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ログ・ホライズン 第2シリーズ

【監督】
石平信司
【キャスト】
寺島拓篤
前野智昭
加藤英美里
中田譲治
山下大輝
田村奈央
松井恵理子
柿原徹也
藤井ゆきよ
原由実
高垣彩陽
久野美咲
村川梨衣
中村悠一
伊瀬茉莉也
藤原啓治
代永翼

感想

橙乃ままれ原作のWEB小説のTVアニメ化作品。
2013年の9月から第1シリーズ(以下、1期)が始まり、第2シリーズ(以下、2期)は昨年9月から今年3月まで半年間放送された。
1期が面白かったので2期をとても楽しみにしていた。

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監督やキャストは1期から続投だが、アニメーション制作がサテライトからスタジオディーンに変更。
制作スタッフの名前も監督以外ほぼ一新されている。

個人的にはキャラクターデザインの変更が大きなネックになった。
監督インタビューによれば、2期は戦闘シーンが多めになることを考慮したデザインにしたとのこと。
しかし、私個人は1期の柔らかく可愛らしい描写に惹かれて見ていた部分が大きかったので、2期のやや硬質というかエッジの効いたデザインは少し残念であり、最終話になっても結局慣れることはなかった。
制作プロダクションの変更はするもんじゃねえな、というのが私の視聴者としての結論だ。

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ストーリーの方は、1期と同じくスローテンポだったが、1期のようなジワジワと面白くなっていく感覚はあまり感じられなかった。
そもそも1期が、シロエ無双・アカツキ萌え・ミノリの成長(・セララ萌え)で盛り上げてはいたものの、終盤になるとあまり大きなイベントは起きず「2期につづく!」みたいな終わり方だったのだが、この2期も25話通しての大きなイベントというものは描かれず、やはり終盤2話でイベントをザクッと描いて「続編につづく!」みたいな終わり方になってしまっている。

原作10巻に追いついてしまってアニメが先行する状態にも最後なってしまったようだが、そのことが終盤のドタバタ感につながっているんじゃないかと勝手に考えてしまう。
原作者との打ち合わせで先の展開を知っていたとしても、やはりアニメ版スタッフは発表された作品を見て読んでからじゃないとその作品の面白さを客観的に評価できないのではないだろうか?
あるいは原作を新解釈で描くことも、原作者からの口伝で得た情報だけでは無理なことだと思う。

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1期ほどのアツい気持ちでは見られなかったが、各話、あるいは部分的に見ていけば面白いエピソードの連続でもあった。
前半は同時期に起こったシロエとアカツキをそれぞれ主観としたエピソードを集中して放送。
第4話~8話は、アカツキを主人公にアキバで起こった事件とアカツキの精神的成長を描いた。
このパートで、死んだ冒険者がどんな体験をするのかも描かれ、それが後半のエピソードにも活きてくる。

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第9話~12話は、シロエを主人公にMMORPGの花形でもある壮絶なレイドバトルを描いた。
ここでは戦闘系ギルド「シルバーソード」や1期で悪役として登場したデミクァスと共に、シロエのある遠大な計画のためにダンジョンを攻略する。
廃人ゲーマーであるウィリアム=マサチューセッツの廃人としての矜持や、シロエと相容れることのないデミクァスの流儀が描かれ、それなりにアツい回だった。
ただし戦闘そのものの面白さは描かれなかった気がするが。

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後半は、ログホラの年少メンバーたちの遠征の旅を描きつつ、変わり始めたエルダー・テイルの世界を描写していた。
生きることに絶望したオデュッセイア騎士団、プラントフロウデン内部の力関係や策謀、謎のお姉さん・ロエ2も登場。
さらに五十鈴のライブを通してエルダー・テイルには音楽が数十曲しか存在しないことを知る、という場面も。
基本的に年少メンバーたちの話になると何故か楽しくなる。

終盤はロエ2と月の関係性、そして現実世界に戻るためのヒントが提示され、そのためのレイドバトルが最終2話で描かれる。
ログホラの高レベル組と年少メンバーがおそらく初めて共同で大規模戦闘に参加し、その他お馴染みのメンバーも参戦した集大成的なバトル回。
ただ個人的にはこの時間制限付きのミッションこそもっと時間をかけて描いてほしかった。

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そんなわけで概ね楽しんだわけだが、1期のように手放しで絶賛できる内容ではなかった。
1期がアキバや円卓会議を創造する物語ならば、2期はそれを護る物語だった。
そして最後には「革新」の訪れを期待させる終わり方。
第3期をどれほど待つことになるのか分からないが(なんか原作者さん先月脱税で告発されたらしいし…)、おそらく冒険者たちとエルダー・テイルの関係性も決着するんじゃないだろうか?(その前に脱税の件を決着させねばだけど…)