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アリのままでいたい
(2015年/日本)

【撮影総監督】
栗林慧
【監督】
鴨下潔
【キャスト】
カブトムシ
オオカマキリ
DAIGO
吉田羊
杉咲花
矢島晶子
藤原啓治

*感想

世界的に有名な昆虫写真家・栗林慧(くりばやし さとし)が、「アリの目線から見た3D映像の撮影」に挑んだのがこのドキュメンタリー映画。
自身が作った特殊カメラで3年に渡って撮り続けた昆虫の接写映像は、私たちが普段見ることのない昆虫世界の数々の奇跡をスクリーンに映し出す。



特に私は昆虫大好き人間ではないし、むしろ虫は苦手なのだが(見るのは大丈夫だが触ったり手に乗せたりはためらう)、世界初の3D昆虫映画がどのようなものかと思って観に行ってみた。

正直、虫ばかりで退屈するのではないかという不安もあったのだが(個人的にドキュメンタリー映画には退屈した思い出が多い)、今作が映画監督デビューとなった鴨下監督はTBSでバラエティ番組などの演出の仕事をしてきた人だったから、今作はテレビ番組の軽いノリで気楽に見れた。
冒頭こそ真面目な雰囲気にDAIGOのナレーションが浮きまくっているが、カブトムシVSスズメバチの樹液をかけたバトルのゴングが鳴るとDAIGO起用の意味がよく分かる。

その他、地獄のミサワの絵によるアニメーションが所々で挿入されたり、昆虫映画を観に来た子供たちを飽きさせない工夫がよくされているように思った。
吉田羊と杉咲花という年代の違ういま注目の女優のナレーションも良かったと思う。



内容は、昆虫界の王者カブトムシと、草原のハンター・カマキリにそれぞれスポットを当て、そのエピソードの合間にいろんな昆虫のエピソードを挟んでいくという感じだった。
個人的にツチイナゴが茎を食べたり顔の掃除をしたりする仕草が萌えた。

そしてなんといっても衝撃的だったのが、カマキリの一生、特に交尾の瞬間が壮絶だった。
カマキリのメスは繁殖期の間、動くものをすべてエサと認識するのだが、それは求愛にきたオスですら例外ではない。
交尾しに来たはずがメスに頭からかぶりつかれるオス。死の接吻だ。

しかしここからが凄いのだが、オスは頭を失ってもなんと交尾だけは続けるのだ。
胸から上を食いちぎられても、動き続けるオス。生命の神秘というか、むしろホラーだ。
私もオスであるので、オオカマキリのオスのこの単純な本能の強い意志にはいろいろ思う所があった。

大人もビックリする昆虫ドキュメンタリー映画だ。