今回は「コロニー編」の前半部分の感想を。
いつものようにネタバレをしつつの感想なので未見の方は注意してください。

年明け最初の放送はクーデリアの可愛いお悩み相談から。
思い出される年末の「事故」…。
もう一人の当事者、というか犯人の三日月はまったく気にも留めてない様子だが、こいつは本当に何を考えているんだ…。

しかし、一方的に唇を奪われた側なのに「結婚」という言葉が出てきてしまうお嬢様も、筋金入りの世間知らずというか、こちらも何を考えてるのか分からない(笑)
まあとにかく、ドルト・コロニー群でも三日月と一緒に行動することになってしまい、ぎこちない雰囲気(クーデリアの一方的な)が楽しめる。


フミタンが帯びていた密命もついに明示される。
なんかずっと前から知ってたような気がするけど(笑)
労働者コロニー・ドルト2へクーデリアを連れて行くはずが、富裕層コロニー・ドルト3の商業区画へ行くことになってしまい、フミタンの目的は失敗する。

でも、そもそもフミタンにクーデリアをドルト2に連れて行く強い目的意識があったようには思えない。
ドルト3でのお買い物はクーデリアの発案だけど、それがなかったとして、フミタンはどのようにクーデリアをドルト2に導くつもりだったのか。ノープランだったのか?
かなり成り行き任せな気がする。やる気が感じられない(笑)

そして、何故かドルト3にいることに「私は、なぜ…」と自問するのだが、それもずっと前から知ってたような気がする(笑)
要するに、フミタンはクーデリアを陥れる覚悟がない。
長く一緒にいるせいで情が移ったのだろう。
だから、積極的な行動を取れないままいつの間にか命令を無視する形になってしまっている。

そんなフミタンの行動で意外だったのが、15話でクーデリアの前から立ち去ったこと。
これもクーデリアを陥れるという本来の目的からしたら消極的な態度なのだけれど、おそらく情が移ったのだと思っていたクーデリアを置いて立ち去るので驚いた。

しかも、謎の仮面男の前に残してくるのである(笑)
クーデリアの安全も、ノブリスからの密命も、もうすべて放り投げるような態度である。
無口なキャラクターだが、こんな大胆なことをしてしまうのが面白い。


思えば、15話は兄弟間の裏切りという悲劇を二つ描いていた。
クーデリアはフミタンを姉のように慕っていたが(14話では一応ガールズトークもあったような…)、フミタンはずっとクーデリアを騙していたことが露呈する。
驚くクーデリアにフミタンがとった行動は「置き去り」。

もう一つの裏切りは、それはもちろんビスケットと兄のエピソード。
勉強を頑張ってドルト3に居場所を手に入れた兄サヴァランと、ドルト2から火星に旅立った弟ビスケットと双子の妹たち。
兄は企業の一員となり、弟は鉄華団の一員となり、その立場の違いが兄弟間の信頼だけでは乗り越えられない隔たりを知らず生み出していた。

兄サヴァランは悪人というわけでもない。
彼は彼なりに虐げられる労働者たちの生活改善を願っており、そのために今の地位を努力して手に入れ、労働組合のリーダーであるナボナと会社の仲介役として働いてきた。

しかし、いやだからこそサヴァランにはナボナたちの姿が別の角度から見えている。
武器を取って戦うことの無謀さをサヴァランは知っている。
だから彼はギャラルホルンの機嫌を損ねまいと、革命の乙女バーンスタイン嬢の身柄を引き渡そうとする。
サヴァランにとってはとりあえずの現状維持が一番だったということか。

平和的な解決を試みている(一人の少女を引き渡すことには目を背けているが、少なくとも流血の惨事を避けようとしている)という点では、ビスケットともそんなに意見が違わないと思う。
鉄華団も火星独立を目指すクーデリアを運ぶことで平和的な事態の改善を望んでいるはず。
だがそのクーデリアの扱いについては真っ向から対立してしまう。これは兄も弟もお互い譲れない。

しかもクーデリアと思われてる少女は実はアトラちゃんときた。
それを知ってもなおクーデリアで押し通そうとするサヴァランの表情にはとても良い感じに影がさしていたが、ここまでくるとさすがに愚かな兄という感じ。
悪人ではないが、正義を行う力のない弱い人間を描いていた。
見方を変えれば、これはギャラルホルンの武力による統治がもたらした悲劇だろう。

意見の隔たりといえば、鉄華団とナボナ率いる労働者たちの立場も似て非なるものだった。
武装蜂起によって会社を交渉の場に引きずりだそうとするナボナたちと、その革命に巻き込まれまいとするオルガたち。
当然、鉄華団の目的はクーデリアを地球へ送り届けることにあるので、余計なことに首を突っ込む余裕はない。


年末の三日月とクーデリアの事故は、アトラちゃん好きとしては非常に不安材料だったのだが、15話ではアトラちゃんが物理的に酷い目にあっていて、もう…ツラい、つらすぎる…。
14話では相変わらず可愛いし、新OPでもジャガイモ剥いててバブみを感じたりしてたんだが…。
「ワタクシがクーデリア・藍那・バーンスタインですわ!」(声裏返り気味)には笑わせてもらったが、その後がつらかったな。

作品の出来とは別にアトラちゃんの幸福を願ってる所があって、もし今後の展開の必然からアトラちゃんに何かあったら私はどうしたらいいんだろうって本当に気が気じゃない。
作品としては三日月とクーデリアのカップリングなんだろうけど、最終的にアトラちゃんと三日月になればいいなという二つの矛盾した考えがずっとある。


機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
第14話 希望を運ぶ船
第15話 足跡のゆくえ