アップルシード アルファ
(2014年、日本/アメリカ)
【監督】荒牧伸志
【アニメーション制作】
SOLA DIGITAL ARTS
ルーセント・ピクチャーズ・エンタテインメント
ソニー・ピクチャーズ・ワールドワイド・アクジション
【声の出演】
小松由佳
諏訪部順一
悠木碧
高橋広樹
名塚佳織
東地宏樹
玄田哲章
堀勝之祐
感想(2015年1月17日、MOVIX仙台にて鑑賞)
第5次非核大戦によって、国家や情報網が破壊し尽くされたニューヨーク。元・SWATのデュナンと、彼女の恋人で全身サイボーグのブリアレオスは、不本意ながらギャングから依頼された仕事をこなして日々の糧を得ていた。
街を出たいと思いながらも叶えられない日々が続く中、自動兵器に襲われている男女を助けたデュナンとブリアレオス。
アイリスとオルソンと名乗るこの二人との出会いが、やがて人類の希望を守るための戦いへと二人を導いていく。
毎度革新的なフルCGアニメーションを見せてくれる「アップルシード」シリーズの最新作。
今までに作られた劇場版第1作「APPLESEED」第2作「エクスマキナ」の続編ではなくて、新たに起動したリブート作品ということでいいようです。
監督は前2作にも携わっているアニメ監督の荒牧伸志。
今作は海外の脚本家が執筆していて、日本公開よりも前に北米で公開されました。
海外向けに作られた作品と言ってしまっていいと思います。
個人的にはそれが功を奏したと思っています。
ジャパニメーションとしてではなく、映画として面白いものになってるんですよね。
まるでハリウッドのSFアクション映画を観ているような感じでした。台詞回しもストーリー展開も。
さらに最大の見所である映像。
今作はアニメっぽさを捨てて完全にリアルCGで生身の主人公や有機的な背景も描いています。
その精緻さといったらなくて、驚いたのは少女の額に浮かぶ一瞬のシワまで再現してみせたこと。
二次元アニメではまずやらないことをあえてやることによって、映像の説得力が半端ないものになっています。
表情の微妙な変化も完璧。デュナンなんて実際こういうハリウッド女優いそう、と思えるほどでした。
私は監督の前作「キャプテンハーロック」も映画館で観て、その完成されたリアリティに唸ったんですけど、今作はまた映像が進化してるのがすごいなと…。
このまま行ったらどうなるんだろう、と期待しかありませんね。
そんなわけで、世間的にはスルーされがちな作品ですが、私はけっこうオススメだと思うんですよ。
アニメファンよりもむしろ洋画好きにこそ見てみてほしい映画です。
ストーリーも始まりの物語ということで、アップルシード知らない人も楽しめる内容になってますし。
ただ、楽園とされる「オリュンポス」について何度も言及されるんですが、そこだけは知らない人にも知ってる人にもネックになり得るのかな…とは思いますが…。
でも、気になるのはそれくらいで、あとはもうアップルシード観てるとは思えないくらい普通の映画してました。
この革新的な映像で普通に面白い映画を作るというの、私は全然アリだと思いました。
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