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ジュピター
(2015年/アメリカ)

【監督】
ラナ・ウォシャウスキー
アンディ・ウォシャウスキー
【キャスト】
チャニング・テイタム
ミラ・クニス
ショーン・ビーン
エディ・レッドメイン
ダグラス・ブース
タペンス・ミドルトン
ペ・ドゥナ
ジェームズ・ダーシー
ティム・ピゴット=スミス

感想(2015年4月19日、109シネマズ富谷にて鑑賞)

コケるコケると言われて本当にコケてしまったウォシャウスキー姉弟最新作。
つーかコケそうな映画をコケるって皆で吹聴したらそりゃあコケるに決まってるじゃないか…。
フタを開けてみたら意外と面白かった…ってなる可能性を奪っちゃダメだ…(TдT)

コケるとかビミョーとか言われてても結局公開終了間近に観に行ったのは、SFファンのはしくれとしての矜持かもしれない。
この手のスペースオペラなSF映画って「ジョン・カーター」や「エンダーのゲーム」などあまり興行的・評価的に振るってないようなので、少しでも頑張ってほしくて観に行くのかも…。

ただ、やはり率直に言って微妙な作品ではあると思う。
ウォシャウスキーズのヒット作「マトリックス」シリーズのような、アクションと哲学が同居した作品を期待するのは間違いかもしれない。
どちらかというと、「マトリックス」よりも、「スピード・レーサー」のように正統派エンタメ物語を圧倒的な映像美で描いた作品だろう。
お話自体は王道のヒロイック・ファンタジーで、残念ながら「映像は凄いけど中身は薄い」と言われがちな作風だ。



それでも私はこの映画を推したいので、見所を挙げていこう。
  • テイタムの尖った耳がキュート
狼と人間の遺伝子を併せ持つ戦士ケインは目元が濃い印象だったが、実は耳の先が少しだけ尖っていてカワイイ。
  • ミラ・クニスがSFシンデレラに
清掃員として働き詰めの毎日を送るヒロイン・ジュピター。そんな彼女が木星の女王に祭り上げられる展開はモロにシンデレラとかぶっている。でも、公開当時は実写版シンデレラの公開が迫っていたので、わざわざシンデレラ観るためにこの映画を選ぶ意味はなかったのだが…。
  • 天使を模した戦闘メカ、様々なガジェット
終盤でケインが乗り込むメカがとてもかっこいい。残念なのは「ウオオオオオオオオオ!!!!!」と叫びながら突っ込むしか能のないケインが操縦者だったこと(笑)かっこいいコンセプトアートの数々が公式サイトで公開中なので良かったら見てみてほしい。

その他、ケインの翼と役所たらい回し描写がテリー・ギリアムの「未来世紀ブラジル」を思い出させて、勝手に喜んだりしていた。
ショーン・ビーンの活躍にも満足だし、エディ・レッドメインもホーキング博士の時とは少し違う印象を残してくれた。

ちなみにこの映画はウォシャウスキーズが「クラウド アトラス」の撮影中に構想を練り始めたのだという。
ならば、「ジュピター」はある意味でクラウドアトラスのもう一つのエピソードと言えるかもしれない。
同じDNA、つまり生まれ変わりという要素が同じだし、普遍的な人間の感情を描いてる点ではクラウドアトラスの6つのエピソードと変わりないのではないだろうか。