愛しのローズマリー(2001年、アメリカ)

【監督】
ボビー・ファレリー
ピーター・ファレリー
【出演】
グウィネス・パルトロウ
ジャック・ブラック
ジェーソン・アレクサンダー
レネ・カービー
スーザン・ウォード
ジョー・ヴィテレリ
アンソニー・ジェイ・ロビンス
ジル・フィッツジェラルド

感想(2014年2月9日、TV録画にて鑑賞)

あなたは異性を外見で判断する人?それとも内面で判断する人?
内面が美しければ外見はどうでもいい?
この映画はそんな極論をコミカルに描いた快作です。



主人公は投資信託銀行に勤めているハルという男。
良い仕事に就いているし、それなりに仕事はできるみたいですけど、残念なのは、演じてるのがジャック・ブラック(笑)
背が低く小太りで、ちょっとイケメンとは言えない容姿の主人公です。

そんな彼は、自分の外見とは釣り合わないセクシー美女ばかりを狙っては玉砕する毎日。
しかし何度フラレてもまったく懲りず、逆に自分の外見に見合った女性には目もくれません。

そんなある日、偶然出会った精神治療医が、ハルに催眠術をかけます。
その瞬間からハルの目には、人の内面が外見となって見えるようになります。
心の美しい女性は美女に見え、内面の醜い女性は外見も醜く見えるようになるのです。

そしてハルは、とても美しい女性ローズマリーと出会います。
しかし、ハルにはスマートで美人に見えるローズマリーは、実際は136キロの巨体の持ち主でした。ハルはそのことにまったく気付きません。

セクシー美女ばかり追いかけていたハルが突然太った女性と付き合いだし、友人はハルが狂ったんじゃないかと疑います。
そして何よりローズマリー自身も、バカにされているのではないかと困惑するのですが……。

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↑体重136キロのおデブちゃんローズマリーですが……。
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↑心が美しいため、催眠術をかけられたハルにはこう見えます(笑)



ジャック・ブラック主演のコメディ作品って、何気にいいですよね。
賞レースに絡んでくるような名作ではないけれど、娯楽映画という感じで、見ると元気になれます。
難しいのばっかり見てると頭バカになりますからね(笑)

ローズマリー役のグウィネス・パルトロウは「アイアンマン」のペッパー・ポッツ役でお馴染みですね。
「アイアンマン」を見た後だったので期待して見ましたが、可愛くて良かったです。
終盤の肥満体特殊メイクは衝撃的でした(笑)

至る所に笑いが散りばめられているので、とても笑わせてもらいましたね。
見た目スマートなグウィネス・パルトロウですが、役の設定は136キロのため、何度か椅子を壊します(笑)
それから湖でのボートの件とか爆笑でしたね。



この映画、当然と言えば当然ですが、ハルにかけられた催眠術があるきっかけで解けます。
今まで見ていたスマートで美人なローズマリーは消え、とても太った女が目の前に現れた時、ハルがどんな反応を示すのか……。
それでも愛を貫けるのか……?そこは当然気になりながら見てました。

まあ、ラストはあまり深く考えないハッピーエンドで良かったです。
これが現実だったらどうなっただろう……なんて野暮なことは考えない(笑)

ある意味で、「美しさ」というものに過敏になっている現代社会。
まるでセレブたちの美しさが人類が目指すべき目標みたいな強迫観念がありますけれど、実際はそうじゃない。美しさの物差しはもっとたくさんあるんです。
自分に合うパートナーはきっといるよ、という前向きなメッセージを言ってるように思いました。



ちなみに、外見で人を判断するということ自体を私は否定しません。
自分が今まで生きてきて出会った顔、TVで見た顔、いろんな要素が合わさって「好きな顔・嫌いな顔」があるのだと思います。
だから、「嫌いな顔」は嫌いなものとして認めるべき。そこで無理矢理「人は内面だから」と自分に言い聞かせて好きになろうとしてもそれはストレスですよね。
まして伴侶ともなれば何十年も一緒に暮らすことになるわけです。見た目を無視して決められるような選択ではないと思います。

人間を評価する物差しは「外見」だけではない……ということは、逆に「内面」だけでもないんですよ。
性格を重んじるなら、それと同じくらい見た目も重要視するべきじゃないですか。
何故、良識を持った人たちは外見で人を判断するな、と言うのだろう。
日々、人は人を服装や人種や学歴や話し方で判断しているのにね。