
図書特殊部隊副隊長・緒形の意外な過去。
堂上・小牧の若き日の失敗。
そして柴崎の身に降りかかった耐え難い災難の話が中盤以降につづく、「別冊」第2弾。
注目すべきは全5章のうち3章を使って語られる柴崎VSストーカーのエピソード。
「俺たちの柴崎が…!」などと笑ってられないレベルでの悪意との闘いが描かれる。
間接的直接的に我々男共の根源的バカさ加減を痛烈に批判するシーンもあるし、そういう意味では本編に劣らない濃い内容。
接客仕事の女性が客を無碍にできないことを知って粘着するのは本当に卑怯。
実はつい昨日もデパートのインフォメーションでそういう男に出くわしたんだけど、受付嬢が困ってるのに気づかないタイプの頭おかしい人だったみたいだ。(あと、私の用事の最中に脇から入ってきてウザかった)美人は美人で大変なんだよね。
話が逸れましたが、本に出てくるのは気付いてて気づかないフリをする狡猾なクズです。
ある側面での正義を掲げる特務機関との戦いと違って、本当に性根の腐った連中を相手にする本作は中々にしんどい。
でも、最後には本当に幸福な時間を過ごせるので、「俺たちの柴崎」がもう俺たちのものではなくなったというのに何故か寂しさもなく、ただただ満ち足りていた。
これにて本当に図書館戦争おしまい。
シリーズ通して面白かったです。
別冊 図書館戦争 II 図書館戦争シリーズ⑥
有川浩
角川文庫
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