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ケミカル・ブラザーズの8枚目のオリジナル・アルバム「ボーン・イン・ジ・エコーズ」。
公式には「ボーン・イン・ザ・エコーズ」のようだけど、母音の前に来るTheは「ジ」と発音すると中学校で習った気がするぞ!
試しにGoogle翻訳に発音させてみたら「ディ」に近いぞ!
それとも本当は「ジ」だけど「ザ」で押し通すことにしたってことなのか!?なんか最近の世の中そういう「黒を白と言い張り続ける」事例が多いよね。



最初これを一聴した時は、なんじゃこれは、と思った。悪い意味で。
ここ数作のケミカル・ブラザーズは、ポップな路線に寄ってきてると思っていたので、本作も当然クリティカルなポップさにあふれた1枚なんだろうと勝手に決めつけていた。

ところが実際流れだしたのは、キラキラした感じとは正反対のコアでディープなナンバーたち。
EDMとかの流行とも逆光しているし、期待していたものとは大きくかけ離れた音楽だった。
正直、これダメだ…と思った、最初は。

ところが何度も聴くうちにいつの間にかすごくしっくりきてしまった。
この作品、実は少し原点回帰っぽいところがある。
1stや2ndにみられた粗さやアグレッシブさが復活している感じがする。

それが分かりやすいのは5曲目の「I’ll See You There」で、この曲が実にケミカルらしい曲になっている。
ビッグビート、唸るギミック、享楽的な雰囲気。
これに気づいた時、このアルバムは「なんじゃこりゃ」な作品ではなく、とてもケミカル・ブラザーズらしい愛すべき作品に聴こえてきた。

いったん壁を越えてしまうともうすべてが良曲に聴こえてくる。
「Sometimes I Feel So Deserted」はアルバムの始まりをアグレッシブに飾り、「Go」「Under Neon Lights」とその勢いは止まらない。
後半は「Reflexion」の上昇するピッチが焦燥感を煽り、「Radiate」ではクライマックス感のあるスローナンバー、そして「Wide Open」は軽快ながらも品のあるラストソング。
こういう曲の配置も初期の作品を思い出させていいと思う。

最初は戸惑ったがケミカル・ブラザーズが好きなら絶対ハマる一枚だと思う。
逆に、この作品からケミカルに入ろうとすると苦労するかも。
でも「Go」などはとってもキャッチーだったりするのでオススメかもしれない。



Born in the Echoes
The Chemical Brothers
Virgin EMI Records, 2015

Sometimes I Feel So Deserted
Go
Under Neon Lights
EML Ritual
I’ll See You There
Just Bang
Reflexion
Taste Of Honey
Born In The Echoes
Radiate
Wide Open
[Bonus Tracks]
Direct Buki(Bonus Track For Japan)
Let Us Build a City
Wo Ha
Go(Extended Mix)
Reflexion(Extended Mix)