グラスホッパー
(2015年/日本)
【監督】
瀧本智行
【キャスト】
生田斗真
浅野忠信
山田涼介
波瑠
菜々緒
麻生久美子
吉岡秀隆
村上淳
宇崎竜童
石橋蓮司
金児憲史
佐津川愛美
山崎ハコ

*感想

伊坂幸太郎のベストセラー小説の映画化。
ハロウィンの夜、渋谷スクランブル交差点で起こったある事件によって婚約者を殺された鈴木は、事件を起こした寺原親子への復讐のために裏社会の組織へと潜り込んだ。
しかしある夜、寺原Jrは鈴木が見ている前で車道に飛び出し、車に轢かれてしまう。
現場から立ち去る「押し屋」の男を鈴木は追いかける。

一方、その事件を目撃していた殺し屋が二人いた。
不思議な力で標的を自殺に追い込む「自殺屋」こと鯨。
そしてナイフ使いの若き殺し屋・蝉。
鈴木、鯨、蝉。三人の運命が交錯する。



正直言ってビミョー。ノレないまま終わってしまった映画だ。
原作小説そのものもそんなに傑作とは思わないのだけど、少なくとも読んでる間はノレた。
映画の方は、なんだかよく分からないが、ずっとつまらないムードが流れていた。

せめて原作をキレイに踏襲してこの出来ならまだ分かるのだが、いろいろ変えてしまってこの出来なのでタチが悪い。
原作を再構成することは当たり前のことだけど、再構成した結果が、原作にない無意味な演出と設定になってしまっている。
「なんでこんな風に変えちゃったの?」と聞きたくなってしまうような感じなのだ。

例えば、岩西の独り言とか、槿の事件への関わり方だとか、社長から会長になってしまった寺原だとか。
お話としてこういう風に持っていきたい、という意志は伝わったけど、いかんせん原作の要素を正しく取捨選択できてない気がした。

原作は、鈴木→鯨→蝉→鈴木とぐるぐる変わっていく視点が面白いのだが、映画ではまったく普通の編集だったし、読者は殺し屋の居場所へ知らずに向かっている鈴木にハラハラしたのに映画ではそれもなし。
「3人の運命が交錯する」というのもほとんど詐欺みたいなものだった。(上に書いたけども)

良かった点は、自問自答する鯨の心中を代弁してくれる存在を新たに作り出したことか。
小説で書かれたものを映像におこす上で有効な手段だと思う。ある意味で映画のセオリーかも。
ただ、鯨という異様な存在の根拠を過去のトラウマにしてしまったのは安易だと思う。


数少ない良かった点は、キャストに非は無いということか。
生田斗真、浅野忠信、山田涼介、3人の顔を思い浮かべながら原作を読めばとても面白いと思う。

個人的に、菜々緒に少し期待して観に行ったのだが、この人もまあ悪くなかった。
時々ゾッとするほど整えられた顔をしてたりする。絵になる人だ。

それなのに道でつまずいたり、人を殴って「痛って!」とかやったり、どこかアホっぽい所もあってカワイイ。
というか、実はこの映画、シュールコメディなのかもしれないな。

でも一番良かったのは、波瑠だった。
過去の回想で何度か登場するのだがとても良い。
とても良すぎて結婚したい。