2015-04-30-02-03-22

はじまりのうた(2013年/アメリカ)

【監督】
ジョン・カーニー
【キャスト】
キーラ・ナイトレイ
マーク・ラファロ
アダム・レヴィーン
ヘイリー・スタインフェルド
ジェームズ・コーデン
ヤシーン・ベイ
シーロー・グリーン
キャサリン・キーナー

感想(2015年4月8日、チネ・ラヴィータにて鑑賞)

最高に良かった。終始、多幸感に包まれている映画。

落ち目の音楽プロデューサー・ダンと、メジャー歌手の彼氏と渡米した先でケンカ別れした女性グレタが出会い、奇跡のアルバム制作を始める物語。
キーラ・ナイトレイはもともと好きな女優だから、彼女が輝きまくっているこの映画は本当に見てるだけで幸せだった。
今回のナイトレイさんはナイトレイ史上最もキュートかもしれない。

街角で路地裏でビルの屋上で勝手にレコーディングを始めた彼ら。
寄せ集めのバンドメンバー、一発録り、街の雑音も気にしないその制作姿勢は、音楽業界の色んなしがらみや、ポピュラーミュージックの在り方についてライトに批判してるようなものだと思う。

サントラがグラミー賞にノミネートされたというのもなんとなくそこらへんの反骨精神が共感を得たんじゃないかと勝手に推察してみる。
単に「良い曲」ばかりだったから評価されたわけではないと思うのだ。
これはポピュラーミュージックにして、アンチ・ポピュラーミュージックなのだ。

そしてその反骨っぷりがこの映画の場合はライトな印象なのだ。「FLANK」ほどひねくれてはいない(笑)
ぶっちゃけそんな反骨精神なんて感じずに観ることもできる。
「この業界はクソだ!」と声高に叫ぶのではなく、「ちょっと冒険してみようよ♪」と手を引いて連れて行ってくれる感じ。
その絶妙なバランス感覚が作品の多幸感につながっているんだと思う。



録音シーンなどはその多幸感が絶頂に達する瞬間だった。
寄せ集めのバンドメンバーが路地裏に集まりいきなりセッション。それがもう完成された音楽になっている。
作曲の過程やバンドとの音合せを一発録りに凝縮したようなシーンで、これはもう歓喜に震えながら聴いた。
このブログのタイトルどおり、感動する器官が活発に動いてしまった。

細かい所を挙げると、曲の最後の最後で、ヘイリー・スタインフェルドのギターとマーク・ラファロのベースだけになる瞬間があった。
曲のエンディングのギターソロに、ベンボンベンボンいうベースラインが最後まで付き合った形だが、これヘイリーとラファロの役柄の関係性は娘と父なのだ。
娘のギターソロをやさしく見守る父のベースライン。親心である。

アルバム制作後の「祭りの後」っぽさも含めてとても良い映画だった。
あーもう終わってしまうのかー終わらないでくれーと思いながら見ていた。
そしてエンドロールでのあの展開。最高かよ…。
メッセージ性云々などは置いといて、とにかく観ていて気持ちのよい映画だった。