感動器官

笑い、涙、鳥肌、私たちの感動を現出させる器官。

2010年12月

【映画】トロン:レガシー

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トロン:レガシー (2010年、アメリカ)

【監督】
ジョセフ・コシンスキー
【出演】
ジェフ・ブリッジス
ギャレット・ヘドランド
ブルース・ボックスライトナー
マイケル・シーン
オリヴィア・ワイルド
ボー・ギャレット
ジョン・ハート
【音楽】
ダフト・パンク

あらすじ

エンコム社のCEOとなったケヴィンの謎の失踪から20年後。27歳に成長した息子サムは、父の友人アランが父から謎のメッセージを受け取った事を知らされる。手がかりを求めて父の経営していたゲームセンター跡を訪れたサムは、起動していた物質電子変換装置によってコンピューター内部世界へと送り込まれてしまう。漆黒に包まれたコンピューター世界・グリッドで、命がけのゲームを強いられるサム。謎の女性・クオラに助けられた彼は、父ケヴィンと再会し失踪の謎を突き止めるため、未知の敵との過酷な戦いに身を投じていく。

感想 (2010年12月18日、109シネマズ富谷にて鑑賞)

字幕で観たかったんですが、道が混んでて仕方なく吹替で鑑賞しました。
『エアベンダー』以来の3D鑑賞でした。

3Dの出来はあまりよろしくなかったです……。予告編の「パイレーツ・オブ・カリビアン」4作目の方が3Dを意識したカットがありました。もう、そんな記憶です(笑)
目が慣れてしまった、順応するのが速くなってしまった、というのもあるかもしれません。
むしろ、立体的に見えるのなんて日常ではごくアタリマエのことですし。
違和感なく観れた、というのが正直な感想です。

ただ、ライトサイクルのシーンでは2層構造のフィールドが巧く表現されていて「ナニコレわかんねー」と唸りました。立体駐車場のような2階建てのコースをバイクが上へ下へ大疾走するんですが、床面が透明ならしく、下のコースを走ってるバイクを上のコースから見下ろせるんですよね。
ただし、この世界は蛍光色のライトの他はすべて漆黒の世界。逆に“3Dでなければ”表現できなかったんじゃないかと感じました。平面な画面で見たとき、あのシーンはどう映るか気になります。


ストーリーは多くの方が期待していたとおり“イマイチ”です。
前作の……というか20年前の出来事についてはきちんと説明してくれるんですが、今現在、なぜディスクバトルをするのか、なぜ“プログラム”たちが町を徘徊・生活しているのか、そもそも何故プログラムを擬人化したのか、グリッドと呼ばれる世界は“コンピュータの中の世界”なのか“ゲームの中の世界”なのか…………いろんなことがよく理解出来ないまま終わってしまいました。

いや、プログラムを擬人化しなければ話にならないことは分かってるんですけど、でも、その擬人化されたプログラムたちが、“もとはプログラム”なんて思えないくらい“人間”なんです。プログラムが、クラブで踊ってるんですよ!?ライトサイクルやディスクバトルの試合を見て熱狂してる……??プログラムって、その仕事以外には何もしないような物じゃないのかな……。
“プログラム”と名づけなかったほうがよかったんじゃ……と思ってしまいます。


あと、ギャレット・ヘドランド演じる主人公サム・フリンですが、これもイマイチ。
はっきり言って、脇を固めるキャラクターたちと比べて、まるで魅力がなかったですね。
言うこともいちいち先読みできてしまう。少し単純明快すぎたかもしれません。

で、脇を固めるキャラクターたち。まあ、これもイマイチと言ってしまってもいいと思いますが……(汗;
唯一、オリヴィア・ワイルド演じる謎の女・クオラが輝きまくっておりました。
まあ、たぶん髪型と衣装のせいだと思いますが、すごく可愛いかったですね。
ただし、見せ場がそんなになかったような気がする。あまり強くもなかったような気がする。たぶん、“創造主と暮らしながら書物を読んで勉強している”という設定と、「できた♪」というセリフがよかったんですね。

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結局のところ、ストーリーが「入ってしまった、いますぐ出よう」ってベクトルで進むので、単調だったかも……。
“映像革命”というほどのインパクトはおろか、1年前に観た『アバター』と比べても若干の見劣りはしますね。
あと、値段も+300円と思って行ったら、+400円だったので、「ぎょぎょっ!」となりました(笑)
100円分、辛口のレビューになってしまいましたね……。


あ、で、忘れてましたけどDAFT PUNKの音楽はというと……。
実は、観る前にサントラ買いにお店へ行ったんですが、安い輸入盤が品切れで、国内盤(内容は同じ)の試聴もあまりいい感じしなかったので、中古で買うリストになっちゃいました。

映画を鑑賞しながら、やっぱりいいなと感じる曲は2,3曲ありましたけど、それ以外のはあまり印象に残ってない感じです。やはり全体的に映画音楽っぽくなってしまってアーティスト性は損なわれた感じ。
彼らがDJとして登場するクラブでの戦闘シーンは、おもしれーと思いましたが……。




【映画】ライラの冒険 黄金の羅針盤

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『ライラの冒険 黄金の羅針盤』(2007年、アメリカ)

原題:The Golden Compass  監督: クリス・ワイツ  製作総指揮: ロバート・シェイ、マイケル・リン、トビー・エメリッヒ、マーク・オーデスキー、アイリーン・メイゼル、アンドリュー・ミアノ、ポール・ウェイツ  製作: デボラ・フォート、ビル・カラッロ  脚本: クリス・ワイツ、フィリップ・プルマン(原作)  出演者: ダコタ・ブルー・リチャーズ、ダニエル・クレイグ、ニコール・キッドマン、サム・エリオット、エヴァ・グリーン  音楽: アレクサンドル・デプラ  撮影監督: ヘンリー・ブラハム  編集: アン・V・コーツ  配給:  ニュー・ライン・シネマ、ギャガ/松竹  上映時間: 113分  次作: ライラの冒険 神秘の短剣 (仮)

【あらすじ】
我々の住む世界によく似た、別の世界。 “オックスフォード”の寄宿生である12歳のライラ・ベラクア(ダコタ・ブルー・リチャーズ)は、一心同体の守護精霊“ダイモン”という動物といつも行動をともにしていた。そんな不思議な世界で、謎の組織に子どもたちが誘拐される事件が続発、親友を誘拐されたライラは自ら捜索に乗り出す。



【感想】
(2010年12月18日、TV録画にて鑑賞)

やはりTV放送は……(汗;
ネットカフェで前に見たことあるから分かったんだけど、冒頭がざっくりとカットされており、いきなりしゃべる動物が登場の~、しかも鳥やなんかに変身の~、で、よく理解しないまま見始めた人も多いのでは。

この世界では誰でも“ダイモン”と呼ばれる守護精霊を持っていて、常に行動を共にする一心同体の存在。ダイモンが痛みを感じれば、主人である人間も痛みを感じる。ポケモンよりも遥かに密接な関係なのです。
そして、ライラのダイモン“パン”が変身できるのはライラが子供の間だけ。大人になるとダイモンの姿は固定するみたいです。

で、ライラの叔父アスリエル卿(ダニエル・クレイグ)は研究の結果、“ダスト”というエネルギー粒子が、異世界からダイモンの体を経由して人間の体に流れ込んでる、ということを突き止める。
世界を支配する“教会”は、このダストが人間を堕落させると考えいて、まだダイモンが定着しない子供のうちに人間とダイモンを“切り離し”てしまおうと、裏で子供たちを誘拐し秘密研究所で人体実験をやっていた。
ライラは消えた友達を見つけるために、資産家のコールター夫人(ニコール・キッドマン)に連れられて旅に出る。


異世界を描いた作品なので、設定がやや面倒な感じもするけれど、ざっくり言えばこんな感じのお話。
で、旅に出たライラは頼れる仲間を得ていくという、冒険ファンタジーですね。
どうしても、ハリポタやナルニアと比べて見劣りしてしまうけれど、僕は結構好きです。

まず、出てくる動物たちが、妙にツボを心得ている?
いかにもマスコット的なライラのダイモン・パンタライモン、イケテルおばさまっぽいヒョウみたいなダイモン・ステルマリア(アスリエル卿のダイモンで、かっこいい!TVではセリフはカットでした、涙)、そして、なんでニコール・キッドマンに猿のダイモンなの!?って最初は思うんだけどだんだんハマってくるサルのダイモン(笑)そしてシロクマをかなりでかくした“鎧クマ族”のイオレク・バーニソン。(大塚明夫の声で余計にかっこいい!)
この、可愛い物ばかりじゃない、かっこいい物ばかりじゃない、っていうバランス感覚が素敵ですね。


そして、ストーリーはシンプルなんだけど、下敷きとして宗教や哲学があるから、なんとなく面白い。ここはハリポタにはない魅力かな。
人はなぜ大人になるにつれ心が汚れるのか、という疑問に、ファンタジー世界ならではの答えを出していて、なんかいろいろ考えるきっかけくらいにはなるのでは。


なにより、主人公ライラを演じたダコタ・ブルー・リチャーズが可愛い。勝ち気で好奇心旺盛で賢いっていうことが、顔に全部現れています。
クライマックスでライラがツバを吐いて「かかってこいや!」みたいなことを言うシーンでは、思わず「姐さん!」と言いそうになります(笑)

残念ながらこの「ライラの冒険」は、北米カトリック連盟の圧力と2007年からの世界金融危機の影響で続編の制作は断念したらしいです。僕としては、ライラとしてのダコタ・ブルー・リチャーズをもっと見たかったけどな……。
彼女は『ムーンプリンセス 秘密の館とまぼろしの白馬』という映画でも主演しているようなので、機会があったら見てみようと思います。

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【読書】われはロボット[決定版]


『われはロボット[決定版]』

著:アイザック・アシモフ
訳:小尾芙佐
原題:I,ROBOT
ハヤカワ文庫SF

【あらすじ】
「(第一条)ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない」――ロボットの陽電子頭脳に刻みこまれた三原則によって、ロボットは人間の忠実な下僕であるはずだった。
しかし、秘密裏に第一条を改変して製造された一台のロボットが他のロボットに紛れてしまった。事態解決のため派遣されたロボ心理学者スーザン・キャルヴィンは、改造ロボットを見つけ出すために策を練る。(「迷子のロボット」)



【感想】
ロボットをテーマにした短編集。
前後の繋がりがあって、同じ登場人物が出てきます。

伝説のロボット心理学者スーザン・キャルヴィンを中心に、技術者コンビのパウエルとドノヴァンや、様々なロボットが登場します。


ロボットたちが実に“人間くさい”。
首の後ろを掻いたり、身振り手振りで話したり、答えづらい質問には沈黙したり……。
“三原則”という絶対の縛りはあるけれど、とても自由に思えます。

アイザック・アシモフは多分ロボットを人類の友人と捉えていたのでしょうね。悪いロボットなんて出てきません。困ったロボットは出てきますが(笑)……それは人間が原因を作ってるんです。
一見、狂ったように見えるロボットも三原則を忠実に守っていて、むしろ三原則があるせいで狂ったような行動をします。
物語は、キャルヴィンやパウエル&ドノヴァンの視点を通して、その謎解きをしているような感じです。(パウエルとドノヴァン、この技術者コンビはかなりツイてないですね。回が進むにつれだんだんかわいそうになっていきます、汗;)


ちなみに、“三原則”は以下のとおり。

(第一条)ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を見過ごすことによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
(第二条)第一条に反しない限り、ロボットは人間の命令に服従しなければならない。
(第三条)第一条、第二条に反しない限り、ロボットは自己を守らなければならない。

この3つのルールがすべてのロボットの頭脳に刻みこまれており、どんなロボットもこれを破ることはできません。
人間に襲いかかるロボットなんて“ありえない”のです。


この三原則を原案にした映画に「アイ、ロボット」がありますが、この本とはまったく違いますね。タイトルは同じですが内容は真逆。
どうも人間はロボットやコンピュータを心の奥では信じてないみたいで……。
思えば、「ターミネーター」も「マトリックス」も機械やコンピュータが反乱を起こす未来を描いてました。

でも、アシモフは人間とロボットの関係をそういう未来では描かなかった。(少なくとも初期の短編では)
この本の最後の短編「災厄のとき」でさえ、ロボットは反乱しないのです。僕はタイトルにある意味期待してたけど、なんと会話と回想だけで物語は解決してしまい、物足りなさを感じたほどでした。

物足りないと感じたということは、僕もロボットの反乱を期待していたわけで、この本に出てくる「人間同盟」(反ロボット主義者)と考え方は同じかもしれないですね。

アルマゲドン


アルマゲドン (1998年、アメリカ)

【監督】
マイケル・ベイ
【出演】
ブルース・ウィリス、ベン・アフレック、リヴ・タイラー、ウィル・パットン、スティーヴ・ブシェミ、マイケル・クラーク・ダンカン、オーウェン・ウィルソン、ビリー・ボブ・ソーントン

【あらすじ】
1998年。宇宙では突然の流星雨の直撃によって衛星修理中のスペースシャトルが爆発し、宇宙飛行士も全員死亡する。さらに、流星雨はそのまま地球の大気圏を突破してニューヨークに降り注ぎ、壊滅的打撃を与えた。調査の結果、地球への衝突コースを取るテキサス州の大きさにも匹敵する小惑星が発見される。小惑星が地球に衝突した場合、人類滅亡は免れない。一刻を争う状況のなか、NASAによって集められたチームは石油採掘のスペシャリスト達だった……!



【感想】
(2010年12月18日、TV録画にて鑑賞)

あらすじの最後の部分にちょっと手を加えたら、途端にコメディっぽくなってしまったけれど、大真面目な作品。
言わずもがな、の「アルマゲドン」です。

ただ、大真面目なだけに、ムチャなストーリーが受け入れられない人も多いらしいですね。
なんでドリラーが宇宙に行くの?っていう。
宇宙飛行士がドリラーになったほうがよっぽどいいじゃんていう(汗;
まあ、でも今回はそれをウダウダ言うつもりはありません。全体的にざっくりおもしろいからです。


今回あらためて見て感じたのは、スティーヴ・ブシェミ演じるロックハウンドの存在が、映画を盛り上げているんだな、ということです。
ロックハウンドは、地上にいる時もちょっとイカレ気味で無駄口が多いひねくれ者なんですが、宇宙に実際に行くと真っ先に錯乱し、ネガティブ発言を連発する困ったキャラです。あまりにうるさいのでテープでがんじがらめにされたりしてました。

でも、絶対好きになれない嫌な奴がチームに一人いた事で、締まりが出たというか、より主人公たちの頑張りが際立ったというか……。
それに、彼の「地球の終わりを特等席で見ようぜえ……」っていう言葉が、実はあの状況での一番まともな意見だったりします。小惑星にドリラー送り込んでる時点で"大失敗"なんすから、普通は。

しかし、物語はそんな「やっちまった」感は全然出さず、まるでTrue Storyでもあるかのように大真面目(笑)
見てるこっちもその雰囲気に呑まれて思わずほろっとしてしまう、という……でも、プロットそのものは荒唐無稽な笑い話なんですよ?これが制作陣の実力のなせる技ということでしょうか。


この映画、本当は150分(かっきり2時間半!)あってかなりの長尺なんですが、毎回TV放送で見るのでものすごく細かく刻まれてやたらスピーディーなんですよね。この前の放送なんてエアロスミスが30秒も流れなかったし。
やっぱりDVD見ないと「見た」とは言えないかもしれないなあ。
僕の書いてるのって映画レビューじゃなくてTVレビューなんでは?と、最近思います(笑)







さて、この土日でTV録画を5作品消化したので、またストックが溜まりました。(と言っても、書いてないけど)
来週は、もう年末なんですね~。書けんのか?
2010年の締めくくりの記事も書かなきゃだし~。書けんのか?

18日に観た『トロン:レガシー』まではなんとか今年中に書いておきたいですね。

【映画】[リミット]

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『[リミット]』(2010年、スペイン)

原題:Buried  監督: ロドリゴ・コルテス  製作総指揮: アレハンドロ・ミランダ、ロドリゴ・コルテス  製作: エイドリアン・グエラ、ピーター・サフラン  脚本: クリス・スパーリング  音楽: ヴィクトル・レイェス  撮影: エドゥアルド・グラウ  編集: ロドリゴ・コルテス  製作会社: ヴァーサス・エンターテインメント、サフラン・カンパニー、ダーク・トリック・フィルムズ、スタジオ37、キノロジー  配給:  ライオンズゲート、ギャガ  製作国: スペイン/オーストラリア  上映時間:94分

【あらすじ】
ポール・コンロイが目覚めるとそこは真っ暗な箱の中だった。イラクへトラック運転手として出稼ぎに出ていた彼は、ある日武装集団に襲われ、棺に入れられ生き埋めにされたのだった。
彼は一緒に棺に入れられていた携帯電話を見つけ、必死に助けを求めるが……。



【感想】
(2010年12月15日、仙台フォーラムにて鑑賞)

タイトルが『[リミット]』って括弧がウザイ感じがしますが、[]がもともと付いているので、自然とこうなります。


なんだったの?なんでなの?どうしてなの?って見た直後になる映画。
思わず他の客に「あれってどういうことですか?」と聞きそうになってしまった。
ま、皆さん足早に映画館を出ていったので、それはやめて(笑)、映画サイトでチェックしてみると……。
なるほど、そういうことなのか~~って感じでした。

究極のワンシチュエーション・サスペンスと言っても過言ではないと思います。
「ひとつの部屋を舞台にした人間ドラマ」はいろんな映画であるパターンですが、この映画は身動き取れない主人公がたった一人。しかも舞台は「棺」。これだけ狭い行動範囲で描かれる映画って……。
ある意味、実験的な作品ですけど、エンターテイメントとしても見れるし、これをやろうと思った監督たちの挑戦には素直にすごいなと思います。


日本での公開が11月だったので、映画館で観る機会はあまり残ってないと思いますが(それに派手な作品でもないし)、レンタル出たら借りて見ることをオススメします。ええ、僕は気に入りましたよ、この映画♪

ただし、閉所恐怖症と医師に診断されたことのある人は、わきに酸素ボンベを置いて見たほうがいいでしょう。







さて、この映画、ネタバレは絶対にしちゃダメな感じなんですが、やっぱり感想を書く上でネタバレは避けられないことに気づきました。
というわけで、ネタバレ記事を別に書いて、リンクを貼ることにしました。

ただし、これをクリックする前に注意です。

・本作をまだ見てない人は読まないほうがいいです。
・ファン限定記事としましたので、当ブログへのお気に入り登録が必要です。(一時的な登録でもかまいません)

http://blogs.yahoo.co.jp/yucke0507/27644141.html  ←ネタバレ含む記事です。

【映画】シルク

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『シルク』(2007年、カナダ/フランス/イタリア/イギリス/日本)

原題:SILK  原作:アレッサンドロ・バリッコ  監督: フランソワ・ジラール  脚本: フランソワ・ジラール、マイケル・ゴーディング  出演: マイケル・ピット、キーラ・ナイトレイ、アルフレッド・モリーナ、役所広司、芦名星、中谷美紀、國村隼、本郷奏多  音楽: 坂本龍一  撮影監督: アレイン・ドスティ  編集: ピア・ディ・チアウラ  配給:アスミック・エース  上映時間: 112分

【あらすじ】
1860年代のフランス。蚕の疫病が発生したため、元軍人のエルヴェ(マイケル・ピット)は美しい妻エレーヌ(キーラ・ナイトレイ)を残して、日本へと旅立つ。その目的は健康な蚕の卵を買い付け、無事に持ち帰ることだった。
長い旅を経て日本に到着したエルヴェは、信濃の某所・原十兵衛(役所広司)という謎の男が支配する村にたどり着き、そこで“絹”のように白い肌の女(芦名星)と衝撃的な出会いを果たす。
蚕の卵を手に入れ帰国したエルヴェ。町は活気を取り戻し彼は富を手に入れるが、彼の心は日本で出会った女に奪われたままだった。



【感想】
(2010年12月12日、TV録画にて鑑賞)

穏やかなラブストーリー。「ラブストーリー」っていう表現はちと軽いか。
最初は、欧州人が夢想する幻想的な日本を描き、そこで出会うこれまた幻想的な美女への憧れを描きます。
しかし状況が悪い方向へと動き始め、それでも悪夢を見続ける夫を、妻は……という話。

主人公の男の視線は常に芦名星に向けられているんだけど、最後にはやっぱりキーラ・ナイトレイが主演女優だったのねえ、っていうちょっとやられた感もしないでもないかな。
終わってみると、「芦名星とキーラ・ナイトレイの競演」という風には言えないですね……。


全編に渡って流れる坂本龍一の曲が、とても暗い(笑)
物語と見事にマッチングして、暗い。なんか別にこの人引っ張ってこんでも……って感じでした。お金に余裕があれば是非サントラは欲しいけど(←どっちだよ;)





芦名星はこの映画でヌードを披露しているそうですね。僕はTV放送で見たのでカットされていましたけど;
う~む、残念。やはりDVDや劇場で観ないと「見た」とは言えないのかな……。

しかし、ヌード無くても、監督が勝手に抱いている日本人(ひいてはアジア人)の妖艶な魅力というものは充分に誇張されて描かれていますね。(それがまたけっこうな“ありえなさ”で余計にファンタジーなんだけど……)
マイケル・ピットと芦名星の無言のやりとりは、なんだか見ていて『ラストサムライ』のトム・クルーズと小雪を思い出しました。トム・クルーズが小雪に着物を着せてもらうシーン。献身さと美しい所作。ああいうのに欧米男性は弱いんでしょうね。自国の女たちはやってくれなさそうだもん。まあ、現代日本でもまったく見られない光景ですけどね(;´∀`)

そのラストサムライの1シーンにとても雰囲気が似ていたんですよね。やってることはもう少しセクシーだけど。
原作『絹(SETA)』が書かれたのは90年代なので原作者のオリジナルの描写のはずなんですが、この映画が製作されたのは2007年。『ラストサムライ』の公開が2003年だったことを考えると、やっぱり監督はそのシーンを意識して撮ったんじゃないかと、どおしても勘ぐりたくなってしまいます。


ちなみに、原作本には本編の前に著者からの日本の読者へ向けた但し書きがあり、その中で「この物語で描かれる日本の姿は、欧米人が持つイメージの日本であり、日本であって日本ではない」と語っているそうです。
できれば、映画の冒頭でもそのような但し書きが欲しかったですね(笑)
「日本が出てくる」と思って見ると、裏切られます。

【映画】スピード

メリークリスマスです。
と言っても、いつもの映画レビューです。しかもまったくクリスマスと関係ない映画ですm(_ _;)m
まあ、気分だけでも味わおうと思いましたもので……(^o^;)

今回見た映画は、キアヌ・リーブス主演『スピード』です。

クリスマスがなくたってめちゃくちゃ忙しい12月。
こんな「師走」ならぬ「暴走」バスに乗ってしまったら……う~~~~~。

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『スピード』(1994年、アメリカ)

原題:Speed  監督: ヤン・デ・ボン  製作総指揮: イアン・ブライス  製作: マーク・ゴードン  脚本: グラハム・ヨスト  出演: キアヌ・リーブス、デニス・ホッパー、サンドラ・ブロック、ジョー・モートン、ジェフ・ダニエルズ、アラン・ラック  音楽: マーク・マンシーナ、ビリー・アイドル  撮影: アンジェイ・バートコウィアク  編集: ジョン・ライト  配給: 20世紀フォックス  上映時間: 115分  次作:スピード2

【あらすじ】
路線バスに時速50マイル(約80キロ)以下になると爆発する爆弾が仕掛られた。爆弾魔は巨額の身代金を要求。若きSWAT隊員ジャックは、多くの乗客を乗せたこのバスに乗り込み、次々と襲い掛かるトラブルに立ち向かう…。 



【感想】
(2010年12月12日、TV録画にて鑑賞)

初めてこの作品をきちんと見たけれど(あ、すいません、TVの録画でした……)、かなり面白かったですね。
いや、楽しむというよりはハラハラしっぱなしで疲れる映画なんですけど……。でも面白い。
「スピードを80キロ以下に落としたら爆発」ってみんな話してるのに、バスのスピードメーターはマイル表示(笑)
ぶっちゃけ50マイルなのか49マイルなのか日本語吹替じゃ分からないことも手伝ってのハラハラ感。

走行中のバスに乗り移る!
走行中のバスから飛び降りる!
バスがいろんな物に当り散らす!!
俳優が体当たりの演技なら、バスも文字通りの体当たり!

いや~もう、すごいですね。
見たことない人は一度は見るべきかも。アクション好き・嫌いに関わらず。
アクション映画の代名詞みたいな映画ですからね。って僕も最近初めて見たんですけどね(^_^;)
ちなみに続編の『スピード2』も、案の定、見てませんm(_ _;)m


一番良かった、好印象なのは、あ~助かった~、で終わらなかったこと。
時速80キロの暴走バスのあとは、なんと!…………う~む、これ以上は言えません。
(まあ、大ヒット映画なので、知ってる人も多いと思いますが念のため)

ただ一言、「乗り換え」です。

【夢日記】ローマ字入力がヘタすぎる僕。

こんな夢を見た。





大河ドラマ「龍馬伝」の最終回を見ていました。(ちなみに、現実では第1話以外見ていない……)
その中で、「岩通昌真(いわみちあきまさ)」という名の人物が登場。(この人物は僕の想像の産物。漢字は多分こんな感じだった)
この岩通を演じていた役者が、一目見てあの人だと気付いたんだけど、その“あの人”が濱田岳なのか窪田正孝なのか分からず、龍馬伝の最終回そっちのけでPCで検索してみることに。(濱田岳と窪田正孝は実在の俳優です。僕は現実でも彼らの違いがよく分かってません……)

僕はPCの前に座り、検索フォームに「岩通昌真」と入力しようとしました。しかし、それが全然うまくいかない。
「いわみちあきまさ」と入力し変換キーを押すだけなのに、必ずどこかで間違ってしまいます。途中でエンターを押してしまって、ひらがなで確定されたり、「あきまさ」を「あきさま」「まさあき」「あkまさ」などと打ってしまったり……。

なんのことはない簡単な言葉なのに、まったく一度も成功せず、よって肝心の役者のことも全然分からず、夢は終わりました。
20回くらい入力ミスしたと思います。「龍馬伝」で検索すりゃよかった(‐o-;)

【映画】252 生存者あり

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『252 生存者あり』(2008年、日本)

監督: 水田伸生  製作総指揮: 島田洋一  製作: 252製作委員会  脚本: 小森陽一、斉藤ひろし、水田伸生  出演: 伊藤英明、内野聖陽、山田孝之、香椎由宇、木村祐一、MINJI、桜井幸子、大森絢音  音楽: 岩代太郎  主題歌: MINJI『LOVE ALIVE』  撮影: 林淳一郎、さのてつろう  編集: 菊池純一、佐藤崇  配給:  ワーナー・ブラザース映画  上映時間: 128分

【あらすじ】
関東に直下型地震が発生して数週間後、都心の機能は回復しつつあったが、地震の影響で海水温度が急上昇し、史上最大規模の巨大台風が発生する。元ハイパーレスキュー隊員の祐司(伊藤英明)は、娘(大森絢音)の誕生日を祝うために、妻(桜井幸子)と銀座で待ち合わせをしていたが、突然巨大なひょうが降ってきて……。



【感想】
(2010年12月11日、TV録画にて鑑賞)

この手の映画はつまらないと決めつけて、TV録画で済ましましたが、期待してなかった割には意外と泣けてしまいました(汗;

ツッコミどころはいろいろあるんですけど、まあ今更言ってもなんにもならないし。
そもそも、僕らは現実の私生活でもけっこうツッコミ入れられて当然みたいなことをやるわけですし。
(間違って快速電車に乗ってしまって、ア――(゚∀゚)――!!みたいな。あ、それ僕だ……)
「本当のハイパーレスキューと違う!」とおっしゃる方は、ぜひハイパーレスキュー追っかけて災害現場で“鑑賞”してください。怒られると思いますけど。

まあ、一応ドラマとしては成り立っていたと思うんですよね。(←最低条件ですが;)
TV録画で見た限りでは、フジテレビが高波に襲われたシーンは日本テレビが協賛してるだけに「嫌がらせか?」と笑えました。でも、その一方で大森絢音ちゃんが絡むシーンでは涙が溢れ出てくるわけですよ。
ツッコミどころにクスリとなりながらも、感動シーンでは感動してしまうんですね。


ハイパーレスキューの隊員が、「なぜ他人のために命を危険にさらすのか」理解出来ない妻の説得でレスキュー隊を去り、しかし今度は彼自身が救助される側になったとき、妻は「夫を救うために命を危険にさらしてくれ」とレスキュー隊に懇願する自分の身勝手さに気づきます。このへんはとても面白いお話だと思いました。

さらに、弟が生き埋めになっている隊長(内野聖陽)が、危険だから出動を許可しない上司に「弟を助けたいんだ」と訴えるシーンは、一人の人間の、小さいけれど、それなりの強さが現れていて良かったです。模範的なセリフなら「救助を待つ市民が一人でもいるなら……」って感じなんでしょうけど、そうではなく、あくまで弟が肉親だから、好きだから見捨てておけないという、“本音”が出ていたと思うんですよね。これも、人間性という意味ではけして間違いではないんです。だから、ハイパーレスキューが“理想のヒーロー”ではなく、僕らと同じ“小さな人間”として描かれたことに、ちょっと好評価なわけです。


ご都合主義的な展開も多々見られますが、それも別にとやかく言ったところでどうにもならない感じ。
例えば、輸血が必要な女性(MINJI)がいるが、地下に閉じ込められて血も薬も機材もない。そんな状況でキム兄が持ってた水槽ポンプのサンプルが役に立つ。うん!ご都合主義!
でも、別にそれがなければないで、なにか別のストーリーを挟めばいいわけだし、つくり話にご都合主義がどうのと言い出すこと自体がナンセンスかもしれませんね。
「パニック映画を撮りましょう」「じゃあ東京に巨大台風が来たことにしましょう」この時点からご都合主義と言えなくもない(・_・;)


とは言え、ラストの展開はもう驚愕でしたね(笑)
あんなパパの雄姿を見せられたら、子供は一生忘れないでしょう。パパは不死身と思うでしょう。
無駄に後日談が無いのはグッドでした。

トーマス・クラウン・アフェアー

トーマス・クラウン・アフェアー
(1999年/アメリカ)

【監督】
ジョン・マクティアナン
【キャスト】
ピアース・ブロスナン
レネ・ルッソ
フェイ・ダナウェイ

*あらすじ
 
億万長者で会社経営者のトーマス・クラウンは、実は美術品を専門にする泥棒でもあった。彼はある日、メトロポリタン美術館からモネの絵画を盗み出す。調査のために保険会社から派遣されたキャサリンは、トーマス・クラウンが犯人であると推理し、その証拠を挙げるために彼に近づくが……。

*感想(2010年12月11日、TV録画にて鑑賞)

1968年のスティーブ・マックイーン主演『華麗なる賭け』(原題:The Thomas Crown Affair)のリメイクです。
オリジナルのほうでトーマス・クラウンの相手役を演じたフェイ・ダナウェイが、リメイクではトーマス・クラウンのかかりつけの精神科医として登場しています。

もちろん、僕はオリジナルは未見です。83年生まれですよ、勘弁して下さい(笑)


優雅な生活を送る投資ファンド経営者トーマス・クラウンが実は美術品泥棒。犯人を見つけ出し盗まれた絵画を取り戻すために派遣されたキャサリンは、彼が犯人だと確信し、彼に近づくが、2人の駆け引きはやがて恋愛感情に発展し、一線を越えてしまう、という大人~なお話(*´∀`)
全編に渡ってとにかく優雅で、華麗で、サービスたっぷりの内容です。
監督がジョン・マクティアナンですが、汗臭い(失礼;)『ダイ・ハード』とはまるで毛色が違います。

ピアース・ブロスナン演じるトーマス・クラウン。果たして、キャサリンとのことは本気なのか、利用しているだけなのか、あるいは本気だけど利用して捨てるつもりなのか、早い話がイイヤツなのか悪いヤツなのか、最後まで分からなくて面白い。
そしてキャサリン役のレネ・ルッソ。顔は好みでは無いんだけど、ユルイ感じの髪型が可愛かったので可愛かった(笑)捜査してる時の楽しそうな表情もいい。しかし、当初の目的と逆の方向に突っ走ってしまうので、そこらへんはなんだかなァ……。「仕事でやってるの」というセリフが言い訳がましい(^_^;)


ちなみに、99年の映画なので携帯電話とか出てこない。でもだからこその情緒というか優雅さがありました。
いくら金持ってても、携帯がひっきりなしになってるような人は、優雅とは言えないですよね。
この映画は、泥棒の技にも工夫があって感心しました。
ハイテク機械でピピピッとやってしまったら全然楽しくなかったでしょうね。

 
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