感動器官

笑い、涙、鳥肌、私たちの感動を現出させる器官。

2010年10月

【映画】ミックマック

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もっとファンタジックでもよかった?
 
 
 
 
 
『ミックマック』(2009年、フランス)
2010年10月27日、チネ・ラヴィータにて鑑賞。
 
 
 
【あらすじ】
ビデオショップで働くバジルはある夜発砲事件に巻き込まれ、頭に銃弾を受けてしまう。奇跡的に命を取りとめた彼だが、頭には銃弾が残っていた。職も住む場所も失ったバジルを迎え入れたのは、廃品で作った工場のような家に暮らすユニークな特技を持つ“家族”たちだった。
仲間たちと廃品回収をして暮らし始めた矢先、バジルは自分の頭に残る銃弾を造った会社と、30年前に父の命を奪った地雷を製造した会社を見つける。バジルは“家族”たちの協力を得て、2つの武器会社にイタズラという名のスペシャルな復讐を仕掛けるのだった!
 
 
 
【感想】
『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督最新作ということで、劇場で見てきました。
僕の期待の割に客の入りは少なかった。またもや5人。
前もあったなこの少数貸切状態……『闇の列車、光の旅』のときも5人だったよ。
もしかしてその時の5人かもしれん(笑)
 
てゆーか、単純に21時過ぎの遅い上映だったので、客が少ないみたいだね。
謎はすべて解けた!!
 
 
 
あの『アメリ』は、ストーリーは忘れても色彩が頭に残ってるので、たぶん面白かったはずです。
そして『ミックマック』も独特な色彩でした。
 
だが、なんかいまいち乗り切れないというか……。
「思ってたのと違う」という感じがして、それが引っかかるんですね。
普通は、予想を裏切られてナンボですが、今回はその引っかかりがもどかしいわけです。
 
まず、頭に銃弾が残る不運(強運?)な男バジル。当然、イカレ野郎で良いはずなのに、妙に冴えてる。
次、ギロチン男。別にギロチンだろうが、ジャンキーだろうが、なんでもよかった特に何も無い役。
計算機。触れていない物の成分まで言い当てる彼女は、計算機というよりもエスパー。
言語オタク。重要だったのは“黒人であること”。
人間大砲。誤射。まあ、これはユーモアだけど!w
 
というようにですね、チラシで紹介された人物像、そこから生まれる期待とちょっと違うわけですね。
むしろ、悪魔ピエロのおじさんのほうにすげー興味あるんですわ。
あの悪魔ピエロが武器商人の豪邸に侵入してきたら面白そうじゃないですか?w
でも、悪魔ピエロはチョイ役なんですね~~。なにこのハズしっぷり?
 
 
これがジュネワールドってことなのかなあ……。
 
 
一言:「フリーでやってます」w

【映画】奈緒子

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バラバラになって、また会いに行くために走る。
 
 
 
 
 
『奈緒子』(2008年、日本)
2010年10月24日、自宅にて鑑賞。
 
 
 
【あらすじ】
ぜんそくの療養のため、長崎県波切島を訪れた12歳の奈緒子(藤本七海)は、風のように走り続ける10歳の少年雄介(境大輝)を舟の上から見つめていた。その後、奈緒子は海に落ち、彼女を救った雄介の父が亡くなってしまう。それから6年の歳月が過ぎ、奈緒子(上野樹里)は陸上大会で天才ランナーに成長した雄介(三浦春馬)と偶然再会する。
 
 
 
【解説】
映画『ロボコン』の古厩智之監督がメガホンを取り、伝説の駅伝コミックを映画化した青春映画。辛い過去を持つ因縁の2人が再会し、高校駅伝代表を目指して猛練習に励むひと夏の様子を描く。心に傷を負ったヒロインに挑むのは、映画『出口のない海』などで着実に女優として成長を続ける上野樹里。共演の映画『恋空』の三浦春馬とともに、ストイックな演技を見せる。ただひたすら“走る”ことによって、悩みや苦しみを乗り越えていく彼らの姿が感動的。
 
 
 
【感想】
いやいや、三浦春馬は男の僕から見てもかっこよかったですね。
「かっこよかった」って表現がなんか幼稚でいやですけども、かっこよかったです。
「さわやか」「まっすぐ」「一生懸命」っすわ。演技がどうとかじゃなく見入ってしまう。
かっこいいんだね。早い話が。
 
あと、足が一番遅い吉崎を好演したタモト清嵐。剣岳で香川照之の息子を演じていた彼が、非常に好きだわ。
ぶっちゃけ、えなりくんを思い出してしまうんだけど、あのボーズ頭は反則だわ。
清嵐は「そらん」と読むらしい。読めへんわ。
 
主演の上野樹里はあんまり目立ってなかったけど、平たい顔でもそこそこ美しかったかな。いや、好きですよ。
やっぱり、男子のことを想う女子の姿っていうのは、反則です。
あと、怒鳴るシーンで金切り声にならずに、どすの利いた迫力ある声で「雄介っ!」と叫んでいたのは、やはり彼女だから録れた「音」なんじゃないだろうか。アイドルの主演だったらまったく違う叫びになっていたと思う。
 
あとあと、忘れちゃいけないつるべえ。
何の役とか考えずに、笑福亭鶴瓶が鶴瓶役で出てると思って見ると、なんか幸せな気持ちになるのは僕だけ?
『ディア・ドクター』以降、つるべえが好きで仕方ない。
 
 
ストーリー的にも、なんか嫌味なライバルが面白いし、とにかく走りまくってる映画なので、飽きない。
いや、飽きる人は飽きるか?でも僕は楽しかった。人が走ってるのを見るのが(笑)
 
 
 
ただし、コミックの映画化なので原作ファンからは批判も出てるみたいだね。
僕は原作知りません。これはいつものことです。原作知ってて見た映画って全然少ない。
 
原作知らないから、純粋に楽しめる。「ただのスポ根映画」でも満足できる。原作知らないから。
ところが、原作知ってる人は「これは原作とは違う」とか「原作を分かってない」とか、批判するポイントが自然と見えてくる。
 
で、「映画化」作品は不幸なことに、見る人の多くが原作を知ってる人なんだよね。
なので、「映画」としては悪くないのに「映画化」としてダメだと、「駄作」と言われてしまう。
「映画」として見た僕でも「え?」と思うシーンはあったけどね。(喋りながら走るとか、笑)
 
 
でも、好感の持てる映画でした。
 
 
一言:本名が主人公と同じなのでちょっとウレシイ♪
 
★★★★☆
 
『奈緒子』
監督:古厩智之
原作:坂田信弘(原作)、中原裕(作画)
出演:上野樹里、三浦春馬、笑福亭鶴瓶
配給:日活
2008年、日本

【映画】日本沈没

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主人公が最後まで迷い続ける。
 
 
 
 
『日本沈没』(2006年、日本)
2010年10月10日、自宅にて鑑賞。
 
 
 
【あらすじ】
大規模な地殻変動によって日本列島が海中に沈没するという危険性が指摘され、それを証明するかのようなマグニチュード8以上の大地震が次々と発生する。そんな中、大地震の被害にあった潜水艇のパイロット小野寺(草なぎ剛)と幼い少女美咲(福田麻由子)は、ハイパーレスキュー隊員の阿部(柴咲コウ)に救出される。
 
 
 
【解説】
日本列島の沈没を描いたディザスタームービー。
小松左京の書いたベストセラー小説の2度目の映画化。原作は1973年発表。同年に映画化、その後ドラマ化するなどした。
監督は樋口真嗣。1973年の映画のリメイクというよりも、原作小説の再映画化というスタンスで臨んだという。
 
 
 
【感想】
忘れる前に書いてしまおう(笑)
 
 
評価の低い映画ですが、つまらなくはない。
いや、つまらないんですけど、見るべきものが何も無い映画ではない。
正直、TV放送で見たので、パニックの部分が大幅にカットされていて、ただでさえ冗長なストーリーが起伏の無い構成になってたみたいだけど。
 
そういう時は見方を変えるのです(笑)
草剛演じる潜水艇の操縦士を見て、「こいつヒーローのはずなのに戦うことからまだ逃げ回るのな」とか、
柴咲コウ演じるレスキュー隊員を見て、「柴咲コウってけっこう可愛かったんだな」とか、
危機管理大臣の大地真央を、最初は「頼りねぇ~」と思ってもラストではかっこいい演説で思わず「僕も管理されたい」と思いませんか?(←誰に訊いてる?w)
 
 
特に、草剛演じる主人公の、逃げ腰っぷり?レスキュー隊員の彼女との対比でより「卑怯な男」として映る。
いや、戦うべきものがはっきりしていないから当然と言えば当然なんだけど、監督の樋口真嗣がエヴァンゲリオンに関わっていたこと、エヴァの主人公・碇シンジは樋口真嗣からきていること、エヴァのシンジ君は優柔不断キャラであること、それらがどうにも偶然の一致とは思えず、監督は草剛に碇シンジを投影したんじゃないだろうかと、草が演じたのは実写版碇シンジだったのではないかと穿った見方をしてしまうわけです。
 
エヴァは一度も見たことないですけどね(笑)
 
 
 
まあとにかく。
 
日本のみならず韓国でも大ヒットしたらしい本作。
『日本沈没』ってタイトル見たら、そりゃ反日の人たちも観るわ……(汗;
「沈没しねえじゃん」「陳腐なラブストーリーじゃん」って批判はむしろそういう反日の方に任せておけばいい。
日本列島に住む自分らは、素直に「あぁ良かったぁ」でいいんだよね。
つまらないからいろいろ理由を探してしまうけど(笑)
 
 
一言:ラストで涙しました。涙腺ゆるいのかなあ(汗;
 
★★★☆☆
 
『日本沈没』
監督:樋口真嗣
原作:小松左京
出演:草剛、柴咲コウ、豊川悦司、大地真央
配給:東宝
2006年、日本

インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国

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インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国
(2008年/アメリカ)

【監督】
スティーヴン・スピルバーグ
【キャスト】
ハリソン・フォード
カレン・アレン
シャイア・ラブーフ
ケイト・ブランシェット

*あらすじ
 
1957年、ネバダ州のエリア51内にある政府の機密物保管倉庫を、アメリカ陸軍に偽装したイリーナ・スパルコ大佐率いるソ連軍の一団が襲撃した。
スパルコ大佐は、すでに拘束し連行してきたインディー・ジョーンズと相棒ジョージ・マクヘイルに、1947年のロズウェル事件でアメリカ軍が手に入れた、強い磁気を発する長方形の箱を探す様、強要するのだった。

*感想(2010年10月23日、自宅にて鑑賞)

これが「インディ4」でいいんだよね?
その程度の知識しか無いんですが……。
他の作品も見てるはずなんだけど、「何作目」かがまるで覚えてないんだよね。
 
一つ間違いなく言えるのは、「インディ・ジョーンズ」シリーズがあって、それを継承する形で「ハムナプトラ」「ナショナル・トレジャー」が生まれ、そのどちらの作品も好きなうちの母は、やっぱり「インディ・ジョーンズ」も好きなのでした。
 
 
 
しかし、かなり笑かしてくれますね。蛇がロープとか、三度落ちる、とか。
往年の名作シリーズならではの思い切りの良さがあった。
何をやってもブレないぞ、という余裕が見られた。
主人公たちはとても余裕なんてなさそうでしたが……。
 
インディ・ジョーンズを継承することになる息子のキャラクターも、50年代という設定のせいか、かなり面白い人に仕上がっていたし。
「ハムナプトラ3」の息子さんと比べると、かなりヘン。
 
 
ラストで、世代交代か……?いや、させねえよ。というようなやりとりがありましたが、あの息子ではシリーズのカラーが大きく変わってしまうことでしょう。
それよりは、インディ・ジョーンズの末の息子で、ハムナプトラ、ナショナル・トレジャーの弟を作ったほうがいいかな。母のお気に入りが増えそうですが。

【れすとらん日記】ハロウィンイベント開催中

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セルフィれすとらんでも、ハロウィンイベント開催中。
いつもどおり、ずんだ餅ふるまってますが……(笑)
 
 
 
『セルフィれすとらん』
 
 
 
ヤフーモバゲーで遊べる、レストラン経営SLGですね。
お気に入りブロガーの方に薦められて初めてみました。土日だけ開店してますw
 
キッチンの前に立ってる黒いコック帽の地味な男が「えにくす」ことYuckeですw
やることは料理を作って、ひたすら待つだけ。
 
テーブルの内側に立っている3人がウエイトレス(NPC)。初期装備wのデリ子と、レストラン友達のお2人です。
出来上がった料理を客に運んでいき、食べ終わった皿を片付けます。
 
で、せっせとずんだ餅を食べているのがお客さんたち(NPC)。料理が完成しててもしてなくても、ガンガン店内に入ってきます。右上の星マークの数値が増えると、お客の数も増えるみたいだな。
 
満席だとお客が怒って帰ってしまい、星の数値が下がってしまうので、なるべく席を増やしたいのだけど、今のレベルではこれが限界かな。81の前後を上下し続ける展開。
 
レイアウト変更が結構充実していて、お金さえ稼げば、いろんなデザインのお店を作れるので楽しい。
ただ、ハロウィンイベントは微妙だね。課金しないとコンプはムリっぽい。

【映画】グラスハウス

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リーリー・ソビエスキー好きな人にはおすすめ。
 
 
 
 
 
『グラスハウス』(2001年、アメリカ)
2010年10月17日、自宅にて鑑賞。
 
 
 
【あらすじ】
両親に嘘をついて友達と夜遊びに出かけた女子高生ルビー・ベイカー。
その日の夜遅く自宅に戻った彼女は、両親が交通事故で死んでしまったことを知る。
ルビーは弟レットと2人きりになってしまうが、両親は多額の遺産と遺言を残していた。
 
両親の遺言によってルビーたちの後見人となったかつての隣人グラス夫妻の家へとやってきた姉弟。
マリブに建つガラス張りの大豪邸での新しい生活に心踊らせたのも束の間、グラス夫妻の不審な行動にルビーは疑念を抱く。
一見、幸せそうに見えるこの夫婦は、重大な秘密を抱えていた。
 
 
 
【感想】
なんの前情報もなしにTVの録画を鑑賞。
最初、タイトルから勝手にヒューマンドラマと思ってみてたけど、両親が亡くなったところで「ああ、サスペンスだったのね」と直感。
そのあと、養父のいやらしい視線でもって、「エロティック・サスペンスなのか?」と期待しましたが、そこまでの昇華はありませんでした(笑)
 
 
 
両親の死によって、昔の隣人で今はお金持ちのグラス夫妻に引き取られた姉弟。
崖の上の大豪邸に高級車、オジサンは実業家、オバサンは医者、プールはあるしメイドはいるし……。
そんな夢のような暮らしにワクワクした途端、姉弟一緒の部屋をあてがわれてしまって困惑するルビー。
オジサンはなんか視線がいやらしいし、この家はどこかヘン!と思うんだけど、弟はTVゲームを与えられて見事にオジサンオバサンの味方……。
 
 
まあ、中盤で事の真相がなんとなく読めてしまうんだけども、最後まで緊迫感のある映画でした。
終盤、借金取りとオジサンが車で行っちゃった時には、「あれ、ヒロインの出番は……?」と心配したけど、ラスト見事に収束しててちょっと面白かった。
最近観た映画『ゾンビランド』の「生き残るためのルール」の一つに「二度撃ち」というのがあったんだけど、この『グラスハウス』では「二度轢き」。笑っちゃいました。ゾンビかよ。
 
 
 
原題は“The Glass House”、「ガラスの家」の意。ガラス張りの大豪邸が舞台だからね。
 
でも僕は当初、「草の家(Grass House)」と思ってました。
だって、両親の葬儀のシーンで、草がどうのっていうセリフがあるんだもん(笑)
「三匹の子ぶた」の藁の家みたく、「かりそめのとっても壊れやすい家」という意味かと……。
 
でも、一見優雅な生活を送ってる夫婦が実はズタズタのボロボロな(自業自得でね)人生だったという話だから、「外見は美しいがとても壊れやすい家」という意味でやっぱり“The Glass House”なんでしょうね。
 
この映画では、まるでそのガラスの家にピシリピシリとヒビが入るさまをじっくり堪能できます。
 
 
一言:『2』もすでにあるみたいです。
 
★★★☆☆
 
『グラスハウス』
原題:The Glass House
監督:ダニエル・サックハイム
出演:リーリー・ソビエスキー、ステラン・スカルスガルド、ダイアン・レイン、ブルース・ダーン
配給:ソニー・ピクチャーズ
2001年、アメリカ

【ドラマ】探偵倶楽部

『探偵倶楽部』見ました。
 
 
 
クールでパーフェクトな探偵と、助手見習いのコンビが、大企業の老社長の密室失踪事件を解決する物語。
 
面白かったすわ。あの、明らかに分かる序盤の展開。
誰でも、副社長と秘書と愛人がグルだってことは推理できるんだけど。
 
面白かったのは、10時15分頃、実は社長最初から死んでたって話。
それは思いつかないわw
 
 
 
谷原章介演じる「倶楽部の者」は、アクションシーンなのに髪型にすげーこだわる演出で……。
もうちょっと前髪乱れてもいいんじゃないか、とか、息上がっててもいいんじゃないか、とか、
そっちの違和感が謎でした。
 
クールで完璧な人間よりも、クールぶってるけど実はけっこう必死な人間のほうが親近感が湧くので、
このドラマ、キャラクターがいまいちだけど、全体的にアンティークな雰囲気は出ていたかな。
事務所だけがシステムシステムしていて、なんか寒そうだったけどw

【音楽】BUTTERFLY HEAD / OBLIVION DUST



OBLIVION DUST(オブリヴィオン・ダスト)の4thだったか。
ハーフのボーカルから英語詞が紡ぎ出され、スタイリッシュなハードロックといった感じ。



出会いは10年前にさかのぼる。
当時、高校の放送部に所属していた僕は、ある日顧問の先生から「こんなの届いてたよ」と一通の封筒を受け取った。
中身は、このアルバムに収録されてる『DESIGNER FETUS』のサンプルCDと、1分強のダイジェスト版が5、6曲入ったサンプルMD、そして書類が1枚。
要するに、「(販促のため)貴校の校内放送で流してね♪」って意味だった。
(ただし、顧問から部員に手渡されるまでに半年ほどかかっており、既に旬ではなくなっていた……)

で、たしか一度だけ昼休みに流したんだが、生徒の反応はよく分からず……。もともと一方通行な放送だったからな……。

ただ、僕はその『DESIGNER FETUS』が気に入ったので、後日、ブックセンター湘南(笑)へ自転車を走らせ、このアルバム『BUTTERFLY HEAD』を購入。
10年経った今でも気持ち良く聴いている。



★★★★☆

BUTTERFLY HEAD
OBLIVION DUST
Cutting Edge,2000,Japan

【読書】闇の守り人


『闇の守り人』上橋奈穂子



【解説】
「守り人シリーズ」第2弾。
前作の主人公バルサは、自らの暗い過去に区切りを付けるために、生まれ故郷カンバルを訪れる。
養父ジグロの縁者たちに彼の最期を伝えるだけのつもりだったが、バルサはやがて、“山の王”の秘密と欲深い者たちの陰謀に巻き込まれていく。



【感想】
前作『精霊の守り人』よりは、西洋っぽい香りのする物語。

ドワーフを思わせる小人〈牧童〉が出てくるせいか。
フェアリーやピクシーような妖精が出てくるせいか。
単にカンバル国が西洋っぽいだけか。なんとなく東欧ぽい。

新ヨゴ皇国では元首を「帝」と呼んでいるのに、カンバルでは「王」。
〈王の槍〉たちの持つ槍の柄に、金の輪が付けられているというのも、侍や武人というよりは西洋の騎士を思わせる。
“黄金”って東洋ぽくないし。でも“黄金の国ジパング”って言うか?w

東洋ぽいスタイルにまずインパクトがあった前作は、「これは古代日本の話です。新ヨゴ皇国は古代の架空の文明です」って嘘ついたとして、なんかそんな雰囲気が実際あったけど、
さすがにカンバルは日本じゃねえ、と思う。
(無知な若造の戯言ですので聞き流して下さい)



なにが言いたいって、『精霊の守り人』の魅力って“東洋ファンタジー”が大きかったけど、『闇の守り人』では“東洋ぽさ”は薄れ、
でも、それでも面白いってことなんだよね。

過去の亡霊ジグロ、片腕の氏族長カグロ、虚構の英雄ユグロと、今回もステキな名前が続々登場。
そして、用心棒という非常に使い勝手の良いジョブで、バルサ姐さん、大立ち回りです。

【映画】闇の列車、光の旅

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“清涼飲料水”ではなく、“深層水”の趣き。
 
 
 
 
 
『闇の列車、光の旅』(2009年、メキシコ/アメリカ)
2010年10月13日、チネ・ラヴィータにて鑑賞。
 
 
 
【あらすじ】
メキシコ・ギャングの一員であるカスペルは、弟分の少年スマイリーをギャングに引き入れる。
カスペルはリーダーのリルマゴから信頼されていたが、一方で仲間に内緒で恋人マルタと密会を重ねていた。
 
同じ頃、ホンジュラスに住む少女サイラは、アメリカから強制送還されてきた父親とともにアメリカへ渡る計画を立てていた。
アメリカに残した家族に会いたい父親と、あまり乗り気ではないサイラ。
だが、明るい未来を求めて、サイラは父親と叔父と、グアテマラ・メキシコを経由してアメリカを目指す危険な旅に出る。
 
 
 
【解説】
2009年のサンダンス映画祭で監督賞と撮影監督賞を受賞した、感動的なロードムービー。
現在の中南米の厳しい状況を、ホンジュラス移民の少女とメキシコのギャング団の一員である青年の偶然の出会いを軸に描く。
監督はこれが長編デビュー作となる新鋭のケイリー・ジョージ・フクナガ。
ヒロインをメキシコのテレビで活躍するパウリナ・ガイタンが好演する。
不法移民やギャングという闇の世界で生きる者たちの感動の人間ドラマが胸に染みる。
 
 
 
【感想】
受賞の実績、予告編も面白いのに、僕が行ったときには観客は5人でした……。
メンズデーなのに、5人て。
上映前、劇場スタッフから「暑くありませんか?大丈夫ですか?」とエアコンの設定温度についてオーダーを求められるほどに、空いていました(笑)
あの日だけ特別だったんだろうか?
 
 
 
結論を先に言えば、素晴らしい映画。
今年の個人的なTOP10に入ると思う。
 
 
まず、冒頭のワンカットでかなり引きつけられる。
想定外に美しい映像で、メキシコといえば砂漠とサボテンしか頭になかった僕の偏見をぶち壊してくれた。
日本も、四季の風景には自身があるが、その目の肥えた日本人を唸らせるくらいの美しい風景で始まる。
 
そしてメキシコのギャングの実態。
日本のヤクザとは違って、若者たちの不良グループが手製の銃を手に殺人もこなすといった感じ。
カスペルの弟分がまだ10歳くらいの年齢で組織に入り、責任と忠誠の名のもとに悪人街道をひた走るさまは、大人たちのギャング映画には無い怖さがある。
物語の中盤で組織を逃げ出したカスペルと、それを追うスマイリーが、対比でもあり、継承でもあり、スマイリーは3人目の主人公と言ってもいいかもしれない。
 
 
そしてなんといっても列車の存在。
邦題に「闇の列車」と名付けた人、本当にそのままの言葉を見つけたな、という感じ。
ただし、「光の旅」については、僕は納得出来るものを見れなかったが。
 
貨物列車の屋根に乗って、雷雨に降られたり、線路沿いの木から張り出した枝に突然襲われたり、
なんつーのだろう、「リアルなんだよね」と言うとチープなんだけど、そんな感じ。
 
 
 
ちょっと言葉で表現するのが難しい映画。
どこか『スラムドッグ$ミリオネア』の時に感じた、“好感”を持てる作品だというのは確か。
「ツライ」とか「これが真実」とかいう以前に、“雰囲気”が好きなのかもしれない。こういう映画の。
 
そもそもホンジュラスってメキシコの地名だと思ってたからね。
サイラはメキシコ人だと思ってたからね。僕は雰囲気でしか見れない人なのかもね。
 
 
一言:原題“Sin nombre”はスペイン語で「無名」の意。
 
★★★★☆
 
『闇の列車、光の旅』
原題:SIN NOMBRE
監督:ケイリー・ジョージ・フクナガ
出演:エドガル・フローレス、パウリナ・ガイタン、クリスティアン・フェレール
配給:日活
2009年、メキシコ/アメリカ

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