ビフォア・サンライズ 恋人までの距離
(1995年、アメリカ)

【監督】
リチャード・リンクレイター
【出演】
イーサン・ホーク
ジュリー・デルピー

感想(2014年2月6日、DVDにて鑑賞)

列車の中で意気投合した若い男女が、途中下車したウィーンの街を一晩歩き回りながら、愛を芽生えさせていくというロマンティック・コメディ。
公開当時の邦題は「恋人までの距離(ディスタンス)」というもので、その後、この続編の「ビフォア・サンセット」に揃えるように原題の「ビフォア・サンライズ」が付け足されたようです。

で、先頃公開された(私は見逃した)「ビフォア・ミッドナイト」が3作目。
それぞれ1995年、2004年、2013年の作品ですが、この3作に渡って主人公ジェシーとセリーヌの愛が描かれる……という奇跡みたいな3部作になってます。

ですが、この「ビフォア・サンライズ」は単体としても充分楽しめる作品ですね。
ちなみに私は、これを見る前に続編と知らずに「ビフォア・サンセット」を見てしまったクチです(笑)



列車でたまたま隣り合わせた、アメリカ人の青年ジェシーと、フランス人の女学生セリーヌ。
意気投合した若い男女はウィーンで途中下車。
お金も無いしホテルに泊まれないからと、夜通し話しながら街を散策します。

恋愛観や哲学を語らい、互いに惹かれあっていく2人。
しかし、朝になれば2人は別れる運命にあり、その時は刻一刻と近づいてくるのでした…。



行きずりの恋とか経験ないのでアレですが、実際どうなんでしょうね。
旅先で一目惚れした場合でも想像してみますか…(笑)
仲良くなれたとしても旅の終わりには離ればなれになってしまうんですよね…とても切ない。

お互いにこれが運命の相手だと思ってるのに、それがムリだと気づいている…。
むしろそれすら運命のいたずらなのかもしれないけど、とにかく朝までの時間制限がなんともやりきれません。
時間経過と共にだんだん切なさ募ってきて…ヤバいです。

アメリカとフランス…大西洋を隔てた圧倒的な距離(ディスタンス)が2人の間に横たわります。
会いたい時に会える距離ではないし、遠距離恋愛がどんな結果を生むかを知らないほど若くはない2人。

見てる方としてはどんどん感情移入していって、もー国とか距離とかどーでもいーじゃん!なんとか2人をくっつけてあげてよ監督!…みたいな気分になってきましてね…(笑)

それに対する結末がなんともニクい展開ですね。
簡単に会えないこと、遠恋は失敗すること、一夜の恋で別れるのが一番良いこと…それらを確認しあった2人が前言を翻してあの約束…。
あの状況で唯一の希望を提示して終わるとは…監督やるぅ~♪