セーラー服と機関銃 卒業main

カンナかわいすぎてイカンナ…。

橋本環奈目当てで鑑賞。(←正直)
ストーリーとか映画的な面白さをまったく期待してなかったのだが、良い意味で想像を裏切られた。
事前に81年版を見ていたのが良かったのか、過去作との違いなどに気づいて面白かった。

81年版は監督の個性が強く出ていて、ほとんどのシーンが長回し、その結果引きの絵が多くなり後半は薬師丸ひろ子の顔を確認できないという残念な面もあった。(それを超える芸術性はあった)
2016年版は、長回しにオマージュを捧げながらも、カメラを動かし続けることで橋本環奈に肉迫し、その整った顔を余すことなくスクリーンに映し出す。
カメラマンがもう一人の役者として舞台の中で動き回ることで生まれる臨場感。役者とカメラマンの生のセッションと言っても過言じゃないだろう。

また、橋本環奈の顔形だけでなく、少年のような「声」も面白い化学変化をもたらしていたと思う。
可憐な女子高生ではなく、組長として場数を踏んだギャルがそこにいた。見た目以上に強気ですよ環奈は。
わーっと泣き叫ぶべき所で「あ゛っっ!」という呻き声に終わったのも、前述の臨場感・生の現場を思わせて悪くない。

ストーリーの方も細部に良い意味で気になる所があった。
悪役のヤクザは企業としてのヤクザであり、シマを奪い合っていた存在から日本全体に共通するグローバルな危機へと姿を変えている。
人の流れ、物の流れがいつの間にか支配され、気づけば家畜になっているという笑えない冗談が信憑性を持つのは、上辺だけ繕って中身の伴わない現代虚構ニッポンの姿にみんな薄々気づいているからではないだろうか。

でも残念ながらそのテーマは未整理のまま放置されてしまった。
グローバルなネオヤクザに対抗する地域密着型ヒロインまでは良いのだが、その設定を活かし切れてない感じが惜しい。
シャッター商店街の運命やいかに。

総合すると割とマトモだった。
最後の最後がシュールすぎるのでそこは盛大にツッコミたいが。
最悪でもカワイイ橋本環奈が観られるので皆さん観てやってください。

セーラー服と機関銃 卒業

セーラー服と機関銃 卒業
(2016年/日本)
【監督】
前田弘二
【キャスト】
橋本環奈
長谷川博己
安藤政信
大野拓朗
宇野祥平
古舘寛治
鶴見辰吾
榎木孝明
伊武雅刀
武田鉄矢