもってすぐに映画の世界が現代とは違う歴史を歩んできたパラレルワールドだということが分かるはず。
主人公たちの正体についても、あまり隠そうとはしておらず、知ってから見てもあまり変わりはなさそうな感じ。

こういうクローン技術を題材にした映画って、わりと毎年どこかで作られてる感じがして、ここ最近の臓器移植技術や法整備の発展とかで、いま流行りの旬な話題とも言えますね。
むしろ、「主人公が実はクローン人間」という重大な秘密を映画の売りにするよりも、彼らがどのように運命と向き合うか、ということが作家の書くべきことのように思います。
なんというか、「実はクローン人間だった!」「えー、マジで!?」というような楽しみ方はもう古いんじゃないかと。

ただ、どうしても普通の人間と違う運命を背負ってるせいで、冒頭からそれを明かすよりも次第に解き明かしていった方が、映画として面白いのは事実ですが。
その点で、この作品は一応秘密を徐々に明かしながら、でもドーン!という衝撃を観客に与えないという、柔らかな印象です。
SF作品には全然見えない、ラブストーリーが中心の作品です。

Yuckeはいつもなら、こういう静かな恋愛映画は敬遠しているんですが、震災後久しぶりの映画鑑賞ということもあり、出演者に「ソーシャル・ネットワーク」のアンドリュー・ガーフィールドが出てたこともあり、思い切って観てみました。

def54fea.jpg



まあ、予想通りの静かでせつない恋愛映画……です。それほど感動はしませんでした。
観てるとどうしても不思議に思うことが一つだけあって、それが結局最後まで腑に落ちなかったのでどうにも気が散ってしまいました。

気になったことは、「どうして逃げないの?」ということです。

ヘールシャムで暮らす子供たちは、自分たちが誰かの“コピー”であり、いつか“オリジナル”に臓器を移植するまでの短い命ということを知っています。
しかし、監禁されて暮らしているわけでもなく、柵を乗り越えて外に出ようと思えば、いつでも逃げれる環境です。
子供たちは、「外に出ると恐ろしい目にあう」という、一種、怪談めいた話を信じていて、それが子供たちを柵の中へ留まらせる枷になっているのですが、幼少時代の怖い話が大人になっても通用するのでしょうか?

実際、キャシーは“コピー”たちの介護士として生活を始め、車の免許を取り、いろいろな場所へ出かけて行きます。
逃げるチャンスはいくらでもある。でも誰も逃げようとしない。これは何故なんでしょうか?
それについての説明がなされてなかったように思います。


僕が好きな映画で「アイランド」というアクションSFがあります。
こちらも主人公がクローン人間で、「提供」の時が来るとコピーは殺されてしまいます。

しかし、この作品と違うのは、それをコピーたちは知らされていないこと。
医療施設に収容されたと思い込まされているコピーたちは、夢のユートピア“アイランド”行きの抽選に当たると施設を出ていきますが、実はそこでは死を意味する臓器提供が待っているのです。
それを偶然知ってしまった主人公は、パートナーと一緒に施設を逃げ出す……、という物語です。

「アイランド」は娯楽作品ですので、「わたしを離さないで」とは毛色が全然違いますが、一方では他者を殺してでも生存しようとし、もう一方では真実を知らされていながら運命に抗おうとしない……。
作品のジャンルの違いで済ますにはあまりにも違和感があるんですよ。死を受け入れる方に。


SF世界を描いていながら主題はSFと違うところにあるため、その状況説明、世界観がよく分からなかったかもしれません。
冒頭で、人類の平均寿命が100歳を越えた、と出てくるんですが、「食糧問題は解決したのか?経済格差と紛争問題は?」とかついつい思ってしまいました。クローン技術が完成しても、貧富の差があれば、それを利用出来る人・出来ない人が出てきて、平均寿命が100歳に届くはずがないですね。

さらに、“オリジナル”が100歳越えても“コピー”が30歳にもならずに“終了”してしまうのでは、平均寿命は“コピー”によって引き下げられてしまうはずですね。
あ、もしかして“コピー”は人間としてみなされていない……?
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

【映画】180°SOUTH/ワンエイティ・サウス

3.11以後、初めての劇場鑑賞となりました。
復帰第1弾(?)はリア友でブロ友“sc_utu”が勧めてくれた“180°SOUTH”。
“旅をテーマにしたドキュメンタリー映画”という認識で見に行きました。



fd9198d3.jpg




「180°SOUTH/ワンエイティ・サウス」(2009年、アメリカ)

原題:180°SOUTH  監督:クリス・マロイ  製作総指揮:リック・リッジェウェイ  製作:ティム・リンチ  脚本:クリス・マロイ  出演:イヴォン・シュイナード、ダグ・トンプキンス、ジェフ・ジョンソン  撮影:ダニー・モダー  配給:グラッシィ=スタイルジャム  上映時間:87分

【解説】
世界的アウトドアブランド“パタゴニア”と“ザ・ノース・フェイス”の創業者であるイヴォン・シュイナードとダグラス・トンプキンスが若き日に体験した人生最高の旅を、冒険家ジェフ・ジョンソンが追体験するドキュメンタリー。異国の地で暮らす人々との交流や、大自然の猛威と格闘しながら南米パタゴニアの高峰コルコバド山登頂を目指すジェフの姿を、数々のサーフィンムービーを手掛けるクリス・マロイが活写。伝説の旅をたどる冒険を通じて、自然とのかかわり方を改めて考えさせられる。



【感想】
(2011年4月20日、チネ・ラヴィータにて鑑賞)

まあ、正直イマイチでしたねぇ……;
友達の推薦映画だろうが、つまらなければ容赦なく斬る!
それがこのブログの方針ですm(_ _;)m


まず、なにはともあれ映像に心うたれます。大地の果てからオーラが地面を渡ってくるような幻想的な風景。南米の小さな小屋はおとぎ話に出てくるようなメルヘンな建物。美しい海、波乗りをする人と、険しい崖をよじ登っていく人。
そして、もっとも美しいと思ったのは、船首から拝む広大な海とサンセット(サンライズかも)。
ヨットに固定されたカメラによって、海面が上下にぐわんぐわん揺れます。「船はCGでいいよ」などと言ってる娯楽映画では絶対に思いつかない映像。
信じられないような光景が次々と特撮・CGなしで描かれます。

それと同時に、心癒され胸踊る音楽の数々。断崖絶壁を命がけで登っているにも関わらず、それをのんびり楽しんでいるかのような選曲です。
しかし、あまりにも音楽を流し過ぎのきらいがありますね。1時間半の上映時間でいったい何十曲聴いただろう?と、似た展開に少し疲れるくらいですね。主人公ジェフのナレーションが入ってない間はすべて音楽流れてると言っていいでしょう。1曲1曲はいい曲ばかりなので、ぜひサントラは(安く)手に入れたいですが。


前半、ラパ・ヌイ島を旅だった辺りまでは楽しく観れました。
ですが後半、ちょっと説教めいた方向へ話が進んでいきます。
結局この映画のメイン・テーマは「資本主義・大量消費社会への警鐘」「自然保護運動への理解」だと思うんですが、後半ではそれが幅を利かせてしまい、“冒険”や“旅”という感じは少し薄れた感じに思います。

そしてそのメインテーマもわりとありふれた問題意識であり、あまり目新しさはなく、興味や好奇心も湧きませんでした。
むしろ、製紙工場を批判しておきながら、ラストに「ジェフはこの旅を本にする」とか発言していることにツッコミを入れたくなってしまいますね(笑)


ジェフの仲間であるサーファーのキースが、ジェフたちがコルコバドに挑戦している最中に一人サーフィンしに行ったのは笑えましたが、基本的にサーフィン映像多すぎです。音楽と同じで、最初はいい感じなんですが、後半は「耐え」なければならない。
監督のクリス・マロイ自身がサーファーであり、サーフィン・ムービーしか撮ったことないからしかたないのかもしれませんが、調べていたらちょっと面白いことが分かりました。

彼が、パタゴニア社のサーフィンアンバサダーに名を連ねているんですね。
つまり、ジェフを旅へと導くイヴォンの“身内”が撮った映画なわけです。
一方的な主張はそのためなのかな、と妙にハラオチしました。

……と同時に新たな疑問。
この映画は果たして、誰が誰を利用し、誰が得をしたのだろう?
僕は本当に性格悪くてスイマセンm(_ _;)m

言ってる内容はいちいちごもっともだし、イヴォンとダグの功績や主義を否定するつもりはありませんが、「自分たちの守りたいものを守るために、社会のあり方を批判する」というスタンスでは、僕のような大量消費社会に依存しきっている人間からは煙たがられるだけだと思います。
そこからもう一歩深く踏み行って、「どういうあり方が良いか」という明確なビジョンを示して欲しかったです。


イースター島の興亡の歴史は興味深かったです。
次第にモアイ像を作ることに固執し始めた住民たちが、森を破壊し、競争し、それがいつしか闘争に変わっていった。
wikiで調べてみたら、「無計画な開発と環境破壊を続けた結果、資源を消費し尽くして最後にはほぼ消滅したという歴史は、現代文明の未来への警鐘として言及されることが多い」と言う風に書かれていました。たしかに映画でもそのとおりの教訓として引用されていました。わざとラパ・ヌイに立ち寄ったんじゃないかと勘ぐりたくなるくらい、映画のテーマを象徴する話。

でもこれ、ヨーロッパ人が到達した頃にはすでに文明の崩壊は進んでいたらしいです。つまり産業革命以後の近代文明が持ち込まれる前に、自然的に文明破壊が起こっていたわけで。
たしかに「自然破壊によって文明は滅ぶ」という例なんですが、逆に言えば、「資本主義・大量消費社会でなくとも、文明は滅ぶ」ということですよね。そうなると、資本主義に対するアンチテーゼとは成り得ない……?
イースター島の歴史を引っ張り出して、現代の大量消費社会を否定するのは、少し違うんじゃないでしょうか?

約2ヶ月ぶりの……!

本日、久しぶりに映画館に行ってきました\(≧▽≦)丿
なんと、2月下旬以来です。映画館なんて年に一回、という人にしてみたら「なんだ、たったの2ヶ月じゃん…」でしょうけど、月に2、3回は映画館に行ってる僕にしてみたらこの2ヶ月の潜伏期間は長い……!

今日行ったところはとっくの昔に再開していたのですが、メンズデーと仕事の予定がつかず、さらにレイトショーも自粛傾向にあったので、今日たまたまもらえた有休が天からの贈り物のように思えました。(オオゲサ…)

よし!観たかったの全部観るぞー!と、はりきって市内中心部へ。


予定としては、まず、大評判の「トゥルー・グリッド」はハズせない。
……1日1回の上映で20時過ぎからだな、ふむふむ。

リア友のsc utuがブログで勧めていた「180°SOUTH」という旅ドキュメントも今日観ておかなければ一生見る機会は無い。意外と義理堅いな……、僕。
……これは、14時過ぎから。
じゃあ、その間にもう1本観れるねっ♪

というわけで、カズオ・イシグロ原作の「わたしを離さないで」が急遽浮上。ラブストーリーは守備範囲外だけど、NHKが注目してるみたいだし~(笑)キャリー・マリガンだし~、キーラ・ナイトレイだし~、ガーフィールドだし~♪
これは18時から。終わってからご飯食べる余裕あり。


で、いつの間にか1日で3本の映画を観賞するとかいうムチャな計画を立てていました。
14:00 “180°SOUTH”観賞
16:00 本屋でぶらぶら
18:00 “わたしを離さないで”観賞
18:50 牛丼屋で食事
20:20 “トゥルー・グリッド”観賞

2ヶ月観れなかったブランクを取り戻そうとするかのような強行軍。


しかし、実際は「180°SOUTH」「わたしを離さないで」を観て、牛丼食べたら、なんだか疲れが出まして……(笑)
「トゥルー・グリッド」は来週もあるみたいだし、仕事でもレイトショーがあるから今日じゃなくてもいいか……、というわけで予定を切り上げて帰って来ました。

家でTV録画を見るなら、何本でも見れそうですが、さすがに映画館だと疲れるのでしょうか?2本までは大丈夫だけど、3本はムリみたいです。
お金払う以上、ベストコンディションで楽しみたいですし。

これで来週、「トゥルー・グリッド」のレイトショーが無かったらお笑いですね……。





4/22追記
「トゥルー・グリッド」と何度も書いてますが、正しくは「トゥルー・グリット」。「ト」は濁らない。
「トロン:レガシー」の世界「グリッド」とごっちゃになったか、
東北の訛りが出たか、ご想像にお任せします(笑)
これも疲れの影響ですかね……(逃=3)

【映画】模倣犯



模倣犯 (2002年、日本)

【ジャンル】
ミステリー
【監督】
森田芳光
【出演】
中居正広 (網川浩一)
山崎努 (有馬義男)
伊東美咲 (古川鞠子)
木村佳乃 (前畑滋子)
寺脇康文 (前畑昭二)
藤井隆 (高井和明)
津田寛治 (栗橋浩美)
平泉成 (武上悦郎)
田口淳之介 (塚田真一)
小池栄子 (岸田明美)
篠崎刑事 (モロ師岡)

あらすじ

東京の下町で豆腐屋を営む有馬義男。20歳になる孫娘・古川鞠子が失踪してはや10か月、事件は何の進展も見せていなかった。そんなある日、下町の大川公園のゴミ箱から女性の右腕とショルダーバッグが発見される。それを報じるワイドショーの生放送中に“片腕とバッグは別の人間のもので、バッグの持ち主は古川鞠子という女だ”と、犯人からの電話が入る。すると、今度は各局にも犯人からの犯行声明が届く。そこには、それぞれ別人の被害者と思われる女性の淫らな写真が添えられていた。日本中が騒然となる中、有馬は鞠子を救い出すべく必死の捜索を行うのだったが……。

感想 (2011年1月22日、TV録画にて鑑賞)

ヤフー映画で驚愕の☆1.5。これをx=(y-1)×25を用いて100点満点に換算すると、12.5点。
みなさん、主演がSMAPということを忘れていませんか?と尋ねたくなる評価の低さです。

原作は宮部みゆきの小説「模倣犯」。小説の方はとても評価が高いですが、僕は未読です。
自称天才の犯罪者の暴走と狂気、犯罪被害者と被害者遺族が味わう地獄を双方の視点から描いた作品だそうです。


しかし映画は……、なんだかよくわかんない出来で。
早々に犯人が誰か分かるのはいいとして、その犯人をダークヒーローにしたいのかなんなのか、やたらカッコつけな印象です。そう、「カッコつけ」であって、「カッコイイ」わけではないのです。
何故、犯罪を犯すのか、完全犯罪を達成しても誰にも自慢できないのに、何故それをやろうとするのか、その動機がよくわからないですし、何故、殺すだけでなく所有しようとするのかも不明。まあ、もともと犯罪者心理なんて分かりたくないんですが、過去にトラウマもないような人間がどうして自分を天才犯罪者と思うようになったのか、そこらへんが描かれません。

さらに、事件の犠牲者たちについての描写も少ない。どんな恐怖を味わったのか、どんな運命をたどったのか、まるで抜けています。
被害者家族の視点は充分に描かれ、マスコミを描くことで第3者の立場から客観的に事件を見ることも出来ますが、「何が起こったのか」については結局よくわからないままです。

さらに、劇中で描かれたニュースショーだかワイドショーだか特別報道番組だかが、どう見ても照明の暗いクイズショーにしか見えず、なんだか登場人物たちのファッションも微妙に古いし、時々スタイリッシュ(に見せようとしている風)な映像のコラージュと4つ打ちビートが流れるんですが、それも別にどうということもないですし、犯罪者の末路で見せたショボい上に無駄なCGといい、ラストの不思議系でしかもKYな結末といい、全体的にナンセンスな空気が漂っています。
2002年ってこんなでしたっけ?(笑)


原作を知らない人にとってはワケがわからないし、
原作読んだ人にとっては原作と違いすぎてつまらないし、
原作者にとってはあまりに出来が悪くて試写会の途中で退席してしまうし、
誰にも支持されないかわいそうな映画ですね。

監督は「武士の家計簿」「サウスバウンド」の森田芳光。今、HDDに「サウスバウンド」の録画が入ってるんですが、ちょっと心配になってきました。「間宮兄弟」とかはまあまあ面白かったけどね……。この「模倣犯」は……なんか失敗したのかな(;・∀・)



【映画】日本以外全部沈没





「日本以外全部沈没」(2006年、日本)

監督:河崎実  製作総指揮:酒匂暢彦、福井政文、由里敬三、土井宏文  製作:河崎実、鈴木政信、二木大介  原作:筒井康隆  脚本:河崎実、右田昌万  出演者:小橋賢児、柏原収史、デルチャ・ミハエラ・ガブリエラ、ブレイク・クロフォード、キラ・ライチェブスカヤ、村野武範、藤岡弘、、寺田農、筒井康隆(特別出演)  音楽:石井雅子  主題歌:『「遺言」 ~日本以外全部沈没のテーマ~』  撮影監督:須賀隆  編集:前真健二  配給:クロックワークス、トルネード・フィルム  上映時間:98分

【あらすじ】
2011年。原因不明の天変地異でアメリカ大陸が1週間で海に沈んでしまう。1週間後、中国大陸が沈み始め、その1週間後にユーラシア大陸がすべて埋没。その2日後にアフリカ大陸、翌日にはオーストラリア大陸が海の下へと消えた。やがて日本国以外のすべての陸地が消えると、海外の生存者が続々と日本へ集まり始め……。



【感想】
(2011年1月17日、TV録画にて鑑賞)

停電のあいだロウソクを灯していて、その炎を見ていたら思い出した、くだらない映画です(笑)
ラストにそういうシーンがあるんですよ。明かりの消えたクラブに閉じ込められた様々な民族の人々が、一つの灯火を見ながら最期の時を思う、というシーンが。

言わなくても分かると思いますが、「日本沈没」のパロディーです。
1973年に発表された小松左京の小説「日本沈没」。その大ヒットを祝して、筒井康隆が書いたパロディー小説、それが「日本以外全部沈没」(1973年発表)です。

で、この映画は、草剛主演で描かれた「日本沈没」(2006年)に公式に便乗する形で製作されたパロディー映画です。本家と並べるとかなりのB級っぷりですけれど……。


「日本以外全部沈没」というタイトルなので、日本以外の陸地が沈んでしまい、世界中の民族が日本に移住してきます。
で、どんなことが起こるかというと、まあ大したことは起こらないのですが、日本人が世界で一番偉い人種になってしまい、総理大臣に大国の首相たちが媚びへつらい、一般の日本人はアメリカ人やロシア人をメイドとして雇う、そんな状況になってしまいます。ハリウッドスターたちもちょんまげカツラをかぶり、時代劇にでも出演しなけりゃ食っていけないという、まあ、どうでもいいですね……(汗;

そもそも1億ちょっとしか日本人がいない小さな島国に、残りの60億弱の異邦人が殺到したら、街中はほとんど外国人のはずなのに、よくぞ少数民族の日本人にクローズアップできたなこの映画(笑)


「日本沈没」(2006年)もつまらなかったけど、バカバカしいジャンルとして描かれたはずの「日本以外全部沈没」も何故かつまらない。「バカバカしい」というレベルに到達できなかったビミョーなコメディーです。

【映画】レッドクリフ partI





「レッドクリフ PartI」(2008年、中国/香港/日本/韓国/台湾)

中国語題:赤壁  英題:Red Cliff PartI  監督:呉宇森(ジョン・ウー)  製作総指揮:張家振(テレンス・チャン)  脚本:呉宇森、陳汗(チェン・ハン)、盛和(シェン・ホーユー)、郭筝(グオ・ヂョン)  出演者:梁朝偉(トニー・レオン)、金城武、張豊毅(チャン・フォンイー)、張震(チャン・チェン)、趙薇(ヴィッキー・チャオ)、胡軍(フー・ジュン)、中村獅童、林志玲(リン・チーリン)  音楽:岩代太郎  主題歌:alan(阿蘭)  撮影:呂楽(ルー・ユエ)、張黎(チャン・リー)  編集:デビット・ウー、林安児(アンジー・ラム)、楊紅雨(ヤン・ホンユー)  制作会社:獅石娯楽公司、中影集団  配給:中国电影集团公司、美亜電視、東宝東和/エイベックス  上映時間:145分

【あらすじ】
三国時代の中国。漢王朝の丞相として権力をほしいままにしていた曹操(チャン・フォンイー)は、天下統一の野望を叶えるために、未だ帰順しない劉備(ユウ・ヨン)を攻め立てていた。圧倒的な兵力に敗走を繰り返しながらも、劉備は南へと逃げ延びる。
劉備の軍師・諸葛孔明(金城武)は、江南を治めていた孫権(チャン・チェン)の下へ赴き、共に曹操を迎え撃つことを提案する。孔明と孫権軍の総司令・周瑜(トニー・レオン)は意気投合し連合軍を結成するが、その数は6万。対する曹操の軍勢は80万で、その兵力の差は誰の目にも明らかだった……。



【感想】
(2011年1月16日、TV録画にて鑑賞)

これで4回目の鑑賞です。劇場で2回、TVで1回、そして今回TVで1回。
今思うと、なんでこの映画を2回も映画館に観に行ったのか自分でも分かりません(苦笑)
当時は待望していた映画で、楽しく見れたんだと思いますけど、今はつまらない映画の部類に入ります。


ゲームでしか、三国志を知らないせいもあってか、俳優の顔と役に違和感を感じますね。
張飛の顔が作り物で膨らましてるっぽい、関羽が妙に小顔な気がする、趙雲が素朴すぎる……。
顔的にナイスな配役と思ったのは、内省的な孫権と、策にまんまとハマる曹操陣営の武将たち。
アジアの俳優のことは全然分からないのですが、ちょっと見た目的に「?」な三国志……。

まあ、それはいいとしても、アクションのつまらなさはどうしようもないと思います。
特に、part I の最大の見せ場であるはずの八卦の陣のしょーもなさは、はっきり言って、「お金の無駄遣い」。広大な土地と大勢の人間と大掛かりな仕掛けを練習する時間を費やして、運動会の6年生の出し物的なものを見せてくれます。
あのシーンは本当に面白いんだろうか?いくら2部構成であったとしても、1部には1部のクライマックスが必要なはずで、それがあの八卦の陣ならものすごく尻すぼみな第1部としか言いようがありません。

b2139a4d.jpg



悪いところばかりを挙げましたが、いいところも少しはあるんですよ(汗;
序盤の趙雲の赤ん坊を守りながらの戦い、実にシンプルなアクションシーンですが、だからこそ良いと思います。大勢が入り乱れる軍団vs軍団の戦いよりも、1人vs少数の方が圧倒的に迫力があるんですね。このシーンは何度見ても面白いと感じます。僕の中ではむしろクライマックスが序盤にきてしまっている感じ(笑)

そして岩代太郎作曲のテーマ曲(ちゃっちゃっちゃ、ちゃららっちゃ♪)は、やはり素晴らしいテーマです。なんだか、第2部への期待を膨らませるような、そんなメロディ。でもpart II はもっとしょーもなかったんですが……。


過去に書いたこの作品への記事を探してみたら、意外にも絶賛しているじゃありませんか、僕。
この2年の間に映画が少しは分かるようになったのか、それとも性格が捻じ曲がってしまったのか(笑)
前者だと思いたいですが、後者じゃないとも言い切れないな(;・∀・)

小さな愛でも積み重ねれば…… Strobolights/Supercar

小さな愛でも積み重ねれば……、
愛の光が灯る。

……それはともかく、この1曲は高校の時からずっと好きな曲です。

supercar-STROBOLIGHTS


Strobolights
作詞:石渡淳治 作曲:中村弘二 演奏:スーパーカー


2愛+4愛+2愛+4愛-sunset+4愛+2愛+4愛
+2愛+4愛+2愛+4愛-sunset+4愛+2愛+4愛
+2愛+4愛+2愛+4愛-sunset+4愛+2愛+4愛+2愛=true heart(真実!)

2愛+4愛+2愛+4愛-sunset+4愛+2愛+4愛+2愛……=true heart(真実!)

今、愛の灯のライト すべての日々が
今、愛の灯のライト すべてのひとが
今、愛の灯のライト すべての綺麗が
今、愛の灯のライト すべてのことが

今、愛の灯のライト “すべて”の意味が
今、愛の灯のライト 今、愛の灯のライト
今、愛の灯のライト 今、愛の灯のライト
今、愛の灯のライト
all……all right!!!!

【映画】プリティ・ウーマン

恋愛映画祭り(笑)第9弾!
この作品で恋愛映画レビューのストックは最後です。
つまり第9弾で祭りは終わりです(笑)ハンパ~。



73f4b2ff.jpg




「プリティ・ウーマン」(1990年、アメリカ)

原題:Pretty Woman  監督:ゲイリー・マーシャル  製作総指揮:ローラ・ジスキン  製作:アーノン・ミルチャン、スティーヴン・ルーサー  脚本:J・F・ロートン  出演者:リチャード・ギア、ジュリア・ロバーツ  音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード  撮影:チャールズ・ミンスキー  編集:ラジャ・ゴズネル、パトリシア・ネッド  配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ  上映時間:119分

【解説・あらすじ】
シンデレラ・ストーリーの王道、「マイ・フェア・レディ」の現代版として、女性たちに絶大な人気を誇り、見事、90年全米興行第一位となった作品。
ウォール街きっての実業家ルイス(リチャード・ギア)が気まぐれに一週間のアシスタント契約を結んだコールガールのビビアン(ジュリア・ロバーツ)。しかし、彼女は瞬く間にエレガントな女性に変身。その美しさと勝気な性格にルイスは次第に心魅かれていくのだが……。



【感想】
(2011年3月26日、TV録画にて鑑賞)

テーマソングはよく聴いていたんですが、今までちゃんと見たことはありませんでした。
意外とハードな設定でしたね。コールガール=娼婦が主人公という(;・∀・)
そしてちゃんと仕事をしてから恋が始まるという……。そうだよな、リチャード・ギアも男だよ(笑)


資産家の男が気まぐれから拾った一人の娼婦。
しかし、男はその女の中に秘められた魅力を見いだします。
それは娼婦自身もこれまで考えなかったこと。あまりに遠くて夢にしか思えなかったセレブな生活を送る中で、彼女はいつしか本当にエレガントな女性に変貌していきます。

まあ、僕があまりとやかく言うのもはばかられる感じですね。
さすが、としか言いようがない?(笑)ジュリア・ロバーツの日本での知名度を一気に押し上げた作品ではないでしょうか?輝いてますよね。当時20代前半だったとは思えない色気を放っています。あと、横顔の眉毛の形がなんかすごい。

20年前のリチャード・ギアも若い!
個人的には、実業家ルイス(投資ファンドの社長で、いろんな会社を買収しまくってるぽい)が、最初はビジネスと割り切っていたけれど、ビビアンとの出会いによって考え方が変わり、感情を大事にした仕事をするようになったことがとても好きです。
主な舞台となるホテルの人たちも、いい人(面白い人)ばかりですね。

5ea799c0.jpg



いわゆるシンデレラストーリーですが、ビジネスパートナー的に対等な関係になった2人が、夫と妻の関係になれるのか――しかも資産家と元娼婦――という心配をしながら見たので、最後の、どちらも踏み出せない関係はとても感じるものがありました。

そして、その後の一歩踏み出すための“きっかけ”がとても爽快でしたね。よくよく考えると、2人の結婚生活はうまくいかない気がしますが、そんな懸念を吹き飛ばすハッピー・エンディング♪
結局は、主人公たちも監督も観客も、心の奥底であの“きっかけ”……または“落としどころ”を待ち望んでいたのかもしれない。
シンデレラストーリーには、シンデレラだけでなく、王子様も欠かせないのです♪




当ブログのやる気スイッチ
ブログランキングならblogram
ブログ内記事検索
タグ
ギャラリー
  • 「ちはやふる 上の句」広瀬すず演じるヒロインの魅力が作品に説得力を持たせる。
  • 「ちはやふる 上の句」広瀬すず演じるヒロインの魅力が作品に説得力を持たせる。
  • NEXT ネクスト
  • 精霊の守り人
  • ホワイトハウス・ダウン
  • ホワイトハウス・ダウン
  • 映画 ふたりはプリキュア Max Heart 2 雪空のともだち
  • ダイヤモンドの犬たち
  • 「ハッカドール ハッカソング0号」カップリング「恋のアルゴリズム」が神曲!
  • 誘拐ラプソディー
  • 4DXでパンツァー、フォー♪「ガールズ&パンツァー 劇場版」
  • 4DXでパンツァー、フォー♪「ガールズ&パンツァー 劇場版」
  • 4DXで「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(ネタバレ)
  • シュトヘル 第2集
  • アレックス・ライダー
  • 映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生
管理人のつぶやき
管理人プロフィール

ゆけち。

映画やアニメを見る側の人。

最新コメント