リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード
(2015年/日本)
【監督】
吉成曜
【キャスト】
潘めぐみ
折笠富美子
村瀬迪与
日笠陽子
志田有彩
村川梨衣
上田麗奈
日高のり子

*感想

幼い頃に見た魔女シャイニィシャリオのショーで魔法に憧れ、魔女育成の名門校ルーナノヴァ魔法学校に入学したアッコ。
しかしいまだにホウキにも乗れず、友人のロッテ、スーシィと共に騒動ばかり起こしていた。

ある日、問題を起こした3人は、街で行われるパレードへの強制参加を言いつけられるが、それは魔女狩りの歴史を再現した悪名高きイベントだった。
どうせなら思いっきりハッピーなパレードにしたい!と考えたアッコは、同じく罰を受けた問題児のアマンダ、コンスタンツェ、ヤスミンカと共に魔法仕掛けのパレードを計画するが…。



「リトル ウィッチ アカデミア」の新作劇場版。
若手アニメーター育成を目的とした文化庁の事業「アニメミライ2013」の参加作品として作られた前作とは対照的に、本作は続編を望むファンからの出資、いわゆるクラウドファンディングによって資金を集め製作された。
製作は前作同様TRIGGER。監督・キャストももちろん続投。

劇場では前作「リトル ウィッチ アカデミア」が同時上映としてまず流れ、その後に本編「魔法仕掛けのパレード」の上映となった。
前作は24分(TVアニメ1話分)の短編だったが、本作は56分と約2倍!アニメ2話分の尺だが、要点がうまくまとめられており、満足感はある。
上映時間が2倍に長くなったことで魅力は5倍10倍に膨らんだんじゃないだろうか。

前作同様、よく動き、よく笑い、よく喋る。アニメーションの真髄のようなものがあるように思う。
徹底的に鑑賞者を楽しませることを重点に置いていて、感動的なシーンでもしみじみするヒマなどなく、すぐギャグになってしまう。
しかし、それがアッコというキャラクターの底抜けの明るさであり面白さなのだ。

ロッテ、スーシィにも今回アッコに負けない見せ場が用意されていた。
3人のケンカが物語の軸になっており、そこからの王道展開は安定の面白さがあった。
新キャラのアマンダ、コンスタンツェ、ヤスミンカも、わざわざ人物描写を掘り下げるまでもなくキャラが立っていて、その個性を画面に刻み込んでいた。


個人的にはダイアナが株を上げたのが嬉しい。
前作と同じく、プライド高くて優等生で嫌味な所もある彼女だが、根っこの部分ではアッコと同じなのかもしれない。
不器用なだけで実は優しくて、真っ直ぐなダイアナ。しかも美人。好きです。

アーシュラ先生はもっと活躍してほしかったけど、でも彼女と魔道石の関係もちょっと語られたかな?
さらに続編があるならアーシュラ編もできるなこれ…という感じ。
ああ、さらなる続編…観たいな…。

とにかく前作を見た者の期待を裏切らない出来だった。
子供向けアニメの皮を被っているけれど、実は大人の方がこのアニメを楽しめるんじゃないだろうか。