感動器官

笑い、涙、鳥肌、私たちの感動を現出させる器官。

2010年02月

カティンの森

とてもマジメな映画だけど、Yahoo!映画の評価がちょっと高すぎる気もしないでもない。


カティンの森/KATYN

2007年 ポーランド映画 
監督 アンジェイ・ワイダ

1939年、ドイツとソ連から攻め込まれたポーランド。ポーランドの将校アンジェイ大尉は、捕虜になった彼を追ってきた妻アンナと娘の目の前で、大勢の将兵と共に連行されていった……。アンジェイの母親の下へ身を寄せたアンナ。やがて、後に「カティンの森事件」と呼ばれる残酷な捕虜虐殺事件が発覚する。次々と処刑された将兵たちの身元が判明するが、死亡者リストの中にアンジェイの名は無かった。アンナは夫の無事を信じて待ち続ける……。
カティンの事件について語ることは戦後も厳しく禁止された。長い間明らかにされてこなかった同事件の真相を、ポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダが、ソ連の捕虜となった将校たちと、彼らの帰還を待ちわびる家族たちの姿を通して描く。

第2次世界大戦中に実際にあった事件を描いた映画。
個人的にはまたもや、自分がいかに世界史を知らなかったを思い知らされた……。

というより、高校程度の世界史の授業がマイルドな内容であるせいかも。
まあ、とにかく俺はもう大人なので、自分の無知は自分の責任。



ドイツとソ連は当初いがみ合いながらも共通の道を歩んできていた。
1939年9月に、ナチス・ドイツとソ連はポーランドに侵攻し、ポーランド東部はソ連に占領された。
しかし、ドイツとソ連の関係がこじれ独ソ戦が始まると、ドイツ軍はスモレンスクを占領。
このとき、1万人以上のポーランド人捕虜が列車で運ばれ銃殺されたという噂を聞いて調査を行ったところ、1943年2月、ドイツ軍の中央軍集団の将校はカティン近くの森『山羊ヶ丘』でポーランド人将校の遺体が埋められているのを発見した。
これを受けてナチス・ドイツの宣伝相ゲッベルスは対ソ宣伝に利用するために、事件の大々的な調査を指令した。

この事件は、独裁者スターリンの数ある虐殺の中の一つである。

しかし、その後、ソ連主導の政権がポーランド国内に樹立し、戦後も社会主義政権として支配を続けたために、ポーランド国内ではカティンについて語ることは厳しく禁止されてしまう。



つまり、この映画は単に「帰らぬ男たちの帰りを待つ女たちの話」ではない。
言論の自由を奪われた人々が、戦後、どのように戦い続けたか、それを淡々と描いている。

夫の生還を信じる妻アンナを中心に据えながらも、高貴な女性や教師など他の立場の女性にもクローズアップしていく。
ある者は、カティンで死んだ兄の墓標に「1940年カティンで死す」と記した。
その言葉がタブーであることは分かっていたが、その結果、反ソ宣伝の罪で逮捕される。

またレジスタンスのある若者は、秘密警察を挑発し逃げ回るうちに車に轢かれて命を落とす。

大将婦人は、当初ドイツがソ連の虐殺行為を非難するためのプロパガンダの文書への署名を拒否する。
しかし、ソ連支配での間違った報道に関しては、それが嘘だと言うことを訴えた。

アンジェイ大尉の同僚イェジは、親ソ連の将校として生きる道を選んだ。
しかし、大将婦人から裏切り者と罵られてしまう。
自分の周りはすべてソ連の将兵。
真実を打ち明けることができない彼は、ある日ついに自分の頭を撃ちぬいてしまう。



戦争によって狂ってしまったと言えば、簡単に片付けられるが、どうもそれだけでは語り尽くせない人間の思いがある。

映画の最後、アンナの下にアンジェイの手帳が届けられる。

そして、場面はあの事件当時のあの森へ移る。
次々と頭を撃たれる捕虜たち。
2人の男に両腕をつかまれて立たせられる。
後ろには拳銃を構えたもう一人の男。
捕虜の動きが止まりしだい撃鉄が引かれる。
ほんの数秒の出来事である。
アンジェイのときもまったく同じ。

実に、機械的な殺戮と死が描かれていた。



そして最後に暗闇のレクイエムと、静かなエンドロール。

人の死と言論の死の両方にメスを入れた作品だったと思う。

「守るものがある奴は何やってもいいのかっ」


名セリフ#231

「守るものがある奴は何やっても、どう生きてもいいのかっ…。
 それでいいなら―――それ、で、いいなら……」


―――野盗
(マンガ「シュトヘル」第2巻より)


___________


子供を守るために、敵国に妻を差し出し、祖国を裏切らざるを得なかった父親と、
守るものが無かったために兵士としての信念を貫き、敵国に降伏できず、滅んだ祖国にも居られない山賊の男。

どちらが正しい道か分からない。
だが、降伏できなかった男の命運はここで尽きた。

俺も守るものができたら卑怯になれるだろうか?
え、今も充分卑怯?
…たしかに。


「美しいと思いませんか」


名セリフ#230

「あれは、物差しなしの生き物だ。
 美しいと思いませんか」


―――アルファルド
(マンガ「シュトヘル」第2巻より)


___________


あらゆる物差しに愛想が尽きて、何にも縛られずおもしろおかしく生きようとしてきた男の前に現れた、シュトヘルという名の狂気。

アルファルドは、その暴力に、破壊に、底の見えぬ闇に、魅了されていた。


「文字が殺されていくのは、もっと怖い」


名セリフ#229

「殺されるのは怖いよ。…本当に怖い。
 だけど文字が殺されていくのは、もっと怖い」


―――ユルール
(マンガ「シュトヘル」第2巻より)


___________


例えば自分が死んだとしても、文字によって自分が生きた証を残せる。
例えば大切な誰かが死んだとしても、文字によってその人との思い出を残せる。

でも、文字がなければどちらも残せない。
文字の死は、世界からの自分の死だ。





いよいよYuckeもユルールに感化されてきましたよ!w


「アンタがた、利害が一致してるぜ」


名セリフ#228

「アンタがた、利害が一致してるぜ」

―――アルファルド
(マンガ「シュトヘル」第2巻より)


___________


シュトヘルはモンゴル軍を襲いながら“虎の男”を探している。
友の仇討ちのためである。

一方、ユルールは“虎の男”やモンゴル軍から追われて宋へ向かう途中。
西夏の文字を消させないために。

アルファルドは、「ユルールについていけば、標的は向こうからやってくる」とシュトヘルに提案する。
「文字を守ること」と「復讐」の利害が一致した。

そして、それはおそらく、シュトヘルの狂気に魅せられたアルファルド自身の利害とも一致しているのだ。


INFORMANT!!

水曜日、有休だったので、昼過ぎに仙台市中心部へ出撃。

ゲーセンで遊んだ後、映画を見てきました。

今回見た作品は、マット・デイモン主演の「インフォーマント!」。
「インビクタス」を見に行ったときに予告編が流れていて、面白そうだったので見てみました。

新作だと思っていたら2009年12月の公開だったんですね。
同じくマット・デイモンが出演している「インビクタス」に合わせて上映していた模様。


大企業の管理職を務め、人目には成功を収めているウィテカー。しかし、1本の脅迫電話のためにFBIに捜査を依頼した結果、逆に会社の行っている不正を暴くための「密告者」となってしまう。自らの保身のためにFBIに協力するウィテカー。ド素人っぷりを披露しながらも着実に会社の不正を暴いていくウィテカーが、唯一の頼みの綱であるFBI捜査官たち。しかし、捜査官たちは知らない。ウィテカーの嘘でまみれた人生を……。

informant[名]
1、通報者、密告者
2、資料提供者(自分の土地固有の言語・風俗などに関する資料を提供する人)





■セリフの速さ☆☆☆☆☆
予告編にこの映画の面白さは集約されている感じです。
これを見て全然笑えるところが無いと思ったら、見ない方が良い。
実際にあった話しを大いに脚色したコメディー。


とにかくセリフが速い、字幕が読みきれない!
白い背景の上に平気で白い字幕を載せてくる!!見えない!!目を凝らす!!
ひらがなの「う」が特徴的で、「ああ、これが『う』か……」と思ってる間に次の字幕に切り替わる!
何故、そんなに急いで喋る!100分もあるのに!!
会話してないシーンでもウィテカーの持論が彼の頭の中で展開される!目を休める暇が無い!!
100分もあるのに!!
……俺からの訴えは以上です。


まあ、セリフがほとんど「説明」「説得」「弁解」の内容ですから、感情の高ぶりとともに普通に速くなるんでしょうね。
そういう演技を評価するべきなんでしょうね。




……。

コメディーに属するものはやはり日本に限るかもしれない。
だって俺、ジャパニーズだし。

海外の映画ってユーモラスな会話してても、「ユーモラスな会話してる……」というところで終わってしまうのね。
「アルフ」や「フルハウス」の方が面白いって。実際、マジで。


ただ、この映画はサスペンス的な要素もあって……。なんだかムリヤリ面白い映画と言おうとしているように見えるかもしれませんが、ええ、そのとおりですよ。

ウィテカーにはいろんな秘密があって、それこそ「不正」と言えるだけの―――それを少しづつ小出しにするんですよ。
そのたびにFBI捜査官は頭を悩まし、雇った弁護士はびっくりしちゃうw
「他には何かないか?」と聞かれて「何もないよ!」と肩をすくめる仕草をしてみせても、絶対にそのあと何か出てくる。

どこまでいくんだ?と思ってみてたら行くとこまで行っちゃったという話。



コメディーにしては話してる内容も難しいんだよね。
リベートって何?って最後までわかりませんでした。

終盤の精神に変調をきたしてきたところとか、ちょっと哀愁というか悲哀があってよかったすけど、そこがメインじゃないしな、この映画。やっぱりトークや仕草や状況で笑えなきゃ、ダメっすね。
どこで笑ったらいいのかよく分からん映画でした。終始ユーモアを振りまいてる感じはするんだけどね。

大胆なヘアースタイルの変化とかはよかったけれど!



しかし、セリフが速くて多い映画だった……。
ソダーバーグ監督作品の「チェ」2部作とは対照的に。

では。

「わたしは、きさまらに憑いた悪霊だ」


名セリフ#227

「弱まる鼓動が聴こえる…。流す血が尽き、モンゴルの心臓が止まるまで。噛み殺し続けてやる。
 わたしは、きさまらに憑いた悪霊だ」


―――シュトヘル
(マンガ「シュトヘル」第2巻より)


___________


このシュトヘルの『敵の胸に耳をあてて、心臓が止まるのを待つ』シーンがけっこう好きです。

俺もどうかしているなw


「どうかしているのも面白いだろう?」


名セリフ#226

「どうかしているのも面白いだろう?」

―――アルファルド
(マンガ「シュトヘル」第2巻より)


___________


そう、この人ちょっとおかしいんです。


「他の者のやらぬ仕事もやるのがひとり星の面目でございます。」


名セリフ#225

「他の者のやらぬ仕事もやるのが、ひとり星(アルファルド)の面目でございます」

―――アルファルド
(マンガ「シュトヘル」第2巻より)


___________


たぶん中東の人かしら。


「あの日、忘れられないかたちで出会った」


名セリフ#224

「出会ったよ。
 きみとおれは…あの日、忘れられないかたちで出会った」


―――ユルール
(マンガ「シュトヘル」第2巻より)


___________


今回から第2巻に移ります。
けっこうあるわw


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