シュトヘル 12巻

ガンダム「鉄血のオルフェンズ」のキャラクターデザインを務める伊藤悠のオリジナル長編漫画「シュトヘル」。

10巻を読んでた頃は「もうそろそろクライマックスか…」と思ってたけど、12巻はもういろいろと拗れまくっていて、どこに着地するのか見えなくなった。まだまだ終わらなさそう。
ユルールが再び表紙なのも、この巻を読めば理由が分かる。

ヴェロニカの立ち位置の柔軟さ。
大ハンの女でありながらシュトヘル=スドーとも通じ合う。
故郷への復讐心で現在があるわけだけど、そんなものをかなぐり捨てて一人の女として行動することもある。面白い。

でもさすがに12巻で今度こそ佳境になるのかな。
役者や肉体、いろんな意味で削ぎ落とされてきてシンプルな構図になりつつある。
まだまだ続くのだとしたら、新キャラクターが必要になってくると思うけど、12巻では出てこなかったのでもうこのまま収束に向かっていくのかな…。

ただ、心変わりしたユルールの真意とシュトヘルの決着、現代と過去を行き来するスドー側の物語、現代のユルール似のスズキさんの件など、まだ全然見えてこないものもたくさんあるわけで…。
やっぱりまだ終わりそうにないか。
一度、1巻からレビューし直したいと思ってる。



シュトヘル 12
伊藤悠
ビッグ スピリッツ コミックス スペシャル(2016)