七つの大罪
【監督】
岡村天斎
【キャスト】
梶裕貴
雨宮天
久野美咲
悠木碧
鈴木達央
福山潤
髙木裕平
宮野真守
*感想
鈴木央(すずき なかば)原作のアクション・ファンタジー漫画「七つの大罪」のTVアニメ化作品。
2014年10月から半年に渡って24話が放送された。
「日5」こと日曜夕方5時の放送だったので知っている人も多いはず。
剣と魔法が存在する中世風の世界観を舞台に、「七つの大罪」と恐れられる大罪人たちが王国の王女と共に、王国乗っ取りを企む聖騎士長や世界の危機に立ち向かうという物語。
本格派ファンタジーという触れ込みではあったけれど、初回からギャグの連続だし、可愛いブタが喋ったりと、対象年齢の下の方はけっこう低めなのかもしれない。
ただ、大人的にもけっこう見ていて楽しく、特に主人公メリオダスによるヒロイン・エリザベス王女へのセクハラの数々がこの作品の見所のひとつになっている。
ところかまわず隙あらばお尻や胸を触っていくメリオダスのそのスタイルは、けっこう古い漫画・アニメ文化のスケベ描写を彷彿させるものであり、ノスタルジーすら感じる。
それに加えて、エリザベスの何をされているのか分からないといった風の天然な反応は新しく、古臭くてベタなスケベ描写を新しい「萌え」として昇華させることにも成功していた。
女性キャラクターの魅力もエリザベス一人に集中していたため、メリオダスとエリザベスの物語が際立ったように思う。
ディアンヌも可愛かったが、それは巨人族なのに可愛い所がある…ということであって、諸事情で人間サイズになった時には逆に魅力が半減してしまった気がするし。
エレインが~とか、ジェリコが~とかいろいろ好みはあると思うが、やはり「美しいヒロイン」となるとエリザベスの一択だったと思う。
何が言いたいかというと、最近の深夜アニメのようにヒロインが飽和してないのが逆に新鮮だった。
ストーリー展開については、途中からあまり興味がなくなってしまった。
というのは、元から最強という設定が本当に言葉通りだったので、ハラハラする要素がなくなってしまったからだ。
第1話から、王国聖騎士など足下にも及ばない強さを誇っていたメリオダス。
中盤では、その身に秘めた魔神族の血も解放させ、ますます強くなっていく。
登場する悪役もどんどん強くなっていくのだが、メリオダスは常にそれを上回るポテンシャルを備えているので、結局の所、後出しジャンケンのようなことになっている。
最初から対処できる問題に対処しているだけ、ということに気付いてしまうと楽しめなかった。
強さのインフレーションは少年漫画に欠かせない要素かもしれないが、その速度も速すぎたと思う。
最終回ではあんなことになっていたわけだが、まだ物語も原作の連載も終わっておらず、もし2期をやるとしたらあれ以上の強さのインフレが起こるわけで、それはさすがに私はついていけないかもしれない…。
二転三転する展開も最初は驚いたものだが、だんだんと慣れてしまった。
各話の引きについては良かったが、あまりにもどんでん返しが多いと、頭が考える事をやめてしまってただ成り行きを傍観するだけになってしまう。
また、引きにつぐ引きで、作品のテンポも実は単調だったのではないだろうか?
夜のシーンなどは何回出てきただろう?つまり物語が始まってから最終話の時点まで、何日が経過したのだろう?
見ていた感じではほとんど日数は経ってないように思える。戦闘以外の日常シーンで起こるエピソードに重きを置いていないからだと思う。
これも少年漫画にありがちなことかもしれないが、わずかな日数の中で主人公とヒロインが強い絆で結ばれるというのがどうもしっくりこない。
最終話ではこれまでの旅に感慨が湧く演出だったが、実は出会ってまだ1~2週間なのではないだろうか。
まあ、そこまでマジメに考える作品ではないのだろう。(でも本格派ファンタジーって言ってるしな…w)
前述の通り、戦闘中でもギャグが交わされるような作風であり、たまに見せる本気の顔がかっこよければそれでいいのかもしれない。
ちなみに同じ枠でこの作品の後に始まった「アルスラーン戦記」の方がよっぽど本格ファンタジーじゃん…と思ったら、アルスラーン戦記は「世界最高のファンタジー」らしい。
なるほど矛盾はしていないな…(笑)
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