機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
#4 命の値段
#5 赤い空の向こう
*感想

第4話、第5話まとめて書きます。

CGSを乗っ取ったオルガ率いる若者たちが新たに立ち上げた鉄華団。
第4話は彼らが地球へ向けて旅立つ前に諸々の問題に触れておいた形だろうか。
戦闘シーンのない小休止のような回だったけど、いろいろ見るべき所はあった。

まずは、メインの話となるクーデリアお嬢様の農業体験。ビスケットの祖母・サクラちゃんが営む農場で収穫の手伝いをする。
誘ったのが三日月からというのが意外だが良かった。
1話・2話では会話がとにかくすれ違っていて二人の前途はどうなることかと思ったが、三日月は三日月なりにクーデリアを見ていて、彼女の思い悩む姿に手を差しのべたのだろう。

料理に農作業と何もかも初体験のクーデリアだが、こうやってひとつずつ三日月たちと同じ経験を積んでいくことで、三日月たちの置かれた状況をより深く理解できるだろうし、火星解放を訴える彼女の言葉にも説得力が増すだろうと思う。
何より適度な運動はストレス解消になる。体を動かせば小さな悩みは吹っ飛んでしまうことを三日月なら知ってそうだ。

あと、三角巾アトラちゃんがギザかわいい!!!!!


鉄華団では、オルガが昭弘らヒューマンデブリと呼ばれる兵士たちに彼らの売買証明書を手渡す。
ヒューマンデブリとは宇宙のゴミ屑と同等の値段で取引されることから付けられた呼び名で、つまり昭弘たちはCGSの所有物、いわば奴隷だった。

売買証明書を所有物である昭弘たちに渡してしまうことは、それはつまり所有権を放棄したということだ。
思わず昭弘も「いいのかよ…!?」と驚いてしまう。長い間モノとして扱われてきて、彼自身それが当たり前になってしまっていたのだろう。

オルガは、昭弘たちが自由の身であることを伝えた後で、一緒に鉄華団を盛り上げていこうと言う。
なかなかに人の心を掴む術を心得ているらしい。そんな風に言われたら応じるしかない。

もう一つ鉄華団関係では、CGSのロゴマークを塗り替えるというのがラストであった。
序盤ではCGSを白いバツで消しただけだったのだが、ラストではその上に赤い花のマークを描き上げた。
百合のようにも剣のようにも見えるデザインだ。

このシーンがなかなか良いと思った。そもそもMISIAのエンディング曲が流れ出すのでどうやっても良いシーンになるのだが(笑)
CGSを乗っ取り、いちから自分たちで切り盛りし、クーデリアを地球へ送り届けるという難しい案件を抱えた若者たち。
鉄華団のマークはその結束のシンボルであり、マークを作り掲げることで彼らの生きる道が少し拓けたような、そんな気がした。

一方で人生が閉じちゃいそうな火星支部長コーラル。
監査局から来たマクギリス特務三佐への対応ミスりまくりで相当焦ってます。まあ、悪代官のところに水戸黄門が来たようなものだからなぁ…。マクギリス「沙汰は追って伝える、覚悟しておきなさい」コーラル「ハハァーッ!」
彼の焦りは第5話へ帰結することに。


第5話ではついに地球へ向けて出発。
炊事係志望で駆け込んできたアトラちゃん健気で…(笑)
「三日月…」って心配する言葉がクーデリアと被ったりしてギョッとしてたりなんかツライな…。アトラちゃんには幸せになってほしいな…。

今回第5話は、初めての宇宙での戦闘、しかも艦同士のバトルも…という濃い内容。
正規軍じゃないから「アムロ、いきまーす!」みたいな出撃シークエンスが無いのは残念だけど、逆に神出鬼没。
今作のガンダムは神出鬼没のバルバトスの悪魔です。

しかも三日月だけでなく、昭弘も初MSで初宇宙戦闘。
昭弘の乗ったグレイズ改を見たアインがクランク二尉のこと思い出して激おことか、まだ第5話なんだけどもう完全に群像劇が展開してるのが面白い。

一方で、容赦なく退場していくコーラル支部長やトドのオッサン…。
いや、トドのオッサンは意外な形で再登場しそうだな…。(経験を積んだアインの部下として?)

それから、オルガといがみあってばかりのユージンが自ら危険なミッションに志願して男を上げるという…。
公式サイトの人物相関図を見るとユージンだけわざわざオルガに「反発」の矢印が伸びていて、これは中盤あたりで決別や寝返りがあるなと思っていたのだが、今回はむしろ真逆でオルガとの絆が深まる展開。
あの矢印はブラフだったのか?(笑)

とはいえ、ユージンはけっこう主要な扱いみたいだし、まだ第5話だしこれからこじれることもあり得るとみて期待しています。
何を…って寝返りをですよ(笑)

ユージン今回何がしたかったかというと、オルクス商会の艦に追われるイサリビが回頭して一撃離脱するために小惑星にワイヤーを打ち込むんだが、小惑星を中心に回頭し終わった所で発破かけてワイヤーを外すという荒業を宇宙用MWでやるという話。
でもワイヤーが深く打ち込まれすぎてて発破の威力が足りなかったので、ユージンが機転を利かせてMWの推進剤?を爆破させてワイヤーを取り外した、と。
地味に良い仕事してますねー。

ただ、その後のイサリビ突撃も良かったけど、「宇宙戦艦ヤマト2199」を思い出しました。
アンカー回頭も、激突して離脱も、同じことを既にヤマトがやってます。沖田戦法、偉大なり。

敵のクローに腕を掴まれたバルバトスが、腕部装甲をパージして腕を持って行かれるのを防いだという描写もあったけど、これも地味に良い。
装甲をパージ…いやあ…これは…。
なんていうか、完成されたロボットの美しさを損なってでも生きようとする泥臭さ?
そして必要とあれば戦闘中に装甲をパージできる機構が備わっているというのもグッド…!

で、ギャラルホルンのエースであるマクギリスやガエリオとのバトルも良かった。
単に刃を交えるだけではなくて、マクギリスがバルバトスの動きから操縦者のクセを見切り攻撃、一方で三日月は見切られたことを一回で悟るという、その駆け引きが良かった。
シュヴァルベ・グレイズもライバル機にしては派手過ぎない丁度良いデザイン。個人的にはランス装備のガエリオ機が好きかも。


そういえば、第4話では地球圏の勢力図が明かされた。(勢力図大好き人間)
基本的には「ガンダムOO(ダブルオー)」シリーズを思わせるような世界を縦に三等分したような勢力図だが、大きく違うのは、ロシア、アラスカ、カナダを含む北辺が「アーヴラウ」と呼ばれる第4の大国となっていること。
どうやってロシアとカナダが手を組むことになったのか非常に興味ある(笑)

その他、オーストラリア大陸の一部が円形に削り取られており、これは過去のガンダムシリーズでのある災厄の結果と符合する。
ガンダムシリーズは大きく分けて、「機動戦士ガンダム」に始まる宇宙世紀(U.C.)を舞台にした一連の作品と、U.C.以外の歴史を歩んだ作品とに分けられる。
「鉄血のオルフェンズ」は、厄災戦と呼ばれる危機から300年後の世界ということで、火星もすっかりテラフォーミングされていたり、ガンダムというものが伝説の存在になっていたりと、独自の世界観を持っていて、当然U.C.以外の作品だと思っていた。

しかし、4話の世界地図と5話のマクギリスの発言で「実はU.C.と繋がってるんじゃないか」説が浮上。
マクギリスはガンダムのことを、歴史の変わる節目で現れる伝説的な機体と評した。これはアムロやカミーユたち歴代の主人公が乗ったガンダムのことを指していると解釈することもできる。

この推測が正しいとすれば、「鉄血のオルフェンズ」の世界は宇宙世紀の後、厄災戦という大戦争が起こりそこからさらに300年後ということになる。
さらに、「ガンダム Gのレコンギスタ」もリギルド・センチュリー(R.C.)という年号だが、これは宇宙世紀の後に制定されたと設定されており、これらを並べるとU.C.→R.C.→P.D.(鉄血のオルフェンズの年号)となるのではないだろうか?

まあ、それが分かったところで「どうということもない」のだが…。
何にせよ歴史や技術が風化するくらい長い年月がU.C.との間に横たわっているんだろうし…。