ルパン三世
第2話 偽りのファンタジスタ
*感想

PART IV 第2話。
暇を持て余しているルパンの下へ不二子が連れてきたのは、サンマリノの主砲(至宝?)と呼ばれるサッカーのスター選手・ブロッツィ。
(公式サイトでは「至宝」と記載されてたけど、聞こえた通り「主砲」が正しいのかもしれない。前回サンマリノの「秘宝」が出てきているのでややこしいし、ブロッツィはストライカーでチームにとってまさに主砲)

ブロッツィは、密かに薬物を投与している写真をマフィアのモンディーニに抑えられ、さらに病院のカルテまでも奪われてしまう。
ドーピングしていることが世間に知れ渡れば選手生命は終わり…。
モンディーニは、コパ・イタリアの決勝戦を出場辞退しろとブロッツィを脅す。

困ったブロッツィは、写真とカルテを盗み出すようにルパンに依頼するのだが…。



ああ〜これがルパン三世だよなあ〜という感じの第2話。
大泥棒だけど人情家。報酬は金じゃなく、ストライカーとして最高のプレイで…。
なんとも人情味あふれる話になってるじゃあねえか、てやんでえ…。
こういう感じのエピソードが一話完結で続くのかな。

今回、モンディーニの屋敷に潜り込んでいたスパイ風の男。
この男もレベッカと同じく物語に深く関わってくるらしい。
一話完結で進みながら、大きなストーリーも進んでいく感じかな。
次回は早速その男に追われるらしく、何やら物騒なタイトルになってる。(とっつぁんより容赦なさそう)


今回気になったのは、五ェ門の行動。
テレビでサッカー観戦してる最中に姿をくらまし、モンディーニ邸への潜入の際には戻ってきている。
なぜ五ェ門はあそこで席を外したのか?その後の酒場のシーンで五ェ門がいても然程問題ではないはずだ。(席が無いくらい)

戻ってきた時にはサムライ魂がどうのと言っていた。
これは最後まで見ればなんとなく分かる。
ブロッツィは、チームへの恩義のために自分の病気を隠してピッチに立っていた。その姿はたしかにサムライ魂を彷彿とさせる。

ただ、それはルパンがモンディーニ邸からカルテを盗んで初めて明らかになったことだ。
五ェ門がブロッツィに共感する理由が潜入時点では無いはずだ。
五ェ門がルパンより先に真実にたどり着いているはずもない。もしそうだとすれば協力者がいるはずだ。

とにかく五ェ門の行動・言動がちょっと引っかかった。
そもそも五ェ門はルパンの仲間で、作戦に参加するのに理由などいらないのだが、それでもわざわざ「あいつどこ行った?」とか「なんで手伝う気になった?」などと言わせることに、何らかの意味があると思えてならない。
そう、五ェ門なんてスルーしてても話は進むし、神出鬼没でなんの問題もないのに、わざわざ五ェ門の不在を意識させるのが不自然なんだ。

今回五ェ門が何のために席を立ったかは、今後重要な意味をもって明かされるのかもしれない。
逆にこのままスルーされて、何の意味もないやりとり(五ェ門はいつもフラフラしてる人という描写)だった、で済まされるのかもしれない。
後者でも、それはそれでルパン三世なんだが、できれば前者であった方が驚きがあると思う。
前作「峰不二子という女」にはそういう驚きのタネが序盤から蒔かれていた。



ちなみに、100万ユーロが日本円でいくらくらいか知ってるとより楽しめるかもしれない。
この記事を書いた時点ではこのぐらいの金額。


この額の報酬を提示されても金じゃなくハットトリックを要求し、勝敗の賭けに勤しんでいたルパン。
そもそも1対1の決勝戦のオッズなんて大した倍率にならないだろうと思ったが、そもそも今回の儲け話はルパンが求めたものではないし、金儲けよりも、ACサンマリノが勝つかどうか、ブロッツィがハットトリックを決めるかどうかの賭けを楽しんでいたのだろう。
ルパンらしいといえばらしい。