PAN Peter

PAN ネバーランド、夢のはじまり
(2015年/アメリカ)
【監督】
ジョー・ライト
【キャスト】
ヒュー・ジャックマン
リーバイ・ミラー
ルーニー・マーラ
ギャレット・ヘドランド
アマンダ・セイフライド
アディール・アクタル

*感想

戯曲「ピーター・パン」の物語を基に、世界的に有名な主人公ピーター・パンの誕生秘話を描いたファンタジー・エンターテインメント。
想像を絶する体験によって第二次世界大戦下のロンドンから異世界ネバーランドへとやってきたピーターは、そこで島を支配する海賊・黒ひげや、島からの脱出を計画する若者・フックらと出会う。



これはあらすじを知らずに観た方が楽しめる作品。
なんならピーター・パンの物語も知らない方がいいかもしれない。
私は知ってるような知らないようなそんな感じで鑑賞。
もちろんこれは原典やディズニー作品のそれとは大きく違う作品で、それはそれとして非常に楽しめた。

4DX3D吹替での鑑賞だったのだが、4DXと3Dがとてもよかった。
(残った吹替については準主役に俳優・女優を起用してるのでお察し…。まあ酷評するほど悪くはなかったですが)
4DXのシャボン玉が飛ぶ演出は初めてだったのだが、これが作品のキラキラした感じにとてもマッチして素晴らしかった。

序盤は少し静かな感じで、戦時下の孤児院で恵まれない子供時代を過ごすピーター少年が描かれる。
ところが「ここでの辛さがネバーランドの開放感につながるんだな…」なんて浅はかな読みをしていると、すぐにそれを遥かに超えていく大アクションシーンが始まる。
ネバーランドに着く前から、ありえないことが起こっていて、すごすぎて笑えたしとてもワクワクした。

4DXの一体感、3Dの臨場感、そして長年培われてきた映像トリック(土星とか)も駆使しての映像世界がとにかく素晴らしい。
CGで何でも描ける時代だからこそ、作り手のイマジネーションが如実に映像に反映される。
この作品はそのイマジネーションがダイレクトに伝わってきたし、ここまで映像で魅せられるとストーリーのベタな感じすらも魅力に変わってくる。

PAN neverland

展開はけっこう先が読めるのだが、いちいち演出が光っている。
空に浮かぶあの場所まで行こうという時に、その映像と劇伴だけで「うわぁーっ!」って少年少女のように感動してしまう。
ファイナルファンタジーみたいな舞台背景、ワンピースやパイレーツ・オブ・カリビアン以上の大迫力の帆船アクション、重要なアクションシーンでは地面が見えない高さで話が進み、「飛ぶ」ことへの期待が少しの恐怖を伴って表現される。

さらに、あのなんたらバードとかいうアニメから飛び出してきたような凶鳥の脳みそ小さそうな感じも最高。
トランポリン王者決定戦とか、キングスマンもビックリの先住民族のカラフルな最期とか、いろいろフザケているんだけど、そのふざけ具合も良い。
カツラを気にする権力者とか、出会って2秒で口説き出す伊達男とか、テンプレと言えばあまりにテンプレな描写も、もはや作品の安定感として評価するしかない。

ちょっとまとまらない感じで恐縮だけど、とにかく今年観た冒険ファンタジーでは間違いなく1番だ!と鑑賞直後に思った。
調べてみたら今年は冒険ファンタジーを他に観てなかったんだけど…(笑)
でも、仮に観ていたとしてもこれが今年NO.1の冒険ファンタジーで間違いないと思う。



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