冴えない彼女の育て方
【監督】
亀井幹太
【キャスト】
松岡禎丞
大西沙織
茅野愛衣
安野希世乃
矢作紗友里
赤崎千夏
柿原徹也
感想
気がつけば5月ですが、未だに冬アニメの感想書いてなかった…。
今回は「冴えない彼女(ヒロイン)の育て方」の感想を。
丸戸史明のライトノベルが原作。
2015年1月から3月までノイタミナ枠でエピソード0を含む全13話が放送された。
2015年1月から3月までノイタミナ枠でエピソード0を含む全13話が放送された。
監督は亀井幹太。この人は2014年春のノイタミナアニメ「龍ヶ嬢七々々の埋蔵金」も監督してるので、2014年度に2度も同じ枠で監督したことになる。(だから何だって話だけどもw)
ちなみに「七々々」と「冴えヒロ」の共通項は監督以外にも複数あって、原作が連載中のライトノベル、1クール使って原作の途中までをアニメ化、アニメーション制作がA-1 Pictures、そしてアニメ2期の話は決まっていない(泣ける)…などなど。
最近こういう「人気ライトノベルをとりあえず1クールだけアニメ化してみた」…みたいなのがけっこう多いような気がする。あと人気「コミック」を2クールだけ…ってのも多い?
面白ければいいんだけど、結局最後の結末まで描かれないから尻切れトンボな感じは否めない。
どうしても「俺たちの戦いはこれからだ」って感じになってしまう。この冴えヒロはそれすらネタにしていたけど(笑)
オタクの星こと主人公・安芸倫也(あき ともや)が、ある少女と運命的な出会いを果たし、その少女をモデルにギャルゲーを作ろうと奮起する物語。
倫也に好意を寄せる新進気鋭のライトノベル作家、霞ヶ丘詩羽(かすみがおか うたは)をシナリオ担当に迎え入れ、幼なじみの有名同人イラストレーター、澤村・スペンサー・英梨々(さわむら すぺんさー えりり)をグラフィック担当とした倫也は、冬コミへのオリジナル・ギャルゲー出品を目指してサークルを立ち上げる。
しかし、モデルとなった謎の美少女の正体は、実はクラスで一番キャラの立ってない、抜群のステルス性能をもつ加藤恵だった。
倫也は、恵を最高のメインヒロインにしてやろうと決意するが…。
初回の第0話、時系列を無視していきなり温泉サービス回から始まるという露骨な視聴者取り込み…。
しかし、その罠にまんまとかかった私です(笑)
2話以降はお色気控えめ(まあでも家族とは見れないくらいにはエロかったけども…)だったけど、ヒロインたちが普通に可愛かったし、会話劇としてトークも冴え渡っていたので、ストーリー的にはまったく惹かれない作品であってもそれなりに楽しめた。
特にキレのあるオタクトークは心地よさすらあって良かった。
倫也から発せられるオタク発言に冷静なツッコミを入れる詩羽先輩もオタク的な文法だし、英梨々は詩羽の挑発にいちいちガチのツンデレ反応を見せるし。
さらに「私、前回出番が全然なかったから」みたいなメタ発言もふんだんに盛り込まれていて、それも冴えヒロらしくて良かったと思う。
物語はうだつのあがらないプロデューサー倫也を中心にクリエイター女子たちとのドラマが展開する。
新進気鋭のライトノベル作家でありながら、倫也の夢物語に付き合ってあげる詩羽。
その詩羽をペンネーム霞詩子として尊敬する倫也。
恋愛に関しては詩羽先輩の方が(たかだか1学年上なだけなのに)完全にリードしているように見えて、実は倫也の方が詩羽の心を無自覚に支配している関係。
詩羽にとっては、ゲーム作りをやめることと倫也との関係が終わることはほぼ同義なのだろう。
英梨々も、自身の同人イラストレーターのキャリアに特段必要ではないギャルゲー作りに参加するのは、やはり倫也の存在によるものが大きい。
幼なじみという優位なポジションにありながらも、倫也に対して素直になれない英梨々。
それは小学生時代のある事件によって生まれたわだかまりが原因で、ある人物の登場によって英梨々と倫也は破局寸前まで行ってしまう。
幼なじみであるというアドバンテージも後半は意味をなくし、「パチモンの幼なじみ」と揶揄され精神崩壊する姿が面白かったが、そんな彼女が武装無しのありのままの想いを倫也にぶつけるシーンは良かった。
そして一応「メインヒロイン」としてサークルに参加する加藤恵。
平凡で無個性で自己主張が弱くやる気なさげでリアクションも落ち着いている彼女は、0話こそ目立ってなかったが、そのふわふわした話しぶりが可愛らしく徐々に存在感を増していった。
まあ、主人公がメインヒロインに見込んだ女の子なので、やっぱりメインヒロインなんだろう。
オタク要素が皆無だった加藤が倫也のレクチャーによって徐々にオタクを知り、そしてスクリプトの勉強なども始めていつの間にか本気でゲーム作りに取り組んでいく。
最終回直前の倫也と加藤の電話のやりとりが良かった。あの会話があっただけでもこのアニメを1クール見た甲斐があったと思う。
しかし、前述のとおり、彼らの戦いはまだ始まったばかりだ(笑)
原作もまだ刊行中ということで、どういう結末を迎える作品なのかは分からない。
ということは、最終的にメインになるテーマが何かということも分からないということだ。
なんだかんだで1クール、小さくキレイにまとまった感はあるが、それ以上の感想は出てこない。
仮に2期があるとしても1期の数倍面白い展開でなければ満足できそうにないし、そういう展開をこの作品でできるかどうかは疑問だ。というか、「仮に2期」を意識して伏線回収してない所もあるからな、これ…。そういう所が非常にモヤモヤする性分で…。
目の保養にはなるアニメだったが、「七々々」と同じで1年で忘れてしまいそうな気がしなくもない…。
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