original (3)

デス・ビリヤード

【監督】 
立川譲 
【アニメーション制作】 
マッドハウス 
【声の出演】 
前野智昭 
瀬戸麻沙美 
中村悠一 
筈見純 

*感想 (2015年2月11日、DVDにて鑑賞)

文化庁委託による若手アニメーター育成事業「アニメミライ」。 
「デス・ビリヤード」は、その事業を通して制作された25分のアニメーションです。 
2013年3月には、他の短編アニメーションと共に「アニメミライ2013」として劇場公開もされたんですね…。 

今年の1月からは「デス・パレード」というタイトルでTVシリーズが始まりました。(ミヤギテレビでは2月から) 
私はそれで知ったクチで、TVシリーズ見る前に元々の短編を見ようと思い立ち、見た次第。 
ちなみにレンタルはTSUTAYAだけ!しかも短編1作品ずつに分かれているので見たいのだけ見れます!…なんだかなあ(´・ω・`) 



謎のBARに閉じ込められた老人と青年。 
バーテンダーは冷静な口調で二人がこれから「命を懸けて」ビリヤード勝負をすることを伝える。 

何故そんなことをしなければならないのか、勝てばどうなるのか、負ければ…? 
バーテンダーは一切の質問に応えず、仕方なしに老人と青年は奇妙なビリヤードを始めることに…。 

謎のまま進む物語ですが、なんと謎のまま終わります(笑) 
結局、二人を天国と地獄に振り分けるために、勝負を通して何をジャッジしているのかも分からなかったですし、二人がどういう審判を下されたのかも明かされていません。 

こういう、物語の結末を鑑賞者の自由な解釈に委ねる表現を、「リドル・ストーリー」と呼ぶそうですね。 
でもさすがに何も答えなさすぎでは…。「結局、どっちがどっちに行ったの?」という女性店員の問いも一蹴で、さすがに笑うしかなかったですね。 
普通、そこで答えるでしょ!(笑) 

しかもこの作品はアニメミライのための単発の作品として作られてますからね…。 
続きがないということは、謎が明かされることは永遠にないということ。 
人間心理を扱っているように見えて、そこの所で評価しようがないこの作品は、ぶっちゃけ「物語」としては肩透かしを食らったようでもあります。 

ただ、種明かしをしなかったことで謎が残り、「デス・パレード」が作られる余地が生まれたのかもしれないですが。 
ちなみにデス・パレードの1話見たらエレベーターの行き先、あっさり明かしていて、なんだかなあ(´・ω・`) 
(デス・パレード見終わったらまとめの感想書きますね…) 
(最近ブログがデス・マーチ…)





*以下、個人的な解釈のようなもの。(ネタバレを含みます) 





いろいろ謎はあるんですが、大きな謎はBARについてのバーテンダーの説明と、終盤での老人の行動。 
BARについてはTVシリーズで今後明かされていくでしょうから、今回限りの登場だった老人について考えるべきでしょうね。 

感情的で浅はかな面もある青年に対して、老人は穏やかそうな第一印象。 
しかし、物語が進むと実は狡猾な面もありそうな人物でした。 

走馬灯の中で、実はビリヤードの名手であったことや、若い時は喧嘩が強かったようなカットがあります。 
この喧嘩の描写、見た感じでは「弱者をいじめる側」に立っていたようで、その後罰を受けることもなく、結婚し子供をもうけ、幸せな人生を歩んでいた様子。 
途中で披露する軽い身のこなしの裏付けとして喧嘩が強い設定ではなく、性格づけにも大きく影響しているのではないでしょうか。 

そう考えると、老人は実は自己中心的な人物で、目的のために好々爺を演じていたのかもしれない。 
目的とは、天国に行くこと。 
そのためには相手の青年を地獄へ蹴落とさなければならない。 

老人がバーテンダーにした耳打ちの内容と、エレベーターが閉じる瞬間の不敵な笑みについて、作品中ではまったく答えが明かされず、見た者が想像するほかありません。 

老人が狡猾な人間で、青年を出し抜こうとしていたと仮定すると、耳打ちの内容は取り乱す青年を地獄に落とすよう進言したもので、最後のニヤリは、自分の天国行きを確信した勝利の笑み、ということで一応辻褄は合うような気がします。 

ただ、実際老人が向かったのが天国か地獄かはこの短編の中では明かされず、老人が報いを受けたのかは謎のまま。 
般若と小面の意味から天国行き地獄行きを見定めるなんて知識のない私にはムリです(笑) 
そもそも報いを与えるための裁定なのかもよく分からないですし…。