乱歩奇譚 Game of Laplace
#10「変身願望」

*感想

前回の引きは良かったんだが、今回はあまりノレない回だった…。
というのも、まあナミコシの口から自身の過去が語られる回想回ということもあって、物語自体には進展がなかったせいだと思う。
カガミ警視の時と同じく、過去の回想に1話分を割いている。

ナミコシはなぜ怪人二十面相になったのか?
以前、パラレル島のエピソードでアケチが語った話はとてもざっくりとしたもので、今回改めてナミコシ自身から事細かな説明があった形。
聞き手は、さらわれてしまったコバヤシ少年だ。





*以下、ネタバレを含みますので未見の方は注意。





ナミコシが虐めにあっていたこと、親からも酷い虐待を受けていたことは、アケチの説明では無かった部分だ。
アケチとしては、ナミコシの辛い過去を他人にまで教えるつもりはなかったのだろう。
でも、それならパラレル島から帰ってきた直後にBパートまるまる使って説明する必要もないような気がする。
暗黒星の正体を知らせずとも、コバヤシ少年なら嬉々として数式を解析しそうだ。

結局、今回ナミコシが改めてコバヤシ少年に語ったことで同じ話が重複してるし、語り手の違いによる齟齬もない。
今回、1話分使って過去を語らせたために、以前の説明の意味が薄れてしまったのではないか。
そして、最終回直前の1話分を説明回にあてたせいで、最終回の展開がかなり不安になってしまった。

ナミコシの動機についても、けっこう殺人の動機としてはマトモで、少しだけ残念である。
カガミ警視の動機も、復讐というとてもマトモな殺害動機だったが、暗黒星の開発者にして執行者であるナミコシには、もっと普通の人間とは違う雰囲気を持っていてほしかった。


普通と違うといえばコバヤシ少年である。
今回はナミコシの過去語りの聞き手に回り、ふと自分が涙を流していることに気づく。
人間性が疑われてきたコバヤシ少年が見せた感情であるが、泣いている自分に後から気づくというのが逆に彼の感情の欠落を示唆しているようにも見える。

とにかく泣いたりもしたけれど、ナミコシの話が終わる頃にはすべてを理解。
自分が死ぬことで暗黒星は完成するんだということを、コバヤシ少年は平気な顔でナミコシに確認したりする。
ああ…この子、第1話から全然変わってない…。

ナミコシと彼に心酔する二十面相たち、そしてコバヤシ少年…。
どうやら彼らが集団自殺をすることによって、暗黒星は完成し、ナミコシの計画は完遂されるらしい。(なぜコバヤシ少年まで巻き込む…?)
それはセンセーショナルな集団自殺によって再び社会に波紋を投げかけ、更なる二十面相誕生、ひいては地獄のような未来へのトリガーと成らんとしているのか。

そんな一時の過激な行動で世の中の人々の心を動かすことができるだろうか?私個人としては懐疑的だ。
それとも世の中に一定数いるピュアな心の持ち主にはナミコシの訴えは響き、その純粋さによって新たな二十面相は生まれ続けるのだろうか?
まあ、そういう結末ならそれはそれでいいと思う。このアニメに限ってはバッドエンドでも悪くない。

ただ、「暗黒星を実行に移せば、開発者2人のうちどちらかが死ぬ」という暗黒星のルールと合致する状況をナミコシは作り出そうとしており、それが「アケチの命を救うため」だとしたらなんだかすごく嫌だ(笑)
このままでは増え続ける二十面相によってアケチはどんどん追い込まれていく、何より暗黒星の予言ではナミコシが生きている限りアケチの命の保証はないのだ。
だから、アケチ君を守るために僕が消えるよ…みたいな結末だったら(゚Д゚)ハァ…?である。そんな結末望んじゃいない。


でも今回の展開を見る限り、最終回はとても不安だ。
多分、コバヤシ少年をハシバ君がなんとかする(フラグ回収)んだろうけど、アケチとナミコシの対決についてはアケチがウルトラCでも決めない限り勝ち目はない。
暗黒星にはアケチの行動すらも計算に組み込まれているからだ。アケチが何をしようとそれは暗黒星によって証明されていることで、逆に暗黒星で導き出されることしかアケチはできないのだ。

今回ナミコシがボソっと暗黒星の「限定的な実行」と言っていたが、アケチが付け入る隙があるとすればそこかもしれない。
森羅万象を計算する神の如き数式・暗黒星を「限定的に」使用してるならばそれは神の数式とは呼べず、そこに本来の神の数式をぶつければ後者の方が有利なはずだ。

ただ、そういった数式バトルを展開する暇もなさそうな感じなのがツラい。
黒蜥蜴やカガミやナカムラが放置なのもツラい。(黒蜥蜴はアケチに放置プレイされるの大好きだと思うが)
要するに上手いことまとまりそうな感じもないし、まとまったとしてもすごく小さくまとまりそうな気がしてならない。
果たして最終回どうなるか…。手のひら返ししたくなるほどのラストを期待する。