ライチ☆光クラブ

聞いたとおり女性客しかいなかった。(しかもメンズデーにも関わらず)
シアター間違った人にしか見えないおじさんはおとなしく端の方で鑑賞。
別に女性に囲まれたくて観に行ったわけではない断じて。

グロテクスなファンタジー。
冒頭から嫌悪感を掻き立てられ完全にビビりながらのスタートだったが、タイトル出た後はゴア描写は少し落ち着く感じ。
「グロ耐性無い!」という人もタイトルまで頑張れば大丈夫?です。

大人の醜さを心から嫌悪し、少年の臓物はきっと美しいと信じるリーダー・ゼラ。
醜い大人へと成長してしまう前の穢れない美しさだけを崇め、それ以外を拒絶する。
自らもやがては大人になることや、性衝動に駆られる一個の動物であることには目を瞑って。

そんな自己矛盾と、無邪気さを残酷さに、純真を狂気に置き換えたような危うさを孕んでいる砂の城「光クラブ」。
その暴走と崩壊の物語がおとぎ話っぽく描かれる。

ものすごく振り切った作品でものすごくファンタジーでもあるんだけど、若さゆえの危うさ脆さ弱さといったものはある意味誰もが通ってきた道であり、醜い大人になった今でも形を変えて持ち続けている。
子供の頃に遊んだ秘密基地は見方を変えれば日常への反抗であったと、この映画を観た後ならそう思える。
そんな風に私の経験とも少しはリンクして内面を抉り出してしまうから、この映画は危ういと思うし、少年たちの存在そのものがゴア描写以上にグロテクスに映るのかもしれない。



ライチ☆光クラブ
(2016年/日本)
【監督】
内藤瑛亮
【キャスト】
野村周平
古川雄輝
中条あやみ
間宮祥太朗
池田純矢
松田凌
戸塚純貴
柾木玲弥
藤原季節
岡山天音
杉田智和