機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
#3 散華
*感想

「散華」とは、仏を供養するために花を撒き散らすこと。
戦死を美化した言葉でもある。

ちなみに「オルフェンズ」とは orphans =「孤児たち」の意味。
「鉄血」とはプロイセン首相ビスマルクが唱えた鉄血政策からきてると思われる。彼はドイツを統一するための軍備拡張の必要性を「鉄(=武器・兵器)と血(=兵隊)によって問題は解決される」と訴えた。

今まで私はガンダムの「鉄」と、そこに生理的に結合することで操縦者にかかる負担を「血」としたのかな、と思っていたけど、それならば血を流すのは今のところ三日月だけで、「オルフェンズ」を複数形にする意味がない。
複数形ということはやはり鉄華団の少年兵たちのことを指しているんだろうな。
意訳すれば「戦場で戦う孤児たち」という感じになるだろうか。どうやら始まる前から血生臭かったんだな、この番組。



今回は始めにホッとする場面が描かれていた。
クーデリアを拒絶しているとしか思えなかった三日月が、彼女の作った豪快な料理を食べ、それなりの評価を下した。
1話で握手を断られ、2話で謝罪を拒否されたクーデリア。3話ではようやく三日月と普通のコミニュケーションができたか。胃袋を掴んじまえばこっちのもんですぜ、お嬢!

クッキーとクラッカーは良い感じでお嬢様に絡んでたな…。
一方、アトラは見た目の幼さとは裏腹に精神的には大人っぽいのかな。
恋する乙女の顔をしておった。

オルガたちは、CGSの大人たちを拘束して下剋上。
このクーデター、やろうと思えばいつでもできたような感じだったけど、やはり精神的なストッパーがもう無くなったということかな。
少なくとも第1話の前半までは虐げられながらも安定した毎日があったわけだけど、それが大人たちの裏切りによって瓦解してリミッターが解除された。
ヘタをすれば次こそ殺されるという危機感もあるかもしれない。

とにかく、まだ未熟な若者たちは自分たちの命の使い方を自分たちで決めていくことにしたようだ。
しかし、文字も読めないレベルの孤児たちなので、会計係や協力してくれる大人は必要ということか。
あのオッサンは早速余計なこと訴えてたな…。


正々堂々MSでの決闘を申し込んできたギャラルホルンのクランク。
この決闘という古風なしきたり、厄災戦以前は国家間の揉め事を解決するために行われていたというけど、それってガンダムファイトですか!ガンダムファイトですよね!あー、Gガンダムの世界と繋がってるのかー、これー。(言ってみたかっただけです、すいません)

ちなみにクランクの所属する治安維持組織「ギャラルホルン」の名前の意味は、北欧神話に登場するアスガルドの門番ヘイムダルが持つ角笛のこと。
この角笛は、神々の最終戦争ラグナロクの到来を告げるらしい。治安維持組織の名前に最終戦争の角笛って物騒だな…。
もとより敵対勢力として登場してるけど、もっと矛盾した組織なのかもしれない。

そんなギャラルホルンの良心とも言えるクランク二尉(乗機グレイズ)と三日月(乗機バルバトス)の一対一の戦い。
どちらかというと、戦いよりもそれを見守るオルガとクーデリアが印象に残ってる。
ああ、人が戦闘中に黄昏れちゃうのね、と(笑)これは「あの花」スタッフらしさだろうか。

まあでも、今回のクーデリアお嬢様は、これ以上の犠牲を食い止めるために自ら進んで死地に赴こうとしたり、鉄華団に改めて護衛を依頼したりと、割と好印象だった。
「私を地球に連れてって」と頼むことは、ある意味では鉄華団に犠牲を出してでも…ということで、それを自分から切り出すことができたのだからこれは成長だ。
物語の当面の目的も出来たことだし、あのCGS基地を離れてどんな物語が展開するか楽しみだ。

惜しかったのはクランク二尉の最期か。
3回も登場したと思うべきかもしれないが、3回しか登場しなかったとつい思ってしまう。
この人のある意味で良心的で甘っちょろい考え方と三日月のドライな人生観の化学反応をもっと見たかった。
いや第1話でやられたクランクの上官だって、ゲスな人だったけどもっと活躍しどころあったと思うのよね…。

そういえば、クランク二尉も三日月に感謝しようとして拒否されてたな。
ありがとうを言わせてもらえないという…。
三日月としては、散々仲間を殺したやつに感謝などされたら、自分が死んだ時に仲間に合わす顔がないんだろう、きっと。

ていうか、三日月、今回はCGSの大人も処刑してる…。
第1話から3話で3人殺ってますよ、旦那ァ…。
毎日誰か殺してるけど本当に平常心なの?